プラハからウィーンまで列車(レイルジェット)で移動

プラハからウィーンまで列車(レイルジェット)で移動しました。乗車レポートにまとめるとともに、事前の情報収集ではわからなかった点に触れてみましょう。

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プラハとウィーンの移動の概略について述べています。

・本数や所要時間はどれくらいなのか?
・実際はどのように予約するのか?

プラハからウィーンまでの列車をネットで予約する
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列車の紹介

まずは、列車の概要を紹介します。

レイルジェットとは?

レイルジェット(ウィーン中央)

写真1. レイルジェット(ウィーン中央で撮影)

本記事のタイトルに「レイルジェット」という名前が出てきて戸惑った人も多いでしょう。私も最初は戸惑いました。そこで、レイルジェットそのものから解説します。

レイルジェットはオーストリア連邦鉄道(いわばオーストリア国鉄)が運行する長距離列車のことを指します。レイルジェットのネットワークはオーストリアだけでは終わりません。チェコのプラハ、ドイツのミュンヘン、ハンガリーのブダペストなどの外国にも足を伸ばします。最高速度は230km/hですが、プラハ-ウィーンではそこまでの速度は出しません。

車内は2等、ファーストクラス、ビジネスクラスの3等級制が採用されています。航空機はファーストクラスが最もランクが高い区分となっていますが、レイルジェットはビジネスクラスが最もランクが高い区分になっています。

プラハ-ウィーン(-グラーツ)の系統で特徴的なことは、チェコ国鉄の車両も使われることです。

レイルジェット(CD)

写真2. チェコ国鉄の車両も使用される(ウィーン中央)

レイルジェット(CD)

写真3. 編成美は全く考慮されていない

赤系の塗装ではなく、青系の塗装を採用していることがわかります(写真2)。チェコ国鉄は青系の車両が多いので、納得できます。でも機関車は専用塗装のものではなく、通常のものでした。性能面は変わりないでしょうが、編成美という概念を無視していますね(写真3)。私は2回チェコ国鉄車によるレイルジェットに遭遇していますが、2回とも専用塗装のものではありませんでした。これは運が良いのか、悪いのか…。

車内の紹介

ここでは、私が乗車した1等の車内を紹介します(1等でも4000円程度で手配できます)。1等は3両あり、片方の先頭車はビジネスクラスとの合造車、2等に近い車両は食堂車との合造車、もう1両は純粋な1等車です。いずれの車両もコンパートメントはありません。また、ヨーロッパの鉄道に多い固定式の座席になっています。進行方向に向かって椅子を回転できないのです。そのため、座席を予約する際に進行方向を気にする必要があります。

レイルジェットの車内

写真4. デッキ部分(やはりホームとの間に段差はあります)

車内に入ったら、デッキを通ります。そのため、デッキ部分のつくりも大事です。レイルジェットのデッキは機能的で清潔という印象があります(写真4)。

レイルジェットの車内

写真5. 美しいデッキ部分

レイルジェットの車内

写真6. デッキと客室を仕切る扉

デッキと客席を仕切る扉はガラス張りです。ただし、ところどころが曇りガラスとなっていて、客室とデッキ部分はお互いに目線があまり合わないようになっています(写真6)。

レイルジェットの車内

写真7. 1等車の車内

レイルジェットの車内

写真8. 1等車の車内

1等(ファーストクラス)の車内です(写真7-8)。こちらは1両まるごと1等の車両の車内です。黒いシートに赤いアクセントが美しいですね。ベルリンからプラハまでの列車もそんな座席でしたね!横2列+1列の優雅な車内です。

レイルジェットの車内

写真9. 1等車の車内(モニタ)

モニタがついています。この点は日本の新幹線よりも進んでいますね!この先の停車駅とその到着時刻がわかるのは良いですね。ただ、示された時刻通りに着くことが少ないだけ(=遅れることが多い)です。

レイルジェットの車内

写真10. 1等車の車内

レイルジェットの車内

写真11. 1等車の車内

こんどは食堂車との合造車です(写真10-11)。コンパクトな車内であることがわかります(写真10)。やはり横3列の優雅な配列です。定員は7名程度と記憶しています。その中のボックス席を撮影しました(写真11)。この座席はグループ客には良いでしょうね。よく「4人の手配でもうちであればちゃんとボックス席を確保しますよ!」と親切を謳うサイトもあるようですが、直接鉄道会社からネットで予約すれば、代理店を通す必要がありません。「その方法を知りたいんだよ!」という人はプラハからウィーンまでの列車をネットで予約するを読むと良いでしょう。

レイルジェットの車内

写真12. レイルジェットのパウダールーム

レイルジェットの車内

写真13. レイルジェットのパウダールーム

レイルジェットの車内

写真14. レイルジェットのパウダールーム

レイルジェットのパウダールームです(写真12-14)。もっとも私はパウダー(化粧)をしません。お手洗いに関する表現は多岐に渡ります。厠、便所、トイレ、化粧室、パウダールーム。これらの使い分けについては人によってさまざまな考えがあることでしょう。それでも、レイルジェットのそれは便所ではなく化粧室やパウダールームという名称が合いそうなことは共感いただけると思います。機能的で清潔な車内です。

実際に乗る

私の能書きはこのあたりにしましょう。ここからは実際の乗車です。

プラハ本駅から乗る

プラハ本駅に入ったら、電光掲示板で発車ホームを確認します。

プラハ駅構内

写真15. 電光掲示板で発車ホームを確認

ただし、発車直前にならないと発車ホームが決まらないことがあります(写真15)。このような場合はおとなしく待つしかありません。私はおとなしく待っていましたが、近くのインド人(だと思うよ!)に「発車ホームはどこだ?」と聞かれました。私はチェコ国鉄の関係者でもないのに、なぜ私に聞くのだろう?私はちゃんと「I don’t know.」と答えました。ここで、旅行者が旅行者に教えるという場面が展開されました(ウィーンでも駅で旅行者に聞かれました、私は旅行会社の人じゃない!)。結局、発車ホームが表示されてその人は私に報告してきました(そんな報告いらん!)。私は「旅先で地元の人ととのふれあいを楽しむ♥」ということが苦手なのです。まあ、この例は地元の人ではありませんがね!

プラハ本駅ホーム

写真15. 別の列車がやってきた

ホームに向かうと、列車がやってきました(写真15)。しかし、これは偽物です。どこかからプラハまで向かう列車のようです。

写真16. 本物の列車がやってきた

やっと本物の列車がやってきました。この時点で発車が迫っています。それなのに、客扱いに時間がかかっています。その理由は明白です。多くの乗客が待っている場所から離れたところに列車がとまったためです。乗車位置目標に並べば良い?そんなことは通用しません。チェコにはそのようなものはありません(よね?)。乗客のKKD(経験、勘、度胸)に委ねられているのです。

ドイツやオーストリアであれば大まかな乗車位置表示(セクターAが2等などの表示)がありますが、チェコにはそのようなものさえないのです。ヨーロッパの鉄道はその点は非常にぬるいシステムなのです。「一応」の表示があるドイツやオーストリアは几帳面なほうです。ドイツ人は細かいのでしょう(オーストリアも広い意味でドイツ人の国です)。そして、日本人はさらに几帳面なのです。そのような日本のシステムを期待してはいけません。そのような場面から改めて日本の合理性を感じたのです。

車内観察をする暇がないまま、列車はプラハ本駅を発車します。多くの人は車内観察をしないので、これで問題はありません。

写真17. プラハ本駅を発車!

列車は南のウィーンに向けて、駅を南側に発車…しません。なぜか北に進みます。確かに地図を見るとまずは東に進みます。その東に進む線路はプラハ本駅の北側から通じていますね。海外の鉄道はわからないことばかりです。車窓は煤けていますが、決してプラハの街が煤けているわけではありません。そう、窓が汚れているのです。今回の旅行でここまで窓が汚れている列車はこのレイルジェットだけでした。

ちょうど昼食時でしたので、食堂車の窓から少しでも美しい景色を堪能しようと考えました。

食堂車で食事を堪能する

食堂車のすぐ近くの座席を確保していましたので、食堂車の様子をうかがいます。どうやら食堂車の営業をしている様子です。

レイルジェットの食堂車

写真18. レイルジェットの食堂車

レイルジェットの食堂車

写真19. レイルジェットの食堂車

レイルジェットの食堂車も機能的な感じです(写真18-19)。そして、コンパクトですね。

レイルジェットの食堂車

写真20. レイルジェットの食堂車で出されるおいしい料理

ここでメニューの一部を紹介しましょう。

・グラーシュスープ:5.40€
・チキンパスタ:9.90€

このように、メインとなる料理はスープ(きっとパン付き)とパスタしかありません。メイン料理は実質的に5択でした。スープも立派な料理ですからね。サンドウィッチも別途あります。火を使う料理は食堂車の限られたスペースではなかなか用意しにくいという事情もあるのでしょう。

レイルジェットの食堂車メニュー

写真21. 食堂車のメニュー(一部)

ウエイターは陽気な人でした。そして、ウエイトレスが忙しそうに後ろの車両に行き来しています。後ろの車両…ファーストクラスやビジネスクラスです。これらの車両の人は食堂車に移動しなくとも、注文をとってくれるのです。私は食堂車の雰囲気を味わえるので、食堂車に出かけます。

それでは、食堂車の車窓から眺めた景色を晒します。

写真22. チェコの美しい田園風景を行く

プラハ-ウィーンの系統が通る経路はチェコの首都プラハとチェコ第二の都市ブルノを通り、ブルノの先はチェコスロバキア時代の第二の都市ブラチスラバ(スロバキアの首都)やかつてのオーストリア帝国の首都ウィーンを通っています。そのため、チェコでも重要な幹線です。プラハからブルノまで国鉄の優等列車が1時間間隔で、さらにレジオジェットが2時間間隔で運転されています。ただし、日本との大きな違いはそんな幹線でも農村地帯が広がっていることです(写真22)。

写真23. 途中駅を通過

途中駅を優雅に通過します(写真23)。

写真24. 美しい農村を行く

駅を通過すると、美しい農村を走ります(写真24)。

写真25. 地元の産業基地

写真26. ちょっと寂れた街

そんな中、街を通ります。でも何となく寂れているように思えます(写真25-26)。チェコは先進国に分類されていますが、ぎりぎり先進国というラインのようです。そのような様子を感じました。

写真27. 最初の駅に停車!

最初の駅パルドゥビツェに停車します(写真27)。発音しにくいですね。途中のコリーンには停車しません。コリーンはブラチスラバ方面への系統だけが停車します。逆に、チェスカートシェボヴァーにはウィーン系統が停車しますが、ブラチスラバ系統は停車しません。このような千鳥停車はどこの国でも実施されていることと実感いたしました。

写真28. チェコの美しい農村を行く

パルドゥビツェを発車しても農村を行きます(写真28)。そろそろ農村に飽きてきましたね…。

写真29. 山あいを行く

と思いましたら、山あいを通ります(写真29)。この区間ではスピードを落としていました。

写真30. 立派な電化区間

さすが、チェコ有数の幹線とあって、電化は進んでいます。合流する路線も電化されています(写真30)。

写真31. 共産主義時代の機関車が放置されている

この色とスタイルは共産主義時代の機関車でしょう(写真31)。ドイツ(※)やオーストリアではこのような機関車を見かけませんでした。
※理論上、旧東ドイツ地区には共産主義時代の機関車があるはずですが、国自体が西ドイツになったので急速に置き換えられたのでしょう。現在のドイツは東西冷戦時代の西ドイツそのものです(旧東ドイツが旧西ドイツに統合されたのです)。

汚い窓から美しい景色を堪能してウィーンへ

せっかくファーストクラスを確保したのですから、食堂車から自席に戻ることにしましょう。そう、汚い窓ガラスの席に。

写真32. ブルノの街

ブルノに停車します。ここはチェコ第二の都市といいながら37万都市です。わが首都東京でいえば町田市レベルです。町田は通過する特急もありますが、ブルノは全列車停車します。駅停車前後で何枚か写真を撮影しましたが、残念ながら窓ガラスの汚れにピントが合ったものばかりです。

写真33. ブルノを過ぎた車窓

ブルノを出ますと、農村を走ります(写真33)。

写真34. チェコ最後の駅、ブチェツラフに停車

ブチェツラフは観光ガイドには出てきませんが、私のようなマニアにとっては重要な駅です(写真34)。ここでウィーン方面とブラチスラバ(やブダペスト)方面が分岐するのです。

写真35. ブチェツラフを出るとブラチスラバ方面が分岐

やはり線路が分岐します(写真35)。複線電化の立派な幹線です。ここも電化されているのですね。

写真36. (たぶん)オーストリアに入った

ブチェツラフを出るとすぐにオーストリアに入ります。googleマップを見るとだいたい5kmもないくらいです。そのオーストリアの風景です(写真36)。私の先入観かもしれませんが、優雅・豊かという風情を感じ取れました。

写真37. ドナウ川を渡る

そのオーストリアを代表する川はドナウ川です。そのドナウ川を渡ります(写真37)。

写真38. ウィーンに入る

もうすぐウィーンです(写真38)。だんだん建物が多くなってきました。人口は180万人を超え、プラハの1.5倍の規模を誇ります。それでも、ベルリンの半分の人口しかありません。

写真39. ウィーン中央駅に近づく

ウィーン中央駅に近づきます(写真39)。レイルジェットを確認できました。オーストリアはレイルジェットの本場のため、あらゆるところでレイルジェットに出会えます。

レイルジェット(ウィーン中央)

写真40. ウィーン中央駅に到着

このようにして、(カタログスペック上)3時間58分の旅は終わったのです。実際は20分程度遅れましたので、4時間あまりの旅と言いましょう。ウィーン中央駅はウィーンの美しい市街地からは離れています。実際の混雑は1等で80~90%の座席が埋まる状況でした。予約なしの着席は可能でしょうが、複数人数だったり条件にこだわりたければ予約したほうが良いというのが現場の実感です。

ウィーンは初めての訪問ですが、何だか「帰ってきた」という感覚でした。きっとプラハよりも整然としているさまが(プラハの前に滞在した)ベルリンや(ひいては日本のように)きちんとしていて、私を無意識のうちに安心させたのでしょう。


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このカメラは今回の記事のような移動時には便利です。シャッターが合う速度が早いので、走行中の車内からの撮影が便利なのです。

前後を読みたい!
さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?

←プラハ観光のまとめ(18年プラハ観光)
※直前の行動はこのような感じでした。←プラハのターミナル駅を楽しむ(プラハ本駅の構造、18年プラハ観光)

プラハからウィーンまで列車(レイルジェット)で移動:今ココ!

ウィーン観光のまとめ(18年ウィーン観光)→
※直後の行動はこのような感じでした。ウィーンの旧市街地の観光(18年ウィーン観光)→

※それぞれ別ウィンドウで開きます。

★この旅行の全体像を旅行後の感想といっしょに簡単にまとめています。
ヨーロッパ5か国旅行のまとめ(振り返り)