GV-E400系の車内

記事上部注釈
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JR東日本の非電化区間を中心に活躍するGV-E400系。その車内を観察しました。

写真1. 新津駅に停車中のGV-E400系

復習:GV-E400系の概要

最初にGV-E400系の概要を紹介します。

GV-E400系の概要
  • 動力:電気式気動車
  • 編成:1両編成(両運転台)または2両編成(片運転台)
  • 車体:ステンレス
  • 客用ドア:片側2か所(片開き)

日本では長い間、非電化区間では気動車が採用されてきましたが、この方式には機構が複雑になるという欠点がありました(重量面で有利)。その対策として、電気式気動車が近年見直されてきました。その一例が今回紹介するGV-400系です。電気式気動車はディーゼルエンジンで発電機を回し、その電力で電車と同様の走行原理で走行するというものです(と私は理解してます)。

補足.電車と気動車の区分け

電車と気動車の境界はあいまいになっており、私の理解では以下の通りに分類しています。

表1. 電車と液体式気動車の中間の車両の分類

電車外部から電気を取り入れ、その動力でモータを回す
蓄電池電車外部から電気を取り入れ、そのエネルギーを蓄電池に蓄え、その動力でモータを回す
ハイブリッド車燃料を電気エネルギーに変換し、その動力でモータを回す
電気エネルギーは蓄電池で貯蔵し、その動力でモータを回す
電気式気動車燃料を電気エネルギーに変換し、その動力でモータを回す
液体式気動車燃料エンジンで動力に変換する

従来の電車は外部から電気を取り入れ、そのエネルギーをモータ(回転するもの)で運動エネルギーに変換するというものでした。他方、従来の液体式気動車は燃料をエンジン(爆発させるもの)で運動エネルギーに変換するというものでした。両者の間では動力源(外部電源か燃料か)と動力変換装置(モーターかエンジンか)が明確に分類され、趣味的な分類は容易でした。

しかし、技術が発達するとこのような区分けの中間的な動力も活用されます。それらを並べました。電気式気動車は動力源は燃料ですが、動力変換装置はモーターであり、電車と同様です。電気式気動車に蓄電池を加えるとハイブリッド車と称されます。蓄電池を備えつつ、動力源が外部電源となると蓄電池電車と称されます。

その電気式気動車のローカルタイプです(3ドアタイプの電気式気動車の別形式もあります)。室内はセミクロスシートで、横2列+横1列です。限られた車体幅で可能な限りの通路幅を確保したためと解釈できますが、車体幅を拡大すれば良かったのでは?

GV-400系の車内

御託はこの程度にして、車内を実際に眺めましょう!

写真2. 出入口周辺のロングシート部分

出入口周辺のロングシート部分です(写真2)。寒冷地仕様なのか、ロングシートの袖仕切り部分に風よけがあります。電気式気動車の特性か、床上に機器スペースがあります。乗客からすると邪魔に感じます。

室内の配色はE129系電車と似ており、新潟地区の一般型車両(=特急や新幹線を除いた車両という意味)として共通の印象をいだきます。

写真3. 車両の中央付近にはボックス席もある

車両の中央付近にはボックス席もあります(写真3)。通路幅に力点を置いた横3列配列です。それなりに窓も多いです。

天井の赤い帯は何だろう?

写真4. ボックス席の様子

ボックス席の様子です(写真4)。

写真5. ボックス席とロングシートの間に位置する機器スペース

機器スペースもそれなりの面積を占めていることがわかります(写真5)。

写真6. 2人がけボックス席の様子

2人がけボックス席の様子です(写真6)。

写真7. 反対側の先頭部分にトイレがある

反対側の先頭部分にはトイレがあります(写真7)。この車両は1両編成ということもあり、1両で設備を完結させるためにトイレや機器スペースという定員外の空間が相対的に広く、その意味で詰め込みの利かない車両という印象もあります(開発費を考慮すると、すべて2両固定にしても費用は変わらないのでは?)。

写真8. 運転室仕切り部分

運転室の仕切り部分です(写真8)。仕切壁には大きな窓があり、その点は好感を持てます。

写真9. 客用ドアとその周辺

客用ドアとその周辺です(写真9)。客用ドアは化粧板のない、質素なものです。近年の民鉄車の化粧板付きの複層ガラスの客用ドアに慣れると見劣りしてしまいます。

写真10. ドアにはステップがある

ドアにはステップがあります(写真10)。非電化区間の低いホームを前提とした設備です。

GV-E400系の車内を眺めてみて

写真11. 1両編成という小さな空間ではわずかな機器スペースがあることで印象が悪化する

今回、電化区間でGV-E400系に乗る機会に恵まれました。従来の液体式気動車にはあまりなかった機器スペースやそれによって圧迫される車内と車窓(機器スペースには窓がない)という観点から良い印象を抱きませんでした。

乗客としては電気式気動車を採用した理由は関係ありません。そのため、メンテナンスの都合で床上に機器スペースを設置したのは、乗客にとってサービス低下でしかありません。

本来は地方圏では物理的な輸送力の限界を迎えることはないはずです。それを1両編成や2両編成でまかなおうとするから、機器スペースに対し、マイナスの印象を与えてしまうのです(思考実験ですが、10両編成であれば、機器スペースの1つに目くじらを立てる人は少ないでしょう)。地方都市圏では自家用車が強力なライバルです。自家用車ではプライベートな環境が約束されます。それに対し、立つことが前提の輸送体系というのは感心しません。そのような環境で減車を前提とした車両を導入し、さらにその車両に余計なスペースがあることがこの車両の不幸せな点と思いました。

(参考)写真12. ローカル用でも乗客サービスがそれなりに高い車両(オーストリアで撮影、この写真は電車)

鉄道という乗りものは全員着席できることが原理・原則と思います。その理想に対し、現実の日本の通勤車両は立ちが生じることが現実です。この点はひとえにGV-E400系やその運行主体のJR東日本(=独立採算で黒字を求められる経営環境)だけが悪いわけでありません。鉄道に対しじゅうぶんな国費を費やさない国の責任とも表現できますし、その国の運営を是とした主権者の国民1人1人の責任とも表現できます。

後継の車両はより窓が小さくなり、機器スペースに圧迫されているとも聞きます。せっかくの技術をもちながら、乗客が幸せにならないことを考え、技術や車両のパーツのこと以外も考えてしまいました。

ただし、暑い日であっても冷房の効きに不満はなく、その点は技術の進歩を感じました。

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