ベルリンUバーンとトラムに親しむ(18年ベルリン旅行記、23年更新版)

記事上部注釈
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ベルリン滞在中にSバーン(東京に例えるとJR山手線など)にも乗車しましたが、Uバーン(地下鉄)やトラム(路面電車)にも乗車する機会に恵まれました。ここでは、それらについて取り上げます。

写真. 過去帳入りしたU55系統(今やU5の時代です)

補足

本記事は2018年に執筆したものですが、2023年のベルリン再訪時に合わせ、路線図を更新しています。また、U1やU6について加筆するなど、2023年の知見も含めています。そのため、2023年更新版としてご認識ください。

重要

本記事で詳細に解説しますが、ドイツの鉄道に関する内容を一通り、そして詳しく解説した書籍を出版いたしました。同人誌の流通ルートで販売していますが、いわゆる萌え絵は一切なく一般的な同人誌に嫌悪感を示す人でも抵抗ない内容・体裁になっています。

ベルリンUバーンに親しむ

まずは地下鉄といえるUバーンについて取り上げます。

ベルリンUバーンの概要

図1. ベルリン市内交通(公式サイトに多くの路線図があります)

ベルリンUバーンは上に掲げる路線網を形成しています(図1)。この中にはSバーンの路線網も含まれていますが、日本の地下鉄とは異なり共通運賃です(ヨーロッパはだいたいそうと聞いています)。私は運賃制度についてはあまり明るくありません。私の宿泊したホテル(インターシティホテル)が宿泊した日全てに有効な乗車券をくれたからです(ホテルの探しかたはこのページの最後に触れます)。

写真1. Uバーンの車両(U8、アレクサンダー広場で撮影、H型)

UバーンにはU1、U2、U3、U4、U5、U6、U7、U8、U9の9路線があります。ただし、以前はU5は2本に分かれており、西側はU55、東側はU5でした。いずれもSバーンが通っていない地域を通り、Sバーンと組み合わせて有機的な交通網を形成しています。ラインカラーはあるようですが、いずれの路線も黄色の車体を採用しています。日本のようにラインカラーと車体色を合わせるという発想はないようです。

今でこそ、地下鉄(Uバーン)とドイツ鉄道(Sバーン)はある程度協調していますが、以前はそのようなことはありませんでした。ベルリンは冷戦時代に東西に分けられていました。このとき、終戦時の協定に基づき、地下鉄は西側が運営し、Sバーンは東側が運営していました。これでは協調した運営は不可能です。西ベルリン側では、東側が運営するSバーンを避けるように、Uバーンを利用していたようです。その一例がU9です。

ベルリンUバーンに実際に乗る

では、実際に乗車した感想を述べましょう。まずは、ベルリンで最も新しい地下鉄の55号線です。

U55:最も新しく将来が有望な路線

写真2. U55の外観

写真3. U55の車内

U55はベルリン中央駅からブランデンブルク門までのわずか3駅しか伸びていない路線です。終日10分間隔で運転されています。この路線は2両編成ですが、混んでいるところを見たことがありません。そのため、ゆっくり写真を撮影できました(写真2-3)。ベルリン中央駅は再開発中のエリア、そして国会議事堂は周囲が市街地ではないという背景があるのかもしれません。この路線は将来的には、U5とつながります。その途中はウンター・デン・リンデンというベルリンでも有名な通りを経由します。延伸工事が完了したら利用客は増えるのでしょう。ちょうど、東横線とつながった副都心線のように…。

写真4. U55が将来伸びる区間(地上):ウンター・デン・リンデン

※2020年12月6日確認

ついにU55とU5がつながりました!素晴らしい!そのため、U55は過去帳入りし、今やベルリン中央駅からU5が発車します。

補足

上記記述はU5とU55がつながる前のことです。現在はベルリン中央駅からU5が発車しています。

写真5. Museumsinsel

その新規開業区間はおおむねウンターデンリンデンの下を通っています。新規開業区間のMuseumsinsel駅から利用しましたが、新しい駅というのが伝わりました。

写真6. ベルリン中央駅も2線が使用される

ベルリン中央駅も2線が使用され、かつての10分間隔から5分間隔に短縮されていました(写真6)。まさにU55号線は準備期間であったことがわかります。

U2:アレクサンダー広場とポツダム広場を結ぶ古株の路線

写真7. 地上区間を走行するU2

私はポツダム広場周辺だけしか乗車していませんが、アレクサンダー広場というベルリンでも人が集まる場所と、戦前の中心部であるポツダム広場を結ぶ重要な路線です(よね?)。私が感じたのは、前面展望が何とか可能であったことです。人が多かったので、写真には残せませんでしたが…。座席はロングシートが主体であったように記憶しています。U55はボックス席車体ですので、異なりますね。また、地上区間が多かったことも印象に残っています(写真5、6)。

写真8. 地下鉄の高架を眺める

写真9. 中心に近いMohrenstr駅

2023年にベルリンに再訪した際、2号線の別の駅(Mohrenstr)から乗ってみました。ベルリンの観光名所でいうと、ブランデンブルク門とチェックポイントチャーリーの中間地点です。

写真10. 高架区間からベルリンの風景を眺める

高架区間からベルリンの風景を眺めます(写真10)。

写真11. 高架区間からベルリンの風景を眺める

このようにベルリンの風景を楽しめる区間もあります(写真11)。

写真12. 高架のNollendorfplatz駅

高架区間のNollendorfplatz駅で降りました。その外観です(写真12)。実際はトイレに行きたくて適当な途中駅で降りたためです(駅前のカフェの客になることでトイレ問題を解決しました)。

U1:クーダムを起点とする路線

ベルリンが東西に分かれていた時代、西ベルリンの中心街はクーダムと呼ばれる通りでした。そのクーダムを起点としている路線がU1です。観光名所の多いミッテ地区より南側を通るので観光客にはあまりなじみがありませんが、地元の利用が多い印象を受けました。

写真13. Kurfürstendamm駅周辺の様子

Kurfürstendamm駅周辺の様子です(写真13)。この写真の左端に駅入口が見えます。このときは祝日だったので、周囲の商店はやっていませんでしたが(ドイツは日曜・祝日は小売店は休むという法律があります)。

写真14. レトロ感漂うホーム

ホームに降りてきました(写真14)。レトロ感が漂います。

写真15. 地上区間を走る

U1も地上区間を走ります(写真15)。ベルリンの地下鉄はブランデンブルク門の模様を窓ガラスに付けていますので、車窓がクリアに映りません。

写真16. 地上区間を走る

地上区間を走ります(写真16)。観光客が行きたそうな区間の車窓でないので、このような車窓は意識しないと見られません。

写真17. 都市部を走る

ドイツの都市部をイメージさせる風景を眺められます(写真17)。

写真18. Hallesches Torで降りる

Hallesches Torで降りました(写真18)。車体が短いためか、2ドア車です。2ドアなので乗り降りに時間がかかりそうで厄介です…。

写真19. Hallesches Torの駅前

駅前の様子です(写真19)。ここは若者に人気の場所なのか、音楽がかかっていたりと柄がやや悪い活気がある印象がありました。

U6:ベルリンの中心部では貴重な南北軸

ベルリンの地下鉄路線図をよく見ると、中心部では東西方向の路線が多く、南北方向の路線が少ないことに気づかされます。その貴重な南北方向の路線がU6です。

写真20. Hallesches Torの6号線ホーム

Hallesches Torの6号線のホームです(写真20)。U6はチェックポイントチャーリー、ウンターデンリンデン、フリードリヒ通り駅というある意味ベルリン観光の白眉の場所を貫く路線です。

写真21. U6の車両

U6の車両です(写真21)。この路線は貴重な南北軸のためか、けっこう混んでいます。

写真22. U6の車内

U6の車内です(写真22)。

写真23. Kochstraßeに到着

観光名所のチェックポイントチャーリーの最寄駅です(写真23)。

ベルリンのトラムに親しむ

ベルリンはトラム(路面電車)が縦横無尽に走っています。そのトラムにも乗車しました。

ベルリンのトラムの概要

ベルリントラムの路線網は一般的なガイド本には掲載されていません。路線網を知りたい場合は、公式サイト路線図を確認すれば良いでしょう。赤い線がトラムを示します。トラムは東西ベルリン時代、西ベルリン側からは消えてしまいました(※)。逆に、東ベルリン側は路線網を発達させてきました。現在、トラムが発達しているのは、旧東ベルリンに当たる地域です。特に、アレクサンダー広場周辺は多くの路線があります。

図2. トラムの路線図(公式サイトより引用)

※旧西ドイツの都市からトラムがなくなったわけではありません。その証拠として、フランクフルトやミュンヘンにはトラムが発達しています。

ベルリントラムに実際に乗る:M5系統

公式サイトの路線図を見ると、M5などのように書かれていますので、ここではMを付けた名称で呼ぶことにします。

M5系統とは?概要は?

私はM5と案内される5系統に乗りました。ベルリン中央駅付近(※)からアレクサンダー広場方面に向かう系統です。終点はベルリン北東部の郊外(Zingster str.、Sバーン75系統の終点にほど近い)です。この系統は20分間隔と本数が少なめです。ベルリン中央駅からアレクサンダー広場方面に向かいたい人はSバーンで向かえば良いためか、本数が少ないです。多くの区間は他の系統と同じルートを通るため、それなりに本数は確保されています。この説明ではわからない?ですよね!

※ベルリン中央駅より西側はループを描いています

ベルリンM5系統

図2. ベルリンM5系統が通る場所

中心街でベルリンM5系統が経由する場所を示します(図2)。図の左の丸で囲った箇所がベルリン中央駅、右の丸で囲った箇所がアレクサンダー広場周辺です。そのあいだの丸で囲った箇所を通ります。観光ガイドでSバーンの北側を取り上げる機会は少ないのですが、雰囲気あるところを通るように思いました。

実際にM5系統に乗る

それでは、ベルリン中央駅から乗ってみましょう!

写真24. ベルリントラムの車体

写真25. ベルリントラムの車内

ベルリン中央駅からはM5の他に、M8とM10が通っています。M8は5分間隔、M10は10分間隔で運転されています。わがM5は20分間隔なのに…。その車体は黄色の低床車です(写真24)。その車内は現代的なものです(写真25)。ここまで文章が続いたので、写真をご覧いただきましょう!

写真26. 美しいベルリン市街

写真27. 美しいベルリン市街

写真28. 美しいベルリン市街

写真29. 美しいベルリン市街

写真30. 美しいベルリン市街

ベルリンの美しい市街地を行きます(写真26-30)。

写真31. 高架橋をくぐる

その後、高架橋をくぐります(写真31)。

写真32. 高架橋を見上げる

高架橋をくぐりましたら、その高架橋を見上げるように走ります(写真32)。このときちょうど近郊列車がやってきました。私の日頃の行いが良いため、ジャストタイミングだったのでしょう。有楽町周辺に都電があればこのような景色になっていたのでしょうか?余談ですが、鉄道ジャーナル2015年2月号には「(高架橋の横を走る)路面電車を眺めながら道端でビールを飲むのは至福」という趣旨の記述があります。今回はそのような時間を過ごしませんでしたが、写真32のように路面電車から高架橋を眺める時間も至福のときと思います。

犬づれのご夫婦も見かけましたが、特に本人が悪びれる様子もなく(犬連れの乗車も認められています)、犬も騒ぐこともありませんでした。犬嫌いの私が気づかなかったほどです。

前後を読みたい!

ベルリンの観光名所を見てみましょう!以下のページにまとめています。

ベルリン観光のおすすめスポットとモデルコース(18年ベルリン観光)

ベルリン観光では、前後でこれらを観光しました。

←(前)ベルリンからシュチェチン(ポーランド)への鉄道での日帰り旅行

(次)ベルリン中央駅を楽しむ(2018年ベルリン観光)→

※別ウィンドウで開きます。

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