313系1000番台の車内

記事上部注釈
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JR東海の標準型車両の313系電車。都市圏で広く増備された車両が1000番台です。車両中央に転換クロスシート、車端部にロングシートを採用したちょっと変わった配置です。同様の配置の車両は増えていますが、その嚆矢の車内を見てみました。

写真1. あたかも6両編成のように運用される場合もある

復習:313系1000番台の概要

写真2. 究極の313系1000番台、313系1700番台も活躍(飯田で撮影)

まず、313系1000番台の概要を紹介しましょう。

313系1000番台の概要

  • 形態:3ドアセミクロスシート
    ※車両中央は転換クロスシート、車端部はロングシート
  • 編成:2両編成、3両編成、4両編成
  • 運用:東海道線(浜松-米原が中心)、武豊線、関西本線、中央本線、飯田線が中心
    ※1000番台編成のうち、先頭車クハは0番台の「車両」(後述)

313系1000番台はもともと中央線名古屋地区の103系電車置き換えとしてデビューしました。103系という4ドアロングシート車の置き換えに、3ドア転換クロスシートを充当するのは意外さを感じましたが、当時の中央線名古屋地区の主力は3ドアロングシート車である211系5000番台なので、大勢に影響がないという判断なのかもしれません。

313系1000番台は3ドア車で、ドア間には5列のクロスシートがあり、車端部にはロングシートがあります。ドア間の5列のクロスシートのうちドア寄りの1列は固定座席、中央の3列は転換座席です。中距離客と混雑に対応した車内レイアウトが採用されています。このレイアウトはそれなりに評価が良かったのか、2006年以降の増備車は0番台ではなく1000番台が採用されています。

本記事では1000番台、1100番台、1300番台、1500番台、1600番台、1700番台を総称して1000番台と呼ぶことにします。百の位に2、4が抜けていることから番台区分が難解なように見えます。しかし、実態は非常に単純です。2両編成は百の位に3を足し、3両編成は百の位に5を足します。そして、2006年以降に増備された車両は、百の位にさらに1を足します。ただし、2両編成の1300番台は2005年以前の増備がなかったので、加算はありません。

そして、1000番台にややこしい点が1つあります。313系0番台は車端部ボックスシート、1000番台は車端部クロスシートというのがその定義です。313系1000番台編成は、中距離利用を考慮した車両で、トイレも付いています。トイレ前の座席はロングシートではなくクロスシートというのが定石です(トイレに出入りする人との視線が合わないようにするため)。313系1000番台編成も例外ではありません。

トイレは車端部にあります。そして、313系電車のトイレは先頭車にあります。ということは、313系1000番台編成のトイレ付車両の車端部は運転席・ボックスシート・トイレのいずれかであり、313系1000番台の定義である車端部ロングシートには当てはまりません。そのため、313系1000番台の編成であっても、クハは0番台なのです。

と終われば簡単なのですが、313系1300番台はクハにはロングシートはありません(2006年以降増備車はトイレが拡大されたのでトイレ前には座席そのものがない)が、クハ312-1301のように1000番台の番号が振られています。確かに車端部クロスシートという定義にも当てはまらず、厳密に区別する必要もありません。

313系1000番台は東海道線名古屋地区、関西線、中央線、飯田線などで活躍しています。中央線の315系投入により、3両編成や4両編成は中央線での運用を退き、3両編成は東海道線名古屋地区に活躍の場を移しています(4両編成は関西線中心)。東海道線名古屋地区は奇数両数による運用はありませんから、3両編成どうしで組み、あたかも6両編成として運用しているように見えます。

313系1000番台で確立した、中央部転換クロスシート・車端部ロングシートという配置はJR西日本の地方都市圏用車両にも広がっています。

コラム.運用線区は変わらないのに配置が換わった313系1700番台

313系1700番台は投入以来、飯田線がメインの活躍路線です。そして、それは2022年3月ダイヤ改正でも変わりませんでした。しかし、その2022年3月ダイヤ改正前後で神領区から大垣区に転属扱いしています。活躍線区は変わっていないのに、車両の所属が変わったのはなぜでしょう?

313系1700番台は飯田線用で、専用の予備車が必要です。しかし、飯田線用の予備車を持つのは不合理です。そのため、別の路線と予備車を共通にしています。飯田線用は寒冷地仕様の特別仕様ですから、他線区には上位互換ともいえ、飯田線用車両を他線区に使うことそのものは問題ありません。

2022年3月以前は、同仕様の車両は中央線名古屋地区で運用されていたので、飯田線用は中央線名古屋地区の車両が所属する神領区に所属させていたほうが何かと都合が良いです。しかし、2022年3月以降は同仕様の車両は東海道線名古屋地区での運用に変わっています。そのため、東海道線名古屋地区の車両が所属する大垣区に所属させていたほうが何かと都合が良いです。

このように共通予備車の関係で所属する車両基地が変わったのです。

313系1000番台の車内を眺める

御託はこの程度にして、実際に313系1000番台の車内を眺めてみましょう!私が見た車両は2022年3月に神領区から大垣区にやってきた3両編成です。

写真3. 313系1000番台の全景

車内全景を撮影しました(写真3)。手前にロングシート、奥に転換クロスシートが並んでいます。

写真4. そのクロスシート部分

そのクロスシート部分です(写真4)。0番台、1000番台、5000番台と875mmピッチで青系の転換クロスシートが並んでおり、一見すると、どれも同じに見えます(知り合いと313系5000番台に乗ったときは、その違いに気づきませんでした)。

写真5. クロスシート部分の様子

別の角度からクロスシート部分を写しました(写真5)。蛍光灯カバーや意匠性のある荷棚など、通勤電車にしては上等な設備をあてがっています。

写真6. 座席の様子

座席の様子を撮影しました(写真6)。座席割と窓割が一致し、カーテンも座席割と一致しています。これは313系電車の隠れた長所です。個人的所感ですが、鉄道に乗車中にカーテンを閉めるのはもったいなく感じますが、多くの人は車窓に関心はありません(非常に悲しいことです)。

写真7. ドア付近の様子

ドア付近の様子です。ドア付近が固定座席にし、ドアと座席の間に600mmの空間を創り出しているのは、0番台と同じです(寸法は鉄道ジャーナルの1999年7月号に明記されています)。

写真8. 車端部はロングシート

車端部はロングシートです(写真8)。向かい合わせの座席は避けられる傾向にありますから、車端部がロングシートなのは、輸送力増強の意味でも相席を避ける意味でも良い選択と思います。

写真9. 優先席はシートの色が異なる

優先席はシートの色が異なります(写真9)。手元の鉄道ジャーナルによると、座席の端部とドアの空間は400mmです。

写真10. ロングシート部分

ロングシート部分を別の角度から見ました(写真10)。我ながら変な角度から撮影していますね…。

写真11. ロングシート部分

ロングシート部分です(写真11)。近年の車両としては袖の板の大きさが小さいのが特徴です。そして、反対側(写真でいう左側)にも板があります。ひじかけでしょうか。

写真12. 客用ドアの様子

客用ドアです(写真12)。窓が大きめで、白い化粧板が貼られています。

写真13. ドア窓は複層ガラス

そのドアの窓は複層ガラスです(写真13)。複層ガラスは、単板ガラスよりも車内温度の保持と結露防止に効果があります。そのような意味で、313系電車は車両の質にこだわっていることがわかります。

写真14. トイレ前の様子

トイレ前の様子です。313系0番台よりもトイレが大きくなっており(車いす対応の深度化)、トイレ前の座席がありません。クハ312-40…と書かれており、1000番台ではないことがわかります。

写真15. トイレの様子

トイレの様子です(写真15)。

写真16. 運転席仕切り壁(0番台のもの)

運転室の仕切り壁の様子も撮影できませんでした。かわりに0番台のものを掲載します(写真16)。乗ると意外とわかりませんが、運転席後ろの客用ドアは210mmだけ運転室側に寄っています。これは、ワンマン運転時のオペレーションに配慮したためです。

313系1000番台の車内を眺めてみて

写真17. 桑名に停車中の313系1300番台2両編成(とても混んでいた!)

313系1000番台。あまり派手な存在ではありませんが、車端部のロングシート、車両中央の転換クロスシートとバランスの良い座席配置です。そして、細部にこだわった質の高い内装。ある意味近郊型車両の完成系ともいえます。

短編成化を除けば、JR近郊型の標準となるべく車両といっても過言ではありません。機械の設計思想は各社や各地に合致したもので良いと思いますが、このような優れた車両が各地に広がってほしいものです。

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