このページでは西武池袋線の混雑状況について基本的なデータをまとめています。また、私が実際に現場で調査した結果へのリンクも記しています。
写真1. 夕方の池袋駅の情景(2019年に撮影)
西武池袋線の基本情報
西武池袋線は池袋から吾野(飯能ではない!)までの路線です。池袋から飯能までは東京と埼玉県の住宅街を結ぶ路線、飯能から吾野は山岳地帯を通る路線という性格があります。飯能から吾野は西武秩父線と一体化しているので、西武秩父線というように理解している人も多いかもしれません。
池袋よりでは地下鉄と直通運転をしています。小竹向原-練馬の西武有楽町線を介して、地下鉄有楽町線と副都心線とつながっています。そのため、都心部(永田町や有楽町)や副都心の各地(新宿地区と渋谷)から所沢などへも乗りかえなしで向かえます。
その練馬から石神井公園までは複々線区間です。もともと池袋-飯能は複線区間でしたが、西武有楽町線経由の別線を池袋-練馬で新設、練馬-石神井公園で線路を増やして、池袋-石神井公園の輸送力増強を完成させました。
西武池袋線の混雑基本データ
では、混雑状況データを簡単にまとめます(表1)。
表1. 西武池袋線の混雑基本データ
最混雑区間 | 椎名町→池袋 | |
---|---|---|
混雑率 | 2023年 | 130% |
2022年 | 116% | |
2021年 | 111% | |
2020年 | 109% | |
2019年 | 164% | |
2018年 | 159% | |
2017年 | 163% | |
2016年 | 163% | |
最混雑時間帯 | 2023年 | 7:41~8:41 |
2022年 | 7:42~8:42 | |
2021年 | 7:27~8:27 | |
2020年 | 7:27~8:27 | |
2019年 | 7:30~8:30 | |
2018年 | 7:30~8:30 | |
2017年 | 7:26~8:25 | |
2016年 | 7:25~8:24 | |
集中率 | 23.7% | |
流動最大区間 | 練馬-中村橋 | |
乗客半減区間 | 清瀬-秋津 |
・流動最大区間:当該の路線で最も輸送人員の多い区間(弊サイト独自指標)
・乗客半減区間:流動最大区間の輸送力が半分以下になる、最大流動区間に最も近い駅間を指す(弊サイト独自指標)
※集中率、流動最大区間、乗客半減区間は都市・地域交通年報(平成30年度版)を参考に独自で計算
混雑率の出典は国土交通省発表の資料(2023年、2022年、2021年、2020年、2019年、2018年、2017年)、2016年は都市・地域交通年報(平成30年度版)
西武池袋線は標準的な混雑です。最混雑区間の椎名町→池袋の混雑率は160%程度(2019年以前、2020年以降は110%程度)です。(朝ラッシュ時でいうと)練馬で1回乗客が都営大江戸線や西武有楽町線方面に分散するのですが、練馬から分散する人の数よりも、練馬から池袋で乗りこむ人の数のほうが多いのです。とはいえ、これらのバイパス線の意味がないということではありません。バイパス線がなければ、池袋到着時の混雑は今よりもっとひどいでしょうから。
集中率とはラッシュに集中する割合です。極端な話、集中率が100%であれば、ラッシュ以外に全く使われないということです。20%以下が集中率が低め(朝も日中もまんべんなく利用されている)、30%以上が集中率が高め(ラッシュ以外は空いている)と判断できます。集中率は25%程度と標準的なものです。つまり、日中は混んでいるわけでも空いているわけでもないのです。
乗客半減区間は清瀬-秋津です。西武池袋線の特徴として、石神井公園から所沢まで大きく利用の多い駅はありません。まんべんなく利用されていて、池袋から乗ると、徐々に乗客が減っていきます。その中の1つの駅である清瀬で利用が半分になります。西武池袋線には清瀬折り返しの系統がありますが、これはある程度理にかなっているということです。このような路線(大きく利用が減る駅がなく、利用が突出して多い駅もない)ではダイヤ作成も大変なことでしょう。それゆえに、朝ラッシュ時は快速急行、急行、通勤急行、快速、通勤準急と設定され、通勤急行は急行と交互停車という変則的な停車駅になっているのでしょう。
西武池袋線の混雑状況の現場調査
ここまでは公式の統計データから解析してきました。実際の調査結果は以下のリンクにあります。
西武池袋線の混雑状況(朝ラッシュ時、椎名町→池袋、朝ラッシュ時、椎名町→池袋、2024年度現場調査結果)
夕方ラッシュ時の西武池袋線の混雑状況(池袋-椎名町、現場調査)
平日日中時間帯の西武池袋線と西武有楽町線の混雑状況(桜台-練馬、新桜台-練馬、現場調査結果)
東京都の各路線の混雑状況のまとめ
西武池袋線以外の路線の混雑状況はどうでしょうか。路線ごとに最混雑区間と混雑率をまとめました。また、各路線についての混雑基本データへのまとめへのリンクも整備しています。
簡易検索システム
都内から都心の勤務地に勤務する場合の経路と最混雑区間を簡単に判定するシステムを作成しました。
※西武池袋線沿線の人は「練馬区」とご選択いただくと、スムーズに検索できます。
都市鉄道に関する統計データは以下の書籍を参考にしています。本記事の内容を深く知りたい人はぜひ購入してみてください。(2022年時点で平成30年度版が最新です)