四日市から名古屋への近鉄特急での移動

記事上部注釈
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三重県の四日市と愛知県の名古屋市。この間の行き来はそれなりに多く、JR線の快速は30分間隔、近鉄の特急は20分間隔で運転されています。近畿地方と中部地方を結ぶ特急列車に乗ってみました。

写真1. 名古屋に着いた特急

復習:四日市と名古屋の移動

まず、四日市と名古屋の移動方法についてまとめます。

JR近鉄
所要時間29~34分(快速)29分(急行だと37分)
運賃(+料金)480円1160円(急行利用だと640円)
運転間隔30分間隔20分間隔

四日市と名古屋の間にはJR関西本線と近鉄名古屋線が通っています。JRは快速が30分間隔(このほかに普通が30分間隔)、近鉄は特急が20分間隔(このほかに急行が20分間隔)で走っており、近畿地方と中部地方という2つの地方の行き来の割には利便性が高いです。

私のように関東民にとっては「JRは私鉄より高い」というイメージがありますが、近鉄は比較的高い価格の私鉄であり、JR線は特定運賃(本来の価格より割安の価格)を適用しており、四日市と名古屋の行き来はJRのほうが安いです。

利便性は近鉄が勝ります。特急が20分間隔で発車しており(名古屋断面ではもう1本あるが、この特急は四日市にはとまらない)、急行も20分間隔で発車します。JR線は快速が30分間隔、普通が30分間隔なので、ちょうど1.5倍の本数です。ただし、JR線は昔より相対的に利便性が向上しており、1988年ダイヤ改正までは普通のみ毎時1本(1988年から毎時2本)でしたから、ここ30年の利便性の向上は目を見張るものがあります。

図1. 近鉄四日市駅と四日市駅の位置関係(googleマップより引用)

ここまで鉄道に乗っていることばかり考えて記しましたが、最も大きな違いは駅の位置かもしれません(図1)。近鉄四日市駅は街の中心部に位置するのに対し、JR四日市駅は街外れに位置します。運転間隔に若干のずれはあっても、四日市の目的地に近いほうを選ぶでしょう。また、湯の山線沿線利用者であれば、わざわざ近鉄駅からJR駅まで移動することもなく、近鉄を選ぶでしょう。

実際に近鉄特急に乗る

御託はこの程度にして、実際に近鉄特急に乗ってみましょう!

実際の乗車まで

私はyahoo!乗換案内で四日市から名古屋への先着列車を探していたのですが、yahoo!乗換案内で近鉄特急のインターネット発券ページに遷移できます。そのため、yahoo!乗換案内からそのまま近鉄特急券を購入しました。

図2. yahoo!から近鉄のサイトに遷移できるようす

私は近鉄湯の山線で四日市に移動する最中にインターネットで予約を完了させたのでした。

写真2. ホームの自動券売機

ホームにも特急券の自動券売機があります。直後の特急に特化した形態なのでしょうか。ホームで特急券を購入でき、どこかのJRの成田エクスプレス(改札外で買うように言われる)よりも親切に見えます。会員外でも特急券単体をインターネットで購入でき、民鉄はチケットレスが進んでいる印象です(あの長野電鉄でも特急の指定席券はインターネット購入可)。

写真3. 特急名古屋行きがやってきた

賢島からの8両編成の特急です(写真3)。近鉄名古屋線の(近鉄四日市にとまる)特急は伊勢方面が毎時2本、大阪方面が毎時1本であり、両者が重なる津以北(※)は20分間隔で運転されます。

※路線図上では伊勢中川のように見えるが、名古屋と大阪を結ぶ近鉄特急は伊勢中川のホームを通らないので、利用者的には津以北となる。

余談ですが、近鉄四日市と大阪方面の乗車チャンスは毎時1回ではなく、毎時2回です。「大阪方面と四日市を結ぶ特急は毎時1本なので、乗車チャンスも毎時1回では?」と思いがちですが、毎時1本の大阪-伊勢方面の特急と名古屋-伊勢方面の特急は伊勢中川で同じホームで乗りかえられ、後の直通の特急を待つよりも早く着けるのです(大阪市内へ急ぐ人は津で乗りかえたほうが早い)。

写真4. 比較的新しい車両が連結されている

近鉄特急はばくち的なところがあり、古い車両と新しい車両が混合で運用されます(写真4)。趣味誌の記述によると、日によって車両が異なり(11:08発が古い車両ということも新しい車両ということもあるということ)、混結も日常茶飯事です。そのため、私は古き良き車両か、新しいナウい車両のどちらも覚悟していました。

車内の簡単な紹介

今回は22600系という汎用特急車では最新の車両に当たりました。その車内を簡単に紹介しましょう。1-4号車はサニーカー、5-6号車は22600系、7-8号車は22000系という陣営でした。

写真5. ナウい車両の内装

私は後ろ寄りのナウい車両に当たりました(写真5)。この座席カラーは22600系電車ということでしょうか。そうであれば、近鉄汎用特急車の最新型にあったことになります。

写真6. 赤い座席と明度のくっきりした床と壁

彩度が低い床・壁があり、床と壁の明度差がはっきりしています(写真6)。そして、目に入る高い彩度の座席。これはまさしくモダンな配色です。

写真7. 座席を眺める

反対方向から客室を眺めました(写真7)。西日本の特急車両らしく、荷棚の下にも照明があります。また、通路の照明は間接照明(床から光源が見えない照明)であり、洗練された雰囲気を醸し出します。

写真8. 座席を眺める

横から座席を眺めました(写真8)。足載せもあり、「汎用」特急車といえ、決して「特化」特急車に劣っているわけではないことを実感します。

写真9. サニーカーの様子

このとき、前4両はサニーカ―が連結されていました(写真9)。座席の色が印象的です。

実際の車窓を楽しむ

せっかく窓割と座席割が一致した車両に乗ったのですから、車窓を楽しみましょう!

写真10. 田園風景が広がる

近鉄四日市を出てしばらくは市街地が広がりますが、その先は田園風景が広がります(写真10)。

写真11. 三岐鉄道が分岐する

近鉄富田を通過したあと、三岐鉄道が分岐します(写真11)。

写真12. 関西本線をまたぐ

関西本線をまたぎます(写真12)。近鉄名古屋線のほうが後に開業したので、先に開業したほうをまたぎます。

写真13. 住宅が増えてきた

住宅が増えてきました(写真13)。次の停車駅の桑名が近づき、桑名の市街地の中に入りつつあるのです。

写真14. 桑名に停車!

桑名に停車します(写真14)。年末のためか、ここからも乗客はあまり見かけません。8両編成の必要もなく、多くて6両編成、あるいは4両編成で良さそうです。

写真15. 養老鉄道が分岐!

桑名を出ると、養老鉄道が分岐します(写真15)。

写真16. 関西本線をまたぐ

また関西本線をまたぎます(写真16)。写真を撮り忘れましたが、桑名の手前で関西本線と交差しています。

写真17. 関西本線と並走

関西本線と並走します(写真17)。この区間はあちらも複線電化ですので、大幹線のように見えます。

写真18. 揖斐川を渡る

関西本線と仲良く揖斐川を渡ります(写真18)。

写真19. 長島町に入った

長島町に入りました。県境を越えた雰囲気もありますが、ここはまだ三重県です。

写真20. 木曽川を渡る

次に木曽川を渡ります(写真20)。ここが三重県と愛知県、ひいては近畿地方と中部地方の境界です。

写真21. 313系2両編成を見かける

関西本線の2両編成が見えます(写真21)。あちらはJR化後に増発されたとはいえ、日中時間帯は2両編成ばかりです。私の乗っている特急は8両編成、急行は6両編成と、輸送量の格差を感じます。やはり四日市の駅の位置が大きいのでしょうか。

写真22. 田園風景が広がる

愛知県に入っても、田園風景が広がります(写真22)。近鉄特急は桑名と名古屋の間はノンストップであり、愛知県の各駅は急行などに任せています。

写真23. 富吉を通過!

富吉を通過します(写真23)。

写真24. 車両基地が広がる

車両基地が広がります(写真24)。

写真25. アーバンライナーがとまっていた

アーバンライナーがとまっていました(写真25)。このタイプはアーバンライナーplusだったかな?

写真26. 川を渡る

川を渡ります(写真26)。日光川でしょうか。

写真27. 高架区間に入る

名古屋の市街地に入り、高架区間に入りました(写真27)。近鉄名古屋線もこの付近は準急が加わり、都市圏輸送を整えています。

写真28. 庄内川を渡る

庄内川を渡ります(写真28)。

写真29. 八田付近を走行中

八田付近を走行中です(写真29)。これほど立派な駅ですが、特急はおろか急行も停車しません。

写真30. 名古屋駅付近の高層ビルが見える

名古屋駅付近の高層ビルが見えます(写真30)。名古屋にだいぶ近づいてきました。

写真31. 地上に舞い戻ってきた

地上に舞い戻ってきました(写真31)。東急ストアのような建物が見えますが、パチンコ台を作るメーカーです。

写真32. 米野を通過!

最後の通過駅の米野を通過します(写真32)。

写真33. 検車区が見える

検車区が見えます(写真33)。沿線風景ともこれでお別れで、ここから地下区間に入ります。

写真34. 名古屋に到着!

名古屋に到着しました(写真34)。

写真35. 折り返し特急五十鈴川行き

折り返し特急五十鈴川行きに変わります(写真35)。年末の伊勢方面行きとあってか、それなりに待っている人がいました。ここまで8両編成だったのは、年末年始の伊勢方面の需要に備えてのことだったのでしょうか。

四日市から近鉄特急に乗ってみて

今回、四日市から名古屋まで近鉄特急に乗ってみました。急行が使える条件のなか、快適性を重視して特急を選択した次第です。ファン的には決して注目されませんが、新しい車両であればかなりの快適性を確保され、旧式車両でもそれなりの快適性が確保されているように見えました。

そして、20分間隔の高頻度運転でいつでも乗れる安心感は大きいです。これは当然ながら四日市と名古屋の流動だけで成立しているわけではありません。ある意味、名古屋-大阪・伊勢方面の流動の「ついで」に乗せているようなものです。決してこれは悪いことではありません。四日市の流動があることで、逆に名古屋-大阪・伊勢方面の特急の採算性が良くなり、この系統の本数を維持することになるのです。

このように、多くの流動が同じ系統にあることによる利便性確保、この重要性を再認識したのです。

前後を読みたい!

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