ポツダムからベルリンへの移動

記事上部注釈
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ポツダムとベルリン。両者は隣どうしの距離で、ベルリンからポツダムへの日帰り観光も可能な範囲です。実際にこの両都市を移動しました。

写真1. Sバーンは赤系と黄色系の塗装

重要

本記事で詳細に解説しますが、ドイツの鉄道に関する内容を一通り、そして詳しく解説した書籍を出版いたしました。同人誌の流通ルートで販売していますが、いわゆる萌え絵は一切なく一般的な同人誌に嫌悪感を示す人でも抵抗ない内容・体裁になっています。

復習:ベルリンとポツダムの移動

まず、ベルリンとポツダムの移動について簡単に紹介します。

図1. ベルリンとポツダムの位置関係(googleマップより引用)

ベルリンとポツダムの位置関係を示しました(図1)。隣接する都市どうしであり、東京地区に例えると東京と横浜の位置関係でしょう。

ベルリンとポツダムの移動概要(中央駅どうし)
  • 所要時間:26分(RE)~40分(Sバーン)
  • 運転間隔:約10分(Sバーン)~30分(RE1系統)
  • 運賃:ベルリンCゾーン

ベルリンとポツダムの間はベルリンSバーンのS7系統が通じています。Sバーンはベルリンの都市近郊電車です。東京の感覚でいうと京浜東北線でしょうか。そのS7系統は10分間隔で運転されています(ベルリン中心部は複数系統が重なり運転本数が増える)。Sバーンはベルリン都心部では複数系統が同じホームにやってくるので、S7系統を選ぶことが重要です。

図2. ベルリンSバーンの路線図(ベルリンSバーン公式サイトより引用)

路線図を見るともう少しわかりやすいと思います(図2)。図の左下に位置するのがポツダム中央駅、図の中心付近がベルリンの都心です。ポツダムに行くだけであれば、ABCゾーンの1回券4ユーロで行けますが、ベルリン近郊を観光する際はABCゾーンの24時間券を購入すると、10.7ユーロで他の移動もでき、便利です。料金についてはベルリンSバーン公式サイトをご参照ください。ABCゾーンの24時間チケットはSバーンのほかに地下鉄やトラム、バスにも適用できます。そしてポツダムのトラムやバスにも。

そのSバーンに並走して中距離・長距離列車が走っています。RBやREと案内される運転系統です。

図3. ブランデンブルク州の地域鉄道路線網(Sバーン公式サイトより引用)

ベルリンの周辺のブランデンブルク州(ベルリンそのものはブランデンブルク州に囲まれているが、ベルリン州という別の州)の路線網を示しました(図3)。中央に見える十字の場所がベルリン中央駅です。ここから放射状に延び、ポツダムにはRE1系統とRB23系統が向かいます。ただし、RB23系統の一部はベルリンまで向かわないことがあります。

そのRE1系統は停車駅が少ないぶん、速達性に優れています。そのかわり本数は少なく、RE1系統は平均30分間隔(20~40分間隔で毎時2本)、RB23系統は毎時1本です。残念ながらRE1系統で40分のダイヤホールが発生する箇所にRB23系統が入り、20分等間隔にするという芸当はありません。等間隔運転にしたり、RB20系統やRB22系統をポツダム中央駅以西運転からベルリンシャルロッテンブルク駅以西運転(ベルリンシャルロッテンブルクでRE8に同一ホーム乗りかえ)により、ポツダム中央駅以東の乗車チャンス確保という芸当もありません。

運賃はSバーンと同じです。東京から横浜の28.8kmを東海道線で移動しても京浜東北線で移動しても同じ運賃であることを思い出すと、この点は理解しやすいと思います。

ここまで詳細に解説しました。公式サイトから予約できると思いますが、日本語で予約できないことに不安を感じる人もいるかもしれません。下記のサイトであれば、日本語で予約できるので安心です。


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また、その予約にはクレジットカードが便利です。

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ポツダムからベルリンまで実際に移動する

では、ポツダムからベルリンまで実際に移動しましょう。マクデブルクからポツダムまで移動したRE1系統がそれなりに混んでいましたので、Sバーンに乗ることにしました。

写真2. ポツダムの発車標

ポツダム中央駅の発車標です(写真2)。これをよく見ると、ポツダムからベルリン方面には毎時10分、30分、50分に発車しています。Sバーンは近距離電車で別扱いなためか、発車案内には表示されていません。昔の上野駅の発車標に常磐線快速が表示されていなかったのと同じでしょうか。

JR西日本の大阪地区の電光掲示板のように「○○まではSバーンが先着します。××からはRE1が先着します」とあると便利なのですが、なかなかそのような発想に至らないようです。

写真3. ポツダム中央駅のホーム配置図

ポツダム中央駅のホーム配置図です(写真3)。REやRBは2番線と4番線から発車することが多く、Sバーンは6番線と7番線から発車します。1~4番線の配置が変則的で分かりにくいです。

写真4. Sバーンの車内

Sバーンの車内です(写真4)。ベルリンに向かうには停車駅が少ないREのほうが速達性が高く、こちらは空いています。途中駅から乗客を集めるのがSバーンです。

もっともこの日は別の事情がありました。

写真5. ポツダム中央を発車!

ポツダム中央駅を発車しました(写真5)。

写真6. ポツダムの市街地を走る

ポツダムの市街地を走ります(写真6)。

写真7. Griebnitzseeに停車

Griebnitzseeに停車します(写真7)。後から発車したRE1系統がやってきました。あちらにはホームはありません。ここで抜かされます。

写真8. 森の中を走る

森の中を走ります(写真8)。このあたりでポツダム市からベルリン市に入ります。冷戦中はポツダムは東ドイツ、ベルリンヴァンゼー駅は西ベルリンに位置し、行き来はできなかったはずです。今はそのような面影もなくあっさり通り過ぎます。

写真9. 車庫がある

ベルリンSバーンの車庫があります(写真9)。

写真10. 編成の途中で途切れている

編成の途中で途切れています(写真10)。ベルリンSバーンの主力の481系電車は4両編成ですが、2両目と3両目の間はこのように途切れています。

写真11. ビンテージものが停車している

ビンテージものの車両が停車しています(写真11)。

写真12. ベルリンヴァンゼーに停車

ベルリンヴァンゼーに停車します(写真12)。ここはREが停車するだけではなく、別系統のSバーンが出ています。ポツダムから出発するS7系統はベルリン市街を東西に貫きますが、ここで連絡するS1系統はベルリン市街を南北に貫きます。

写真13. S1系統は同じホームからの乗りかえ

S1系統は同じホームからの乗りかえです(写真13)。引上線を駆使して同一ホーム乗りかえを完全に実現しているのか、発車ホームは交互なのかまでは知りません。

多くの人がホーム反対側のS1系統に乗りかえました。「地域輸送が多いな」とこのときはのんきに考えていました。

写真14. 森の中の住宅街

森の中に住宅街があります(写真14)。日本でいうと軽井沢や河口湖をイメージしがちですが、これはドイツの首都ベルリン市の風景です。

写真15. 森の中を走る

森の中を走ります(写真15)。このまま20分も乗ればベルリン中心部に近い市街地が広がります。ベルリンもそうですが、欧州の都市の市街地の範囲は東京よりも狭いことがわかります。

写真16. ケルン方面のICEとすれ違う

ケルン方面のICEとすれ違います(写真16)。通常、このルートにはICEは走りません。このときは高速線の工事のため、西行がポツダムやマクデブルクを迂回するルートを走っていました。2023年7/1より東行が迂回することになっているはずです。

写真17. RE1に抜かされる

RE1に抜かされます(写真17)。各駅にとまらない向こうとスピードに大差がついていない(もう3回目)ということは、向こうがそこまで速度を出していないことを意味します。

ヴァンゼーから森を走り、2つ先のグリューネヴァルト(Grunewald)駅に着きました。ここから先はベルリンの市街地を通ります。いよいよベルリンの市街地を走るのです。

と思ったら、全員降ろされました。ここからツォー駅までは工事中で行けないのです。ベルリン中心部に向かいたい人は、あらかじめヴァンゼーでS1系統に乗りかえたのでしょう。S1系統でもフリードリヒ通り駅に行けます。

写真18. 運休が示されている様子

工事運休が示されている様子です(写真18)。ドイツ鉄道は旅客に影響する工事をやりすぎだよ!私はベルリン初心者(5年ぶり3回目)ですので、バスに乗ってツォー駅に行くことしかわかりません!

写真19. 被害者どうしでバスのりばに向かう

私と同じ被害者に付いて行き、バスのりばに向かいます(写真19)。

写真20. やはり付いて行く

やはり付いて行きます(写真20)。

写真21. 人々が待っている

人々が待っていました(写真21)。

写真22. 連接バスがやってきた

連接バスがやってきました(写真22)。私が持っていた乗車券は鉄道限定のドイツ地域チケットですが、これは列車代行バスであり、(日本の感覚では)営業上は列車扱いなので、バスであっても大丈夫でしょう。

写真23. 何とか座れた

何とか座れました(写真23)。でも進行方向逆向きです。左側の男性は困った様子でどこかに電話していました。「電車が運転されていなくてバスで移動中で遅れる」とでも連絡しているのでしょうか。

写真24. 環状線を超える

バスは順調に進み(信号待ちがあり鉄道と同等の所要時間というわけにはいかないが)、環状線を超えました(写真24)。ベルリン初心者なので、左側がSバーン用、右側が長距離用の線路ということくらいしかわかりません(ベルリンSバーンは架線がなく、第3軌条で集電します)。

写真25. 市街地を走る

ベルリンの市街地を走ります(写真25)。

写真26. ベルリン市街地を走る

ベルリン市街地を走ります(写真26)。ドイツの都市部に多い、5階(くらい)建てで上が微妙にとんがっている集合住宅が目立ちます。ついにドイツの首都にやってきました。

写真27. ベルリンツォー駅に到着!

ベルリンツォー駅に到着しました(写真27)。ここまで来れば大したことはありません。あとはベルリン初心者でも簡単に移動できます。

素直にREで来れば良かったかな?ベルリンツォー駅から先は中央駅方面はSバーンが10分に2本(当時、通常は3本)走っていますし、REやRBも毎時数本走っています。また、市内各地には地下鉄も通っています。

ポツダムからベルリンまで移動してみて

写真28. ベルリンツォー駅は西ベルリンの中心地だけあり、人通りも多い

今回、ポツダムからベルリンまでSバーンを選択しました。確かにREは停車駅が少なくてそれなりに速達性がある一方、本数が少なく、ポツダムから座れない可能性もあります。所要時間差はそこまでではないと踏んでのSバーンです。

しかし、このときはバス代行という特大イベントが開催され、日々にないドラマが展開しました。たまたまツォー駅の存在を知っていたので何とかなったのですが、存在を知らないとさらに戸惑ったでしょう。事前に知識を付けることの重要性を再確認したのです。

重要

今回の旅行でクレジットカードとインターネット環境(途中でバス代行の際にインターネット地図で調べるなど)の重要性を認識しました。私は以下の2つを手配しましたが、類似のサービスであれば問題ないと思います。

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