相鉄9000系(大幅リニューアル車)の内装を観察する

相鉄最後のオリジナル車両、9000系。その9000系は長く登場時の内装で運用されてきましたが、20000系に準じたリニューアル車両がデビューしています。そのリニューアル車に乗る機会に恵まれましたので、内装をレポートします。また、内装のレポートだけではなく、その背景も探っています。



相鉄9000系の概要
まずは相鉄9000系の概要を復習しましょう。

導入初年:1993年
編成両数:10両編成(8両編成はありません)
編成本数:7編成
起動加速度:3.0km/h/s
最高速度:120km/h
駆動方式:直角カルダン駆動

登場から25年が経過し、ベテランの領域に入り始めた車両です。導入当初は白ベースに赤色の帯でしたが、現在は新色に変更されています。その中で一部編成からリニューアルが進行しています。このリニューアル車の車内が気合入っているのです。

9000系リニューアル車の車内

9000系リニューアル車外観

写真1. 9000系リニューアル車外観

リニューアル車の外観です(写真1)。横浜のイメージカラーのネイビーブルーの塗装にしています。これは相鉄20000系と同等の外観です。「気合の入った」車内を示す外観なのでしょうか。

9000系リニューアル車:ロングシート部分

写真2. 9000系リニューアル車(ロングシート部分)

大部分の車両がロングシート車です。その全景です(写真2)。黒がアクセントカラーになっており、高級感があります。車内全体は白がメースカラーとなっており、暗さは感じさせません。

9000系リニューアル車:ドア部分

写真3. 9000系リニューアル車(ドア部分)

ドア部分の拡大です(写真3)。ドアの上に液晶モニターがついており、現代の車両では標準的な案内装置となっています。将来、西谷から都心へ直結する以上、(9000系は横浜発着でしか運用されませんが)わかりやすい案内が求められることでしょう。

9000系リニューアル車:車端部

写真4. 9000系リニューアル車(車端部)

その車端部です(写真4)。ロングシート車でもクロスシート車でも、この部分は共通です。壁面の黒色が印象に残ります。

9000系リニューアル車:ボックスシート車

写真5. 9000系リニューアル車(ボックスシート部分)

5号車と8号車に設定されているボックスシートです(写真5)。リニューアルに伴ってオールロングシートになると思っていましたが、クロスシートのまま残されています。全体的なカラーリングは共通ですが、ボックスシートに「個室感」が与えられています。

9000系リニューアル車:ボックスシート

写真6. 9000系リニューアル車(ボックスシート本体)

これがボックスシート本体です(写真6)。表面は革でできています。スコットランド(イギリスの一部分)製と聞いています。

9000系リニューアル車:ボックス仕切

写真7. 9000系リニューアル車(ボックス仕切)

このように仕切が付いています(写真7)。このような仕切があることで、ボックスシートが個室のような感覚になっています。通路側の人が寝られるように配慮しているのでしょうか。もっとも横浜から海老名まで各駅停車で乗り通しても40分前後ですが…。

9000系リニューアル車:ボックス座席拡大

写真8. 9000系リニューアル車(ボックス座席拡大)

ボックスシートを拡大して撮影しました(写真8)。2人掛けのシートが向かい合わさっていますが、その2人掛けのシートは1人ずつ区分けされています。

9000系リニューアル車:自動窓

写真9. 9000系リニューアル車(自動窓)

自動窓も健在です。リニューアルでこの点が変更されていません。ボタンを押してみましたが、カクカク動くのですね。

今回のレポートは休日の昼間に実施しましたが、夕方以降は照明の色合いが変わります。夕方以降はリラックスタイムという意味合いがあるのか、電球色になるのです。

全体的に、(空いた列車に1度乗っただけの感想ですが)内装面で大きな破綻がある車両ではなく、それなりに快適で気合の入った車両であることが感じられました。

9000系リニューアル車に込められた意味

20000系、12000系(相鉄のJR直通用に新造予定の新車)に似せた車内に変化した9000系リニューアル車。この意図を簡単に考えます。1ついえることは、大規模なリニューアルを施したということですから、しばらくこの車両を使う意図があります。では、どうしてこのような内装にリニューアルしたのでしょうか。20000系なり12000系なりは都心直結用の車両です。そのため、基本的には横浜発着の電車には運用されません。そのため、都心直結用の車両とサービスレベルを統一したというのが実際のところでしょう。

では、都心直結用の車両をこのような仕様(濃い青色の外観、高級感ある車内)にしたのでしょうか。現在のスタンダードのE233系やE235系が特別に悪い車両というわけではありません。そのまま導入しても全く問題ありません。外観も内装もあからさまに異なる(ただしどこかの観光特急のようにデザイナーの自己満足ではありません)車両を導入するというのは、「相鉄ブランド」を高めたいという意図があります。そのような意図があるので、他社線でも「この車両は相鉄の車両だ」と宣伝して、他社線の乗客に相鉄の存在を知ってほしいのです。そのことで相鉄沿線の住民を増やしていこうとしています。

つまり、都心直結用に気合のいれた外観・内装の車両を導入することは、相鉄のブランドを維持・向上させて、相鉄沿線住民の数を維持・向上させていこうという相鉄の決意が現れているのです。

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※個々の会社や個別の車両についての記述ではなく、全体感をまとめた記事です。他の人が取り上げない内容ですので、私が書いてみました。

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