【逆ラッシュ】常磐線の朝下りの混雑状況

朝ラッシュ上りの混雑がメディアで取り上げられる一方、下りの混雑について触れているものはあまりありません。首都圏の大動脈である常磐線を1つの題材に、朝下りの混雑を実際に調査しました。

2018.11.3 東京に入線するE531系

写真1. 東京から常磐線に直通する列車もある


常磐線下りの混雑状況まとめ

・中電(取手より遠くに直通する系統)が混んでいる
 ※そういっても、満員電車とは程遠い混雑ですので、ご安心ください

・編成でも中ほどの6号車~12号車が混んでいる
 ※そういっても、必ず座れるわけではない、程度の混雑です

・座りたければ、1号車、2号車、14号車と15号車が良い

※上りの混雑については、常磐線の混雑状況(朝ラッシュ時、日暮里到着時)でご覧になれます。

調査区間の選定

常磐線(下り)に乗っていると、上野と日暮里で乗り込みが多くあり、そのままの混雑で北千住に到着します。北千住で入れ替わりがあるものの、おおむねその混雑で松戸まで向かいます。

そのような傾向を知っていたので、私の用事を加味して日暮里発車時点での混雑を実際に調査しました。

調査方法の紹介と調査の生データ

さて、実際の混雑調査方法とその調査結果をお見せします。

混雑調査の方法

私は混雑状況を調べるのに、実際に駅ホームに立って各車両の混雑状況を確認しています。データ採取方法の細かな点やデータ処理方法(各測定者の誤差の修正方法など)に違いはあるでしょうが、おおむねプロフェッショナルが採用している調査方法です。このような調査を行う関係上、混雑率を直接測定するのは大変です。そこで、弊ブログでは混雑ポイントという概念を導入しています。

表1. 混雑ポイントの概要

乗車ポイントの概要

この表だけではわかりにくいと思いますので、実際の120ポイントの様子をお見せしましょう。

混雑ポイント120ポイント相当

写真1. 混雑ポイント120ポイントの様子

混雑状況の生データ

さて、実際の混雑状況を示します(表2)。

表2. 常磐線朝下りの混雑状況

常磐線朝下り混雑状況(日暮里発車時)

全体としてそこまで混雑していないことがわかります。なお、中電(取手より遠くに行く系統)については青の網掛け表示としております。

混雑状況の解析

では、混雑状況を分析しましょう。列車ごとの分析と車両ごとの分析を行うとわかりやすいでしょう。

列車ごとの混雑状況の分析

分析の最初は列車ごとに混雑状況に差があるかの確認です。

最初にわかることは、7:42発快速勝田行きが最も混雑していることです。この時間帯では唯一の品川始発、そして遠方まで直通するという事情が影響しているのでしょう。では、これは品川始発であるためなのか、それとも中電だからなのでしょうか。その答えは、他の中電の混雑状況にあります。朝のラッシュ時ということもありますから、時間帯が30分ずれるだけでも傾向は変わります。そこで、中電を抽出して前後の快速と比べて混雑しているかどうかを見てみます。こうすれば、中電が混雑しやすい傾向にあるかどうかがわかります(この考えを採用した理由は下のコラム参照)。

・7:22発快速土浦行きは、前後の快速よりも混雑しています
・7:51発快速勝田行きは、前の快速よりも混雑しており、後の快速と同等の混雑です
・8:06発快速勝田行きは、前の快速よりも混雑しています(後の快速の混雑は調査していません)

このように、中電が混雑することがわかります。取手までの利用客はわざわざ中電を選ぶ理由がありませんから、取手より先に通勤する利用客がそれなりに存在することも読み取れます。つまり、7:42発快速勝田行きは中電だから乗客が集中し、さらに品川始発だからより混雑するということです。

コラム.前後の列車と比べる理由
時間帯によって混雑率が変わる場合は、前後の列車と比較すると良いと述べましたが、その理由を簡単に説明します。

仮に、10分経過すると混雑率が10%ずつ上がるとしましょう。この場合、各列車の集客条件が全く同じとすると、以下の混雑率になるはずです。

・7:20発 混雑率50%
・7:30発 混雑率60%
・7:40発 混雑率70%

このような条件の場合、7:30発の混雑率は60%、そしてその前後の2本の平均は混雑率60%(=50%と70%の平均値)と同一です。

ここでは10分経過すると混雑率が10%上昇するという条件で考えましたが、この条件はいくらでも同じ結果です。

このように、時間経過による乗車率の変化をキャンセルできると考えました。この考えから、集客条件が同じであれば、「その列車単体の混雑率」と、「前後の列車の混雑率の平均」が同じになると考えました。

逆にいうと、「その列車単体の混雑率」が「前後の列車の混雑率の平均」が異なるということは、集客条件が異なるということです。「その列車単体の混雑率」が高い場合、その列車は何らかの集客要因があり、「その列車単体の混雑率」が低い場合、その列車は何らかの避けられる要因があるということです。

号車ごとの混雑状況の分析

次に、号車ごとの混雑状況をまとめましょう(表3)。10両編成の2本については、この分析の対象から外しています。あくまでも15両編成の混雑状況の分析です。

表3. 常磐線朝下り混雑状況(日暮里発車時、号車ごとのまとめ)

常磐線朝下り混雑状況(日暮里発車時、号車ごとのまとめ)

この表を眺めると、以下のことがわかります。

・7号車から13号車は立ちが発生している
・編成の端が空いている
 ※14号車と15号車は1号車と2号車よりも混んでいます。これは上りとは異なります。この理由として、下りの乗車は日暮里が多く、1号車と2号車が選ばれないためと推定します

座りたければ、1号車~5号車か14号車と15号車が良いことがわかります。


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