マクデブルクからポツダム(ベルリン方面)への列車旅

記事上部注釈
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ザクセンアンハルト州の州都のマクデブルク。ここからドイツの首都、ベルリンまでは列車で行くことができます。その手前のポツダムまで乗りましたので、その様子を紹介します。

写真1. ポツダム中央駅に到着したRE1系統

復習:マクデブルクとベルリンの移動方法

まず、マクデブルクとベルリンの移動方法を紹介します。マクデブルクとベルリンを行く列車はポツダムを通りますので、下記の所要時間から30分程度を引くだけです。

マクデブルクとベルリンの移動方法

  • 距離:約150km(欧州時刻表には142kmとあります)
  • 系統:RE1
  • 所要時間:1時間45分程度
  • 頻度:1時間間隔

図1. マクデブルクとベルリンの経路(googleマップより引用)

マクデブルクとベルリンの位置関係を示しました。マクデブルクまでベルリン近郊の運転系統がやってきます。この系統はドイツのREとしては本数が多く、(通常のREで)1時間間隔のところ、30分間隔です。ただし、その運転頻度は途中のブランデンブルクまでであり、その先のマクデブルクまでは毎時1本(60分間隔)です。

図1. ブランデンブルク州の路線ネットワーク(VBBの公式サイトより引用)

図2. ザクセンアンハルト州の路線ネットワーク(INSAの公式サイトより引用)

図1と図2を見ると、ブランデンブルク州、ザクセンアンハルト州ともにRE1は1系統しかないことがわかります。これは双方ともに同じ系統を指します。

なお、ベルリンとマクデブルクの間は基本的にICやICEの運転はありません。ドイツ基準では距離もそう長くなく、ベルリン(※)を結ぶ東西方向の長距離列車がマクデブルクより北を通るという事情もありましょう。とにかく、快速列車に相当するREがメインです。

※ベルリンはドイツの東部に位置し、フランクフルト(ブラウンシュヴァイク経由)やケルン方面はマクデブルクの北を通る高速新線を通ります。

余談ですが、マクデブルクとベルリンを結ぶ列車は、ベルリンを通り越してフランクフルト(オーダー)に向かいます。このフランクフルトはドイツでも有名な都市(ヘッセン州のフランクフルト(マイン))ではなく、ポーランド国境にある小さな都市です。

この程度の距離であれば、ドイツ全土チケットを使うのが良いと思います。詳細はドイツでジャーマンレイルパスより安く乗る方法に書いています。

ここまで詳細に解説しました。公式サイトから予約できると思いますが、日本語で予約できないことに不安を感じる人もいるかもしれません。下記のサイトであれば、日本語で予約できるので安心です。


Omio:ヨーロッパ鉄道旅行交通予約サイト

また、その予約にはクレジットカードが便利です。

個人的にはエポスカード がおすすめです。

海外旅行に使えるカード:エポスカードで詳細を紹介しています。

マクデブルクからポツダムまで実際に乗る

御託はこの程度にして、実際に乗ってみましょう!

車両の外観と車内の様子

まず、車両の外観と車内の様子を示します。

写真2. マクデブルクに停車中のRE1系統

マクデブルクに停車中のRE1系統です(写真2)。ザクセンアンハルト州に東ドイツ鉄道(OEDG)のこの塗装の車両はやってこないので、目立つと思います。私が見た限り、6両固定編成と4両固定編成があり、6両編成か8両編成で運転されていました。

写真3. フランクフルト(オーダー)行きの表示

マクデブルク中央駅に停車中の様子です(写真3)。ドイツは鉄道密度が高いとはいえ、日本より土地の余裕があり、発車しばらく前に入線していました。

写真4. 1Fの様子

1Fの様子です(写真4)。欧州の駅はホームが低く、2F建て車両の場合、1Fはホームとの段差はそこまでなく、2Fのほうが段差が厳しいことが多いです。

写真5. 2Fの様子

2Fの様子です(写真5)。欧州らしく、進行方向の変えられない座席が多く配置されています。

写真6. 着座時の視点

着座時の視点です(写真6)。電球色の照明、白の壁、黒の座席のコントラストがイカしていますね!

写真7. 出入口に違い側にはロングシート

出入口に近い側にはロングシートが配置されています(写真7)。常磐線のクハ415、215系電車、首都圏普通列車グリーン車、京阪特急ダブルデッカーなどに慣れた目には、2F建て部分にロングシートがあるのは新鮮に映ります。ただし、ロングシート部分は窓が小さく、閉塞感があります。

写真8. 入口側を振り返る

入口側を振り返ります(写真8)。新しいのかきれいな車内ですね!彩度が低く、明度差がある色(要は白と黒)を採用してますので、モダンな印象があります。

車窓を楽しむ

マクデブルクからポツダムまでの車窓を楽しみましょう!

写真9. マクデブルク中央を発車!

マクデブルク中央駅を発車しました(写真9)。こちらはマクデブルクの中心街の方向です。

写真10. すれ違う

すれ違います(写真10)。このとき私は進行方向右側に座っていましたが、こちら側にも線路がある証拠、すなわち複々線以上である証拠です。

写真11. マクデブルクノイシュタット付近

マクデブルク中央駅から1駅進むとマクデブルクノイシュタットです。ここもまだ市街地に位置します(写真11)。駅に清潔感はありませんが、ある程度の利用はあります。

写真12. 北方向と分岐する

ここまで北方向に進みましたが、ここから東向きに進行方向を変えます。同時に北方向と東方向に分岐します。

図2. マクデブルクノイシュタット付近の路線ネットワーク(OpenRailwayMapより引用)

参考にこのあたりの地図を示しました(図2)。緑色の線がDBの線路です(桃色の線は路面電車です)。

写真13. 北方向の線路と分かれる

北方向の線路を分かれます(写真13)。

写真14. 郊外にやってきた

郊外にやってきました(写真14)。右のほうに車両がいくつか見えますが、何だろう?

写真15. 草原と森が広がる

市街地から抜けました。草原と森が広がります(写真15)。

写真16. 線路が多い

急に線路が増えました(写真16)。途中の分岐駅でしょうか。このあたりの駅もREは通過します。

写真17. またのどかな風景に変わった

またのどかな風景に変わりました(写真17)。

写真18. 集落が現れた

集落が現れました(写真18)。

写真19. そこそこ大きな集落

そこそこ大きな集落です(写真19)。Burg (Magdeburg)に停車です。RE1系統はここまで快速運転で、ここからいったん各駅に停車します。日本だったらここまでの途中駅4駅にとめ、途中駅の乗車チャンスをうたいそうですが、ドイツは比較的しっかり通過する印象です。拠点どうしの移動に重きを置いているのでしょうか。

写真20. すぐにのどかな風景に戻る

すぐにのどかな風景に戻ります(写真20)。このような住宅はドイツに多いですね!

写真21. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真21)。

写真22. Güsen(b Genthin)に停車!

ギュセンに停車します(写真22)。

写真23. 森の中を走る

森の中を走ります(写真23)。ザクセンアンハルト州の南側に比べ、木々が多いように感じます。

写真24. また広がる

森の次はこのようなのどかな風景です(写真24)。

写真25. 今度はダーチャ!

今度はダーチャです(写真25)。週末農園と言いましょうか。社会主義時代、ここでとれた農作物は闇市(=国営農場で管理されていないので国営市場には出せないのでしょう)に回ったといいます。ただし、食料難を回避するために国側も黙認していた模様です。社会主義政権の建前と本音の使い分けが読み取れます。

写真26. ゲンティンに停車

ゲンティンに停車します(写真26)。ここで乗る人がある程度いたと記憶しています。

写真27. 住宅街を走る

駅の周辺には住宅街があり(写真27)、それなりに利用があることも納得できます。

写真28. 駅間はのどかな風景

といっても、住宅街があるのは駅周辺だけです。駅間はこのようなのどかな風景が広がります(写真28)。

写真29. 人が降りる

人が降りる駅がありました(写真29)。地図を見ると、このあたりに湖があり、保養に訪れる人たちでしょうか。

写真30. 湿地帯を走る

湖があるということは湿地帯ということなのでしょうか。湿地帯も広がります(写真30)。

写真31. 駅に停車!

駅に停車します(写真31)。ここはどこなのでしょうか。

写真32. ブランデンブルクに停車中

ブランデンブルクに停車中です(写真32)。ドイツにブランデンブルク州がありますが、この駅はブランデンブルク州のブランデンブルク市(正式名称はブランデンブルク・アン・デア・ハーフェル (Brandenburg an der Havel))です。とはいっても、ブランデンブルク州の州都はポツダムです。

ここから毎時2本となり、半数は快速運転です。日本だったら、全列車が各駅にとまりそうです。

写真33. 畑が広がる

畑が広がります(写真33)。ベルリン中央駅まで60km程度で東京に対する茅ヶ崎・熊谷・古河あたりに相当しますが、東京周辺よりもずっとのどかな風景です。

写真34. のどかな風景が広がる

このようなのどかな風景が広がります(写真34)。東京地区がいかに人が多いのかが実感できます。

写真35. 住宅街もある

ここは通過しましたが、住宅街もあります(写真35)。日本よりも家が広そう…。

写真36. のどかな風景に戻る

のどかな風景に戻りました(写真36)。

写真37. のどかな風景が続く

のどかな風景が続きます(写真37)。

写真38. 家が増えてきた

家が増えてきました(写真38)。

写真39. Werderに停車!

ヴェルダーに停車します(写真39)。

図3. ヴェルダー付近の地図(googleマップより引用)

この付近の地図を示しました(図3)。湖が多いですね!

写真40. 湖を通る

湖を通ります(写真40)。正確にはハーフェル川ですが…。

写真41. リゾート感たっぷり!

リゾート感がたっぷりですね(写真41)!

写真42. のどかな風景を行く

のどかな風景を走ります(写真42)。

写真43. 水の町、ポツダム

私もポツダムに来るまで知らなかったのですが、ポツダム周辺には多くの湖や川があります(写真43)。水のリゾートという感じもあります。日本人の多くが知らない、ポツダムのもう1つの姿です。

写真44. ポツダムに到着!

ポツダムに到着しました(写真44)。この電車はこの先ベルリンを通り、ブランデンブルク州の端、ポーランド国境の手前まで向かいます。

マクデブルクからポツダムまで乗ってみて

マクデブルクからポツダムまで乗ってみて、最も感じたことは利用客の多さでした(ポツダム到着直前では立ちも生じていました)。マクデブルクという州都とベルリンという首都を結ぶ需要は一定程度あるのでしょう。そして、この両都市はICEやICで結ばれておらず、都市間需要は必然的にこのREに集中します。このことを考えると現在のサービスに追加してICを2時間間隔で運転しても良さそうです。

このほかに沿線に湖が多いことや森がずっと広がることも印象に残りました。そして、日曜に湖に向かおうとする人の多さにも驚きました。日本のイメージだと都心のショッピングセンターに向かう印象ですが(ドイツだと日曜のショッピングセンターは閉まっていますが)、ドイツは自然に向かう人が多い印象です。このような場面から国ごとの行動様式の違いにも気づかされるものです。

重要

今回の移動ルートについて深く知りたい人は以下の書籍をご購入ください。126ページから132ページに今回の移動ルートが掲載されています。なお、ポツダムは以下のように記載されていました。

ポツダムで、ベルリンに非常に近いため、ドイツの首都の郊外にすぎないと考えるかもしれません。しかしそれは、ホーエンツォレルン家の本拠地であり、帝国の権力の中心地であったポツダムの歴史的重要性と、東ドイツ最大の州であるブランデンブルク州の首都としての今日の都市の地位を誤解することです。ポツダムは絶対に「必見」です。

Nicky Gardner (著), Susanne Kries (著)
前後を読みたい!

(←前) マクデブルクの市内交通

マクデブルクからポツダム(ベルリン方面)への列車旅:現在地

ポツダムの街歩き観光(中央駅からのアクセスも収録!)(次→)

★全体のまとめ:23年GWドイツ・スイス旅行のまとめと振り返り

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