中国地方でも有数のターミナル駅の岡山駅。新幹線と地域輸送列車だけでなく、在来線の長距離列車も姿を見せ、多くの地域とのつながりを実感できます。そんな岡山駅を楽しみました。

写真1. 晴天の朝にそびえたつ岡山駅
復習:岡山駅の概要
最初に岡山駅の概要を紹介します。
図1. 岡山駅の位置(googleマップより引用)
岡山駅の位置を示しました。岡山市の中心部に近い場所に位置します。それより重要な点は、山陽新幹線の主要駅であり、岡山から北方向の山陰方面、南方向の四国方面のジャンクションであることです。
すなわち、日本を東西に貫く東西軸の東海道・山陽軸と、山陰と四国を結ぶ南北軸の交点であることです。また、四国方面は高松、高知、松山に直通する3系統があり、山陰方面は鳥取方面と松江方面があります。極端に表現すると、「3大都市圏と中国・四国地方全方位アクセスが整備されているのが岡山駅」ということです。この点は南北軸が整備されていない広島駅との大きな違いです(広島駅から四国や山陰地区に向かう列車はありません)。
もう少し細かく見ると、岡山駅からは5方向に在来線が伸びており、いずれの方向にも地域輸送を展開しています。さらに山陽本線の途中駅からは伯備線と赤穂線が分岐しており、これらを含めると7方向の地域輸送が展開していることになります。
ただし、岡山市そのものが100万人を割り込んでいるため、都市圏輸送はダイナミックなものではなく、最も本数の多い倉敷方面でも毎時5本程度です(倉敷から先は毎時3本の山陽本線と毎時2本の伯備線に分かれる)。それでも7方面に地域輸送が展開されているという事実は大きいです。
図2. 岡山駅周辺の地図(googleマップより引用)
ここで岡山駅を利用する際の注意です。山陽新幹線は日本列島を東西に貫く路線です。そのため、岡山付近でも線路が東西方向に敷かれていると思うかもしれません。しかし、岡山駅付近では線路は南北方向に建設されており、駅の出口も東口と西口です(図2)。
岡山駅を実際に楽しむ
御託はこの程度にして、岡山駅を実際に楽しみましょう!理解の補助のために構内図も示します(図3)。

図3. 岡山駅の構内図(JRおでかけネットより引用)
改札外の様子
最初に改札外の様子を紹介します。

写真2. 東側から岡山駅を眺める
東側から岡山駅を眺めます(写真2)。新幹線側の構造物が目立ちます。

写真3. 東側から岡山駅を眺める
少し別の角度からも撮影しました(写真3)。

写真4. 東口の様子
東口の様子です(写真4)。新幹線の高架があるためか、出入口は1Fにあります。

写真5. 東口に入って振り返る
東口に入ってから振り返りました(写真5)。

写真6. 新幹線改札の近くの自動券売機
新幹線近くの自動券売機です(写真6)。こちらでも在来線の乗車券が買えるのですが、それを知っている人は少なく、意外と空いています。

写真7. 窓口は混んでいる
このときは4連休の初日ということもあってか、窓口は混んでいました。

写真8. 在来線の改札口
在来線の改札口です(写真8)。4連休の初日のためか、改札口前の券売機に行列ができています。近くの新幹線改札近くの券売機や地下改札であればこれよりスムーズに乗車券類を購入可能ですが、なかなか気づかないでしょう。

写真9. 西口の様子
西口の様子です(写真9)。市街地と反対側とあり、にぎわいは東口ほどではありません。

写真10. 西口の周辺
西口の周辺です(写真10)。興味深いのは、タクシープールなどが2F相当高さにあることです。

写真11. 地下改札
地下にも改札があります(写真11)。地下街に通じており、岡山駅に詳しい「上級者向け」に見えます。

写真12. 地下改札の券売機
地下改札の券売機です(写真12)。連休2日目の朝という条件もありますが、メインの改札口よりも空いています。
改札内の様子
次に改札内の様子を紹介します。

写真13. 地下通路の様子
地下通路の様子です(写真13)。人が少なく、「上級者向け」ということが伝わります。

写真14. 地下通路の様子
地下通路の様子です(写真14)。

写真15. 地下改札口を振り返る
地下改札口を振り返ります(写真15)。

写真16. 中央改札口を眺める
メインの改札の中央改札口です(写真16)。

写真17. 構内から新幹線乗換口を眺める
中央改札からは各ホームにアクセスできます。最も東側には新幹線乗換口があります(写真17)。新幹線のホームは中央改札より上の階に位置します。

写真18. 新幹線に近い側には1番のりばと2番のりばがある
新幹線に近い側には1番のりばと2番のりばがあります(写真18)。このホームからは山陽線下りと伯備線列車が発車します。

写真19. 3番のりばと4番のりばは山陽線上りと赤穂線
1番のりばと2番のりばに隣接し、3番のりばと4番のりばがあります(写真19)。

写真20. 5番のりばから8番のりばは同じホーム
5番のりばから8番のりばは同じホームです。繰り返しますが、5番のりばから8番のりばは同じホームです。7番のりばは駅の南側にちょんと配置、5番のりばは駅の北側にちょんと配置されており、結果として4つののりばが1つのホームで共用されているのです。
このほかに9番のりばが津山線、10番のりばが吉備線です。
行きかう列車を眺める
最後に行きかう列車を眺めます。

写真21. 1番のりばと2番のりばの様子
1番のりばと2番のりばの様子です(写真21)。山陽線方面の普通の間隔がけっこう開くことがわかります。

写真22. 伯備線の普通新見行き
伯備線の普通新見行きです(写真22)。2ドアクロスシート車であり、なかなか快適そうに見えます。

写真23. 普通府中行き
普通府中行きです(写真23)。珍しい福塩線直通だったので撮影しました。
動画1. 普通府中行きの発車風景
普通府中行きの発車風景を動画で撮影しました(動画1)。意外と混んでおり、かつての15分間隔に復帰させたほうが良いのでは?

写真24. 特急やくも号
特急やくも号出雲市行きです(写真24)。快適性に力点の置かれた273系電車です。

写真25. 混雑する時期に4両編成はどうかと思う
混雑する時期に4両編成が運用されているのはどうかと思いました(写真25)!273系の増備までは、繁忙期に旧式車両を充当し、全列車6両編成以上にするべきでは?273系の増備が進んだら、6両編成か8両編成に統一ということで…。

写真26. 6番のりばと8番のりばがメイン
四国方面ののりばです(写真26)。このホームのメインは6番のりばと8番のりばに見えました。このときは高知方面の特急と松山方面の特急が停車していました。

写真27. 5番のりばに観光列車が停車中
5番のりばに観光列車が停車中です(写真27)。

写真28. La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)
いかにもフランス語というつづりです(写真28)。213系電車を改造した観光列車です。窓も大きいので、この兄弟車があっても良さそうに思います。そうすれば、混雑する四国方面の混雑緩和にも寄与できるでしょう。

写真29. 宇野行きの最後尾
観光列車といえどワンマン運転です(写真29)。低コストで観光列車を運行し、なるべく安く利用してもらおうという努力を感じます。

写真30. 特急南風の先頭部分
特急南風の先頭部分です(写真30)。

写真31. 快速高松行きに並ぶ人たち
快速高松行きに並ぶ人たちです(写真31)。

写真32. 電光掲示板に表示される快速高松行きの接近表示
電光掲示板に快速高松行きの接近表示が表示されました(写真32)。
動画2. 快速マリンライナーが到着する様子
快速マリンライナーが到着する様子です(動画2)。大型連休中ということもあるのか、混雑していました。長距離輸送という側面があるので、全員着席が理想です。
朝には7両編成を運転しているのだから、繁忙期には一部の列車だけでも7両編成に増結するべきでは?JR西日本持ちの2両編成を3両編成に増結し、常時6両編成にすることも手かもしれません。

写真33. 快速マリンライナーの先頭車
快速マリンライナーの先頭車両です(写真33)。どうしても座りたい人は、別料金を支払い、こちらの車両を利用して欲しいということでしょうか。

写真35. 津山線と吉備線のホーム
津山線と吉備線のホームです(写真35)。車両が同じなのにわざわざ両者を系統分離しているのは効率的にどうなのでしょうか。スルー運転したほうが交差支障を減らせそうに素人ながら思います。

写真36. 上り新幹線ホーム
上りの新幹線ホームの光景です(写真36)。このときはかつてののぞみ号の車両(500系)と現代ののぞみ号の緩急結合がなされていました。各駅停車側のこだま号は岡山に9:55に到着し、速達列車側ののぞみ号が9:57に到着します。ただし、後続ののぞみ号は福山に停車します。これだと福山での乗車チャンスが10分/50分間隔になってしまいます。
新山口停車便と福山停車便を入れ替えると福山の乗車チャンスがかたよらないように見えますし、実際そうです。しかし、そうすると新山口停車ののぞみ号が新山口で抜かすことになり、緩急結合できない配線上、このようなダイヤは不成立です。徳山で抜かせばこの点は是正できそうですが…。
ところで、ホームドアは片方にしかありません。すなわち、列車本数の多いほうだけに設置されています。

写真37. 速達列車の本数が多い
速達列車の本数は多いです(写真37)。のぞみ号が毎時3本、さくら号またはみずほ号が毎時1~2本と閑散期でも平均15分間隔です。繁忙期には毎時2~3本程度が加わるため、15分に2本という高密度さです。ここまで多いと民鉄急行レベルです。この本数であれば、「待たずに乗れる」という意味で、他交通機関に対する強みです(理論上、指定席券の変更が1回に限り可能なこともこの長所を活用できます)。
余談ですが、新幹線ホームの撮影は在来線ホームと別日です。在来線ホームにはスクロール表示でのぞみ号全席指定の案内がある一方、新幹線ホームはのぞみ号にも自由席の設定があることがわかります。
路面電車の岡山駅前電停

写真38. 路面電車の岡山駅前電停
東口には路面電車の岡山駅前電停があります(写真38)。乗車口と降車口が分かれており、乗車口は地下街とつながっています。降車口のホームからは地下街につながっておらず、この点はどうかと思います。

写真39. 清輝橋行きと東山行きでホームが分かれる
清輝橋行きと東山行きでホームが分かれます(写真39)。岡山駅東口に出た瞬間、路面電車との遠さを実感し、ややうんざりした点も事実です。岡山市によると、2026年完成予定ですので、その際にはさらなる利便性向上が見込まれます。
岡山駅を訪問して

写真40. 四国方面の特急列車と山陽線上りホーム
今回、中国・四国地方の重大なジャンクション駅の岡山駅を訪問しました。多くのホームで列車が多く発着し、多様な行先や多くの乗客でにぎわう様子は、ダイナミックさを感じました。ただし、都市圏輸送がややないがしろになっているようにも見え、この点の改善はお願いしたいところです。
今後もしばらくは(四国方面や山陰方面の新幹線が完成しない限り)乗りかえのジャンクションとして機能することでしょう。そして各方面の機能がより強化されることを願います。
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