ベルンからバーゼルまでの列車旅(スイス、乗車記、19年夏)




スイスの首都ベルンとスイス第3の都市バーゼル。同じドイツ語圏ということもあり、移動する人も多いです。その経路を移動しました。この区間の具体的な時刻や所要時間について述べた後、実際に乗っています。実用的な情報、実際の雰囲気どちらも伝わるように書いてみました。ベルンとパリの行き来にもこの経路は重宝します。

写真1. 到着したバーゼル駅は古くて立派な駅舎


復習:ベルンとバーゼルの移動方法概論

まず、ベルンとバーゼルの移動方法について確認しましょう。最初に両都市の位置を示します(図1)。

図1. ベルンからバーゼルまでの移動経路(googleマップより引用)

ベルンはスイスの首都でだいたいスイス中央部にあります。一方、バーゼルはスイスの北端にあり、ドイツとフランスに接している都市です(バーゼルそのものはドイツ語が主流です)。

では、どのように移動するのでしょうか。不正確なことを承知で箇条書きでまとめてみます。

ベルンとバーゼルの移動の概論
所要時間:55分前後
系統:IC6
運転間隔:約30分(正確には60分に2本の運転で、厳密な30分間隔運転ではない)

ベルンとバーゼルの間は1時間に2本のICが運転されています。スイスでは2017年から系統番号を付けていますが、その系統番号はIC6です(図2の黄緑色の系統)。チューリッヒという大都市は通らないものの、それなりに重要な系統であることがわかります。

チューリッヒ、ベルン地区のIC網

図2. ベルンとバーゼルの間の運転系統

バーゼル発は毎時31分発(所要時間53分)と59分発(所要時間57分)です。逆に、ベルン発は毎時04分発(所要時間55分)と36分発(所要時間53分)です。これらをわかりやすくまとめると以下の通りです。わかりやすくするために9時台で示しましたが、6:00~22:00まで同様のパターンです。

ベルン9:04→バーゼル9:59
ベルン9:36→バーゼル10:29

バーゼル9:31→ベルン10:24
バーゼル9:59→ベルン10:56

この他にパターン外の列車としてパリ直通のTGVが1日1往復あります(ベルン発11:10、ベルン着22:51)。ただし、この列車はいずれも所要時間が75分程度かかり、あえて乗るようなものではありません。

多くの列車はバーゼル始発/終着ですが、一部はドイツに直通します。この直通列車はICEによる運転です。スイス国内はICEでもスイスネットワークに組み込まれるので、車両が異なること以外は特に意識する必要はありません。また、ベルンより南側は一部がイタリア直通ですが、多くはインターラーケンまでです。

写真2. ベルンに乗り入れるICE(ベルン駅で撮影)

スイスの長距離列車は任意指定制という座席予約制度を採用しています。これは、予約した座席だけが指定席、そうでない席は自由席という制度です。東京から博多で運転するある新幹線列車でいえば、ある座席が新横浜から新大阪まで予約されている場合、その席は新横浜から新大阪までが指定席となりますが、その他の区間は自由席扱いになるということです。事前予約がある場合、紙か電光掲示板で予約区間が表示されています。座席を予約していない場合は、このような表示のない座席を探せば良いのです。

なお、この制度はドイツ、チェコ、オーストリアでも採用されています。鉄道パスを持っている外国人にはありがたい制度ですね。逆に、イタリアやフランスでは全席予約制で気ままな移動がしにくいです。(特にフランスは)本数も少ないので、非常に不便です。スイス並みの本数と制度を導入してもらいたいものです。

実際に列車に乗る

では、実際に列車に乗ってみましょう。

写真3. バーゼル行きの表示

駅の案内でもIC6と表示されています(写真3)。このような案内は徹底して行うことに意味があります。2等が先頭の10両編成です。日本の感覚だと6両編成でも多いくらいでしょう。利用者としては空いているほうがありがたいので、うらやましい限りです。

写真4. バーゼル行きがやってきた(ちょっとぶれていますね…)

バーゼル行きがやってきました(写真4)。ちょっと撮影ぶれていますね。インターラーケンはベルンの東側、バーゼルもベルンの東側にあるので、ここで方向転換します。

1等車車内を観察する

私は1等車に通用するスイストラベルパスを持っていましたので、1等車を堪能することにしました。スイスの列車の多くは向かい合わせの座席が並び、回転シートはありません。また、座席割と窓割は一致しています。2等車は2+2列の横4列配列、1等は1+2列の横3列配列です。

写真5. 1等の全景

1等車の全景です(写真5)。黒ベースに赤いアクセントが映えた座席が目立ちます。スイスの長距離列車全般にいえますが、質素な感じです。スイスは実用性を重視する国と聞きましたので、そのカラーが反映されているのでしょう。

写真6. 1等の全景

座席の視点から車内を眺めます(写真6)。

写真7. 4人向かい合わせの座席

4人向かい合わせの座席です(写真7)。座席は固定されていて、向きを変えることはできません。「ヨーロッパは頭端式の駅が多くていちいち向きを変えることが面倒だから」というのがその理由とされていますが、最も大きな要因は座席を回転させるという概念がない、という点でしょう。

写真8. 座席にあるテーブル

座席にはテーブルがあります(写真8)。このテーブルを引き出せばもう少し広くなります。

写真9. 自転車置き場もある

自転車置き場もあります(写真9)。スイスはツーリングを歓迎しています(旅行の前に「ツーリングも楽しいよ!」というパンフレットを入手しました)。その国策が関係していそうです。

車窓を堪能する

では、ベルンからバーゼルまでの車窓を堪能しましょう。

写真10. ベルンを出てすぐは市街地

ベルン駅はベルンの中心にあります。進行方向右側には立派な市街地が広がります(写真10)。人口14万人といえども、首都なので活気があります。

写真11. ベルンのアーレ川を渡る

ベルンのアーレ川を渡ります(写真11)。この向こう側には旧市街と直結する橋があります(※)。その橋からも線路が見えます。

ベルンの旧市街を堪能する(アクセスも紹介、19年夏)に詳しく書いています(別ウィンドウで開きます)。

写真12. のどかな場所を高速新線でかっ飛ばす

ベルンの市街地を抜けると、高速新線に入ります(写真12)。

写真13. のどかな場所を高速新線でかっ飛ばす

このような高速新線をかっ飛ばします(写真13)。

写真14. もうそろそろオルテン

途中停車駅はオルテンだけです。オルテンそのものは小さな街ですが、5方面への分岐点です。ベルンとチューリッヒを結ぶ系統以外は停車します。ベルンとチューリッヒを結ぶ系統は利用が多いので、オルテンに停車せずに両都市連絡を重視したのでしょう。オルテンとベルンの連絡はわがIC6系統、オルテンとチューリッヒの連絡はIC5系統が担っているので、ベルンとチューリッヒを結ぶ系統が停車しなくとも問題ないのです。

チューリッヒ、ベルン地区のIC網

図2. オルテン周辺の路線図(IC6系統はオレンジ色です)

写真15. オルテンに停車!

そのオルテンに停車します(写真15)。

写真16. 別系統の列車が停車中

別系統の列車が停車しています(写真16)。わがIC6系統は13:03に到着し、13:05に発車します。例えば、ルツェルンからのオルテンどまりの列車が12:52に到着します。この列車からの接続によって、ルツェルンからバーゼルまでの乗車チャンスが拡大します。また、ローザンヌからのIC5系統は12:57に到着し、12:59に発車します(わずか8分の乗りかえ時間です)。IC5系統の駅からバーゼルまでの直通はありませんが、この接続によってバーゼルからIC5系統の各駅へのチャンネルを確保しています。

写真17. チューリッヒへの線路が分岐する

ここまでチューリッヒ方面の線路を走りましたが、ここで分岐します(写真17)。今通っている線路はフランスからイタリアに抜けるルートですが、ここを通ってフランスからイタリアに直通する旅客列車はありません。スイスの西側でフランスとイタリアが接しているためでしょう。

写真18. チューリッヒからの短絡線が合流

チューリッヒからの短絡線が合流します(写真18)。チューリッヒからバーゼルを結ぶ系統がオルテンを通ると、進行方向を変える必要があります。それはわずらわしいので、短絡線を通るのです。オルテンそのものはそこまで大きな都市ではないので、このように短絡線を通り駅そのものをスルーしても問題ありません。これは、ルツェルンとベルンの系統でも同じ(※)です。

ルツェルンからベルンまでの乗車記(スイス、列車旅、19年夏)に詳しく書いています(別ウィンドウで開きます)。

写真19. スイス北部ののどかな景色を行く

写真20. スイス北部ののんびりとした場所を行く

オルテンそのものは人口2万人にも達していません。そのため、オルテン大都市圏というものはなく、再びのんびりとした景色の中を走ります(写真19、写真20)。

写真21. スイス北部は小さな山が多い

こうして見ると、小さな山が多いです(写真21)。それだけのどかな景色が広がっています。スイスの絶景路線はこの周辺にはありませんが、スイスの平均的な景色ともいえます。

写真22. スイスには鉄路が多い

スイスは人口が日本ほど多くありませんが、線路の数は多いです。このような田園風景が広がる場所でも鉄路が分岐したりします(写真22)。

写真23. バーゼルが近づいてきた

建物が増え、バーゼルが近づいてきた気配がします(写真23)。バーゼルは人口17万人程度ですが、スイスで第3の都市です。また、国境沿いなので、フランスやドイツへの玄関口という部分もあり、発展しています。

写真24. バーゼル駅構内が近づいた

バーゼル駅構内が近づいてきました(写真24)。

写真25. 多くの線路が集まってくる

多くの線路が集まってきます(写真25)。バーゼル駅基準で、スイスの各方面やドイツ方面は全て駅の東側に向かって発車します。駅の西側にも線路は伸びていますが、この線路はフランス方面にしか向かいません。つまり、駅の東側で多方面からの線路が合流します。

写真26. バーゼルに到着!

こうしてバーゼルに到着しました(写真26)。

写真27. 立派なバーゼル駅

バーゼル駅の外に出てみました(写真27)。立派な駅舎があります。バーゼルは古都といいます。いつかきちんと訪問したいものです。その中でスイス、ドイツ、フランスの3国が接する点にも行ってみたいですが、その点は川の中なので無理でしょう。

図3. 3国の境界点(3つの国境が川の中で接していることがわかります)

このようにして、私のスイス旅行が終わったのです。

前後を読みたい!
さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?

←(前)ベルン駅を楽しむ(構内図や接続の様子も収録、19年夏)

ベルンからバーゼルまでの列車旅(スイス、乗車記、19年夏)←今ココ!

TGVでスイス(バーゼル)からパリへ向かう(乗車記、19年夏)(次)→

※それぞれ別ウィンドウで開きます。

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