東武8000系の車内

記事上部注釈
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東武8000系。2000年代前半まではほぼ全車現役であり、現在でも東武鉄道のある程度の路線で姿を見ることのできる車両です。私鉄の103系と称される車両ですが、現実はどうなのでしょうか。その車内を見てみました。

写真1. 高柳に停車中の東武8000系電車

本記事は8170Fと呼ばれる編成を紹介しています。

復習:東武8000系の概要

まず、東武8000系についてまとめます。

東武8000系の概要
  • 形態:4ドアロングシート
  • 車体:鋼鉄製
  • 製造初年:1963年
  • 編成:2両、4両、6両編成
  • 運用:東武東上線系統(森林公園-寄居、坂戸-越生)、野田線、大師線、亀戸線、伊勢崎線群馬・栃木地区

東武8000系は東武鉄道の大型化・新性能化車両として1963年に登場しました。地方線区に残る旧性能車の置き換えに重点を置いていたことから、21世紀初めまで事故を除く廃車は0でした。近年は日比谷線直通の置き換え(により余剰となった20000系列)などによって数を減らしていますが、依然として東武鉄道の主力車両の1つとして君臨しています。

東武8000系の車内を眺める

御託はこの程度にして、実際に東武8000系の車内を眺めます。

写真2. 東武8000系の車内全景

東武8000系の車内全景です(写真2)。1960年代の車両としては車内は明るく、1980年代の車両といっても通用すると思います。ドア間7人掛け、車端部4人掛けの東武10000系まで通じる座席配置です(10030系からは車端部3人掛けに変わりました)。

写真3. 東武8000系の車内

車内を別の角度から撮影しました(写真3)。クリーム色の壁、茶色の床、黄緑色の座席といった色づかいでフレッシュナチュラルな配色です。

写真4. もう少し異なる角度から撮影

もう少し異なる角度で車内を撮影しました(写真4)。よく見るとドア付近の吊革が少ないです。出入口付近でつかめる場所が少ないのは、満員で座るときにはつらいと思います。

写真5. ドア付近付近を撮影

ドア付近を撮影しました(写真5)。長手方向の吊革がないことがわかります。また、現代の車両で標準的な電光掲示板やLCDなどの表示がありません(一部でスーパー8000系と称される編成にはあると聞きますが)。

写真6. 座席は7人掛け

座席は7人掛けです(写真6)。古い車両らしく、バケット形状による区分はありません。座席に模様があり、1人ぶんの幅がわかるように配慮されていますが、乗客としてこの区分にうまくはまるように座るのは難しいです。座席はふかふかです。

写真7. 車端部は4人掛け

車端部は4人掛けです(写真7)。つり革が黄色系になっていたり、優先席という大きな表示があったりと優先席とわかるように表示されています。

写真8. 天井の様子

天井の様子です(写真8)。6号車と5号車の仕切りはドアがなく、開放的です。なお、本家103系とは比べ物にならないくらい静かです。国鉄~JR東日本の通勤車でこれだけの静寂性はE231系になってようやくでしょうか。

写真9. 天井の様子

天井の様子です(写真9)。古い車両ですが、意外と凹凸がなくこぎれいにまとまっています。扇風機がないのでそう見えるかもしれません。

写真10. 天井の様子

天井の様子です(写真10)。写真9と少しだけ異なる角度で撮影しました。

写真11. 座席仕切り

座席の仕切りと網棚に焦点を当てました(写真11)。昔の車両らしく座席の端部には仕切り板はありません。

写真12. 一部の車端部には車いすスペースがある

一部の車端部には車いすスペースがあります(写真12)。21世紀に使用する以上、このような設備は必要とされるのでしょう。車いすの乗客が来る場面はあまりありませんから、それ以外は座席を設置しても良いと思いますが、トラブルの元となりえる(途中駅で車いすの乗客がやってきた場合、座っている全員が立つことに同意するのか?)ので、このような形態なのでしょう。

写真13. ドアの様子

客用ドアの様子です(写真13)。今や銀色のドアは古さの象徴に見えます。ただし、ドアのゴムに凹凸があり、走行中の隙間風がありません。見かけは質素でも実は造りがしっかりしているのが東武鉄道の車両であり、このドアはそれを象徴している1つと思います。

写真14. ドア窓は単板ガラス

ドア窓は単板ガラスです(写真14)。東武鉄道におけるドア窓複層ガラスは30000系までおあずけです。2000年代から始まった10000系列と9000系リニューアルでは、ドア窓は複層ガラスに変わっています(9050系はそのまま)が、8000系にはそれは波及していません。

写真15. 路線図もある

ドア上に路線図があります。8000系の問題ではありませんが、この路線図はちょっと使いにくいです。進行方向と路線図の方向が一致しないことがあるのです。柏で進行方向を変える運転系統である以上、路線図もそうしたほうが良いと思います。東武野田線にも急行とは時代が変わりましたね!

写真16. 運転席仕切壁の様子

運転席仕切壁の様子です(写真16)。近年の東武鉄道らしく一番左側には窓がありません。でも、スペーシアXでは前面展望を満喫できる構造なので、通勤車でもできるのでは?

写真17. 運転席仕切壁

運転席仕切壁に近づきました(写真17)。鉄道事業法第33条の案内が掲示されています。日々条文を意識する機会がありますから、東武鉄道沿線の人は司法試験で有利ですね!まあ、このような掲示をするのが東武鉄道のダサさと私は受け取っています(今も昔も東武鉄道に近い駅に住んでいます)。

東武8000系の車内を眺めてみて

写真18. 高柳で急行を待つ普通柏行き

東武8000系。私が物心ついてから現役の車両です。これより新しいはずの10000系列が廃車され始めるなど、8000系を取り巻く状況は明るいものばかりではありません。東武8000系は派手さこそありませんが、必要な機能はしっかり備えている車両です(近年の車両では当たり前にある情報提供措置がないなどの側面はありますが)。

鉄道車両は輸送機械です。古い輸送機械である東武8000系は近いうちに廃車が進行するでしょう。8000系のような細かな工夫を怠らない姿勢は、後継車両にも反映されてほしいものです。

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コメント

  1. 唐揚げ より:

    運用:東武東上線(森林公園-寄居、坂戸-寄居)
    となっていますが…
    坂戸ー越生…正しくは、東武越生線ですかね?

    • tc1151234 より:

      唐揚げさま、コメントありがとうございます。坂戸-越生(指摘を受け書き間違いを訂正しました)は越生線であり、東上線です。というのも、東上本線と越生線の双方を合わせ東上線と称しているためです。

      ただし、世間では東上本線と東上線を混同していることが多く、同様の疑問を抱く人も多いでしょうから、本文中の記述を東上線「系統」と修正いたしました。