列車でのフランクフルトとベルリンの移動(時刻表あり、20年対応)

記事上部注釈
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ドイツの金融都市、経済の中心、そして空の玄関口フランクフルト、そして政治の中心でドイツの最大都市のベルリン。この間はおよそ4時間かけることで列車で移動することができます。では、どのように移動すれば良いのでしょうか?基本的なことから時刻表までまとめました。

※20年ダイヤに情報を修正し、ベルリン中央駅のホームに着いても加筆いたしました。

ベルリンに着いたICE

写真1. ベルリン中央駅の地下ホームに停車中のフランクフルトからのICE

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ベルリンとフランクフルトの関係

ドイツの首都はどこでしょうか?多くの人はベルリンという正解をご存知と思います(まさかボンのまま情報が更新されていない人は少ないでしょう)。しかし、ベルリンは政治の首都であり、経済の中心はフランクフルトと言われています(人口はベルリンのほうが多いです)。そのため、日本からの直行便はフランクフルト発着が多く、ベルリンへの直行便は存在しません。そのため、フランクフルトとベルリンを行き来する必要があります。その他にも行き来する理由は多いでしょう。
そこで、ここでは列車で両都市を行き来する方法をまとめましょう。時刻は私の手元にある2020年冬バージョンの時刻表を参照して作成いたしました。

図1. ベルリンとフランクフルトの関係

ベルリンとフランクフルトの位置関係を示します(図1)。フランクフルトはドイツ西部に、ベルリンはドイツ北東部にそれぞれ位置することがわかります。高速列車が通る経路は2通りありますが、短いほうでも518km、長い経路だと580kmにもおよびます。東京から大阪まで550km程度ありますので、だいたい東京から大阪までの移動と考えるとその長さが実感できましょう。この間はドイツの高速列車であるICEで結ばれています。ICEの特徴は一部区間のみ高速新線(日本でいう新幹線のようなもの)を走行し、その他の区間は従来通りの線路を走ります。そのため、日本の新幹線よりも本数が少なく、速度も劣ります。この点を踏まえて時刻表をまとめましょう。

20年冬ダイヤを解析する

基本的に2018年冬ダイヤと変わっていません。ただし、ベルリンに向かう際にはハノーファー乗りかえが機能していません。フランクフルト→ハンブルクの列車が到着する1分前にルール地方→ベルリンの列車が発車しています。これではハノーファーで59分の待ち時間が発生してしまいます。そうであれば、後の直通を待ったほうが早いですし、それに乗りかえがなくてラクです。この接続を短時間でできるように工夫し、乗車チャンスの拡大に努めるべきです。

発着駅の確認

まずは、どの駅に向かえば乗車できるのか確認しましょう。以下の記述の通り、フランクフルト中央駅とベルリン中央駅を結ぶと考えれば間違いありません。

フランクフルト側の発着駅

フランクフルトを通る長距離列車は中央駅を通らず、空港駅のみを通ることもあります。ベルリンへ向かう系統は多くがフランクフルト中央駅発着です。逆にフランクフルト空港駅からベルリンへ向かう系統はごくわずかです。そのため、時刻を調べない限り、フランクフルト中央駅に向かえば間違いありません。

※時刻表を後で掲載しますが、フランクフルト空港発着便とほぼ同時にフランクフルト中央発着が走行(ただし両者の経路は異なる)するので、フランクフルト空港発着に乗れなくとも時間的なロスはほとんどありません。

フランクフルト中央駅(2016年8月に撮影)

写真2. フランクフルト中央駅

ベルリン側の発着駅

逆に、ベルリンを発着する長距離列車はベルリン中央駅を経由します(一部例外があるようですが、ICEに限れば例外はほぼないと考えて良いでしょう)。ベルリン中央駅じたいはベルリンの見どころから離れた場所にあります。ベルリン中央駅の構造上、エアフルトを経由する列車(=ベルリン市内の地下線を経由する列車)は地下ホームに、エアフルトを経由しない列車(=ベルリン市内の高架線を経由する列車)は高架ホームに発着します。

エアフルトを経由する列車は新都心のポツダム広場駅を通り、エアフルトを経由しない列車は都心部のアレクサンダー広場駅や動物園駅を通過します。これでは不便です。通る列車だけでも停車させるべきです。

ベルリン中央駅(2016年8月に撮影)

写真3. ベルリン中央駅

実際のダイヤを観察する

では、実際のダイヤを確認します。まずはフランクフルトからベルリンに向かう場合の時刻表です(表1)。

表1. フランクフルトからベルリンの時刻表

号数 フランクフルト空港 フランクフルト中央 エアフルト ベルリン中央 運転日
ICE1598 600 954 金~日運休
ICE614 614 828 1029 日曜運休
ICE933 702 909 1055 土日運休
ICE874 714 1128
ICE1590 809 1226
ICE694 814 1028 1229
ICE935 902 1107 1255
ICE374 914 1327
ICE1592 1009 1425
ICE692 1014 1228 1429
ICE1537 1102 1309 1455
ICE372 1114 1528
ICE798 1209 1625
ICE690 1214 1428 1629
ICE939 1302 1509 1659
ICE370 1314 1727
ICE1196 1409 1825
ICE598 1414 1628 1829
ICE1631 1502 1709 1858
ICE278 1514 1928
ICE794 1609 2027
ICE596 1613 1828 2029
ICE833 1702 1909 2055 土曜運休
ICE276 1714 2128
ICE792 1809 2228
ICE594 1814 2028 2230
ICE1635 1902 2109 2258 土曜運休
ICE274 1914 2324
ICE592/1700 2014 2236/2243 2431 エアフルト乗換
ICE1690 2016 2439
ICE292 2114 139 日曜運転

これを眺めると、以下のことがわかります。

・エアフルトを経由する最速達便(所要時間最短3時間52分)が2時間に1本

・速達便ではないのがエアフルト経由と、エアフルト非経由がそれぞれ2時間に1本、合わせて1時間に1回の乗車チャンスあり
※いずれも所要時間は4時間10分程度、エアフルトを経由しないほうが若干所要時間が短い

・エアフルトを経由する速達便ではないフランクフルト中央発着と、エアフルトを経由しないフランクフルト空港発着が近接する時刻で運転。よって、フランクフルト空港発着の場合を除いて、フランクフルト空港発着のことを考えなくとも乗車チャンスは同じ。

この時刻表を見る限り、最速達便を毎日運転、毎時1本に増発すると大幅にサービスが改善します。

次に、ベルリンからフランクフルトへの時刻表です(表2)。

表2. ベルリンからフランクフルトへの時刻表

号数 ベルリン中央 エアフルト フランクフルト中央 フランクフルト空港 記事
ICE275 430 844 土日運休
ICE593 528 730 944
ICE938 601 751 956 土日運休
ICE277 630 1044
ICE1636 701 850 1056 土日運休
ICE595 728 930 1144
ICE791 733 1151
ICE279 830 1244
ICE1634 902 1050 1256 土日運転
ICE597 928 1130 1344
ICE1191 933 1351
ICE371 1030 1444
ICE932 1104 1250 1456
ICE599 1128 1330 1544
ICE795 1133 1551
ICE373 1230 1644
ICE1630 1301 1450 1656
ICE691 1328 1530 1744
ICE1197 1333 1751 平日はICE797
ICE375 1430 1844
ICE838 1504 1650 1856
ICE696 1528 1730 1944 先発、後着
ICE1699 1533 1940
ICE377 1630 2044
ICE836 1702 1850 2056 土曜はICE1736
ICE1591 1733 2140
ICE695 1728 1930 2144 先発、後着
ICE877 1830 2254 2312
ICE1627 1928 2133 2358
ICE997/887 1934 2352 24 カッセル乗換
ICE879 2030 44
ICE699 2128 2341 215

反対方向と同様の傾向です。エアフルトを経由する速達でない便はベルリン-エアフルトでライプツィヒを経由します。たいていライプツィヒを経由しないベルリン-ミュンヘン方面の便と接続します。ということは、やりかたによっては数分ベルリンでの滞在時間を延ばせます。ただし、遅れるリスクと数分の時間を天秤にかけた結果、この乗りかえは大きな価値がないと思いますので、本記事では掲載していません。

18年冬のダイヤを解析する

写真4. ベルリン中央駅付近を快走するICE

以下に18年冬ダイヤをまとめました。

※2018年12月より19年ダイヤになっていますが、18年ダイヤと大きな変更点はありません。1分程度の前後が生じている程度です。

実際のダイヤを観察する

それでは、実際のダイヤを見てみましょう。途中で乗り継ぐほうが早い場合もあるでしょうが(※)、あくまでも1本の列車で向かうことを前提としてダイヤをまとめました。ただし、ハノーファー乗り換えについては、ハノーファーでの時刻を斜字で表示しています。
※ライプツィヒを経由する便に関しては、ミュンヘン-ベルリンの非経由便(こちらのほうが数分早いです)とエアフルトで相互接続します。そのため、エアフルトで乗り換えると、ベルリンの滞在時間を数分ですが伸ばせます。

また、フランクフルト-ハンブルクの系統と、ケルン-ベルリンの系統をハノーファーで乗り換える手段もあります。フランクフルトではハンブルク行きに乗車して、途中のハノーファーでベルリン行きに乗り換えるということです。逆方向では、ベルリンからケルン(デュッセルドルフ)行きに乗車して、途中のハノーファーでフランクフルト方面行きに乗り換えるということです。

フランクフルトからベルリンに向かう

表1. フランクフルトからベルリンに向かう場合
フランクフルト→ベルリン(18年冬ハノーファー乗り換え追加)
まず、フランクフルトからベルリンに向かう場合を考えましょう(表3)。網掛け表示をした列車はエアフルトを経由(短い経路を経由)することを意味します。エアフルトを通る経路には2通りあり、エアフルトからハレまでライプツィヒを経由する便(時間が余計にかかる)と経由しない便があります。また、最速達便が運転されない2時間の隙間を埋めるように、ハノーファー乗り換えで行くことも可能です。

時刻を解析すると、以下のことがわかります。
・フランクフルト中央-ベルリン中央を4時間15分程度で結ぶ系統が1時間間隔で存在
※エアフルト(そしてライプツィヒも)経由とエアフルト非経由が交互に発車
・フランクフルト空港-ベルリン中央を4時間15分程度で結ぶ系統が2時間間隔で存在
※この系統に近接する時刻でフランクフルト中央発着が運転されますので、フランクフルト中央駅に行けば間違いありません。
・エアフルトを経由する最速達便(所要時間3時間52分程度)が2時間間隔で存在
※この系統は運転日が少ない便もありますので、運転日に注意しましょう。

ベルリンからフランクフルトに向かう

次に、ベルリンからフランクフルトに向かう場合も考えましょう(表2)。
表2. ベルリンからフランクフルトへ向かう場合
ベルリン→フランクフルト(18年冬、ハノーファー追加)
次に、ベルリンからフランクフルトに向かう場合も考えましょう(表4)。
・ベルリン中央-フランクフルト中央を4時間15分程度で結ぶ系統が1時間間隔で存在
※エアフルト(そしてライプツィヒも)経由とエアフルト非経由が交互に発車
・フランクフルト空港-ベルリン中央を4時間15分程度で結ぶ系統が2時間間隔で存在
※この系統に近接する時刻でフランクフルト中央発着が運転されますので、フランクフルト中央駅に行くには不便はありません。
・エアフルトを経由する最速達便(所要時間3時間52分程度)が2時間間隔で存在
※この系統は運転日が少ない便もありますので、運転日に注意しましょう。

17年冬のダイヤ

参考資料として、2017年冬ダイヤについてもみていきましょう。

発着駅の確認

まずは、どの駅に向かえば乗車できるのか確認しましょう。以下の記述の通り、フランクフルト中央駅とベルリン中央駅を結ぶと考えれば間違いありません。

フランクフルト側の発着駅

フランクフルトを通る長距離列車は中央駅を通らず、空港駅のみを通ることもありますが、ベルリンへ向かう系統は全てフランクフルト中央駅発着です。逆にフランクフルト空港駅からベルリンへ向かう系統は存在しませんでした。そのため、日本からフランクフルト国際空港に着いた場合は1回フランクフルト中央駅に向かう必要がありました。

ベルリン側の発着駅

ベルリンを発着する長距離列車はベルリン中央駅を経由します(一部例外があるようですが、ICEに限れば例外はほぼないと考えて良いでしょう)。ベルリン中央駅じたいはベルリンの見どころから離れた場所にあります。ベルリン市西側の繁華街に近い動物園駅や新都心に近いポツダム広場駅などは全て通過します。このエリアに停車させれば便利なんですけどね。ベルリンの南側のズュートクロイツや西側のシュパンダウにも停車します。ただし、片方しか通りませんので、ズュートクロイツとシュパンダウの両方に停車することはありません。

実際のダイヤを観察する

それでは、実際のダイヤを見てみましょう。あくまでも1本の列車で向かうことを前提としてダイヤをまとめました。

フランクフルトからベルリンに向かう

表3. フランクフルトからベルリンに向かう場合(過去ダイヤ)

フランクフルト→ベルリン(17年冬ダイヤ)
まず、フランクフルトからベルリンに向かう場合を考えましょう(表1)。網掛け表示をした列車はエアフルトを経由(短い経路を経由)することを意味します。エアフルトを経由しない系統が1時間間隔で運転され、それに加えて2時間間隔でエアフルト経由の列車が運転されていることがわかります。結果として朝5時台から夜21時台まで毎時1本以上確保しています。また、朝に速達列車が運転されていることがわかります。最短で3時間42分、標準で4時間10分程度(エアフルト経由では4時間程度)といえましょう。

ベルリンからフランクフルトに向かう

表4. ベルリンからフランクフルトへ向かう場合(過去ダイヤ)

ベルリン→フランクフルト(17年冬ダイヤ))
次に、ベルリンからフランクフルトに向かう場合も考えましょう(表2)。こちらも逆方向と同様の解析が可能です。網掛け表示をした列車はエアフルトを経由(短い経路を経由)することを意味します。エアフルトを経由しない系統が1時間間隔で運転され、それに加えてエアフルトを経由する列車が2時間間隔で運転されます。結果として、4時台から18時台まで毎時1本以上の設定がなされています。金曜は19時台まで延長され、日曜は20時台まで延長なされます。夜にベルリンを出発する需要は少ないのでしょうか?
最速は3時間39分で結びますが、通常は4時間10分程度(エアフルト経由はギリギリ4時間を切る)かかります。こちらの方向の列車は逆方向と比較して3分程度所要時間が短いですね。

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参考リンク

今回、旅行した国、ドイツ。そのドイツを鉄道で旅行するうえでの基本的なノウハウをまとめました。

ドイツ鉄道旅行の基本情報

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