フランスの夜行列車まとめ(テロと国内夜行)

記事上部注釈
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西ヨーロッパからは夜行列車が消えています。フランスには、イタリア直通のtello(パリ-ヴェネツィア)、、パリ-トゥールーズ方面の系統があります。それぞれについて簡単にまとめます。そして、パリ-モスクワの系統もありますが、別の記事(欧州新ダイヤ時刻表入手~ドイツの寝台列車)に書いたので、ここでは省略させていただきます。

重要

夜行列車テロは廃止されました。また、東ヨーロッパ地区の情勢でパリ-モスクワの直通列車は運転を取りやめています。

夜行列車テロ(過去情報、現在は廃止)

パリ-ミラノーヴェネツィア(ベニス)を結ぶ有名な夜行列車ですね。「テロ 夜行」で検索すると多くの日本語サイトが表示されます。きっと、この記事もその一員でしょう。ヴェネツィアは英語読みでベニスと称しますので、ヴェネツィアではなくベニスと書かれていても驚かないでくださいね。なお、公式サイトからの情報を引用しています。手元にあるヨーロッパ時刻表には、For use by passengers making internatiol journeys only.と書いてあります。どうやら国内利用はできないようです。

夜行列車テロの経路と時刻表

まずは、パリ、ミラノ、ヴェネツィアの位置関係を確認しましょう。googleマップの検索結果を示します(細かな経路で違いがあるかもしれません、図1)。

図1. テロの大まかな走行経路(googleマップからの引用、細かな経路に違いがあります)

ここでは2018年12月以降に有効な時刻表を示します(表1)。多くのサイトは最新情報ではないのでご注意ください。

表1. テロの時刻表

テロ:時刻表

パリとヴェネツィアの往復に便利なスケジュールとなっております。そういえば、ヴェネツィアはナイトジェットのウィーン系統もやってきますね。この系統は鉄道ジャーナルで取材していました。途中の連結や切り離しがありませんので、趣味的にはつまらないですが、乗るほうはラクですね。

テロの車内設備

座席車はなく、簡易寝台車と寝台車のみです。また、食堂車も付いています。それぞれの概要を公式サイトから拾ってみましょう。

簡易寝台

テロ:簡易寝台の内装

写真1. 簡易寝台の内装

簡易寝台は4人~6人用の共用の部屋ですね(写真1)。公式サイトの説明は以下の通りとなっています。

Perfect to travel with a group or with friends, the 6 couchette compartment ensures you the best guarantee to travel at a low price. The 4 couchette compartment is the best solution for a family trip or for low budgets and ensures you a more comfortable space.

The berths (180 x 60 cm) are equipped with a bedding kit. A bottle of water is offered. Separate lavatories and sinks are available in each car. Room temperature can be adjusted in each compartment.

You can start your day with breakfast in the dining car or enjoy the trolley services for a snack.

The compartment can be shared with other passengers. The compartments are gender-mixed. Subject to availability, possibility of compartments reserved for women.

引用元:テロ公式サイト

テロ公式サイト

これでは何を言っているのかわからないので、私がわかりやすい日本語に訳しましょう。ほぼGoogle翻訳のままという事実は伏せましょう!

グループや友達との旅行に最適な、6つの小部屋コンパートメントはあなたに低価格で旅行するのに最高に保証します。 4つのcouchetteコンパートメントは、家族旅行や低予算に最適なソリューションで、より快適な空間を確保します。

寝台 (180 x 60 cm) には寝具セットが付いています。 ボトル入り飲料水を用意しています。 それぞれの車に別々のトイレと洗面台があります。 各コンパートメントで室温を調整できます。

ダイニングカーでの朝食で一日を始めたり、軽食のためのトロリーサービスを楽しむことができます。

コンパートメントは他の乗客と共有で、男女混合です。 空室状況によりますが、女性用コンパートメントの可能性があります。

簡単にいうと、グループ旅行ではなければ他の乗客と乗り合わせる可能性があるということです。私のような性格の人間には「同室の人との交流を楽しみました!」ということはできませんので、ちょっと嫌ですね…。ベッドの幅は60cmで、日本のB寝台(72cm)よりも狭いですね。

寝台車(個室寝台)

テロ:普通寝台の内装

私のような社交的でない人にはぴったりの設備です。外界から遮断される空間です。1等寝台はシャワー付き、2等寝台はシャワーなしという違いがあります。公式サイトの説明をうまく日本語訳してみましょう。

電気かみそりを使用するためのトイレエリアとソケットを装備した、キャビンは最高の快適さを保証します。あなたは徹底した遮音性を持っている静かな環境の中でベッドと羽毛布団の快適さを高く評価するでしょう。ベッドにはシーツ、ピローケースに包まれたピロー、そしてカバーを備えた羽毛布団が備わっています。バスアメニティ、スリッパ、ボトル入り飲料水を含むトラベルキットが提供されています。到着時にウェルカムドリンクを用意しています。朝のスタートには、旅の料金に含まれている朝食をダイニングカーでお楽しみください。新しい風景のパノラマの景色を一望するのに最適な時間です。

キャビンは2つの快適さのレベルで利用可能です。

a) 新しい!プレミアムキャビン(1〜2名)

流し台、シャワー、トイレなどの専用浴室付きのプレミアムキャビンは、最高の快適さを提供します。客室全体を予約した乗客にのみ提供されます。

b) スタンダードキャビン(1〜3名)

各キャビンには洗面台と3台のベッド(1,80 m x 80 cm)があります。キャビンコンパートメントを他の乗客と共有することで、この快適さを選択できます。

引用元:テロ公式サイト

テロ公式サイト

私なりに解説しましょう。基本的に、80cm幅のベッドがあり(ナイトジェットよりも8cmくらい広い!)、2段ベッドが備えられています。シャワー付き(ヨーロッパなのでトイレと共有です)の部屋が1等(=プレミアムキャビン)となり、それがないのが2等とされます。2等は複数のグループが相部屋となることがありますが、1等はそれがありません。2等についてもきちんと予約すれば見ず知らずの人と同室になることはありません。

パリのターミナル駅

パリには中央駅はありません。この列車はリヨン駅から発車します。パリでも有名なターミナル駅ですね。場所を示します。

図2. リヨン駅の位置(googleマップからの引用)

余談ですが、リヨンからは都心に入る地下線があります(実際の分岐点はもう少し郊外より)。このような夜行列車はともかく、地下線でシャトレ=レ=アール駅まで運転して中心部まで直結させると便利そうですけど、それをしないのがフランスというものでしょう(隣のドイツは、ベルリン中央駅に直結する長距離線を新設しました)。

パリ-トゥールーズ方面の系統

重要

以下の情報は2019年時点での情報です。2023年1月現在、以下の違いがあります。

  • パリ出発時刻が平日は22:14、土曜・休日は21:42に出発
  • パリ到着時刻が平日発が6:50、土曜・休日発が7:19に到着
  • スペイン領内に入ることはなくなり、カルモ発着に短縮(この系統は金曜と日曜発のみ運転)

フランスにはもう1つの系統があります。それがパリ-トゥールーズ方面の系統です。この系統には個室寝台はなく、簡易寝台と座席車しかありません。トゥールーズはフランス南部の人口40万人の都市です。この経路を示しましょう(図2)。

図2. パリ-トゥールーズの走行経路

パリからトゥールーズまでの最速経路はボルドー経由です。上の地図でもそのように表示されていることでしょう。実際はほぼ直線の経路です。直線に近いですが、そこまで到達時間は早くありません。最速ルートだと所要時間4時間10分のところ、このルートでは6時間40分もかかります。また、この経路は夜行利用が前提となります。夜だけの利用や朝だけの利用は不可能です。

パリ-トゥールーズ方面の系統の時刻表

この系統はトゥールーズからいくつかの方向に分割されます。その時刻表を私が作成しました。ポルトポウはフランス側の標準軌の路線とスペイン側の広軌の境界駅です。ヨーロッパ時刻表のTable13だとスペイン直通は日曜のみと書いていますが、Table355にはそのような記述はありません。フランス国鉄のサイトを眺めると、どうやらTable13の記述が正しいようです。平日はラトゥール=ドゥ=カロル発着の設定のみのようです。

パリ発の時刻表

まず、パリから向かうことを考えます。簡単に時刻表を示します(表2)。ここまでわかりやすい時刻表を作成するのは、私くらいでしょう。

表2. パリ→トゥールーズ方面の時刻表

フランス夜行:パリ発時刻表

パリからトゥールーズ方面に向かう系統は3系統あり、スペイン直通のポルトボウ行き、スペイン国境手前のラトゥール=ドゥ=カロル行き、そして、トゥールーズの北側のロデズ行き(金曜発はアルビ直通)です。いずれもマイナーなので、googleマップで位置を示します。

図3. ポルトポウの位置(googleマップからの引用)

図4. ラトゥール=ドゥ=カロルの位置(googleマップからの引用)

図5. ロデズの位置(googleマップからの引用)

ロデズ系統は途中で切り離し(おそらくブリーヴ=ラ=ガイヤルドで切り離し)するために、トゥールーズは経由しません。金曜発に限り、アルビまで延長運転されます。ただし、アルビについてはトゥールーズからも向かえるので、直通がなくとも問題ありません。ロデズ系統は曜日によってパリの出発時刻が異なります。月曜から金曜までは19:38発です。

パリ行きの時刻表

パリ行きの時刻表も示します(表3)。

表3. パリ行きの時刻表

フランス夜行:パリ着時刻表

時刻表には記載していませんが、ロデズ系統は曜日によってパリの到着時刻が異なります。土日着の場合は8:21着となります。私は最初時刻表の意味がわかりませんでしたが、土日出発ではなく、土日到着です。

パリの発着駅

パリには中央駅はなく、目的地に応じてそれぞれの駅に行かなくてはなりません。ちょっと不便ですね。その点、首都にも中央駅相当の存在がある日本、ドイツ、オーストリアなどは進んでいますね!パリのターミナル駅はオステルリッツ駅です。有名なリヨン駅にほど近い立地です。

図7. オーストリッツ駅の立地

こちらもチェック!関連リンク

西ヨーロッパの夜行列車事情についてまとめています。

西ヨーロッパ夜行列車のまとめ

ナイトジェット:ドイツ・オーストリア直通

2021年12月ダイヤ改正より、パリ-ウィーン間での夜行列車が復活しました。(細かなルートは異なるかもしれませんが)かつてのオリエント急行と同様の目的地です。ただし、かつてのオリエント急行はパリ起点だったのに対し、この夜行列車はウィーン起点なことが特徴です。ナイトジェットの1系統です。

表4. パリとウィーンの時刻表

NJ、ウィーン-パリ

パリ東駅からストラスブールを通り、ドイツ南部(ミュンヘンなど)を通り、ウィーンに至ります。フランスとオーストリアを結ぶには間にドイツかスイスを通る必要がありますが、この列車はスイスを通らずに、ドイツ南部を通ります。

この列車はパリとミュンヘンの夜行列車としても活用できそうです。

フランス鉄道旅行のノウハウ紹介記事

このとき私はフランスを鉄道による個人旅行で旅しました。そのフランスでの鉄道旅行のノウハウを紹介しています。初心者向けの情報から裏技まで収録しています。

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