ベルリンの隣に位置する都市、ポツダム。単に首都の隣町として見られがちですが、ポツダムそのものも見どころのある街です。そんなポツダムの街歩き観光を堪能しました。
写真1. ポツダムの旧市街は素晴らしい!
復習:ポツダムの概要
まず、ポツダムの概要を紹介します。
- 国:ドイツ連邦共和国
- 州:ブランデンブルク州
- 人口:17万人程度
- アクセス:ベルリンからSバーン、RE1系統でアクセス可能
- 見どころ:宮殿や旧市街
図1. ポツダムの位置(googleマップより引用)
ポツダムはベルリンの隣に位置する都市です(図1)。ブランデンブルク州(ベルリンの周囲の州、ベルリンは含まれず)の州都でもあります。
そして、何より日本人にとってはポツダム宣言やポツダム会談で有名な場所でしょう。第二次世界大戦後の日本の運命を決めた会議(ポツダム会談)や決めごと(ポツダム宣言)はポツダムで行われたのです。その会場は宮殿であり、宮殿があるほど優雅な街であるということなのです。
では、ポツダムにはどのように行けば良いのでしょうか。一般にはベルリンからのアクセスが一般的です(反対側のマクデブルクから来る変わり者もいるようですが)。
図2. ベルリンとポツダムの経路
ベルリンとポツダムの経路を示しました(図2)。日中時間帯ではSバーン(ポツダム行き)が10分間隔(所要時間50分弱)、RE1系統が平均30分間隔(所要時間30分弱)で運転されます。人によっては公式の路線図のほうがわかりやすいかもしれません。ベルリン(とポツダム)の路線図を示しましょう!
図3. ベルリンとポツダムの路線図(公式サイトより引用)
※ポツダム中央駅は左下にあります
図4. ベルリンとポツダムを含む広域路線図(公式サイトより引用)
広域路線図も示しました(図4)。ポツダムにとまるICは1日1本だけですので、あまりあてにしないほうが良いでしょう。興味深いことは、毎時1本のRB22系統によって、ベルリンブランデンブルク国際空港とポツダムまで所要時間50分(この系統はベルリン市中心部を通らない)で結ばれていることです。
ベルリンとポツダムのアクセスについて長々と記しましたが、ベルリン訪問中にポツダムに行くことは何ら難しくないということです。
ポツダムの市内交通
ポツダムに行くことは難しくなく、ポツダム中央駅に行くことは簡単です。では、ポツダム中央駅から主な見どころに簡単に向かえるのでしょうか。現実は「駅前に宮殿も旧市街もある」ということではなく、駅からの移動が必須です。では、ポツダム市内の路線図を示しましょう。
図5. ポツダムの市内交通路線図(公式サイトより引用)
ポツダムの市内交通路線図を示しました(図5)。ポツダム中央駅から南方向に向かい(ベルリンから来たら進行方向左側)、そこからバスや路面電車に乗るだけです。路面電車は手前のホームに来る系統が旧市街や宮殿方向に向かいます。ただし、宮殿に行くにはバスのほうが便利でしょう!
(何回か乗ることを考えると)市内交通は1日乗車券(Tageskarte)が良いと思います。ポツダム中央駅のチケットセンターで買うことができます。また、ベルリンのABCゾーンに有効なチケットの場合、ポツダムでも有効である(ポツダムを含む周辺エリアはCゾーンに含まれる)ため、ここでわざわざ買う必要はありません。私はこのときはベルリンで有効なチケットを持っていなかった(ホテルでもらえるがホテルに行く前にポツダムに寄った)ため、駅で購入しました。
ここでは旧市街に向かうことを考えます。すると、路面電車の92系統や96系統が良いです。これらから旧市街を散策後、そのまま歩いて宮殿に向かうのが街歩きも堪能できる良いコースです。
ポツダムの街歩きを楽しむ
アクセスについてわかったところで、実際に街歩きを楽しみましょう!
ポツダム中央駅から旧市街までのアクセス
ポツダム中央駅から旧市街まで向かいましょう!
写真2. ポツダム中央駅の通路
ポツダム中央駅を歩きます(写真2)。南側に進みます。旧市街や宮殿は駅の北側にありますが、バス停や路面電車の電停は南側にあるので、南側に進むのです。わからなければ、多くの人が歩いている方向に向かうか(私はそうしました)、太陽の光が差す方向に向かえば間違いありません。
写真3. ポツダム中央駅のチケットカウンター
ポツダム中央駅のチケットカウンターです(写真3)。ここでポツダムの1日乗車券(Tageskarte)を買うことができます。私はこのような場面で、地球の歩き方先生を見せています。現地語表記で書いてあるので、係員さんとのコミュニケーションも問題ありません(たいてい価格を見られて苦笑されます)。
ここでエポスカードで簡単に決済できました。私は年会費無料という理由でエポスカードを選択しましたが、それに限らずVISA対応のクレジットカードを旅行前に準備する重要性を実感しました。
写真4. 南口の階段下にコインロッカーがある
南口の階段下にコインロッカーがあります。確かここは現金しか受け付けなかったので、駅のスーパーなどで水を購入し、小銭を用意しました。
写真5. コインロッカーの様子
コインロッカーの様子です(写真5)。4ユーロです。ベルリンからの日帰り旅行ならともかく、マクデブルクからベルリンの移動の途中に寄るような変わり者には必須です(預けたら観光終了後に回収を忘れずに!)。
写真6. ポツダムの市内交通
駅前(だったと思う)に市内交通の路線図がありました。サンスーシ宮殿を含めたピクトグラムがあり、直観的にわかります。サンスーシ宮殿(駅の北西側)とツェツィリエンホフ宮殿(駅の北東側)は離れており、(ポツダム会談の会場となった)ツェツィリエンホフ宮殿どちらかというと地味な印象です。
旧市街はその手前に位置し、路面電車に乗れば向かうことができます。
写真7. ポツダム中央駅の路面電車のりば
ポツダム中央駅では2番線の路面電車に乗ります(写真7)。
写真8. 主要目的地ごとの路線系統
主要目的地ごとの路線系統が示されています(写真8)。私が見る限り、90番台は路面電車、そのほかはバスです。
写真9. 反対方向の路面電車がやってきた
反対方向の路面電車がやってきました(写真9)。あちらは空いていてうらやましいです。こちらは92系統と96系統が区間運休なのか、残った系統のみで10分間隔でした。
写真10. 路面電車に乗りこむ
路面電車に乗りこみます(写真10)。なかなか楽しい車窓でしたが、混んでおり車窓は撮れずじまいです…。
写真11. Platz der Einheit/Westで降りる
Platz der Einheit/Westで降りました(写真11)。良い感じの街並が広がり、期待に胸が躍ります。
図6. Platz der Einheit/West
この電停の位置を示しました(図6)。ポツダムの旧市街の南東側に位置します。ここから92系統、96系統は北に向かい、91系統、93系統は西に向かいます。もう少し北に進んだ場所から歩くことを計画していましたが、運休なので街歩きはここから開始です。
ポツダムの旧市街の街歩き
さて、実際にポツダムの旧市街を歩きましょう!実際に街を歩く際にはgoogleマップが重宝します。それには旅行前にインターネット環境を整備することが重要です。私は海外WiFiレンタル【WiFiBOX】を選択しましたが、同様のサービスを事前に手配することが肝要です。
図7. 今回の移動経路(googleマップより引用)
今回の移動経路を示しました(図7)。ブランデンブルガー通りを通ってブランデンブルク門に向かいました。
ブランデンブルガー通りまで
写真12. 広場を眺める
広場を眺めます(写真12)。
写真13. 少し先の交差点に行く
少し先の交差点に行きましょう(写真13)。
写真14. 西に向かう通りを眺める
この交差点で路面電車91系統と93系統が向かう方向を眺めました(写真14)。
写真15. 東側を眺める
東側を眺めます(写真15)。
写真16. 美しい建物が広がる
美しい建物が広がります(写真16)。
写真17. 道を進む
道を進みます(写真17)。中世の美しい街並が広がります。田舎の美しい街並とは趣が異なったまた異なるものです。
写真群1. ポツダム(左側)とクヴェードリンブルク(右側)の比較
写真18. ブランデンブルガー通りにやってきた
ブランデンブルガー通りにやってきました(写真18)。
図8. ブランデンブルガー通りとの交差点付近(googleマップより引用)
現在地を示します(図8)。
ブランデンブルガー通り
ブランデンブルガー通りを歩いてみましょう!地球の歩き方先生もブランデンブルガー通りを推しています!
図9. ブランデンブルガー通りの経路(googleマップより引用)
ブランデンブルガー通りを示しました(図9)。ブランデンブルガー門から東側に伸びる通りで、歩行者天国があります。
写真19. ブランデンブルガー通りに入る
ブランデンブルガー通りに入りました(写真19)。日曜なので店が閉まっていますが、これはドイツならどこでも同じです。どうせ買い物をしないし、雰囲気を楽しみましょう!
写真20. 振り返る
振り返ります(写真20)。目の前に見えるのはKatholische Pfarrkirche St. Peter und Paulです。
写真21. 工事エリアは終わり!
工事エリアは終わりました(写真21)。雰囲気を味わいながら進みましょう!
写真22. 路上に席がある
路上に席があるカフェ(レストランかもしれない)があります(写真22)。旅行というとどうしても多くの観光地をめぐることになってしまいますが、このようなカフェでゆっくり過ごすのも良さそうです(私は多くの観光地をめぐりつつ時間も捻出するために旅のマトリックス図(※)を提案いたします)。
※旅の目的地(ドイツならばフランクフルト、ベルリン、ポツダムなど)と名所のカテゴリ(教会、宮殿、城など)で表を作成し、多くの都市で訪問する名所のカテゴリを変えることで、特定の都市での目的地を少なくし、旅程にゆとりを持たせること
写真23. 優雅な道路を歩く
優雅な道路を歩きます(写真23)。ドイツには法律があり日曜に小売店の営業は認められてませんが、カフェやレストランは開いています。なので、「日曜に行ってもどこにも行けない…」ということにはなりません。
写真24. 中間付近までやってきた
ブランデンブルガー通りの中間地点までやってきました(写真24)。
写真25. ブランデンブルガー通りとドルトゥ通りの交差点
中間の交差点です(写真25)。この通りも優雅そうな雰囲気が漂います。ただし、自動車も乗り入れるので、歩くには注意が必要です。
写真26. 東側を眺める
今、東側から西側に向かっていますが、中間地点で東側を振り返りました(写真26)。
写真27. もう少し進む
もう少し進みます(写真27)。ここはカフェが多いのでしょうか。
写真28. うさん臭い茶屋がある
うさん臭い茶屋がありました(写真28)。私は日本茶の本場からやってきたので変に感じますが、その場所に適した進化というのもあるのでしょう。
写真29. 次の交差点までやってきた
次の交差点までやってきました(写真29)。
図10. 現在位置(googleマップより引用)
現在位置です(図10)。ブランデンブルガー通りとリンデン通りの交差点です。
写真30. 変な像がある
変な像があります(写真30)。
写真31. 東側を振り返る
東側を振り返ります(写真31)。このあたりはブランデンブルガー通りの東端よりも人通りが多いように見えます。
写真32. 真実の買い物!
「真実の買い物」といううたい文句の店がありました(写真32)。
写真33. 不気味なマネキンがお出迎え!
不気味なマネキンがお出迎えです(写真33)。何が真実なのかを確かめるべく中に入りましたが、大したことはなく、単なる洋服屋でした。日曜にやっているのは法の抜け穴が何かあるのでしょうか(ここが無料のテーマパークでそのみやげ屋扱いとか?)。
写真34. ブランデンブルガー通りの最後の交差点
最後の交差点です(写真34)。ブランデンブルク門が近くに見えてきました。
写真35. 南側を眺める
南側を眺めます(写真35)。こちらには人通りはあまりありません。この1本向こう側の通りはシャルロッテン通りです。
写真36. 北側を眺める
北側を眺めます(写真36)。
写真37. ブランデンブルク門が近づいてきた
ブランデンブルク門に近づいてきました(写真37)。
写真38. 何という多国籍料理!
何という多国籍料理なのでしょうか?中華、ベトナム、タイ、寿司がまとまっています(写真38)。欧州で驚くことの1つです。
写真39. 豊富なメニュー
豊富なメニューです(写真39)。日本の感覚でいうと、スペイン料理とイタリア料理が同じ店で出てくるという感覚でしょうか。そうとらえると納得もできます。
ブランデンブルク門
ブランデンブルク門といえば、ベルリンのイメージがあります。
(参考)写真40. ベルリンのブランデンブルク門(2018年に撮影)
かつて東西ベルリン分割の象徴とされ(ちょうどこの門が東西の境界近くにあり、東側の安全地帯に位置していたため立ち入ることさえ不可能だった)、現在はニュース番組でドイツのイメージ用VTRに登場する場所です。
ベルリンのブランデンブルク門が有名ですが、ポツダムにもあります。
写真41. ポツダムのブランデンブルク門
ポツダムのブランデンブルク門です(写真41)。どのような門かを探るためにwikipedia先生に聞いてみました。
図11. ブランデンブルク門(ポツダム)の位置(googleマップより引用)
七年戦争の終わりに向けて、フリードリヒ大王は古い門を取り壊し、代わりに勝利の象徴としてこの新しいブランデンブルク門を建設させました。そのため、ブランデンブルク門はローマの凱旋門に似ています。その原型はローマのコンスタンティヌスの凱旋門でした。
wikipedia先生(Brandenburg Gate (Potsdam))
簡単にいうと七年戦争の勝利を記念した門なのですね!ベルリンのブランデンブルク門は街の内外を区別していた性質があったので、それとは性質が異なります。
写真42. 美しいブランデンブルク門
美しいブランデンブルク門です(写真42)。
写真43. ブランデンブルク門とその周囲の美しい風景
ブランデンブルク門とその周囲の美しい風景です(写真43)。
写真44. ブランデンブルク門の側面
普通の人は撮影しないであろう、ブランデンブルク門の側面を撮影しました(写真44)。ちょっとしょぼい…。おかげで中を通り損ねた…。
写真45. ブランデンブルク門の前の広場
ベルリンのブランデンブルク門近くはパリ広場という美しい広場がありますが、ポツダムも美しい広場があります。名前は特に付いていないようですが…。
写真群2. ポツダムとベルリンのブランデンブルク門前の広場の様子(いずれも2023年に撮影)
比較のために写真を並べてみました(写真群2)。あなたの好みはどちらですか?
写真46. 西側からブランデンブルク門を眺める
反対側からブランデンブルク門を眺めます(写真46)。信号機と重なってしまい、ちょっと不細工でしたね…。
その他のポツダムのギャラリー
そのほかの写真をギャラリー形式で紹介します。
写真47. ブランデンブルク門周辺から北側を眺める
写真48. ブランデンブルク門から北側を眺める
写真49. ブランデンブルク門の側面(帰りのバスで撮影!)
写真50. シャルロッテン通りの風景(帰りのバスから撮影)
写真51. 湖の街と実感できる光景(帰りのバスから撮影)
写真52. 昼食に入った店(Fahland Café & Bistro)のメニュー
写真53. パンの一覧(うまそー)
写真54. バスから見かけたレストラン
ポツダムを訪問してみて
今回、ポツダムに訪問しました。そこまで期待していませんでしたが(ここを通るから途中下車しようというノリ)、予想外に優雅でのんびりしていた場所でした。ドイツ旅行でポツダムに行く人はそこまで多くないでしょうが(ベルリン地区に行く人が少なく、ポツダムまで足を延ばすのはその少数でしょう)、かなり良い場所です。
多くの場所を訪問すると、このように予想外の当たりとなる場所を見つけることができます。そのような意味で、個人で旅行を計画し、自分で移動する醍醐味を感じることができました。
重要旅行には準備が必要です。旅行先の情報はgoogleマップでも網羅できるとして、そのgoogleマップを見るための通信環境は忘れていませんか。また、現地での決済手段のクレジットカードのご準備はされていますか。私は年会費無料のクレジットカードを選択しました(使い勝手についてまとめました)。
(←前) マクデブルクからポツダム(ベルリン方面)への列車旅
ポツダムの街歩き観光:現在地
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★全体のまとめ:23年GWドイツ・スイス旅行のまとめと振り返り
★ベルリンの観光名所についてもまとめています。