フランクフルトとケルンの列車での移動方法

ドイツで有名な金融都市のフランクフルトとドイツ北西部の主要都市のケルン。両者の間は高速列車で1時間未満、本数もそれなりとされていますが、一筋縄ではいきません。そこで、この2点の移動方法をまとめました。

写真1. フランクフルト空港駅にはケルン方面の高速列車が全列車停車する

フランクフルトとケルンの列車での移動

大まかな概要は以下の通りです。

  • 両駅の移動時間は最短(中央駅どうしではない)で60分弱、中央駅どうしで70分程度
  • フランクフルト側は中央駅空港駅発着、ケルン側は中央駅メッセドイツ駅発着
  • 運転本数は全部で1時間に3~4本程度確保されているが、駅の選択次第では直通列車は2時間待ちもあり得る
  • フランクフルト側は空港駅(長距離駅)に全部の列車が停車するが、ケルン側はケルン中央駅とケルンメッセドイツ駅に分散している

詳細は以下の章をご覧ください。

復習:フランクフルトとケルンの位置関係

まず、フランクフルトとケルンの基本情報や位置関係を復習しましょう。

復習1. フランクフルトの基本情報

フランクフルト。ドイツのなかではよく聞く地名ですが、どこにあってどのような都市なのでしょうか。

図1. フランクフルトの位置(googleマップより引用)

フランクフルトはドイツ西部にある都市です。ドイツでも有名な都市ですが、意外なことに人口はドイツでは1位ではなく、5位です。フランクフルトが有名なのは、日本からドイツへの直行便が出ていることや、ドイツの金融の中心であることにもよるのでしょう。古風な旧市街もあり、観光地としても有名でしょう。

補足:もう1つのフランクフルト

実はドイツにはもう1つのフランクフルトがあります。それはポーランド国境にあります(図2)。私たちがフランクフルトと呼んでいる都市はフランクフルト・アム・マインです。そして、ポーランド国境にある都市はフランクフルト・アム・オーダーです。よく知っているフランクフルトはマイン川、もう1つのフランクフルトはオーダー川(オーデル川)沿いにあるのです。

図2. フランクフルト(オーダー)の位置

今回述べるケルン地区ではフランクフルト(オーダー)行きの列車は来ませんが、ドイツ東部(例えばベルリン)の場合、フランクフルト(マイン)行きとフランクフルト(オーダー)行きの双方がやってきますので、場所によっては注意が必要です。

復習2. ケルンの基本情報

次にケルンの基本情報を確認しましょう。

図3. ケルンの位置(googleマップより引用)

ケルンはドイツ北西部にある都市です。

フランクフルトよりもマイナーな感じがありますが、実はフランクフルトよりも人口が多く、ドイツ第4位です。有名な大聖堂があります。また、あまり有名ではないですが、ケルンのあるノルトライン・ヴェストファーレン州はドイツで最も人口の多い州です。ケルンより北のデュッセルドルフやその北側はルール工業地帯として有名で、この州には人口30~50万の都市が多いです。

私がここで述べたいのは、ケルンやその周辺は人口も多く、産業も多いということです。

復習3. フランクフルトとケルンの位置関係

では、そのフランクフルトとケルンの位置関係を見てみましょう

図4. フランクフルトとケルンの位置関係(googleマップより引用)

フランクフルトとケルンの間は昔から重要幹線として位置づけられており、ライン川沿いに2本の鉄道路線が敷かれていました。これはドイツ西部を通り、ベルギーやオランダと中央ヨーロッパを結ぶ経路にもなっているという事情がありましょう。

ライン川沿いに走るのは風景は良いのですが、カーブが多く時間がかかります。また、フランクフルトの南側にはミュンヘンなどがあり、ケルンの北側にはデュッセルドルフなどがあり、両者を結ぶ列車も多いです。そのため、速度向上を狙いそれ専用の高速新線も建設されています。

補足:高速新線とは

欧州では、(新幹線ではなく)高速新線と呼ばれます。日本の新幹線は独立した運転系統で、在来線と新幹線は明確に区別されます。一方、欧州は原則的に在来線と(日本でいう)新幹線のレール幅が同じであり、両者の区別は明確になされていません。

高速新線はグレードアップされた在来線という認識で大きな相違はありません。ただし、グレードアップの度合いは路線によって異なり、250km/h~320km/h(フランスにあり)とさまざまです。旅客列車専用の高速新線、貨物列車も走る高速新線というようにこの事情も異なります。今回述べるフランクフルト-ケルンの高速新線は貨物列車は通りません。

高速新線であり、新幹線ではありませんから、高速新線外に直通する列車を設定することも容易です。このことが利用するうえでの新幹線との大きな違いです。

フランクフルトとケルンの移動方法概要

では、フランクフルトとケルンの移動方法の概要を述べましょう。

写真2. ケルンを超えてデュッセルドルフにやってくるICE

高速新線の位置関係

この前に両者の移動方法を考えるのに必要な前提知識を紹介します。

図5. フランクフルト-ケルンの高速新線の概要(自作してみました)

フランクフルトーケルンの高速新線はそれぞれの中央駅ではなく、フランクフルト空港駅とケルンメッセドイツを結ぶように建設されています。ここで重要なことは、それぞれが街の入口に建設され、フランクフルトとケルンをスルーする系統には中央駅を寄らないほうが速度向上に寄与することです。そのため、フランクフルト側ではフランクフルト空港駅、ケルン側ではケルンメッセドイツ駅に発着する系統があることです。そして、さらにやっかいなことに、ケルン側でケルン中央駅を通る系統はケルンメッセドイツを通過することです。

なお、(今回述べるフランクフルト-ケルンの系統では)フランクフルト中央を通る便はフランクフルト空港駅にもとまります。この点はまだわかりやすいです。フランクフルト空港駅とフランクフルト中央駅の双方を通るICEは意外と少なく、今回の系統の他にはドレスデン系統、シュトゥットガルト-ハンブルク系統がそれぞれ2時間間隔です。

フランクフルト側の発着駅

フランクフルト側の発着駅はフランクフルト中央駅またはフランクフルト空港駅です。

図6. フランクフルト中央駅の位置(googleマップより引用)

フランクフルト中央駅の位置を示しました(図6)。フランクフルト中央駅は市街地にある駅です。確かに駅から本当の市街地まで若干離れていますが、よくある「駅と街の間の距離」に過ぎません。

もう1つの発着駅のフランクフルト空港駅の位置を示します。

図7. フランクフルト空港駅の位置(googleマップより引用)

フランクフルト空港駅には近距離駅(空港本体に近い)と長距離駅(空港本体からやや離れる)の2つがあり、ICEは長距離駅に発着します(図7)。フランクフルト空港の長距離駅からフランクフルト中央駅までは基本的に2時間に2本の多系統、そして1時間に2本の本系統で移動するしかありません。そのため、フランクフルト空港の近距離駅からフランクフルト中央駅まで移動することもありましょう。Sバーンが15分間隔、REが60分間隔、IC(ICEのこともある)が60分間隔でやってきます。

どうせなら、フランクフルト中央駅の地下にフランクフルト南駅方面に向かう地下線を建設し、フランクフルト空港を通る系統をなるべくフランクフルト中央駅に通せば良いのに…。

ケルン側の発着駅

写真3. ケルン中央駅とケルンメッセドイツ駅の間は有名な橋を渡る

ケルン側の発着駅はケルン中央駅かケルンメッセドイツ駅です。ケルン中央駅は市街地にあり、ケルンメッセドイツ駅はそこから1駅の位置にあります。

図8. ケルン中央駅の位置(googleマップより引用)

ケルン中央駅の位置を示しました(図8)。駅の西側に市街地が広がり、市街地へのアクセスが便利な場所です。後述のケルンメッセドイツを発着せざるを得ない列車以外は全てケルン中央駅にやってきます。というよりも、一部のフランクフルト方面への便以外はケルン中央駅発着です。

図9. ケルンメッセドイツ駅の位置

一部の列車はケルンメッセドイツに発着します。その位置を示しました(図9)。ケルン中央駅からライン川を渡ってすぐの位置です。この区間は多くの系統が集中しますので、ケルン中央駅からケルンメッセドイツ駅までは待っても10分です(1分間隔のこともあります)。地図や前面展望を見る限り、この区間は3複線です。Sバーン、RB、REのような地域輸送の列車は停車しますが、ICやICEは停車しません。

この駅に停車するのは、高速新線経由でフランクフルト方面とデュッセルドルフ方面を結ぶ系統です。あくまでもケルン中央駅にとまらないための代替措置という位置づけに見えます。どうせなら、フランクフルト方面とデュッセルドルフを結ぶ系統はケルンの南側でライン川を渡り、ケルン中央駅に集約したら良いのに…。

フランクフルトとケルンの間のダイヤの概要

では、フランクフルトとケルンの間のダイヤはどうなっているのでしょうか。日中時間帯のダイヤの骨格を述べましょう。

  • 所要時間:最短で60分弱、各中央駅直結便だと70分前後
  • 本数:1時間に3~4本程度

これだけ見ると便利に見えますが、発着駅が集約されていないため、個別の駅間で見ると間隔が開きます。

日中時間帯のダイヤを述べましょう。高速新線上の停車駅の違いなどがあり所要時間は前後しますが、あくまでも概要を述べるにとどめます。

  1. (ミュンヘン・バーゼル方面)フランクフルト空港-ケルン中央:毎時1本
  2. (ミュンヘン方面)フランクフルト中央-ケルンメッセドイツ:2時間に2本
  3. フランクフルト中央-ケルン中央(ベルギー方面):2時間に1本
  4. (シュトゥットガルト方面)フランクフルト空港-ケルンメッセドイツ:2時間に1本

フランクフルト中央駅を通らずにフランクフルト空港とケルン中央を結ぶ便が毎時1本運転されます(No.1)。フランクフルト空港以南ではミュンヘン方面とバーゼル方面に分岐しますが、今回の内容には関係ありません。フランクフルト空港の次の停車駅がマンハイム(フランクフルトの南西側)であり、フランクフルト中央駅(空港の北東側)を通るとロスタイムが大きくなるという問題があります。

この他に本数が多い系統がフランクフルト中央-デュッセルドルフを結ぶ系統で、毎時1本相当運転されます(No.2)。この系統はケルン中央を通らないことで、速度向上に貢献しています。ケルン中央を通るとケルン中央駅を東側から進入し、東側から進出する必要があり、方向転換に時間を要するためです。個人的には、ケルンの南側でライン川を渡る線路(すでにあります)を通り、ケルン中央駅に西側から入れば良さそうに思うのですが…。

フランクフルト中央駅とケルン中央駅の双方を通る系統は2時間に1本運転されます(No.3)。フランクフルト発着ですので、フランクフルト中央を通ることによる所要時間の増加というデメリットはありません。また、ケルン中央駅から西に進みますから、方向転換する必要もありません。

また、シュトゥットガルト方面(フランクフルトから見るとミュンヘンの手前)からデュッセルドルフ方面の系統も設定されています(No.4)。この系統はデュッセルドルフとシュトゥットガルトを最短で結ぶことを意図しているように感じます。

フランクフルトとケルンの実際の時刻

フランクフルトからベルリンへ向かうICE

写真4. フランクフルト中央駅に停車中のICE(これはベルリン行きです)

さて、実際の時刻を紹介しましょう。2022年ダイヤですが、ドイツの高速列車は接続の関係もあり、大きくは変わらないはずです。

フランクフルトからケルンの移動時刻表

では、フランクフルトとケルンの時刻表を示しましょう(表1)。太字で示したものは、フランクフルト中央からケルン中央まで1本で向かうことができる列車です。

表1. フランクフルトからケルンの時刻表

列車によって所要時間が異なるのは、高速新線の途中停車駅の停車有無、迂回有無(ケルンボン空港による便がある)によるものです。ここでは簡単のためにフランクフルト以南、ケルン以北の情報を省略しています。

でも、これではフランクフルト中央からケルン中央に向かうには2時間待ちと思ってしまいます。私のような旅行者は中心部どうしを連絡したいはずです。そのような人のために接続列車を加味した時刻表を自作しました(表2)。

注意

今回はDB(ドイツ鉄道)のサイトで平日時刻を検索したものです。そのため、利用日によっては時刻に微妙な変更があるかもしれません。最終的にはドイツ鉄道の乗りかえ案内で調べることをお勧めします。

表2. フランクフルトからケルンの時刻表(接続列車あり)

フランクフルト空港で長距離駅から近距離駅に向かう必要がある場合は、「駅が離れているので注意」とコメントしています。フランクフルト空港駅で長距離駅から近距離駅に移動する場合の乗りかえ時間は10分程度、ケルンメッセドイツ駅での乗りかえ時間は5分以上で計算しました。

ケルンからフランクフルトへの移動時刻表

今度は逆方向の時刻表を示しましょう(表3)。

表3. フランクフルトからケルンの時刻表

この方向も接続列車を示した時刻表を示します(表4)。

表4. ケルンからフランクフルトへの時刻表(接続列車あり)

フランクフルトとケルンの移動方法を確認してみて

ICEとレイルジェット(チェコ車)

写真5. ICEネットワークは広い(オーストリアのウィーンで撮影)

今回、ドイツでも利用の多いとされるフランクフルトとケルンの間のダイヤを確認してみました。他の区間よりも本数が多い(フランクフルト-ベルリンでは2時間に3~4本程度しかありません)のですが、特定の2駅の移動ということを考えると、1時間に2回程度の乗車チャンスになってしまいます。ドイツは列車どうしの接続が比較的考慮されているのですが、欧州では直行便を指向し、途中駅間の利用をあまり考慮していない傾向が改めて読み取れました。

新幹線との違いが多く語られますが、新幹線のように駅や運転線路を集約しないのが、欧州の高速列車の特徴な気がしました。

european rail timetable

ドイツの情報

ドイツの鉄道は網目状に伸びています。各区間の概要についても述べています。

また、ドイツの鉄道旅行の情報をまとめた記事も用意しています。

ドイツ鉄道旅行の基本情報

ヨーロッパの鉄道大国、ドイツ。そのドイツには多くの鉄道網が発達しており、とても楽しい旅行が楽しめます。そんなドイツの鉄道旅行の基本知識を丁寧に詳しくまとめました。

このような書籍で情報を入手するのも良いかもしれません。

一般社団法人 海外鉄道技術協力協会 ダイヤモンド社
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