常磐線(ダイヤパターン紹介)

東京から千葉県北西部を通り茨城県に抜ける常磐線。そんな常磐線のダイヤパターンをまとめました。なお、まとめる範囲は水戸以南としています。

E657系とE231系(柏)

写真1. 特急と快速がすれ違う(柏で撮影)

復習:ダイヤパターンとは

具体的なダイヤパターンを紹介する前に、ダイヤパターンの基本概念について紹介しましょう。

多くの路線では鉄道ダイヤを作成する際に、基本的なパターンを形成しています。例えば、20分間隔で快速1本、各駅停車が2本が運転されている場合は、20分サイクルのパターンダイヤと呼びます。サイクルとは、列車の運転順序が1回りする時間を示します。例で示した路線の場合は、20分サイクルと呼びます。本記事ではこのような路線の場合、「20分サイクルで快速が1本、各駅停車が2本」というように呼ぶことにします。

多くの路線では、1サイクルを60の約数(何サイクルかすれば60分になる)としています。そうすると、毎時の発車時間が一定になります。

多くの路線では1サイクルに何本かの速達列車と各駅停車を混ぜています。(快速が各駅に停車する場合も含めて)各駅停車は平均10分に1本以上運転するようにしている路線が多いです。これは、どの駅でも10分程度待てば次の電車がやってくることを実現させるためです。

また、1サイクルの間に細かな繰り返しがあるパターンがあります。例えば、20分サイクルで快速2本、各駅停車2本が運転されていて、都心側は快速、各駅停車双方が10分間隔で運転されていて、郊外側で枝分かれするパターンです。この場合は厳密には20分サイクルですが、都心側のダイヤを論じる場合は10分サイクルと考えても差し支えはありません。このような、1サイクルの中で小さな繰り返しがある場合は疑似サイクルと呼ぶことにします。今回の例では、「疑似10分サイクルの中で快速1本、各駅停車1本が運転されている」と呼ぶという具合です。

ダイヤの実態は路線によって異なりますので、疑似サイクルの表記の方法については、適宜対応することにします。

常磐線の運転系統

常磐線E231系、東京

写真2. 常磐線快速は取手や成田までの運転(東京で撮影)

常磐線は上野発着の快速・中距離電車と、地下鉄千代田線に直通する各駅停車があります。この運転系統がわかりにくいでしょうから、私なりにまとめます。

取手より北側(郊外側)は特別快速も含めて各駅にとまるので、そこまで複雑ではありません。そこで、品川-取手について示します(図1)。

常磐線運転系統

図1. 常磐線の運転系統(wikipediaより)

品川から示していますが、品川-上野は「上野東京ライン」として、宇都宮線や高崎線と線路を共有しているので、そこまで本数は多くありません。

上野から「常磐線」と呼ばれる路線がスタートすると理解しても良いでしょう。その上野から北千住までは(特別快速や特急などを除き)各駅にとまります。北千住からは我孫子までは停車駅が絞られていて、途中駅は千代田線直通の各駅停車がカバーしています。我孫子から郊外よりは再び各駅にとまります。

北千住から取手までは運転する線路も分かれています。千代田線直通の各駅停車は別の線路を通り、千代田線と直通していることもあり、沿線住民は「千代田線」と呼ぶこともあるほどです(※)。

※北千住-綾瀬は「常磐線各駅停車」ではなく、「千代田線」と呼ぶのが正しいです。本来は国鉄が北千住-我孫子の線路を増やすつもりでしたが、営団地下鉄が北千住-綾瀬を建設し、国鉄が線路を増やしたのは綾瀬-我孫子だけだったためです。しかし、「常磐線」に有効な乗車券を持っていれば、この区間の東京メトロ千代田線にも乗れます。このため、本記事では北千住-綾瀬も常磐線各駅停車に含めて考えることにします。

東京メトロ16000系

写真3. 千代田線に直通する各駅停車(柏-北柏で撮影)

常磐線普通列車と常磐線快速は停車駅は同じですし、常磐線普通列車は上野-取手間は駅では「快速」と呼びます。しかし、歴史的経緯(※)から別物と扱うこともあります。

※2004年3月ダイヤ改正までは常磐線普通列車は三河島と南千住は原則通過(日中時間帯は停車)となっていて、普通列車のほうが快速電車よりも停車駅は少なかったです。現在のように上野-取手間を快速と呼ぶようになったのは、2004年10月16日のダイヤ改正のことです。湘南新宿ラインの本数が倍増したダイヤ改正でしたが、名目上常磐線快速も倍増したダイヤ改正だったのです。

常磐線E531系

写真4. いわゆる常磐線(北柏-我孫子で撮影)

JRの運行情報を見ると、以下のように使い分けがなされています。

・常磐線:いわゆる常磐線普通列車(特別快速も含む)と特急列車

・常磐線快速電車(常磐線快速):品川・上野-取手・成田を運転する緑色の電車

・常磐線各駅停車:千代田線と直通する系統

歴史的経緯があり、常磐線と常磐線快速は区別されていますが、本記事では快速も含めて記すことにします。ただし、中距離電車(普通列車)と快速電車では運転区間も異なるので、区別する必要もありましょう。東京側のことを記すのに普通列車と書くこともナンセンスです。そこで、本記事では以下のように区別することにします。

快速:取手以北まで向かうもの

快速:取手や成田までの運転のもの

水戸方面の発着駅について

常磐線の快速は土浦から北では多くの駅に発着します。しかし、水戸以北の発着駅は水戸駅の線路事情、水戸地区の輸送状態など水戸以南の事情だけでは分からないものがあります。そこで、本記事では水戸以北発着も一律水戸発着として記すことにします。

常磐線の朝ラッシュ時上りのダイヤパターン

常磐線E531系(上野)

写真5. 朝ラッシュ時の品川行き(上野で撮影)

朝ラッシュ時は3分間隔で運転されています。ただし、ラッシュピーク時60分間ずっと3分間隔ということではなく、やや間がずれていることもあります。また、特急が運転されていることもあり、一般列車がそのぶん6分開くこともあります。また、特別快速の運転はありません。

北千住断面で7:36~8:15の間は上野行きと品川行きの交互で運転されています(全部が品川行きにしないのは上野から品川まで宇都宮線や高崎線と線路を共有しているためです)。ここで興味深いのは、快速快速の交互運転とはせずに、上野行きと品川行きの交互運転としている点です。

北千住7:53以降だと以下の順序になっています。

快速上野行き
快速品川行き
快速上野行き
快速品川行き

つまり、取手以北では6分間隔ではなく、続行で来たと思ったら、やや間隔が開いて…ということになっています。とはいえ、若干快速のほうが本数が少ないですから、取手以北は5~10分間隔での運転、土浦以北は10~20分間隔での運転となっています。

興味深いのは、我孫子と北千住でのオペレーションです。成田線からの電車は10両編成ですが、ラッシュ時の常磐線は15両編成が必須です。そのため、我孫子で5両編成をつなげます。したがって、不動産屋の書く沿線情報にはありませんが(底の浅い記事が多いため)、我孫子は隠れた快速の始発駅なのです。

また、北千住では2番線と3番線をフル活用した交互発着を行っています。これにともなって、北千住では出発信号機を赤としておいて、北千住駅上り方の踏切を少しでも開ける努力もなされています(このようなことを行うのは朝だけです)。

常磐線の日中時間帯のダイヤパターン

朝ラッシュ時とは異なり、ダイヤパターンがあります。特急も含めて1時間あたり9本が運転されています。その内訳は以下の通りです。

特急:2本(ひたちが60分間隔、ときわが60分間隔)、品川発着

特別快速:1本(品川-土浦)

快速:3本(品川-土浦1本、上野-水戸2本)

快速:3本(上野-取手2本、上野-成田1本)

30分間隔で運転される特急とほぼ10分間隔で運転される快速が基本となるパターンです(快速快速は交互に運転されます)。ただし、味付けとして特別快速が運転され、取手-土浦の毎時4本は確保されています。また、完全な10分間隔ではなく、13分程度間隔が開くこともあります。

特急特別快速は下りは松戸で、上りは北千住で先行の快速を追い抜きます。ただし、その待避パターンは上下でやや異なります。

下りの特別快速は松戸で先行の快速取手行きを抜かします。一方、上りの特別快速は北千住で先行の快速上野行きを抜かします。下りは松戸で追い抜くと同じホームで乗りかえることができ、上りは北千住で追い抜くと同じホームで乗りかえられるので都合が良いのです。

ただし、残念なのは、上りの特別快速が追い抜くのが、水戸発着の快速である点です。これが取手始発の快速であれば、藤代以北から上野への乗車チャンスが1時間に4回確保できました。現状では、当該の快速は上野への有効列車として活用できないのです。

成田線直通は我孫子ですぐに発車します。そのため、常磐線内も10両編成で走ります。水戸発着の2本についても土浦での連結・切り離しの手間を省くため、上野を10両編成で発着します。とはいえ、以前は7両編成や8両編成が走っていたことを考慮すると、別に問題ないでしょう(昔は15両編成はほとんどありませんでした)。

日中時間帯のパターン変更案

常磐線の一般列車7本のうち、4本が15両編成であることが多いです。しかし、15両編成の11号車~15号車はとんでもなく空いています。そうであれば、15両編成の4本を10両編成に減車して、余った5両編成×4本で10両編成の電車を2本増発するほうが良いです。

例えば、快速を品川-土浦で1本増発し、特別快速を取手-土浦で牛久のみ停車とし、水戸まで延長運転(土浦-水戸の普通を毎時1本として同区間の本数は維持)とし、上野-成田間の快速を毎時1本増発(ただし我孫子-成田の区間運転を同数削減し、成田線内は本数維持)とするのも手でしょう。これで、上野-我孫子は最低でも毎時8回の乗車チャンスが確保され、10分以内で電車に乗れるでしょう。

また、我孫子-取手では15分程度間隔が開くこともありましょう。これについては、30分間隔で各駅停車を取手まで延長し、成田発着と我孫子で乗りかえられるように便宜をはかれば良いでしょう。幸いなことに、現在のダイヤだと我孫子断面で下りは成田行きの3分後に各駅停車がやってきますし、上りはほぼ同時に発車します。上りの各駅停車を我孫子で3分程度停車させれば簡単に手当てが可能です。

常磐線の夕方ラッシュ時下りのダイヤパターン

常磐線E231系(北千住)

写真6. 夕方にも10両編成が運転される(上野19:11発の快速成田行きが該当、ただし3分前に品川発勝田行きの設定あり)

夕方ラッシュ時は日中時間帯よりも本数が増えます。明確なパターンはありませんが、18時台は以下の内訳となっています。

特急:3本(品川発着が30分間隔、上野-土浦が毎時15分発)

快速:4本(品川-水戸2本、上野-土浦2本)

快速:7本(品川発着2本、上野発着5本)

夕方ラッシュ時にも特別快速の運転はありません。そのかわり、特急が多く設定されています。常磐線の特急は基本的に上野を毎時00分(ひたち)と30分(ときわ)に発車しますが、夕方ラッシュ時の特急は上野を毎時15分に発車します。この特急は龍ヶ崎市から土浦まで各駅にとまっています。

快速はおおむね15分間隔で上野を発車します。その半数は品川発着で、もう半数は上野発着です。長距離を走る列車なので、ある程度上野始発があったほうが良いという判断で半数を上野発着で据え置いているのでしょう。ただし、これだけでは品川や東京からの利用は不便ですので、快速を毎時2本だけ品川始発としています。上野始発を毎時5本を運転しています。これにより、15分間隔の特急の間は快速を3本運転、30分間隔の特急の間は快速を5本運転としています。このパターンは19時台前半まで続きます。

夕方ラッシュ時間帯のパターン変更案

上野毎時15分発の特急は停車駅は多めに取られていて、龍ヶ崎市からは各駅にとまっています。土浦までの所要時間は52分~55分と、特別快速の57~59分とそう変わりません。これで特急料金を取られると思うと、利用客的には愉快ではありません。そうであれば、東京始発の特別快速に変更したほうが良いでしょう。その場合、特別快速は上野発毎時10分前後とし、この前後の快速を毎時45分前後にシフトすれば、上野基準で毎時30分~00分の30分間の一般列車が5本から6本に増えて、この時間帯の混雑が緩和します。

速達列車が特急に限られるものの、それなりに満足できるダイヤです。しかし、夕方ラッシュ直前はひどいダイヤです。16時台と17時台は特別快速がなく、快速は毎時3本しかありません。日中時よりも本数が少ないのです。

これは朝ラッシュ時直後の上りも該当します。朝ラッシュ時直後に1本の特別快速を1本増発、夕方ラッシュ前に下り特別快速を2本増発は最低限のマナーです。これと同時に朝ラッシュ前にも上り特別快速を1本増発すれば昨今の「時差通勤」にも合致することでしょう。

常磐線のダイヤパターンまとめ

首都圏でも有数の速さを誇る常磐線(複々線区間の標準的な表定速度は64.4km/hにも達します)。これは、快速線の駅が絞られているためです。これは先人の知恵によるところが大きいでしょう。

しかし、つくばエクスプレス開業以降、本数は減るばかりです。本数が減る補填として15両編成での運転が増えていますが、その15両編成の電車では11号車~15号車が空いていて、その他の車両が混んでいるなど、上手に機能しているとは思えません。そうであれば、10両編成を数多く運転するほうが理にかなっています。

★以下の記事の後半で2020年3月の減便について触れています。

2020年3月ダイヤ改正での常磐線の変化を探る

悲願の全線復旧と特急の仙台直通を再開する常磐線。その常磐線のダイヤについて詳しく見てみました。首都圏での意外な変化も見逃していません。

また、朝夕はそれなりに満足できる本数が確保され、それなりに混雑が緩和されていますが、朝ラッシュ前後や夕方ラッシュ前の輸送力不足は解消していません。今後もこのような弱点を補強するダイヤにしてもらいたいものです。

本数を増やして労働力が足りないというのであれば、車両性能を生かして所要時間短縮を実施すれば良いことです(現在の多くの列車は103系や415系時代の所要時間のままです)。このようにあらゆる方面から輸送改善を積み重ねてもらいたいものです。

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