山陽本線岡山地区。地方にありながら、比較的本数が多い場所です。そんな岡山地区の夕方ラッシュ時の様子を2026年1月に確認しました。最混雑列車は18:16発でした。

写真1. 17時過ぎだと余裕はある
山陽本線岡山地区の夕方ラッシュ時の混雑状況のまとめ
- 最混雑時間列車は岡山断面で18:16と見積もられ、その混雑率は110%である
- 前よりがやや空いているが、車両による差はそこまで大きくない
- 上り(岡山に到着する向き)の利用はそこまで多くない
詳細は以下に記します。
山陽本線岡山地区の朝ラッシュ時の混雑調査の概要
今回の混雑調査の方法を紹介しましょう。この記事では、定点観測を行い、一定時間の全列車を対象にして各車両の混雑を目視で確認しています。これはプロも行っている調査方法です。
簡単に調査方法を紹介しましょう。一部の個人サイトでは混雑状況を書いているところもありますが、調査方法や混雑指標の言及がないのでう~んと考えてしまうところがあります。そのようなことを踏まえて、弊サイトではきちんと方法を示します(さすがー)。
表1. 混雑ポイントの基本的な概念と混雑率

120ポイント~160ポイントの様子をご覧いただきましょう(写真2-4)。いずれも個人情報を守ることを目的に、画質を落としています。

写真2. 混雑ポイント120ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

写真3. 混雑ポイント140ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

写真4. 混雑ポイント160ポイントの様子(写真3と異なり、ドア部分が圧迫されていることがわかります)
今回は2026年1月の山陽本線の岡山駅の西側の岡山-北長瀬の上下列車で確認しました。
山陽本線岡山地区(岡山-北長瀬)の2026年1月(夕方ラッシュ時)の混雑状況生データ

写真5. 寒いなか、岡山始発を待つ人たち(この日は岡山では珍しいくらいの寒さだった)
まず、実際の混雑状況の生データを示します(表2)。
表2. 山陽本線岡山地区(岡山-北長瀬)の夕方ラッシュ時の混雑状況生データ

また、各列車の混雑状況を視覚化しました(表3)。
表3. 山陽本線岡山地区(岡山-北長瀬)の夕方ラッシュ時の混雑状況生データ(各列車混雑を可視化)

山陽本線岡山地区(岡山-北長瀬)の2026年1月(夕方ラッシュ時)の混雑状況の解析

写真6. 悪天候が予測されていたためか、山陰方面の特急列車は空いていた
生データだけ示してもわかりにくいでしょう。そこで、多くの観点から混雑状況を解析します(やさしー)。
上下線の比較
最初に上下線を比較します。下りは山陽本線が約15分間隔、伯備線が30~40分間隔、上りは山陽本線が約15分間隔、伯備線が30分~50分間隔で運転されます。
事前の予想通り岡山発車列車のほうが岡山発車列車より混んでいる傾向にありました。ただし、3両編成がある程度埋まっていることもあり、都市に向かう方向であっても決して空いているわけではありません。
これは大都市圏よりも就業者における製造業の割合が高いと想像され、製造業の勤務地に郊外が多い点も指摘できます。
下り(岡山発車方向)列車の混雑状況の分析
最混雑列車は岡山18:16発の普通糸崎行き(混雑率110%程度)でした。この列車は山陽本線の前列車が19分開き、かつ先発の普通糸崎行きの発車時点ごろからすでに並んでいる人たちがいる点も焦点でしょう。また、伯備線系統によるフォローもなく、倉敷までの利用客もこの列車に集中する点も指摘できます。
逆に前列車間隔が12分かつ、(岡山地区としては)比較的編成長が長い5両編成の18:28発普通糸崎行きはそれなりに余裕がありました。伯備線系統は3両編成でやや混雑、4両編成でやや余裕がある状況でした。
朝に比べ輸送力が少なくともある程度の余裕があるのは、高等学校に通う生徒の利用がこの時間帯に少ないこともあるでしょう(私も関東地区で通勤していますが、朝8時ごろは通学客は目立ちますが、17時~18時だと通学客は目立ちません)。
山陽本線岡山地区(岡山-北長瀬)の2026年1月(夕方ラッシュ時)の混雑状況からダイヤを考える

写真7. 岡山地区の普通は案内上は「電車」扱い
はっきりと記すと、地方都市圏において立ちが発生することは落第点です。地方都市圏は鉄道網がまばらで(岡山地区は比較的密だが)、目的地が駅から遠い場面が多いことや道路渋滞が相対的に大都市圏より軽度であり、相対的に鉄道の競争力が低いためです。また、席を確保するために寒いホームで待たせる点も快適な環境で移動できる自動車交通に比べて劣ります。
とはいえ、110ポイント(ドア間のつり革が25%程度埋まる)のは許容範囲内でしょう。また、運転間隔が不均一で利用しにくい面もあります。そこで、15分間隔(伯備線は30分間隔)として、下りは4両編成、上りは3両編成にするほうが良いでしょう。ただし、特定の列車が混雑することになりますから、金光行きの区間運転と区間快速(倉敷と新倉敷と金光から各駅に停車)を運転し、ピンポイントでの輸送力増強と速達性向上を両立させることも手です(要員に関してはワンマン化で対応)。この場合、岡山断面で続行する箇所はかえって空いてしまいますので、続行しない箇所との間隔を調整するのも良いでしょう(区間快速と普通が4分続行、かつ30分間隔で設定するなら、もう1本の普通は13分間隔とするなど)。
山陽本線の岡山地区はポテンシャルが高いように見えます。現在は民間会社運営ということもあり、そのポテンシャルがじゅうぶんに発揮されていないように感じます。これはひとえに鉄道会社の失策だけでありません(道路交通のようにインフラが行政負担なら鉄道会社の負担は一気に変わるでしょう)。この点は国全体の問題、ひとえに国の主権の国民1人1人の選択の結果でもあるのです。