写真1. 東京に到着する東海道線
東京での東海道線着席可能性を探る
上野東京ライン開業時に「東京から座れないではないか、東海道線冷遇だ」「常磐線からの品川行きは客を侮辱しているのではないか」などのような声がネットに挙がっていました。後者は回送のようなものなので、これは仕方ないことでしょう。問題は前者です。これは何の実証もなされていません。そこで、私が夕方の北行の混雑状況を確認する合間に東京到着列車の混雑を調査いたしました。
表1. 東京到着時点での混雑状況
混雑状況ですが、全てポイントで表示しています(表2)。
表2. 混雑ポイントの概要
ここでは東京での到着時点の混雑を計測しています。東京での入れ替わりが全くないとして、以下の傾向が読み取れます。実際は中間車両を中心に東京での降車もあると思いますので、もっと着席可能性は高まるでしょう。
(a)11~15号車は空席が存在した状態なので、列の先頭に並べば座れる
(b)高崎線系統よりも宇都宮線系統のほうが座れる確率が高い(これはたまたまかもしれません)
(c)高崎や宇都宮始発よりも籠原や小金井始発のような短距離列車が座れる(これはたまたまかもしれません)
(b)や(c)の双方の傾向が読み取れるのが18:20発(18:17着)の混雑が顕著に低いことです。上野東京ライン開業前の東海道線は東京始発でしたから、必ず着席可能でした。ただし、入線前から並ばないと着席できなかったでしょう。発車15分前に入線するとして、発車20分前に並ばねばならなかったのです。それが今は前列車がいなくなってから、すなわち10分前に並べば座れるのです。つまり、ネットの声は一部の不満が強調された形となっていたようです。ただし、東海道線の混雑は激しいことは事実ですので、いずれにせよ増発は必須と考えます。
また、着席が容易(と思われる)上野始発の東海道線の東京発車時刻も晒します。
17:24発普通熱海行き
19:03発普通国府津行き
19:33発普通国府津行き
23:02発普通平塚行き(これ以降は東京始発)
今回のまとめ
東京到着断面でこれだけ利用されているということは、埼玉県や東京都の北側に職場があり神奈川県に自宅がある人-私の職場にもいたように思います-などを中心にして相当利便性が向上していることも事実です。やはり、それだけ上野東京ライン(東京の南北を連絡する系統)はニーズが高いのです。やはりネットの声は一部の感情論の声が大きいということを実感しました。
- 東京ではぎりぎりなことがわかった。じゃあ、その前の駅で座れるの?
(上野断面)上野東京ラインについて考える~夕方に上野から東海道線に座れる? - じゃあ、最混雑区間の混雑はどうなの?
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東海道線(混雑基本データ)
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