パリ北駅を楽しむ(パリ7大ターミナル紹介、19年パリ旅行記)

ヨーロッパでも最も利用の多いパリ北駅。フランス国内への列車のみならず、イギリスやベルギー方面への列車も発車しています。しかし、思わぬ落とし穴もあります。そんなパリ北駅の素顔を探りました。

写真1. ヨーロッパで最も利用の多い駅は中身も立派!

パリ北駅の概要

いきなりパリ北駅の詳細について記してもさっぱりな部分があるでしょう。そこで、まずはパリ北駅の概要について示すことにします。まずは超大まかな概要を示します。

パリ北駅の概要
・位置:パリ市の北部
・方面:フランス北部の都市、イギリス、オランダ、ドイツ

パリ北駅の位置

パリ北駅の場所を示します(図1)。

図1. パリ北駅の場所(googleマップより引用)

パリ北駅はパリ市の北に位置します。ヨーロッパで一番利用の多い駅といいながらも、周囲はパリの中心部ではなく、観光名所もありません。有名観光地へのアクセスは悪く、乗りかえなしで向かえるのはシテ島(ノートルダム大聖堂があるエリア)くらいです。
パリ北駅はパリ10区に位置し、あまり治安のよい場所ではありません。パリ北駅には夕方に行きましたが、周囲には(アルコール中毒のような人で)何しているかわからない人が多く、(多くの人は他人に危害を加えるのではないのでしょうが)他のターミナル駅と比べて柄の悪さを感じました。駅構内に入ったら安全かというとそうでもなく、駅構内にもそのような人がいます。

では、市内各所からパリ北駅のアクセスはどうなのでしょうか。地図ではわかりにくいでしょうから、路線図を示します(図2)。

パリ北駅周辺の路線図

図2. パリ北駅周辺の路線図

パリ北駅に集結する路線は以下の通りです。

・地下鉄4号線(シテ島、モンパルナス駅方面)
・地下鉄10号線(オステルリッツ駅方面)
・地下鉄2号線(別の駅から徒歩連絡)
・RERのB線
・RERのD線(リヨン駅方面)
・RERのE線(別の駅から徒歩連絡、サンラザール駅方面)

各路線の主な目的地を挙げました。地下鉄4号線、RERのB線とD線でシャトレ駅(RERはシャトレ・レアール駅)に向かうことができ、ここからはルーブル美術館やポンピドゥーセンターまでは何とか歩いてアクセスできます。

パリの他の長距離ターミナル駅へのアクセスは以下の通りです。

・リヨン駅:RERのD線で1本
・オステルリッツ駅:地下鉄10号線で1本
・モンパルナス駅:地下鉄4号線で1本
・サンラザール駅:RERのE線で1本
・パリ東駅:地下鉄4号線または10号線で1本

このように、パリの長距離ターミナル駅へのアクセスはそれなりに良好です。パリ北駅とその他の長距離ターミナル駅へは乗りかえなしで向かうことができます。本来であれば、これらを結ぶ環状鉄道で連絡するべきでしょうが、合理性を軽視するフランス人にその発想を求めるのは無理かもしれません。

パリ北駅から行ける場所

では、パリ北駅からはどこに行けるのでしょうか。その名前の通り、パリから北に向かう列車が発着します。言いかえると、フランス北部への列車が発着します。具体的には以下の都市に向かうことができます。

・リール
・アミアン
・ブルゴーニュ
・カレー

あまり多くの人が向かう都市ではありませんが、フランス北部の有力な場所へのチャンネルとして機能しています。

また、フランス北部からの別の国、イギリス、ベルギー、オランダ、ドイツへの直通もあります。

・イギリス直通:ロンドン方面(ユーロスター)
・ベルギー直通:ブリュッセル方面(タリス)
・オランダ直通:アムステルダム方面(タリス、パリ-アムステルダム系統はブリュッセルを経由)
・ドイツ直通:ケルン方面(タリス、パリ-ケルン系統はブリュッセルを経由、ケルンから先デュセルドルフ方面も直通あり)

いずれも、純粋なTGVではなく、タリス(ベルギー車)やユーロスター(イギリス車)による運転です。ただし、これらはいずれもフランスの高速新線を通ることを前提に設計されていますので、他国の車両によるTGVと考えても差しさわりありません。なお、パリ-ロンドン、ブリュッセル系統はおおむね1時間に1本以上確保されています。この本数は魅力的です。

パリ-ケルン、パリ-アムステルダムはブリュッセルから枝分かれします。ケルンから先のドイツ国内への運転も数える程度はありますが、本数は多くありません。ケルンからベルリンまで延長運転したところで、所要時間がかかり過ぎることやタリスをドイツの奥深くまで運転したくないという事情もありましょう。

パリ北駅を訪問する

では、そのパリ北駅を訪問しましょう。

写真2. 立派なパリ北駅

パリ北駅の正面です。パリ北駅は頭端式と呼ばれる構造で、駅舎の先にホームが広がります。全ての起点という風情を感じる構造です。その駅舎を眺めます(写真2)。パリ北駅の駅舎は1865年に完成したものですから、実に150年以上その姿を保っています。

写真3. 立派なパリ北駅

駅舎を別の角度から眺めます(写真3)。写真2の右側を眺めている角度です。

写真4. 立派なパリ北駅

また別の角度から眺めます(写真4)。写真2の左側を眺めている角度です。

写真5. 立派なコンコース

写真6. 立派なコンコース

昔からあるターミナル駅だけあり、立派なコンコースです(写真5、写真6)。パリからベルリンを経てモスクワに至る重要な幹線の駅でしたので、このような風格があります(ただし現在のパリ-モスクワの夜行列車はパリ東駅発着です)。今でも、ロンドンやブリュッセル、アムステルダムという近隣諸国の首都と直結する駅ですので、その風格にふさわしい機能もあります。

写真7. パリ北駅の案内図

パリ北駅の案内図です(写真7)。地下にRERの発着するホームがあり、その間に空間が展開しています。

写真8. 洗練された地下空間

写真9. 洗練された地下空間

写真10. 洗練された地下空間

洗練された地下空間が広がります(写真8-10)。この空間には飲食店街があり、旅の前後での腹ごしらえなどもできます。

写真11. RERのホーム

RERのホームは地下です(写真11)。B線とD線が同じホームに発着し、乗りかえがしやすい構造になっています。フランスでは珍しい「方向別」の配線です。この理由はいろいろあるでしょうが、北駅とシャトレ・レアール駅の間がB線とD線が線路を共有していることもあります。

さて、パリ北駅を発着する列車を見てみましょう。駅の主役は飲食店ではなく、列車なのです。

写真12. 駅の端にある近郊列車のホーム

近郊列車も発車します。パリ北駅からは国鉄のK線とH線が発車します。K線の1つめの駅でシャルルドゴール空港への路線と乗りかえられます。RERのB線で乗りかえなしで行けますが、何かあった場合の代替策として頭に入れても良いでしょう。

写真13. タリスが停車中

ベルギー直通のタリスが停車中です(写真13)。タリスは機関車けん引列車です。そのため、端の1両には乗車できません。パリ北駅は端に駅舎がありますので、乗客は1両ぶん余計に歩かされます。これは頭端式の1つの欠点です。

写真14. ユーロスターは柵で区切られている

ユーロスターは柵で区切られています(写真14)。これはユーロスターが向かう先にあるイギリスはシェンゲン協定(※)に参加しておらず、検問が必要なためです。

※簡単に説明すると、「国境越えの人も検問なしで通過できるようにしよう」という協定です。イギリスはEUに入っていても国境審査が必要(ただしアイルランドと北アイルランドは不要)、通貨も別、とEUの他の国と距離を置くスタンスです。

写真15. ユーロスターも停車中

ユーロスターが停車中です。この車両は新しいタイプです。

パリ北駅を訪れて

パリ北駅は治安面の心配こそあるものの、多くの列車が発着し、多くの人が利用する様子が確認できました。これは駅が交通機関のシステムとして有効に活用されているということを示し、駅としての機能が活用されているという、駅にとって良い状態です。その証拠にヨーロッパで最も利用されているという統計があります。さらに、駅構内には多くの店があり、いろいろな時間の活用方法が可能です。

でも、もう少し考えてみましょう。パリ北駅の周囲は中心街でもなく、観光名所でもありません。つまり、ただの通過点に過ぎません。その通過点を利用させる人々がヨーロッパで最も多いという解釈も可能です。しかも、パリ北駅周辺は治安の悪い場所です(パリ北駅に比べれば新宿の歌舞伎町など比べものにならないくらい安全です)。ということは、多くの人に不安を抱えさせて乗りかえさせている状態です。これは健全ではありません。そうであれば、パリ北駅とリヨン駅を結ぶ地下線を建設して、間のシャトレ・レアール駅に直通させるのも手です。このように治安面で不安のあるパリ北駅で乗りかえさせないようにする交通政策も考えられるべきものです。

前後を読みたい!
さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?

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パリのおすすめスポット10選まとめとモデルコース(19年夏パリ観光)

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ハンガリー、スイス、フランス旅行のまとめと振り返り

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