南武線快速に乗る

記事上部注釈
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南武線には快速が運転されています。この快速に実際に乗ってみました。ただの乗車記だけなく、考察も加えています。2019年1月6日に大幅に内容を追加しています。

南武線快速

図1. 南武線の運行形態(wikipediaより引用)

南武線快速の概要

南武線は川崎-立川の路線ですが、快速はこの間の全区間で通過駅があります。途中まで快速運転、途中から各駅に停車という運転形態ではありません。

途中の停車駅は、鹿島田、武蔵小杉、武蔵中原、武蔵新城、武蔵溝ノ口、登戸、稲田堤、稲城長沼、府中本町、分倍河原です。他線との乗換駅は必ず停車していることがわかります。これは南武線の利用が乗換駅から数駅乗ることが多いという実態を踏まえています。現在の停車駅になったのは、2015年3月ダイヤ改正のことです。2011年に南武線の快速が設定されたときは、登戸-立川は各駅に停車していました。2014年3月ダイヤ改正時に、登戸-稲城長沼も快速運転となり、2015年3月ダイヤ改正では稲城長沼-立川も快速運転になっています。

実際に快速に乗る

それでは、その快速に実際に乗ってみましょう。別区間を別の機会に乗りましたので、それぞれをまとめます。

立川→登戸

立川の改札口

写真1. 立川の改札口に表示された快速の文字

改札口に各線の電光掲示板があり、もちろん南武線の表示もあります(写真1)。私が乗車したのは休日ですから、快速は20分間隔で運転されています。

立川の電光掲示板

写真2. 8番線から発車する快速電車

私が乗ろうとする快速は8番線から発車するようです(写真2)。7番線から発車することもあるかもしれませんが、どちらも同じホームですので、利用客としては特に大きな問題ではありません。

南武線快速:立川を発車

写真3. 立川を発車

電車は立川を発車しました(写真3)。東京方面に向かう中央線とは異なり、南武線は川崎に向かいます。そのため、中央線よりも右側に進路をとります。

南武線快速:西国立を通過

写真4. 西国立を通過

立川のとなりの駅、西国立を通過します(写真4)。余談ですが、国分寺と立川の間にあるから国立という地名になりました。ただし、この駅は立川市内にあります。何だか混乱します。これは昔「東立川」という駅があったためです。

南武線快速:西府を通過

写真5. 西府を通過

そんな多摩地区の住宅街を行きます。何駅か通過すると、新しい駅舎の駅を通過します(写真5)。ここが比較的新しい駅(2009年開業)の西府です。ただし、南武線で最も新しい駅はここではありません。小田栄(2016年開業)のほうが新しいです。

南武線快速:まもなく分倍河原

写真6. 分倍河原に到着

最初の接続駅である分倍河原に到着です(写真6)。この駅は京王が管理しています。そのため、昔からみどりの窓口がありません。南武線の重要性が高まったため、京王の特急の停車駅にここを加えたのでしょう。

南武線快速:府中本町

写真7. 府中本町に到着

その分倍河原を出ると、続けて府中本町に停車します(写真7)。府中本町は武蔵野線との接続駅です。府中本町の南武線(川崎方面)のホームは他のホームと離れています。貨物列車を通すことが前提で、急勾配を設けられないという事情があり、府中本町駅の北側で武蔵野線と南武線が立体交差するという条件があるのは仕方ありませんが、御茶ノ水のように同一ホームで乗り換えられないのは残念です。もしもそのような配線であれば、西国分寺方面と川崎方面が同一ホームで乗り換えられたのに、もったいないですね。

南武線快速:府中本町を発車

写真8. 府中本町を発車

南武線快速:武蔵野線への渡り線

写真9. 武蔵野線との渡り線を行く

その府中本町を発車します(写真8)。武蔵野線(※)との渡り線があります。南武線と武蔵野線で貨物列車の直通運転が可能な配線になっています。南武線の川崎側は京浜工業地帯があり、貨物列車のニーズもあることでしょう(ただし現在は武蔵野線経由になっています)。

※府中本町以南も武蔵野線の線路はあります。この線路は東海道線の貨物線に通じています。武蔵野線は東海道線、中央線、東北線、常磐線、京葉線に直接線路が通じており、東京都心部をバイパスする貨物列車の運転が可能になっています。

南武線快速:多摩川を渡る

写真10. 多摩川を渡る

多摩川を渡ります(写真10)。ここまで南武線は多摩川の北側を通っていましたが、ここから多摩川の南側を通ります(写真10)。この写真ではわかりにくいですが、武蔵野線が分かれます。

南武線快速:稲城長沼に到着

写真11. 稲城長沼に到着

次の停車駅の稲城長沼に到着します(写真11)。ここは2面4線の立派な駅です。高架にする際にこのような配線になりましたが、当初はなぜこのような立派な配線になると疑問に感じていましたが、快速運転を行うという情報を聞いて納得しました。上下線で同時に快速と各駅停車の待ち合わせができるようにしているのです。ただし、今は下りしか快速と各駅停車の接続を行っていません。

南武線快速:稲田堤に到着

写真12. 稲田堤に到着

その稲城長沼を出たら、次は稲田堤です。ここはそう遠くないところに京王線の駅があり、やはり乗換駅として機能しています。京王線は南武線の線路の南北にありますが、駅舎は北側にしかありません。そのため、京王線の南口を利用してしまった場合は、JRと京王を乗りかえる人は、必ず南武線の線路を渡らねばなりません。それも踏切です。そのため、京王稲田堤を利用する場合は北口を活用したほうが良いでしょう。

南武線快速:登戸に到着

写真13. 登戸に到着

そうこうしているうちに、登戸です(写真13)。登戸は小田急との連絡駅です。

登戸:緩急結合

写真14. 登戸で緩急結合

その登戸で各駅停車に乗り換えられます(写真14)。下りは快速と各駅停車が待ち合わせできる設備ではありません。そのため、下りは稲城長沼を中心に活用しています。ただし、土日は武蔵中原も活用しています。武蔵中原よりも武蔵溝ノ口のほうが乗客の入れ替わりが多そうなので、ここで待ち合わせを行ったほうが確実に便利でしょう。

武蔵小杉→川崎

別の日に、武蔵小杉から川崎まで乗りました。

写真15. 快速電車が入線

武蔵小杉に快速が入線しました(写真15)。以前も仕事の用事で武蔵小杉で乗りかえた記憶がありますが(ちょうど205系最終日でした)、島式ホームと思い込んでいました。思い込みはこわいですね。

写真16. 横須賀線(品鶴線)をくぐる

発車するとすぐに横須賀線(品鶴線)をくぐります(写真16)。ずっとここでは交差しているだけで駅はありませんでしたが、2010年3月のダイヤ改正で横須賀線武蔵小杉駅が設置されました。これで、武蔵小杉住民や南武線沿線から東京方面へのルートが確立されて、東急から乗客を奪うことに成功しています。また、この近辺から都内への値下げもなされています。その影響もあってか、都内のあらゆる場所に行ける武蔵小杉はブランドにまでなっています。

写真17. 目の前に再開発地区が見える

南武線の川崎市内は工業地帯という風情ですが、目の前に再開発地区が見えます(写真17)。

写真18. 鹿島田に停車中

その再開発地区の正体は鹿島田です(写真18)。再開発をして、拠点性が上がったため、快速停車駅に選ばれました。


【中古】鉄道ジャーナル 2011年 01月号 [雑誌] (雑誌)

鹿島田については、上に示した鉄道ジャーナルの34ページに書いてあります。ぜひとも読んでみてください。

写真19. 矢向を通過

矢向を通過します(写真19)。この駅は南武線で唯一の横浜市内の駅です。この駅が横浜市内であるために、運賃制度上の「横浜市内」の駅に川崎市内の駅が入っています。E233系が休んでいることもわかります。

写真20. 尻手を通過

尻手を通過します(写真20)。この駅から南部支線が出ていることを知ってという感じですね。

写真21. 川崎に向かって左(北)に曲がる

今まで東に進んでいた電車は最後に北に向きを変えます(写真21)。

写真22. まもなく川崎

尻手と川崎の駅間は1.7kmと南武線の中では長いです。その原因が上に示したカーブでしょう。それでも、川崎のホームが見えてきました(写真22)。

写真23. 東海道線で工事をしている

東海道線で工事をしています。これは東海道線のホームを拡張するための工事をしています。

こちらもチェック!関連リンク

東海道線川崎駅の工事の様子、周辺線区への影響などを収録しています(新しいウィンドウで開きます)。

川崎駅ホーム切替工事

写真24. まもなく川崎に到着

南武線快速のまとめ

ここまで私はずっと立っていました。これは、座席が埋まっていたことを意味します。土日は20分間隔なのにここまで混雑するのです。平日は30分間隔ですが、これで足りるのでしょうか?

また、運転時間帯が日中に限られていることも残念です。川崎から立川まで41分(上りは40分)とかなりの速達性を誇ります。朝ラッシュに運転することは難しいでしょうが、夕方にも運転してもらいたいものです(※)。南武線ルートが魅力的になることで、東京都心に用事がない人が南武線を迂回することが期待できます。具体的には、神奈川県と中央線沿線や京王線沿線を行き来する人が、新宿を通らずに南武線にシフトすることです。こうすることで、都心に向かう路線の混雑が緩和することでしょう。朝Bizも重要な政策でしょうが、このような外環状線への誘導も重要な政策となるでしょう。

2019年3月のダイヤ改正から、部分的ながら夕方の快速運転が開始されます。

ただし、現実の南武線は現状でもキャパシティオーバーです。これを解消するには、武蔵野線の府中本町以南の旅客化も重要でしょう。武蔵野線は武蔵小杉付近や新川崎付近を通っています。第一段階として、武蔵小杉にホームを設けて、ラッシュ時に限り、府中本町から新川崎まで延長運転することが考えれます。これであれば、営業上は南武線の線増扱いとできますから、運賃計算システムの変更は必要ありません。また、本数もそこまで必要ないでしょう(府中本町から武蔵小杉までノンストップのため)。これが好評になれば途中駅を設置(稲城や宮崎台は既存の私鉄の駅に近づけられます)するなど、本格的なバイパス線としての活用を考えるのです。

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コメント

  1. なかやま より:

    京王稲田堤駅は、南武線の線路をまたいで南北両側に改札があるので、踏切を渡らなくても乗り換えられますよ。

    • tc1151234 より:

      なかやまさま

      コメントありがとうございます。今まで南口しか知りませんでした。北口を活用すると確かに踏切なしで乗りかえられますね。情報ありがとうございました(本文にも反映いたしました)。

  2. DTライナー より:

    稲田堤駅についてですが、現在は橋上駅舎化の工事を行っているため、改札が線路の南側に移設されています。
    土休日下りの緩急接続駅は、武蔵中原と稲城長沼から、武蔵溝ノ口と稲城長沼に変更になっています。