ウィーンのトラムの概要
ウィーンはヨーロッパの多くの都市と同じく、トラムが発達しています。ウィーンのトラムで最も有名な路線はリンク周辺のものでしょう。
図1. ウィーン中心部の路面電車網
リンク周辺の路面電車網を示しました(図1)。中心部の外周を回るようにトラムが整備されていることがわかります。この外周をリンク(環状道路)といいます。この環状道路をトラムが通っているのです。リンクを1周するトラムはありませんが、複数のトラムがこのトラムの一部を通っています。メインとなる、オペラ座からウィーン大学までは本数も多く、観光に不便しません。
逆に、旧市街のど真ん中にはトラムは通っていません。大通りがなく、トラムを建設できなかったと理解しています。そのかわり、旧市街のど真ん中(シュテファンプラッツ)まで地下鉄1号線と3号線が通っています。
当然、郊外部分まで路線が伸びています。郊外に行く機会はありませんでしたが、郊外に近いいわば「真のウィーン」ともいえるプラーターシュテルンにはトラムがあり、よく利用されていたように思います。
写真1. プラーターシュテルン周辺のトラム乗り場
トラムの路線Dに乗る
ウィーンのトラムは番号がついていたり、アルファベットだったりとその規則性は読めません。そのウィーンのトラムでも最も使い勝手が良いのがD系統でしょう。リンクの西側(観光名所が多い)を通り、中央駅にもアクセスできるという特徴を有しています。私も実際に系統Dにはお世話になりました。
私はフランツ・ヨーゼフ駅から乗車しました。
写真2. 美しいフランツ・ヨーゼフ駅
行程の関係上(バッハウ渓谷に行った帰り)、フランツ・ヨーゼフ駅からトラムの系統Dに乗りました。この駅はウィーンの北西方向に向かう路線が発車する駅です。Sバーンも30分間隔しかないんですよね…。どちらかというと、ウィーンのターミナル駅でも影の薄いほうですね。ちょうど私とキャラクターがかぶります。
写真2. トラムDは中央駅の東側まで行く
写真3. トラムの系統Dがやってきた
トラムの系統Dは中央駅の東側(イメージとして中央駅の東口)まで行くことが示されています(写真2)。このときは到着まで9分でした。その系統Dがやってきました(写真3)。旧式の車両のようです。この車両は床が高いので、景色が楽しめますね。ただし、混雑していて車窓を撮影できませんでした。
また、リンク(Rathausplatz/Burgtheater)から中央駅まで乗車する機会にも恵まれました。
写真4. Rathausplatz/Burgtheaterにやってくる系統D
実はこの乗車が今回のウィーン滞在最後を締めくくるものでした(中央駅からナイトジェットに乗りました)。その締めも旧式の車両がやってきました。
写真5. カールスプラッツ周辺の繁華街を行く
電車はリンクを南下してカールスプラッツ(ウィーンオペラ座)周辺の繁華街を走ります(写真5)。こことシュテファン広場の間がウィーンの繁華街という印象を抱きました。
写真6. カールスプラッツ周辺の繁華街を行く
写真7. カールスプラッツ周辺の繁華街を行く
このように繁華街を走ります(写真6-7)。
写真8. リンクから離れる
このままリンクを通ると、同じところをぐるぐる回るだけになってしまいます。そのため、リンクから離れます(写真8)。ここからは「観光名所ウィーン」ではなく「真のウィーン」を通ります。
写真9. 静かな住宅街を行く
このように静かな住宅街を走ります(写真9)。もしかしたらベルヴェデーレ宮殿かもしれません(ブログ執筆中に調べていたら真横を通るのですね)。
写真10. 車内を眺める
のんびりとした車内ですね(写真10)。
写真11. 反対方向の電車とすれ違う
反対方向の電車も旧式の車両でした(写真11)。
写真12. ウィーン中央駅周辺は再開発中!
写真13. ウィーン中央駅周辺は再開発中!
ウィーン中央駅はウィーンの外れにあります。そのため、中央駅周辺は再開発中です(写真12-13)。首都の中央駅周辺がそこまで発達していないのはどこかに似ていますね。
写真14. ウィーン中央駅に到着
このようにウィーン中央駅に到着したのです(写真14)。あまり人がいませんね。それもそのはず、こちらは裏側なのです。どちらかというと、中央駅の西側のほうが人が多いです。
写真15. ウィーン中央駅東側の光景
これが停留所周辺の光景です。がらんとした光景です。旧市街と趣が全く異なりますね。私はこの近くのホテルで荷物を受け取って(夜7:30に荷物を受け取る人も少ないでしょう)、次の目的地に向かいました。余談ですが、このホテルのお姉さんに「一番遅かったですね」と言われました。
トラムの車両点描
トラムで使用されている車両は大まかにいって旧式車両と新型車両があります。
写真16. 新型車両も使用されるD系統
新型車両にも出会いました(写真16)。きちんとD系統にも新型車両が使われています。
写真17. リンクで旧式と新型が出会う
歴史的建造物が美しいリンクですが、そのリンクで新型車両と旧式車両が出会いました。これが「絵になる」光景です。私見ですが、リンクにはそこまで観光客も多くなく、上品なエリアで気に入っています。ウィーン一番のお気に入りのスポットですか?それは中央駅ですね!
写真18. リンクを行く旧式の車両
そんなリンクを行くのは旧式車両も絵になります(写真18)。車両そのものに目を向けると、単行ではないことに気がつきます。混雑しがちな都電も連結運転すれば良いのに…。
写真19. オペラ座周辺で乗客を迎える新型車両
写真20. オペラ座周辺で乗客を迎える新型車両
新型車両もウィーンになじみ、地元の足として活躍していることがわかります(写真19-20)。旧式車両と新型車両で輸送力に大きな差がないように見えます。
ウィーンのトラムにはトラムっぽく見えて、トラムとは別の路線が存在します!次回はその路線にも乗ってみましょう。
ウィーンの観光名所を見てみましょう!以下のページにまとめています
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