JRの指定席確保の問題点

記事上部注釈
弊サイトでは実際に利用したサービスなどをアフィリエイトリンク付きで紹介することがあります

JRの特急列車に乗るには、特急券が必要です。その特急に乗るには、何らかの方法で事前の手配が必要です。その手配について思うところがありますので、私見を述べます。
※厳密には予約と発券は異なる段階ですが、ここでは簡単のため全て「予約」と述べさせていただきます。

現状把握:現在の予約方法

問題提起の前に、現在の予約方法について確認します。

駅での予約

以前であれば、駅で予約することが最もメジャーな方法でした。駅の窓口なり券売機で指定席券なり乗車券なりを発売してもらう形です。これは最も単純で明快な方法です。わかる人は券売機で発券すれば良いですし、わからない人は窓口でプロフェッショナルに発券してもらえば良いです。ただし、早朝や深夜に窓口が開いていないのは不便です。まあ、1976年11月から分割民営化後までは前売りが10時から17時だけという時代に比べればだいぶマシになっていますけどね。
鉄道ジャーナル 2018年 11 月号 [雑誌]
この雑誌の39ページにみどりの窓口の記述がありました。

ネットでの予約

JR各社はインターネットでの予約も受け付けています。試しに、JR東日本のえきねっとのサイトを見てみましょう。

図1. えきねっとのトップ画面

図2. えきねっとの検索画面

図3. えきねっとの検索結果

このような画面を経て、ネット上で予約と支払いが可能な仕様になっています。この支払いが完了したら、当日までに駅の指定席券売機で実際のチケットと引き換えるだけです。もちろん、クレジットカードも使えますので、とても便利なつくりになっています。また、操作画面も直感的に操作が可能になっていますし、予約できない列車を検索結果に表示しないようなつくりになっています。私のようなマニア向けの操作はできませんが、多くのニーズを満たすようにできています。

現在の予約方法の問題点

このような現状をふまえた上での問題点を見てみましょう。

駅での窓口の混雑

駅で窓口を利用しようとすると混雑しています。10分以上待つこともザラです。私が利用するのは主に平日の夜(=会社や学校帰りの人が寄る時間帯)ということもありますが、多くの人が待たされていることは事実です。

私はターミナル駅のみどりの窓口は使いませんので、これでもあまり待っていないほうです(ターミナル駅のみどりの窓口は混んでいます)。ということは、多くの人はもっと混んでいる窓口を使っているということです。

予約できる窓口が少ない

指定席券売機で予約できる、駅で予約できる、といいますがそれでは足りません。東京でもJRの駅まで遠い(私鉄や地下鉄しか通っていない駅も多い!)ところは多くあります。ましてや郊外や地方ではJRの駅に行くのもおっくうです。世の中にはインターネットをじゅうぶんに活用できる人ばかりではないことに注意しましょう。インターネットをじゅうぶんに活用できずに、JRの駅から離れている人は、予約しにくいという理由で、予約しやすい高速バスなどに客が流れてしまう可能性があります。

駅の券売機が混雑する

ネット予約は便利♪と思っていても、そこには落とし穴があります。ネット予約(と支払い)をしていても、結局駅の券売機で正式な券に引きかえる必要があります。その駅の券売機はすぐに使えるとも限りません。特に、多くの人が利用する繁忙期の新幹線停車駅ではそこ傾向が顕著と聞いています。事前に(たとえば前日に)空いている券売機で引きかえれば良いのですが、そのような知恵が回る人ばかりではありません。せっかく指定席を確保しても引きかえに間に合わずに乗り遅れてしまうこともあるのです。

さらに、予約した会社と利用する会社が異なると、引きかえができないということもあります。例えば、JR東日本のサイト(えきねっと)で予約した場合、JR東海の駅で引きかえられないのです。

指定席予約の改善案

では、どのようにしたら良いのでしょうか。

諸外国の指定席予約方法のあらまし

指定席予約の改善案を考える前提に、諸外国の予約方法を見てみましょう。

プラハからウィーンまでの列車をネットで予約する

ナイトジェットのネット予約方法(オーストリア連邦鉄道)

詳細な方法は上のページに任せますが(といっても弊サイト内の記事です)、いずれにも共通しているのは、諸外国ではネットで予約してその画面やその画面の印刷物をそのまま車内で見せるというシステムです。これは中央ヨーロッパの駅には改札口がないためにできる芸当ですが、券売機でわざわざ引きかえないことは確かです。私がフランクフルトからベルリンまでICEで移動した際も、となりの席に座っていた現地民の人がスマホの画面を見せていました。

日本の鉄道への応用:改札口への対応

日本の鉄道にもこのオペレーションに応用できないでしょうか。中央ヨーロッパと日本の違いは改札口の有無です。つまり、紙を印刷するシステムは適用できないのです。これを解決する方法の1つがQRコードの活用でしょう。ドイツ国鉄やチェコ国鉄の予約票にはQRコードが印刷されています。つまり、QRコードをかざすタイプの改札口を設置すれば日本でも対応可能です。JR東日本で発行したタイプのQRコードをJR西日本で読み取れないとか、その逆のような事態を避ければより使い勝手は良くなります。

コンビニでの発券

これをさらに進化させて、駅だけではなくコンビニでも発行すると良いでしょう。そのようにすれば、JRの駅が近くになく、そしてインターネットを使えない人にも、窓口を開くべきでしょう。そこで発行するチケットにQRコードを印刷すれば、駅で券売機で引きかえずに済みます。

問題点と解決策のまとめ

以上の内容をまとめます。

・駅の窓口や(場合によっては)券売機は混雑するという問題がある
・インターネット予約であっても、駅で券売機で引きかえなければならない
・駅で券売機で引きかえないシステムを構築するべきである
・駅やインターネット以外でもチケットを購入する方策を考えるべきである

このようにして、気軽に列車に乗れるようにして、バスや航空機に負けないようなシステムを構築してもらいたいものです。

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