東武60000系の車内(東武アーバンパークラインの車内)

記事上部注釈
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東武で比較的新しい60000系電車。現在の東武アーバンパークラインを代表する車両です。そんな東武60000系の車内を観察しました。

写真1. 船橋に入線する60000系電車

復習:東武60000系の概要

簡単に東武60000系について紹介します。

東武60000系の概要
  • 車体:アルムニウム製
  • 車両:4ドアロングシート車(20m車)
  • 編成:6両編成
  • 運用:東武野田線(東武アーバンパークライン)

東武アーバンパークラインについては将来の5両編成化が想定されていますが、2024年2月時点での情報を記しました。

60000系は東武アーバンパークラインで使われている車両です。長い間8000系天国の野田線に10030系が投入されたことに驚きましたが、さらに専用の最新車両を導入した点が長らくのファンを驚かせたものです。

日本の通勤車両は大きく3系統に分けられ、日立系のアルミ車、総合車両製作所のステンレス車、日本車輌のステンレス車です。東武は21世紀に入ってから日立系のアルミ車を導入しており、今回もそれに続く流れでアルミ車を採用しています。

車両は4ドアロングシートで、首都圏の通勤車としては標準的です。東武アーバンパークラインは環状軸の路線に見えますが、実態は放射軸の路線との接続駅から少し乗る利用が多く、乗り降りしやすい4ドアロング車は理にかなっているでしょう。

東上線や伊勢崎線の地上車として投入しても良かったように思いますが、2024年2月現在では野田線専用車として君臨しています。

東武60000系の車内を眺める

御託はこの程度にし、実際に車内を眺めましょう。

写真2. 東武60000系の車内

車内全体です(写真2)。青の座席が目立ちます。東武鉄道では30000系以降の通勤車は青系の座席が採用されており、その流れが引き継がれた格好です。

また、床と壁は彩度が低く、床の明度が低くなっています。いいかえると、床は黒系、壁は白系を採用しており、メリハリのある空間です。このような配色は2010年代以降多くの空間で採用されている印象です。

写真3. 別の角度から眺める

別の角度から眺めました(写真3)。ドアや壁が白く、明るい空間が演出されています。

写真4. 座席の様子

座席の様子です(写真4)。1人ずつ区切られた7人がけの座席です。このような区分がないと6人で座ることが多く、立ちが増えてしまいます(東武10000系列によく乗る私が実感する現象です)。そのような意味でこの座席は混雑する路線には向いています。座席はそこまで硬くなく、それなりの座り心地に思います。

余談ですが、東武50000系列には非常に硬く、体にフィットしない座席の車両もありましたが、きちんとした座席に変更され、そのような意味でもきちんとした会社に思います。(車両面では)車歴の古さを除けば…。

写真の左端の広告が気になりますが、東上線にも進出しており、広告面で東武鉄道と他の鉄道の違いを感じることができます(東上車は沿線の美容室の広告もあり、ローカル感を感じます)。

写真5. 座席の様子

座席の様子を別の角度から撮影しました(写真5)。走行中の車内ですが、船橋を午前中に出発する急行の先頭とはいえ、空きすぎです…。

握り棒は1本ありますが、光沢が高く、人によってはうるさく感じるかもしれません。

写真6. ドアの様子

ドアの様子です(写真6)。民鉄車は車端部のスペースにやや余裕があり、中央部のスペースに余裕がありません(ドアを均等に配置しているためと聞きます)。ドアの両側に握り棒があります。

写真7. ドアの様子

ドアをドアップしました(写真7)。白の化粧板が貼られた民鉄通勤車ではオーソドックスなドアです。

写真8. ドア上部の様子

ドア上部の様子です(写真8)。液晶モニターは1台だけで、広告用がありません。広告効果とモニター設置費用を天秤にかけた様子が伝わります。乗客的には停車駅などの案内されれば、広告用モニターはどちらでも良いのが本音です。ドアの上には出っ張りがあり、最混雑時にドア付近に立つ場合に重宝します。

写真9. ドア窓は複層ガラス

ドア窓は複層ガラスです(写真9)。保温性に優れ、結露しにくいという特性があり、現代の通勤車ではもはや常識となったサービスレベルです。

写真10. 天井の様子

天井の様子です(写真10)。LED照明が普及し、天井と照明がフラットになりました。見た目がスマートになるだけでなく、荷物が照明に当たることがなくなり、安全性が向上しています。

写真11. 天井の様子

天井の様子を別の角度から撮影しました(写真11)。三角の形状の吊革が採用されています。

写真12. 車端部の様子

車端部の様子です(写真12)。開放感のあるドアを採用し、閉塞感をなくしています。車両間の貫通幌の前後にドアがあるのではなく、手前の車両(クハ61617)にはドアがありません。騒音や車内温度を考慮すると、手前の車両にもドアを設置したほうが良いと思います!

写真13. 車端部の様子

車端部の様子を別の角度から撮影しました(写真13)。3人がけでは仕切棒は不要に見えますが、これは定員着席を促すというよりも立ち上がる際の負担を軽減するためでしょう。

写真14. 運転室仕切り壁

運転室の仕切り壁です(写真14)。向かって左側には窓がなく、前面展望性はやや悪いです。左側に窓がないのは仕方ないにしても、中央の窓を広くしたり、向かって右側に小窓を設置することくらいはできると思います…。

ここは木目を意識した色を採用し、無機質すぎる空間を避けているように見えます。

理想の窓配置を示しました。

東武60000系の車内を眺めてみて

写真15. アルミニウムの美しい車体が駅を彩る(新鎌ヶ谷で撮影)

基本的にそつのない車両の60000系電車。現代の通勤車の条件である4ドアロングシートの枠のなかでは完成度の高い車両に見えました。日々の利用で「道具」として使うにはこの程度の個性のなさが求められるのかもしれません。

この車両の投入に前後し、東武アーバンパークラインでは急行運転を開始しました(60000系の投入が2013年、急行運転開始が2016年、全線急行運転開始が2020年)。この車両とダイヤ改正でイメージが変わったでしょう。これからもその精神を忘れず、東武アーバンパークラインなどが「使い勝手が良い道具」として沿線住民に根付いてほしいものです。

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