ナイトジェットの過去の情報です(2025年初の情報)。
重要本記事は2025年版です。弊サイトで把握している最新の情報はナイトジェットの概要をご覧ください。

写真1. オーストリアを通らない路線も運転している(ベルリン中央駅で撮影)
2024年ダイヤ以前については下記の記事をご覧ください。
- 2024年度:ナイトジェットの概要(2024年、過去データ)
- 2023年度以前:ナイトジェットの運行形態(過去データ)
ナイトジェットの概要
ナイトジェットの概要は以下の通りです。
- ナイトジェットはオーストリアを中心とする実用的な夜行列車であり、オーストリア国外にも運転される
- ナイトジェットはオーストリアのほかドイツ、イタリア、スイス、フランス、オランダ、ベルギーにもその路線網を伸ばす
- ナイトジェットは寝台車(日本でいう個室寝台に相当)、簡易寝台車(日本でいう開放B寝台に相当)、座席車で構成される(一部の設備がない路線あり)(新型と旧型で車内設備に違いあり)

図1. ナイトジェットの運転区間


写真群1. ナイトジェットの車内設備(旧型のシャワー付き、ベルリンからチューリッヒで乗車)
詳細は以下に記します。
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ナイトジェットの運転系統
ナイトジェットの運転系統です。

ごく一部の系統は自動車を運搬可能です。
オーストリア国内完結系統
ウィーン-ブレゲンツの1系統です。



オーストリアからドイツ方面
ドイツ方面は下記の系統が出ています。
- ウィーン-ハンブルク
- ウィーン-アムステルダム
- インスブルック-ハンブルク
- インスブルックーアムステルダム
- (グラーツ-)ウィーン-ベルリン
ウィーン-ハンブルク
ウィーン/インスブルック-ハンブルク/アムステルダム系統は列車が併結相手を変えて運転します。いいかえると、ウィーン発ハンブルク行き、インスブルック発アムステルダム行きが設定され、途中で一部の車両を入れ替えるということです。



ウィーン-アムステルダム
この系統はオーストリアからドイツを越えてオランダまで直通します。以前のダイヤだとドイツ北西部のライン川沿いを通っていましたが、ドイツ中央部を北上する経路に変更されています。
ドイツ北西部に関しては週3往復運転のブリュッセル発着便に委ねられています。



インスブルック-ハンブルク
ドイツ中部を南北に結ぶ系統です。他方でインスブルックはドイツとイタリアを結ぶ南北軸と、スイスとハンガリーを結ぶ東西軸の結節点です。



インスブルック-アムステルダム
交通の要衝、インスブルックとオランダの首都を結ぶ系統です。ニュルンベルクまではハンブルク行きと併結、ニュルンベルクからはウィーン発と併結します。



グラーツ-ウィーン-ベルリン
ドイツ語をつかう2つの国の首都を結ぶ列車です。実際はウィーンではなくグラーツ発着です。昔はポーランドを経由していましたが、現在はチェコ経由です。
※予約画面にno tickets between Poland and Germanyと書いてあるのはその名残でしょう。



オーストリアからスイス方面
- ウィーン-チューリッヒ
- グラーツ-チューリッヒ
オーストリアから西に進み、スイスに向かう系統です。
ウィーン-チューリッヒ
オーストリアの首都、ウィーンとスイス第1の都市チューリッヒを結ぶ系統です。途中のザルツブルクでブダペスト発着のユーロナイトと併結します。そのブダペスト-チューリッヒの系統はミュンヘン発着と併結しています。ウィーン-ミュンヘンの系統があれば、きれいなパートナーチェンジでしたが、それはかないませんでした。



グラーツ-チューリッヒ
オーストリア第2の都市、グラーツとスイスの最大都市のチューリッヒを結ぶ系統です。



ドイツ、オーストリアからベルギー、フランス方面
- ウィーン-パリ
- ベルリン-パリ
- ウィーン-ブリュッセル
- ベルリン-ブリュッセル
これら4列車は併結相手を変えながら目的地に向かいます。
重要パリやブリュッセルに向かう列車は週3日間の運転です。
ウィーン-パリ
栄えあるオリエント急行の後継ともいえるルートです。ただし、オリエント急行はパリなどを拠点として東に向かい、現在のナイトジェットはウィーンから西に向かうという違いがあります。
フランスは遠近分離が進んでいるとされ、そのセオリー通りフランス国内はストラスブールにしか停車しません。


※日曜、火曜、木曜運転

※月曜、水曜、金曜運転
ベルリン-パリ
始発駅がベルリン東駅とされていますが、ベルリン中央駅を19:06に出発しています。ベルリンの高架線を通るわけですから、よほどのことがない限り、ベルリン中央駅は通るとは想像できますが…。
ブリュッセル便も同様、ベルリン→フランクフルトはゲッチンゲンを通り、フランクフルト→ベルリンはエアフルトを通るという走行経路の違いがあります。


※日曜、火曜、木曜運転

※月曜、水曜、金曜運転
ウィーン-ブリュッセル
ベルギーに向かう系統です。ブリュッセルは北駅と南駅に停車しますが、市街地にほどちかいブリュッセル中央駅にはとまりません。ブリュッセル中央駅は国内の長距離列車は停車するのですが…。


※日曜、火曜、木曜運転

※月曜、水曜、金曜運転
ベルリン-ブリュッセル
ベルリン発車時点ではパリ行きと併結、途中(マンハイム)からはウィーン発と併結します。これも典型的なパートナーを変えながら運転する列車です。


※日曜、火曜、木曜運転

※月曜、水曜、金曜運転
ドイツ、オーストリアからイタリア方面
- ウィーン-ミラノ-(ラ・スペツィア)
- ミュンヘン-ミラノ-(ラ・スペツィア)★工事のため運休中
- ウィーン-ローマ
- ミュンヘン-ローマ★工事のため運休中
- ウィーン-ヴェネツィア
- (シュトゥットガルト)-ミュンヘン-ヴェネツィア★工事のため運休中
中欧地区からイタリアへは3つの系統が通り、ミラノ方面ラ・スペツィア行き(ジェノバ経由)、ローマ行き、ヴェネツィア(ベネチア)行きがあります。中欧地区の始発はウィーンとドイツのミュンヘン周辺に分けられます。
ウィーン-ミラノ-(ラ・スペツィア)
ウィーンからミラノ、ジェノバを通り、ラ・スペツィアに向かう系統です。ミラノは途中駅ということなのか、中央駅を通りません。この系統には寝台車は連結されていません。



ミュンヘン-ミラノ-(ラ・スペツィア)
オーストリア国内での工事の影響で7/15まで運休しています。
補足2024年ダイヤ(2023年12月~2024年11月)では下記の通りでした。



ウィーン-ローマ
オーストリアとイタリアの2つの首都を結ぶ系統です。ボローニャからローマまで高速列車で2時間半もかかりませんので、イタリア国内での遅さが目立ちます。



ミュンヘン-ローマ
オーストリア国内での工事の影響で夏前まで運休しています。
補足2024年ダイヤを示します。



ウィーン-ヴェネツィア
通常の経路はザルツブルクを経由しますが、工事の関係でザルツブルクを通らないルートに変更されています。



(シュトゥットガルト-)ミュンヘン-ヴェネツィア
オーストリア国内での工事の影響で夏前まで運休しています。
補足2024年ダイヤを示します。



スイス発着の系統
スイス発着でオーストリアを通らない系統もあります。
- チューリッヒ-ベルリン
- チューリッヒ-アムステルダム
- チューリッヒ-ハンブルク
チューリッヒ-ベルリン
スイスの最大都市とドイツの首都を結ぶ系統です。時刻表にはライプツィヒが掲載されていませんが、しっかりと停車し、進行方向も変わります。チューリッヒ-ライプツィヒでプラハ発着と併結します。
なお、座席車はドイツ鉄道のIC扱いのため、オーストリア国鉄による座席車の設定はありません。



チューリッヒ-アムステルダム
チューリッヒとオランダの首都を結ぶ系統です。この系統も座席車はドイツ鉄道のIC扱いです。



チューリッヒ-ハンブルク
チューリッヒとハンブルクを結ぶ系統です。この系統も座席車はドイツ鉄道のIC扱いです。



ナイトジェットの車内設備
ナイトジェットには2023年12月デビューの新型車とそれ以前から活躍している旧型車があります。趣味的には新型車両、旧型車両の詳細は興味深いですが、本記事ではあらましについて触れます。
表1. 車内設備の概要
| 等級 | 概要 | 備考 |
|---|---|---|
| Sitzwagen | 座席車両 | 新旧車両でレイアウトが異なる |
| Liegewagen | 簡易寝台車 | 日本でいう開放B寝台に近い |
| Mini Cabin | ミニキャビン | 1人用簡易個室 新型のみに連結 |
| Schlafwagen | 個室寝台車 | 旧型にはトイレなしあり 新型はトイレとシャワーが区別されない |
| comfort plus | 個室寝台車 | 新型のみ、トイレとシャワーが区別される |
座席車
文字通りの座席車です。ドイツ語ではSitzwagenと表記します。公式サイトに掲載されているイメージ写真を紹介します(写真2、写真3)。

写真2. 座席車の様子(旧式の車両、公式サイトより引用)

写真3. 座席車の様子(新型車両、公式サイトより引用)
新旧問わず固定式の座席車両です。旧式は片側通路の6人向かい合わせ(写真2)、新型は中央通路の4人向かい合わせ(写真3)です。見た感じ、リクライニング機能は充実していなさそうです。この等級は比較的安く、夜間に移動できるというのが最も大きな価値なのでしょう。
簡易寝台車
私は簡易寝台車と翻訳(意訳)していますが、英訳のクシェットが使われることも多い印象です。ドイツ語ではLiegewagenと表記されます。
かつて走っていた日本の寝台車でいうと、B寝台車のイメージです。ナイトジェットの公式サイトのイメージ写真では仲間うちで親しく談笑している様子が描かれていますが、見ず知らずの人と同席することもあります。この点もかつての日本の開放寝台に似ています。

写真4. 簡易寝台車の様子(旧型車両、公式サイトより引用)

写真5. 簡易寝台車の様子(新型車両、公式サイトより引用)
なお、新型車には1人利用が前提のミニキャビンが連結されています。

写真6. ミニキャビンの全体像(写真5を1つずつ区切ったイメージ、公式サイトより引用)

写真7. ミニキャビンの中の様子(公式サイトより引用)
かなり狭い部屋で大きな荷物は部屋に入れられません。かわりに入口に荷物収納スペースが備わっています。部屋の奥側はやや開いており、小物を置けます。隣の部屋の予約者と合意が取れれば、カーテンを開けて会話することも可能です。
個室寝台車
個室寝台です。ドイツ語ではSchlafwagenと表記されます。トイレ・シャワーなしのタイプとトイレ・シャワーありのタイプが連結されています。いずれも朝食が提供されます。

写真8. トイレ・シャワー付きの部屋(旧型車両、ベルリンからチューリッヒまでの乗車で撮影)

写真9. 部屋内のトイレとシャワー(トイレ部分とカーテンで区切られる)
旧型タイプの個室です。シャワー・トイレスペースの有無を除き、シャワー・トイレの有無による部屋の差はありません。シャワーヘッドは洗面台と共通であり、コスト削減の努力が見られます。

写真10. 旧型のトイレ・シャワーなしタイプは洗面台がある(ウィーンからコブレンツへの乗車時に撮影)
トイレなしのタイプであっても部屋に洗面台があり(写真10)、車端部にはシャワーもあるので特に不便は感じませんでした。

写真11. 新型タイプの個室寝台車
新型タイプの個室寝台車です(写真11)。

写真12. 個室寝台車(新型)の水回り(公式サイトより引用)
新型の個室寝台に全部屋トイレとシャワーが付いています(写真12)。ただし、大多数の部屋はトイレでシャワーを浴びるという日本人には新鮮すぎる体験を強いられます。全室シャワー付きと建前なのか、参考サイトによると共用のシャワーはなさそうです。

写真13. Sleeping car comfort plusだとトイレとシャワーは分離される
日本人にはトイレとシャワーが分離されたSleeping car comfort plus(ドイツ語ではSchlafwagen comfort plus)が良いでしょう(写真13)。

写真14. 食事例(おかずを選べるシステム)
そのほかの夜行列車
中央ヨーロッパにはこのほかにも夜行列車が運転されています。

写真10. ブダペスト東駅に停車中のユーロナイト(ミュンヘン行きとチューリッヒ行きの連結)
ユーロナイトと称する夜行列車が運転されています。
※ナイトジェット公式サイトに概要が掲載されています。
- ベルリン-ブダペスト
- (シュトゥットガルト-)ミュンヘン-ブダペスト
- チューリッヒ-ブダペスト
- チューリッヒ-プラハ(ドレスデン経由とインスブルック経由の2系統あり)
- (シュトゥットガルト-)ミュンヘン-リエカ(クロアチア)★季節運転(4/30-)
- (シュトゥットガルト-)ミュンヘン-ザグレブ(クロアチア)
- ミュンヘン-ウィーン-ワルシャワ
また、国鉄系と毛色の異なる夜行列車(European Sleeper)が運転されています。公式サイトを眺めると、ユーレイルパスで割引があることもわかります。
- ブリュッセル-プラハ
- ブリュッセル-ヴェネツィア