日本人の旅行先として人気の台湾。その台湾には鉄道が全土に発達しており、旅行の力強いお供となるでしょう。そんな台湾の鉄道旅行の基本知識を丁寧に詳しくまとめました。

写真1. 台北駅は地下駅(高鐵、台鉄ともに2面4線)
台湾とその鉄道の基本知識
まず、台湾の概要について簡単にまとめます。概要といっても多くの側面がありますが、ここでは鉄道旅行に関する内容をまとめます。

図1. 台湾の位置(wikipediaより引用、パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7896731による)
- 首都:台北
- 鉄道の営業キロ:1438km(2010年のデータ、世界の鉄道より引用)
- 主な都市:台北、台中、高雄
- 主な観光地:台北などの夜市、九份
台湾は中国大陸の南東側に位置する地域です。第二次世界大戦終結までは日本の占領下にありましたが、現在は中華民国が実効支配しています。中国国内の勢力争いの結果、中国大陸を実効支配している中華人民共和国とは別の政府が管理しています。
現在は中華人民共和国との関係改善が徐々に進みつつあります。他方、中国地区における西側民主主義体制ということもあり、西側諸国との関係も良好です。ただし、中国人と台湾人を区別する向きもあり、台湾=中華民国というのは現地人の感覚では違和感を持つ人もいるとされます。
言語は中国系ですが、大陸と漢字が異なります。電子工学の分野で世界の最先端と位置付けられます。特に半導体については世界全体でもそれなりに位置付けられています。
台湾の標準語と中国大陸での標準語は基礎が同じであり、意思疎通は可能であるが、いくつかの差異が見られます。大きな違いは、中国大陸で簡体字、台湾では繁体字というものでしょう。簡単にいうと中国大陸では簡略化された漢字、台湾は簡略化されていない漢字ということです。
日本管理下の時代があった影響などで、鉄道は日本に近いものがあります。具体的には、自動連結器、左側通行かつ狭軌の在来線、そして比較的高いプラットホームが挙げられるでしょう。
なお、台湾に限らず、世界各国の鉄道に関する基本情報がまとめられた優良書籍(世界の鉄道)があります。台湾の鉄道に興味がわいたら、下記の書籍で周辺国の知識を広げることも重要です!
台湾(中華民国)の鉄道概要

写真2. 旧型車両の保存鉄道も自動連結器を使用している
台湾の鉄道の概要について簡単に紹介します。

図1. 台湾の鉄道路線図(台湾鉄道時刻表より引用)
非常に簡単に述べると、以下の2つで長距離鉄道網が構成されています。
- 台鉄:いわゆる台湾の国鉄。在来線を担当。1周する形態の幹線と、幹線から山間部に入るローカル線が存在
- 高鐵:いわゆる台湾の新幹線(高速鉄道)。日本や諸外国と異なり、台鉄と別の企業体が運営。したがって台鉄と高鐵で同じ駅名でも離れている駅もある(台北駅は隣接)。台北以外は既存市街地と離れており、地下鉄などでのアクセスが必要。

写真3. 台湾の航空写真(wikipediaより引用、Original image: NASA Earth Observatory/Terra/MODISReprojected by Tiouraren (Y.-C. Tsai) - EOSDIS Worldview (https://worldview.earthdata.nasa.gov/), パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=122921341による)
台湾の航空写真を示しました(写真3)。平地が広がる西部と山がちな東部という地形です。台湾の山地は険峻であり、標高3,000mを越える高山も数多く存在しています。そのため、台湾島の中央を東西あるいは南北に貫く路線はありません。したがって、台鉄も台湾島を1周する路線形態なのです。
台鉄や高鐵のほかに都市内交通として地下鉄や路面電車も存在します。私が訪問した2025年12月下旬時点では、台北の空港アクセス鉄道と高雄の地下鉄ではクレジットカードのタッチ決済が可能、台北の地下鉄と高雄のLRTではクレジットカードのタッチ決済は不可能でした。
台鉄の列車種別と運賃制度

写真4. 地方線区の区間車もオールロングシート車のことが多い
高鐵には列車種別は存在せず(速達便と各駅に停車する便がある)、そこまで解説する必要はないでしょう。高鐵の考えかたも台鉄がベースとなっているはずですので、そのような意味でも台鉄の列車種別や運賃制度を紹介します。
台鉄の列車種別
- 自強号:日本でいう特急に相当。一部の形式には商務車(日本のグリーン車、欧州の1等車に相当)も存在。
- 区間車、区間快車:日本でいう普通や快速に相当。
かつては莒光号(きょうこうごう、日本の国鉄系急行列車に相当)も運転されていましたが、自強号と区間車に統合されました。
ただし、現在は自強号は車両の名称を入れた普悠瑪号(ぷゆま号)、自強(3000)号という車両名を付けた独自ブランドのものがあります。2026年初頭現在、普悠瑪号は2番目に新しいタイプの車両、自強(3000)号は最新の車両です。日本でいうと特急リレーかもめに対し、特急リレーかもめ(787)号と命名するようなものでしょうか。
自強号は基本的に座席指定制、区間車、区間快車は基本的に自由席です。ただし、一部の自強号(振り子車両や車体傾斜装置のついていない車両)では無座という立ち席承知の制度があります。日本でいう座席未指定券に相当すると考えれば理解が早いと思います。日本の座席未指定券と座席指定券で料金で差がないことと同様、無座であっても料金に差はありません。
台鉄の運賃制度
古今東西、運賃制度は難しいものであり、すべてを網羅する記事を作成することは困難ですので、本記事では基本的な内容のみ記します。
日本の運賃制度は同一会社内(JR各社はまとめて同一会社とカウント)では運賃が通算され、別途料金を支払う形態です。例えば、市川-大阪で市川-東京を普通列車グリーン車、東京-新大阪を望み号を利用した場合、以下の通り計算されます。
表1. 日本の運賃計算
| 内訳 | 金額 [円] |
| 運賃:市川-大阪(市内) | 9130 |
| 普通列車グリーン料金(IC) | 750 |
| 新幹線特急料金(のぞみ号、普通車指定席) | 5810 |
このように列車を乗りかえても運賃は通算、特別車両や特急料金を乗る区間ごとに支払うという計算方法です。この基本原理は鉄道会社や乗車列車によらず適用されることがほとんどです。
一方、台湾では列車ごとに運賃は別建てで計算されます。上の例でいうと東京と新大阪で運賃が区切られるということです。
表2. 台湾の運賃計算のやりかた
| 内訳 | 金額 [円] |
| 列車1. グリーン車利用運賃(市川-東京) | 980 |
| 列車2. 新幹線のぞみ号利用運賃(東京-新大阪) | 14720 |
| 列車3. JR京都線普通列車運賃 | 170 |
台湾のやりかただと運賃計算は単純な一方、列車間の乗りつぎは不便です(原則論からいうと列車を乗りかえる際に改札を出なければならない)。日本の都市圏では同一会社内で多くの列車を乗りかえます。その場合も直通か否かで運賃が変わるということです(台湾方式の原則にしたがうと民鉄で速達列車に乗りかえるかそうでないかで運賃が変わります)。
ただし、台湾の場合は路線網が比較的単純で、このような弊害が生じる場面も少ないのでしょう。
利用するうえでのダイヤ
台鉄は昔ながらの在来線という事情もあってか、パターンダイヤは採用されていません(台北から高雄までの自強号は1時間間隔を確保しようという努力は見えますが)。そのため、区間車を利用する場合は特に注意が必要です。また、日本の国鉄が実施した短編成高頻度化も不十分であり、特に南東側の小駅は数時間のダイヤホールも存在します。
このあたりは同じ「国鉄」でも本数が比較的確保されているスイス国鉄やベルギー国鉄と異なる存在と認識する必要があります。
他方、高鐵はパターンダイヤに近いダイヤを採用しています。また、高鐵では自由席も採用されており、台北-左営の所要時間が最速で1時間半程度であることから、「立っても90分」と割り切ることができます。

写真5. 台北駅のホーム
台湾の駅では月台という表記が多くみられます(写真5)。これは特定の地名でなく、「プラットホーム」という意味です。台湾では線路ごとの命名でなく、ホームごとの命名です。日本でいう1番線と2番線をまとめて3月台と称し、それぞれの番線を月台1A、月台1Bと称するということです。
台湾の鉄道パス

写真6. 各種パスでは商務車には乗ることができない
台湾にも鉄道パスの類の企画乗車券が用意されています。代表的なものを示します(表3)。
表3. 台湾の各種パス
| 名称 | 料金 [元] | 有効範囲 |
| TR-PASS一般版3日券 | 2400 | 台鉄全列車(商務車除く) |
| TR-PASS一般版5日券 | 3200 | 台鉄全列車(商務車除く) |
| 台湾高鉄3日パス | 2200 | 高鐵全列車 |
| 台湾高鉄・台湾鉄道特級5日ジョイントパス | 約¥16,500 | 台鉄/高鐵全列車(商務車除く) |
これらのパスを使用して指定席に乗る場合、現地で指定席券を発券してもらう必要があります(事前に台湾外からインターネットで座席指定することは不可能)。したがって、台湾入域前に自強号の座席を指定し、旅程をあらかじめ確定させたい場合は、パスはそぐわない面もあります。
※欧州では座席指定のみが可能ですが、対象列車はいずれも座席指定が有料です。台湾では座席指定が無料なので、事前に座席指定してほしくないのでしょう。
なお、台北-高雄の自強号が994元ですので、乗りかたによっては鉄道パスを使わないほうが安くなります。台湾の鉄道運賃はそこまで高くありませんので、個別に購入してもそこまで高価な旅行にはならないでしょう。
旅行の手配の際に利用したほうが良いサービス

写真7. 余った時間で街歩きを堪能できる
往復の航空券、現地の宿泊施設、現地のインターネットはあらかじめ日本で手配するのが鉄則です。そうでないと、現地で貴重な観光時間の一部を割いて、手配せねばならないからです。日本であらかじめ手配すれば、現地での時間を観光などに最大限使うことができます。ここでは、そのサービスを紹介しましょう。
ここまで詳細に解説しました。公式サイトから予約できると思いますが、日本語で予約できないことに不安を感じる人もいるかもしれません。下記のサイトであれば、日本語で予約できるので安心です。
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また、その予約にはクレジットカードが便利です。
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