大糸線快速リゾートビューふるさとの乗車記(松本→白馬)

記事上部注釈
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大糸線を走る特急列車は本数がありませんが、それを補完するように快速列車が走っています。それがリゾートビューふるさとです。工夫を凝らしつつ、低コストで運用される列車でもあります。今回はその列車に乗ってみました。

HB-300系(穂高)

写真1. 穂高に停車中のリゾートビューふるさと

復習:リゾートビューふるさと

ここで、快速リゾートビューふるさとの概要を紹介します。まずは不正確なことを承知で、簡単な概要をまとめます。

リゾートビューふるさとの概要
  • 運転区間:長野-南小谷(松本経由)
  • 所要時間:往路4時間15分程度、復路3時間15分程度
  • 種類:全車指定席の快速列車
  • 編成:2両編成

図1. リゾートビューふるさとの経路(googleマップより引用)

長野-南小谷を松本経由で結びます。南小谷行きは4時間18分、長野行きは3時間14分で走ります。この差は往路の穂高での停車時間(穂高神社散策の時間)です。車両は「リゾートビューふるさと」と称される専用の車両です。特急型としても通用するくらいの出来です。「特急」というほど速度を出しませんですので、「快速」として運用されます。ただし、快速として運用すると観光客以外の人も乗ることを懸念しているのか、全車指定席です。

大糸線内では穂高、信濃松川、信濃大町、白馬に停車します。特急並みの停車駅ですが、観光のための停車もあり、特急よりも遅めです。

リゾートビューふるさとの車内

では、特急型並みの車内というのはどのようなものでしょうか。ここで簡単に車内を紹介しましょう。

座席回りの様子

まず、座席回りの空間を紹介しましょう。

写真2. 車内全景

車内全景です(写真2)。赤と黒という強い色を使った座席が並びます。

写真3. 車内全景

反対側のアングルから撮影しました(写真3)。この車両は長野・南小谷よりの2号車のものですが、私の印象では1号車も同様でした。

写真4. 車内全景を別の角度から

別の角度からも撮影しました(写真4)。客席は通路より1段高いのですが、それがわかりやすい構図だと思います。

写真5. 客席から展望を楽しめる

展望を楽しめるように窓は大きくなっています(写真5)。かさ上げした床も含め、非常に風景が楽しみやすい印象を受けました。

このような列車は観光用途であり、ビジネス用途ではありません。観光列車に単独で乗る人は多くなく、グループで乗る人が多数派を占めると予想されましょう。そこで、ひじ掛けにテーブルも内蔵されています。

写真6. ひじ掛けの様子

座席にはひじ掛けが備わっています(写真6)。

写真7. ひじ掛けが開く

ひじ掛けが開きます(写真7)。ここからテーブルが出てきます。

写真8. テーブルが展開する

テーブルが展開しました(写真8)。こうすれば向かい合わせで使っても、テーブルを使えます。私は背面テーブルを使えませんでしたので、ありがたい限りです。なぜ、背面テーブルを使えなかったのか?それは後で述べましょう。

展望ラウンジの様子

リゾートビューふるさとには先頭部分に展望ラウンジを備えています。運転席に向いた座席と窓側に向いた座席が備わっています。

写真9. 展望ラウンジの全景

展望ラウンジの様子です(写真9)。前面展望を主体に風景を楽しむためのスペースであることがわかります。

写真10. 前面展望席は2席

前面展望席は2席です(写真10)。きれいな車内にわけのわからない絵が描かれていますね。ここは座席がある場所です。最前列からラウンジ越しに前面展望を満喫できます。私が「背面テーブルを使えない」と書いたのは、座席の選択によるものです。

写真11. もう2席

もう2席は窓側(写真でいう右側)を向いています(写真11)。

写真12. この席は転換できる

この席は車両中央側にも転換できます(写真12)。車内イヴェントの際に役立つのでしょうか。これは私の「遊び」で席の向きを変えましたが、すぐに戻しました。

その他の共用設備の紹介

そのほかの共用設備を簡単に紹介しましょう。

写真13. デッキ部分

デッキ部分です(写真13)。

写真14. デッキ部分

デッキ部分の中から外を見ました(写真14)。落ち着いた空間だと思います。

写真15. トイレの中

2両編成という短い編成でありながら、トイレも付いています。車いす対応の広いものです(写真15)

写真16. トイレの中

別アングルから見てみました(写真16)。清潔さを感じられる設備だと思います。

リゾートビューふるさとの車窓を堪能する

さて、リゾートビューふるさとからの車窓を堪能しましょう!

ステージ1. 松本→穂高

松本駅に停車していました。

写真17. 松本に停車中のリゾートビューふるさと

写真18. 側面の様子

ドアは2両編成の連結部近くに位置しています(写真18)。先述の展望席を設ける関係でしょう。

写真19. 松本市内を走る

松本市内を走ります。松本の中心部は松本駅よりもやや北側に位置しています(写真19)。その松本市の市街地を走ります。

写真20. 篠ノ井線と分かれる

篠ノ井線と分かれます。ここまでは複線のようでしたが、ここからは大糸線と篠ノ井線が分岐します。

写真21. 奈良井川を渡る

川を渡ります(写真21)。これは奈良井川ですね。

写真22. 梓川を渡る

次に大きな川を渡ります(写真22)。これは梓川です。この川が特急あずさの語源です。ほとんどのあずさ号はここまでやってきませんが…。

写真23. 田園風景が広がる

田園風景が広がります(写真23)。晴れていればもう少し景観が開けるのですが、あいにくの雨ですね。

写真24. 豊科に停車

豊科に停車します(写真24)。客扱いしないのですが、停車しました。どうせなら客扱いすれば良いのに、とも思います。でも、なぜ停車するのでしょうか。

写真25. 反対方向の電車がやってきた

反対方向の電車がやってきました(写真25)。大糸線は単線なので、行き違い列車を待たねばなりません。臨時列車のこちらよりも定期列車のあちら側を優先するのは理にかなっています。それならば、客扱いしても良さそうです。

写真26. 田園風景を走る

豊科を出ると、再び住宅街や田園風景の中を走ります(写真26)。そうすると、穂高に停車します。ここで長時間停車し、周辺散策のチャンスが与えられます。多くの人は散策に出かけていましたが、私の周囲の団体客は車内に残っていました。

ステージ2. 穂髙神社

穂高には穂髙神社という有名な神社があります。せっかくなので、行ってみましょう。

写真27. 穂髙神社の位置

感染症対策のためか、アテンダントさんは神社まで案内しません。かわりに地図を渡されます(写真27)。自分のペースで散策したい人はこちらのほうが良いですね。なお、穂高の改札口では途中下車印が押印されるなどの措置はありませんでした。途中下車不可の乗車券でも、駅前散策が可能な雰囲気でした。

写真28. 穂高駅前の様子

駅前の様子です(写真28)。地方の落ち着いた駅前という印象があります。別所温泉といい、長野県は落ち着いた観光地が多いのかもしれません。

写真29. 駐車場から入る

駅から向かうと裏口から入る印象があります(写真29)。

写真30. 神社の様子

神社の様子です(写真30)。神聖な雰囲気も感じられます。写真の奥にあるのが本来の鳥居に見えます。

写真31. 大木がある

大木があります(写真31)。孝養杉と呼ばれています。

写真32. 境内の様子

境内の様子を別アングルで紹介します(写真32)。

写真33. 素晴らしい鳥居

素晴らしい鳥居です(写真33)。確かに穂髙神社のために停車時間を設けるのもわかります。

さて、列車に戻りましょう。

写真34. 穂高に列車が待っていた

穂高で列車が待っていました(写真34)。この記事の最初の写真と微妙にアングルが違うでしょ?このようにゆっくり撮影できることも長時間停車の良さです。

ステージ3. 穂高→白馬

そんなことを言いながら、列車はいつの間にか発車していました。

写真35. 穂高川を渡る

穂高川を渡ります(写真35)。

写真36. 安曇野を走る

安曇野を走ります(写真36)。家が高原にある感じのものです。

写真37. 田園風景を走る

田園風景の中を走ります(写真37)。

写真38. 田園風景を走る

このような風景も美しいものです(写真38)。

写真39. 信濃松川に停車!

信濃松川に停車します(写真39)。以前は特急の停車駅でしたので、リゾートビューふるさとの停車駅にも選ばれたのでしょうか。

写真40. 田園風景を走る

田園風景を走ります(写真40)。晴れているほうが良いのですが、地球はそんな私の都合には付き合ってくれません。

写真41. 農村を走る

農村を走ります(写真41)。

写真42. 山が見える

雨でしたが、かろうじて山が確認できました(写真42)。

写真43. 高瀬川を渡る

高瀬川を渡ります(写真43)。

写真44. 大町の市街地を走る

大町の市街地を走ります(写真44)。

写真45. 信濃大町に停車

信濃大町に停車します(写真45)。大糸線の途中駅で最も重要な駅です。ここまでは信濃鉄道が建設し、ここからは国が建設しています。その大町と糸魚川の頭文字をとって大糸線としたのです。

写真46. 上り電車がやってきた

上り電車がやってきました(写真46)。先ほどもそうですが、E127系による運用です。流し撮りが決まりましたね!

写真47. 山が近づいてきた

山が近づいてきました(写真47)。信濃大町-白馬は山越えがありますので、必然的に山が近づいてくるのです。なお、信濃大町-白馬は進行方向左側のほうが景色が良いです。そのため、展望ラウンジで進行方向左側の席に座りました。

写真48. 湖が見えてきた

湖が見えてきました(写真48)。これは木崎湖です。しばらく木崎湖をご堪能いただきましょう!

写真49. 高原らしい風景が広がる

高原らしい風景が広がります(写真49)。この向こう側に木崎湖が広がっています。

写真50. 木崎湖の風景

木崎湖の風景です(写真50)。

写真51. 美しい湖が広がる

美しい湖が広がります(写真51)。

写真52. 湖と山が美しい

湖と山が美しいです(写真52)。どことなく、この旅行の2年前に行ったスイスの車窓に似ています。

写真53. 湖のそばを通る

湖のそばを通ります(写真53)。

写真54. 山の中を走る

湖のそばを離れると、山の中を走ります。この区間では湖が3つあります。まだ2つの湖を楽しめるのです。

写真55. 中綱湖沿いを走る

中綱湖沿いを走ります(写真55)。この湖は3つの湖の中で最も小さいです。そのため、すぐに車窓から姿を消します。

写真56. 山の中を走る

山の中を走ります(写真56)。

写真57. 青木湖が現れる

青木湖が現れます(写真57)。青木湖までは信濃川水系で、このすぐ北側に分水嶺があります。

写真58. 青木湖とその周辺

青木湖とその周辺です(写真58)。このあたりも夏は気持ちよさそうです。このときは涼しいを通り越して寒かったですが…。

写真59. 高原らしい風景が広がる

高原らしい風景が広がります(写真59)。

写真60. 分水嶺を越えた

やがて分水嶺を越え、下り勾配に変わりました(写真60)。

写真61. 少し開けてきた

少し開けてきました(写真61)。もう白馬村に入っています。

写真62. 農村が広がる

農村が広がります(写真62)。とはいえ、信濃大町までの「安曇野」とは異なった風景に感じます。

写真63. 農村が広がる

信濃大町までの区間よりも山が近い感じがします(写真63)。

写真64. スポーツ施設があった

スポーツ施設がありました(写真64)。今は使われているのでしょうか。

写真65. 白馬に到着

白馬に到着しました(写真65)。次の停車駅は終点の南小谷です。多くの乗客がここ白馬で降りていました。

写真66. 白馬に到着

その証拠に、駅名標も撮影しました(写真66)。

写真67. 列車が発車!

列車が発車しました(写真67)。

リゾートビューふるさとに乗ってみて

リゾートビューふるさとは車両も風景も非常に良いものでした。そして、運転士さんとアテンダントさんの2人体制で運転されていました。ドア扱いも運転士さんで、デッキ付近の監視カメラで乗降時の安全確認をしていた場面も印象に残っています(ドア扱いをしていないときはモニタ画面に映像は映らない)。

これは、低コストでの運行が可能なことを示しています。多くの乗客は「手厚い人的サービス」を求めておらず、各自の自由に車内の時間を満喫したいはずです。そのような側面からも低コストでの運用は良いといえます。そして何よりも低コストでの運用は損益分岐点も下がり、リーズナブルな価格が実現しているともいえます。

このような観光列車は決して派手ではありませんが、観光列車の1つの最終形態といえましょう。これからもこのような列車が多く運転されることを願うばかりです。例えば米坂線とか…。

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