ウィーンとブダペストの移動は航空機も良いですが、鉄道での移動も魅力です。その鉄道の移動方法の概論と実際の予約方法について述べます。細かな座席の位置を指定できて、それで手数料なしというとても魅力的な方法です。
写真1. ウィーンからブダペストまでの系統にも使われるレイルジェット
実際に乗ったときの様子を詳しく記録しています。駅で待つときに注意すること、客席の様子や車窓風景を収録しています。
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ウィーンとブダペストの関係
弊サイトを読む人の多くは、「ウィーン?ブダペスト?何それ?」というレベルの人がいるかもしれません。そのため、基本的なことから解説しましょう。
図1. ウィーンとブダペストの位置関係
ウィーンはオーストリアの首都、ブダペストはハンガリーの首都です。いずれも荘厳な街並が特徴(と聞きます)で、両者を同時に訪問するケースが多いです。ハンガリーは第二次世界大戦後には東側諸国になり、暗いイメージがあります(といってもハンガリーは東側諸国の中では自由なほうでした)が、今はEUの一員でそれほど恐れることはありません。オーストリアもハンガリーも治安は良いほうですので、これらの周遊旅行も魅力的です。
写真2. ウィーンの素晴らしい旧市街
写真3. ブダペストの聖イシュトヴァーン大聖堂
また、第一次世界大戦(第二次世界大戦ではない!)はオーストリアもハンガリーも同じ国でしたので、両者の結びつきも強いものがあります。とにかく、ウィーンとブダペストは、日本人のイメージする国境越えというイメージよりも気軽に行き来できるのです。
ウィーンとブダペストの移動方法概論
では、ウィーンとブダペストの移動はどのようにするのでしょうか。航空機やバスという方法もあるでしょうが、列車で2時間半なので、航空機を利用するほどでもありません。また、バスよりも列車のほうが快適でしょう。そのため、列車の移動方法について述べることにしましょう。
表1. ウィーン→ブダペスト時刻表
ウィーンからブダペストへの時刻表を示します(表1)。オーストリア国鉄ご自慢のレイルジェット(RJ)を使用する列車については、赤い網掛けで表示しています。多くはウィーン-ブダペストの運転ではなく、レイルジェットはオーストリア、ドイツのような都市から直通、そのほかの列車(ハンガリー国鉄受け持ちの列車)はルーマニア、セルビア、ウクライナに直通しています。オーストリアが西欧、ハンガリーが東欧とすると、西欧の列車と東欧の列車が入り混じっていることがわかります。
おおむねレイルジェットが2時間間隔、利用の多い時間帯はユーロシティやユーロナイトが運転されることで1時間間隔の運転を実現していることがわかります。この点、きっかり2時間間隔のプラハ-ウィーンよりも利用しやすいですね。駅はウィーン中央駅とブダペスト東駅を利用します。
表2. ブダペスト→ウィーン時刻表
逆に、ブダペストからウィーンの時刻表を示します。ここもおおむねレイルジェットが2時間間隔、利用の多い時間帯はユーロシティやユーロナイトが運転されることで1時間間隔の運転を実現していることがわかります。
実際の予約方法
では、実際に予約しましょう。オーストリア国鉄のサイトとハンガリー国鉄のサイトで予約することが理論上可能ですが、実際はオーストリア国鉄のサイトからしか予約できません。実際にはハンガリー国鉄のサイトからも予約できるのでしょうが、ハンガリー国鉄予約した場合はハンガリー国内の駅でチケットと引き換えなければなりません。ということは、ウィーンから利用する際はハンガリー国内の駅に入る前に列車に乗るので、事実上利用不可能です。そのため、オーストリア国鉄のサイトから予約することになります。
なお、ヨーロッパの列車は座席の向きが固定されていて、窓割と座席割が一致していません。したがって、進行方向を向いていて、なおかつ窓割と座席割が一致している座席を座席表で選ぶ必要があります。このようなサービスは日本では考えられませんね。
ということで、オーストリア国鉄での予約方法を以下で述べます。
1) オーストリア国鉄のサイトに入る
ご自身の検索窓でOBBと入力すると、最初のページでオーストリア国鉄のサイトが開きます。どうしても開かない人はここからオーストリア国鉄のサイトを開いてください(別ウィンドウで開きます)。
2) 英語に切り替える
ドイツ語が得意な人はともかく(注.オーストリアはドイツ語を話します)、多くの人はドイツ語は不得意でしょうから(得意な人はこんなサイトを見ない!)、英語に切り替えます。画面の右上にENの表示があるので、そこをクリックします。
3) 日付と時刻を入力
まずは日付と時刻を入力します。ここでは、ウィーンの発車時刻を指定します。
とりあえず9:00にしておきましょう。日時を指定したら、DONEをクリックします。これから、DONEをクリックすることは多くありますので、覚えると良いです。
4) 駅名を入力
駅名を入力します。WienとBUDAPESTで構いません。BUDAPESTは全て大文字で変な感じがしますが、これはブダペスト駅そのものを指すのではなく、ブダペストのどこかという意味合いです。もちろん、ここでブダペスト東駅を示すBudapest keleti を入力しても構いません。駅名を入力したら、Book~をクリックします。Bookという単語は本という名刺を指すというイメージがありますが、予約するという動詞もあります。
5) 候補となる列車が表示される
こうすると、別ウィンドウが開きます。タウルスちゃん(オーストリア国鉄ご自慢の機関車です)が表示されて、検索します。
検索結果が表示されました。でもここで、人数をはっきりと示していませんでした。1人が前提となっています。お1人で利用される場合はそのままで構いませんが、2人で利用する場合は不都合です。ここでは、利用人数を2人にする手順を示します。人数に変更がない場合は、6) を飛ばして 7) をご覧ください。
6) 人数を変更
検索結果画面の右上に着目します。ここをうまく入力することで2人に変更できます。
割引の一覧がありますが、この中にはRail Passはありません。Rail Pulsは別のサービスです。大人であればAdultをクリックして、DONEをクリックします。
7) 候補となる列車をクリック
候補となる列車が表示されました。この中から、都合の良い列車を選択します。ここでは9:42発のレイルジェットを選択しましょう。10:42発はDと表示されていますが、急行列車という意味です。インターネット大陸を眺めるとあまり乗り心地は良くなさそうなので、避けておきましょう。
8) 料金種別と等級を選択
候補となる列車を決めたら、料金種別と等級を選択します。
料金種別:安くてキャンセル不可なプランにするか、高くてキャンセル可能なプランにするかを選択
等級:1等か2等かビジネスクラスにするかを選択
ここでは、安いけれども1等車を選択することにしましょう。ビジネスクラスはさらにグレードが高いですが、向かい合わせの座席なので、私のようなコミュ障には不適切です。
9) 座席予約も忘れずに!
座席予約も忘れずにしておきたいです。座席を予約すると、進行方向側か窓側かなどの細かなことも手配できます。せっかくの旅行ですから、ここではやる方向としましょう。
10) 座席を細かく選択
さて、座席を細かく選択します。先ほどの画面でRESERVETION~と書かれた項目をクリックします。
すると、このような画面が登場しますので、GO TO SEAT~と書かれた項目をクリックします。
号車番号をクリックします。ここでは26号車を選んでみましょう。27号車が先頭となります。
列車は右手方向に進みます。2人利用であれば、テーブルがある向かい合わせの席が良さそうです。55番と56番が該当します。その席をチェックします。
チェックすると、緑色に変わりますので、画面右上のDONEをクリックします。
11) いよいよ決済へ
いよいよ決済です。ここで必要なのは、クレジットカード(またはPayPal)、ネットができるメールアドレスとあなた(がた)の使命です。
これが決まったら、バスケットに入れます。
まずは、氏名を入力します。まずは名前を入力し、次に名字です。これは改札がない以上、不正利用を防ぐための手段でしょう。
次にメールアドレスを入力します。ここでもう一度上を確認しましょう。何かの操作ミスで別の注文が入っているかもしれません。その場合は、予約一覧の付近にバツボタンがありますので、それを押すだけです。最後に、支払い方法を選択します。楽天カードを入力すると、残念ながらエラー画面が表示されます。その場合はPay Palで支払うなり別のカードを用意するなどです。
12) メールアドレスに添付のURLをクリック
支払いが終わると、登録したメールアドレスにメールがやってきます。いろいろと書いていますが、PDFファイルをA4サイズに印刷しなさいとあります。ここのリンクをクリックすると、予約確認画面が登場します。
予約画面を見て混乱しましたが、下のほうまでスクロールすると、PDFファイルへのリンクがあります。そこをクリックすると、あなたのデバイスにダウンロードされます。これを旅行開始までに印刷しましょう。家にプリンターがない?そんな場合は、コンビニで印刷するだけです。
実際に乗ったときの様子を詳しく記録しています。駅で待つときに注意すること、客席の様子や車窓風景を収録しています。
ウィーンからブダペストまでレイルジェットに乗る(19年夏)
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なんで、ここまで詳細にまとめられたのかって?ヨーロッパ時刻表を購入したからです。本記事の内容を再確認したり、乗りかえ列車の時刻を確認するために、購入を強くおすすめします。私も海外旅行の際に非常に助けられました。
ここまで詳細に解説しました。公式サイトから予約できると思いますが、日本語で予約できないことに不安を感じる人もいるかもしれません。下記のサイトであれば、日本語で予約できるので安心です。
Omio:ヨーロッパ鉄道旅行交通予約サイト
また、その予約にはクレジットカードが便利です。
個人的にはエポスカード がおすすめです。海外旅行に使えるカード:エポスカードで詳細を紹介しています。
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