フランス国鉄の誇るTGV。この列車を使用しての旅もまた良いものでしょう。ここでは、自分で希望の席を選択できて、なおかつ手数料が取られない座席予約方法を伝授いたします。また、フランス国鉄のサイトでカードが使えない場合の対応策も掲載しています。
※以前は会員登録しないとこの方法は使えませんでしたが、今はそのようなことはありません!古い情報に惑わされないようにしましょう。
写真1. フランクフルト中央駅に停車中のTGV(フランスに行ったことがないのでドイツで撮影した写真…)
基礎知識:フランスの列車
ここでは、鉄道マニアには当然知られていることですが、普通の人が知らない基礎知識を述べましょう。このようなページを見る人のことですから、日本の新幹線を利用する上での基礎知識(ダイヤの組みかただの車両だのの知識は含まれません)をおおむねご存知と想定します。そのため、新幹線との違いを中心に記します。
全席指定席である
フランスのTGVは全席指定席です。隣国ドイツのように、席を指定せずに座れるということはありません(ドイツ、オーストリア、スイス、チェコは事前に確保された席だけ指定席、その他は自由席)。そのため、東海道新幹線とは異なり、事前に座席を入手する必要があります。鉄道パスを利用する場合も座席指定券を確保する必要があります。後述しますが、私たち日本人が使用する鉄道パスに有効な座席指定券はインターネットで手配できません。そのような場合は旅行代理店で確保してもらうか、現地の駅の窓口で指定席券を手配する必要があります。
購入時期によって価格が異なる
購入時期によって、価格が異なります。一般的にいうと、直前が高くて、事前手配だと安く済みます。ただし、あまり前過ぎる手配だと高くつくこともあります。というか、私がこのようなトラップに引っ掛かりました。このことも後で記しましょう。
まあ、直前の手配だとあわてることもあるでしょうから、旅行であれば事前に手配するのがベストでしょう。確かに、前日だと非常に高いですし、席も埋まっていますからね。
座席が回転できない
日本の新幹線と異なり、ヨーロッパの列車は座席の向きが変えられません。つまり、半数の人は進行方向と逆向きに座らざるを得ません。そのため、進行方向と反対方向に進むことを覚悟したほうが良いです。私がざっと今回取り上げる区間の直近の座席表を見たところ、列車画面の左から右に進むようです。
実際に座席を予約する
このような基礎知識を持ったところで、実際に予約してみましょう。今回はスイスのバーゼル(といってもドイツ、フランスの国境にあります)からフランスのパリの座席予約とします。もちろん、区間が異なってもオペレーションは同じです。基本的な流れは検索画面で列車を選択し、その後に座席の細かい内容を選択、最後に支払いという流れです。
1) フランス国鉄のホームページを開く
フランス国鉄のホームページを開きます。お使いのデバイスに「フランス国鉄」と入力すれば検索結果に表示されます。もしもわからなければ?上のリンクを開きましょう。
2) 言語を英語に変更
上記のリンクは英語のサイトですが、場合によってはフランス語のサイトに飛ぶかもしれません。その場合は、右上の国旗のマークをイギリス国旗のマーク(ヨーロッパでは英語を示すのはアメリカ国旗ではなく、イギリス国旗のマークです)を選択します。フランス語のほうが得意な人?そんな人は日本語で書かれた弊サイトをご覧にならないでしょう。
3) BOOKをクリック
予約するという意味合いを持つ英単語はBOOKです。そのため、予約したければ、BOOKをクリックします。
4) BOOK your ticketをクリック
英語は「誰が」という概念にうるさい言語と聞いています。そのため、いちいちyourという単語がありますが、そんなことは気にせずにクリックしましょう。
5) 予約する区間を入力
列車を予約する区間を入力します。ここでは、スイスのバーゼルからフランスのパリへの移動を想定しています。ここでは一例としてこの区間を出しただけですから、他の区間であっても基本的なオペレーションは同じです。
なお、パリにはパリ駅やパリ中央駅というのはありません。ベルリン、プラハやウィーンは先進的できちんと中央駅(プラハは本駅)があり、長距離の移動にはその駅に行けば良いという安心感がありますが、パリは遅れているので、リヨン駅や東駅、北駅というターミナルに行くところから移動がスタートします。注意しましょう。リヨン駅と東駅(と北駅)を結ぶ地下線を長距離用の線路を新設して、シャト=レ=レアール地区に直結するべきでしょう。
6) 日付を選択
日付を選択します。ここでは、8/14とします。これもご自身のご予定に合わせて適宜対応してください。
7) 区間と日付を確定させたところで検索実行!
区間と日付を選択してから、検索実行をクリックします。この例では1人利用としていますが、2人以上の際は下の画面で人数を追加してください。ここでは各種割引を適用していませんが、各種カードをお持ちの場合は選択してください。割引画面にPass Interrailとありますが、これは日本人が使える鉄道パスではありません。(大まかにいうと)ヨーロッパ人が使える青春18きっぷのようなものです。
8) 検索中に宣伝が出てくるが、無視!
宣伝中に何やら宣伝が出てきますが、無視しましょう!オーストリア国鉄の予約画面のようにタウルスちゃんがでてくることはないのですね。
9) 候補となる列車一覧が出てきた
候補となる列車が出てきました。出発時刻、到着時刻とともに価格も表示されます。同じ経路であっても、価格が異なることに気づかされます。
10) 候補となる列車を実際に選択
候補となる列車の中から、ご自身の乗りたい時刻に合う列車を選択します。私は6/2に予約しましたが、123ユーロもしましたよ。何ですか、51ユーロって…。7/7に画面を確認していますが、6/2よりも7/7のほうが安いとは…。
11) 座席を選択してみよう!
直営のサイトから予約する醍醐味は自分の責任で席を選択できることです。そうでなければ、自分でやる意味はないと思います!席を選択してみましょう。Select my seat をクリックします。
12) 座席表が出てきた
この列車は2階建ての車両が使われます。そのため、1階席か2階席を選ぶ必要があります。デフォルトでは、1階になっています。2階席を選ぶ場合は、topを選択します。
13) 適切な座席を選択
適切な座席を選択します。パリのターミナル駅の出入口に近いほうに1等が連結されていると読んでみましたが、実際はどうなのでしょうか。多くの列車は画面の左から右に進むように書かれています。そうなんだ…。
14) いよいよ購入
いよいよ購入画面です。I confirm~をクリックします。
15) 購入画面に進む
購入画面の上側だけ見ると戸惑ってしまいます。これでは次に進めませんね。これは、フランス国鉄がホテルなどの心配をしてくれているためです。このような心遣いに感謝しながら心遣いをスルーします。画面の下のほうにConfirm and payとありますので、そこをクリックします。
16) アカウントの有無を確認
アカウントの有無を確認します。別にアカウントを作る必要がないのであれば、目立たないBook without an accountをクリックします。一生に何どもフランス国鉄を使わないし。
17) チケットの送付方法の選択
チケットの送付方法を選択します。インターネットで予約しているということは、電子ファイルのほうが都合が良いでしょう。そのため、e-Ticketを選択します。
18) 個人情報の入力画面
個人情報の入力画面に移ります。乗る人と支払う人が異なることもあるでしょう。そのため、乗る人の氏名、支払う人の氏名(カード会社に登録しているもの)の双方を入力します。なぜ、乗る人の氏名を入力するのでしょう?それは、改札がないためです。改札がないし、チケットを無限に印刷できてしまいます。そこで不正利用があった場合に、誰が本当の利用者なのかということを名前で確認します。そのため、身分証を持ち歩き、そのチケット利用者本人であることを証明するのです。
19) 支払い後にカード会社との通信が行われる
支払い後にカード会社との通信が行われます。このような画面になったらしばらく待ちましょう。しばらく動かない場合もありましょう。そんな時にはトイレや歯磨きタイムとすればイライラも軽減されましょう。
20) 3Dセキュア確認画面に
インターネットでのやり取りには3Dセキュアが行われます。この場合、ご自身で登録した番号を入力します。
21) 進めない!
その後の画面に進めないこともあります。これは楽天カードとフランス国鉄の間の問題です。この場合は、楽天カードに電話で問い合わせて、フランス国鉄からの請求がセキュリティで引っかかったのが原因でした。その場で電話で楽天カードにセキュリティを一部解除してもらいました。
22) メールに来るデータを印刷
登録したメールアドレスにフランス国鉄からデータがやってきます。メールの最後のほうにこのように書いてあります。
You do not have to stamp your ticket at the station.
To ensure TGV Lyria services leave on time, travellers must board the train at least 2 minutes before the time of departure. We cannot guarantee you will be allowed to board the train after this time.
The bag tags are not only mandatory but also a great way to contact you easily in case we find your lost or forgotten luggage!
引用元:フランス国鉄からのメール
フランス国鉄からのメール
これでは何と書いているかわかりません。日本語に訳してみましょう。
・駅で切符を押す必要はありません。
・TGV Lyriaサービスが時間通りに出発することを保証するために、旅行者は出発の少なくとも2分前に電車に乗らなければなりません。この時間以降に電車に乗車することが許可されることを保証することはできません。
・荷物のタグは必須ではありませんが、紛失したり忘れたりした荷物を見つけた場合に備えて、簡単に連絡するのに最適な方法です。
簡単にいうと、刻印の必要はないけど、2分前には乗りなさい!そして、荷物にはタグを付けると良いよ★ということです。
ここまで詳細に解説しました。公式サイトから予約できると思いますが、日本語で予約できないことに不安を感じる人もいるかもしれません。下記のサイトであれば、日本語で予約できるので安心です。
Omio:ヨーロッパ鉄道旅行交通予約サイト
また、その予約にはクレジットカードが便利です。
個人的にはエポスカード がおすすめです。海外旅行に使えるカード:エポスカードで詳細を紹介しています。
フランス鉄道旅行のノウハウ紹介記事
このとき私はフランスを鉄道による個人旅行で旅しました。そのフランスでの鉄道旅行のノウハウを紹介しています。初心者向けの情報から裏技まで収録しています。