総武線各駅停車の混雑状況(平日朝ラッシュ時、錦糸町-両国、現場調査)




首都圏でも混んでいるといわれる総武線各駅停車。その理由は、千葉方面から山手線の内側に向かう人がこの区間に集中するためです。では、実際はどのような混雑状況なのでしょうか。穴場となる車両を探すこともかねて現場で実態を観察してみました。

写真1. 両国で降りる乗客も多い


総武線各駅停車の朝ラッシュ時の混雑状況まとめ

以下、長い本文を読む気がない人のために、簡単にまとめます。

・目視での混雑率は171%(公式発表は197%程度)である。
・上記の混雑率はドア部分は圧迫があり、座席前(車内中ほど)もぎっしり立っている(吊革に2列半)ということを示す
・混雑のピークは両国到着8:11~8:15である(秋葉原到着8:20前)である
・車両ごとによる混雑の差は大きくないが、あえて言えば両先頭車と9号車(前から2両目)が穴場である

混雑調査の概要

今回の混雑調査の方法を紹介しましょう。この記事では、定点観測を行い、一定時間の全列車を対象にして各車両の混雑を目視で確認しています。これはプロも行っている調査方法です。

簡単に調査方法を紹介しましょう。一部の個人サイトでは混雑状況を書いているところもありますが、調査方法や混雑指標の言及がないのでう~んと考えてしまうところがあります。そのようなことを踏まえて、弊ブログではきちんと方法を示します(さすがー)。

弊ブログでは混雑ポイントという概念を導入しております。その概要を示します(表1)。

表1. 混雑ポイントの概要

乗車ポイントの概要

せっかくなので、120ポイント~160ポイントの様子をご覧いただきましょう(写真2-4)。いずれも個人情報を守ることを目的に、画質を落としています。

混雑ポイント120ポイント相当

写真2. 混雑ポイント120ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント140ポイント相当

写真3. 混雑ポイント140ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント160ポイント相当

写真4. 混雑ポイント160ポイントの様子(写真3と異なり、ドア部分が圧迫されていることがわかります)

今回の調査は両国到着時(錦糸町→両国)について行いました。錦糸町で総武線快速から乗りかえる人で混雑し、両国での下車が両国での乗車より多いため、この区間が一番混雑します。その最混雑区間を調査したのです。

混雑状況の分析

混雑状況の生データから細かく分析することにします。

生データを見る

まずは、生データをさらしましょう(表2)。

表2. 総武線各駅停車の混雑状況(錦糸町-両国、朝ラッシュ時、生データ)

総武線各駅停車の混雑状況(錦糸町-両国、朝ラッシュ時、生データ)

全般的に混雑していることがわかります。この時間帯の混雑率は166%程度です。後で述べますが最ピーク時の混雑率は171%です。公式発表の197%とはかけ離れています。いずれにしても、ドア部分はぎっしり埋まっていて、車内中ほどもぎっしり埋まっているのが現状です。正直、個人の調査では混雑率180%以上を判定するのは難しい部分があります。

私は多くの路線の混雑を現場で確認していますが、他の路線と比べても混んでいる路線であるという感想を抱きました。これが一番重要な知見でしょう。

なお、5分程度の遅れが発生している箇所がありますが、これは錦糸町で急病人救護のため一時運転見合わせ(といっても5分で再開)したためです。客扱い遅延ではありません。

混雑状況の分析

単に「混雑を見ました。他の路線よりも混んでいます!」の一言と生データの提示だけで終わるのは不親切というものでしょう。そこで、私なりに混雑状況を分析します。

まず、時間帯ごとに混雑状況を分析します。総武線各駅停車は全て各駅停車で、路線の分岐や合流もない単純な運転系統です。そのため、何分ごとに区分けするという制約はありません。60分の約数である10分か15分が適切なところでしょう。ここでは、細かく分析するために10分ごとに区切ることにしましょう(表3)。

表3. 総武線各駅停車の混雑状況(錦糸町-両国、朝ラッシュ時、時間帯層別)

総武線各駅停車の混雑状況(錦糸町-両国、朝ラッシュ時、時間帯層別)

この分析結果を見ますと、両国到着時点を基準にすると8:11~8:20の10分間が最も混んでいることがわかります。この分析結果をよく見ますと、8:21~8:30の10分間よりも8:01~8:10の10分間のほうがわずかながらに混んでいることもわかります。このような場合、8:11~8:20の真ん中にピークがあるのではなく、この前半にピークがあると推定できます。そこで、ここでは8:11~8:15ごろが一番混雑している時間帯と結論づけることにします。わかりやすく秋葉原基準で言い直すと、秋葉原到着8:20前ということです。

本当であれば、最ピーク時間帯は7:45~8:45(7:41~8:41)が適切でしょう。しかし、私の調査ミスにより7:51からの60分間のデータしか入手できません。そこで、以下のデータ処理では7:51~8:50の60分間を抜き取ることにしましょう。どうせ5分程度なので、そこまでデータに誤差が出ないだろうという読みもあります。

では、どの車両が混んでいるのでしょうか。簡単に分析してみましょう。生データにもこのような集計は掲載していますが、このデータは最ピーク60分を明らかに外した時間帯の列車も含んでいます。そこで、最ピーク時60分に限定して集計してみましょう(表4)。

表4. 総武線各駅停車の混雑状況(最ピーク60分、車両別)

総武線各駅停車の混雑状況(最ピーク60分、車両別)

1号車が千葉より、10号車が三鷹よりの車両です。この分析結果を見ますと、3~6号車が混雑する傾向にあり(いずれも車内中ほどまでぎっしり)、両先頭車と9号車(先頭車から2両目)に比較的ゆとりがあることが読み取れます。ただし、先頭の10号車は女性専用車なので、男性の人は(厳密にはそのようなことはありませんが)乗れません。ゆとりがあるといっても、極端に空いているわけではなく、座席前に行けば圧迫まではされないという程度です。別の言いかたをすれば、極端に空いている車両も混んでいる車両もない、ということです。

この時間帯の混雑率を計算すると、170.7%と算出できました。およそ171%の混雑率です。時間帯を5分程度ずらして集計してもせいぜい175%になるかどうかというところでしょう。

では、始発駅で混雑状況に違いはあるのでしょうか。ピーク60分に限定して始発駅ごとの混雑をまとめました(表5)。

表5. 総武線各駅停車の混雑状況(最ピーク60分、始発駅別)

総武線各駅停車の混雑状況(最ピーク60分、始発駅別)

これを見ても、大して差はありません。つまり、「この始発駅の電車は比較的空いているから穴場」というものはないのです。津田沼始発が空いているように見えるのは、最ピーク時に津田沼始発がないためです。西船橋始発と千葉始発でそこまで混雑状況に差がないのは、遠距離利用客の多くは快速を選び、各駅停車に乗りこむ人の多くは西船橋より都心側であると推定できます。

ダイヤ案を考える

混雑率170%~175%(公式発表の196%は眉つばものととらえられますが、全面的には疑いません)というのは、そこまで快適ではありません。混雑する区間が錦糸町-秋葉原(か御茶ノ水)の10分弱であってもです。では、どのようにすれば良いのでしょうか。

一番やりやすい手段は運転間隔の縮小でしょう。最ピーク時間帯では1時間に24本運転されています。これを毎時26本体制にすることはできなくはないでしょう(同じ10両編成の京王線では27本運転を実施)。そうすれば、混雑率175%を162%(公式発表の196%でも181%になる)まで緩和します。このためには高加速車を導入して、電車が発車してから駅ホームを空けるまでの時間を短縮するのが効果的でしょう。また、乗り降りに時間のかかる錦糸町や秋葉原での入線をスムーズにするために、信号機の増設も必要かもしれません。

このほかに、都営地下鉄へのシフトも重要な施策でしょう。地下鉄東西線や総武線から都営地下鉄新宿線にシフトさせることを指しています。一番良いのは、本八幡始発の通勤急行(種別名は何でも構いません)を設定して、神保町や九段下周辺に勤務地がある人を都営新宿線に誘導するのです。幸いなことに、都営新宿線は10両編成の比率が高まっているので若干のゆとりはあるでしょう。

また、住吉から豊洲までの新線構想も総武線の混雑緩和には寄与するでしょう。例えば、総武線沿線に家があり豊洲に勤務地がある人は、現在は秋葉原・有楽町乗りかえで総武線の最混雑区間を利用していることでしょう。でも、この新線が開通すれば、総武線の最混雑区間を利用しなくなります。そのぶん総武線の最混雑区間は空くわけです。結局、都心に用のない人を迂回する路線を整備することが重要なのでしょう。

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