京急本線(混雑基本データ)

記事上部注釈
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このページでは京急本線の混雑状況について基本的なデータをまとめています。また、私が実際に現場で調査した結果へのリンクも記しています。

京急1500形(品川)

写真1. 実質的な起点である品川に停車している1500形

京急本線の基本情報

京急本線は泉岳寺から浦賀までの路線です。一般的には品川から三崎口というイメージがあるのでしょうが、起点は品川ではなく泉岳寺です。また、終点は浦賀です。浦賀に近い堀ノ内から久里浜線が分岐しており、多くの速達列車はそちらに向かいます。そのため、本線が三崎口まで続いているように錯覚してしまいます。

京急本線じたいは東京都と神奈川県を通る路線です。泉岳寺から横浜まではJR東海道線(や京浜東北線)と並走していますが、一番海に近いほうを通ります(ただし海が見える区間はありません)。横浜からは三浦半島の東海岸を走ります。ただし、この区間も海が見える区間はほとんどありません。厳密には海から離れているためです。堀ノ内から浦賀は「本線」というよりも横須賀市内のローカル線という趣です。

このように本線について述べましたが、多くの人の京急のイメージは「羽田空港」でしょう。京急蒲田から分岐する空港線に直通運転する電車も多く走っており、品川や横浜から羽田空港まで直通で向かうことができます。

泉岳寺からは都営地下鉄浅草線と直通運転をしています。都営浅草線は新橋、日本橋、浅草などを通っていますので、これらの場所から京急本線まで直通できます。その都営浅草線は反対側で京成電鉄とつながっています。京成電鉄は成田空港に伸びています。つまり、京成電鉄沿線から羽田空港へのチャンネルとしても機能しています。逆に、京急電鉄沿線から成田空港へのチャンネルとしても機能しています。

京急本線は一見すると複々線区間はありません。でも、実際は金沢文庫-金沢八景が複々線になっています。都内から離れた場所に複々線区間があるという珍しい形態です。

京急本線の混雑基本データ

では、混雑状況データを簡単にまとめます(表1)。

表1. 京急本線の混雑基本データ

最混雑区間戸部→横浜
混雑率2023年116%
2022年110%
2021年95%
2020年91%
2019年143%
2018年143%
2017年144%
2016年145%
最混雑時間帯7:30~8:30
集中率26.1%
流動最大区間品川-北品川
乗客半減区間金沢八景-追浜

・流動最大区間:当該の路線で最も輸送人員の多い区間(弊サイト独自指標)

・乗客半減区間:流動最大区間の輸送力が半分以下になる、最大流動区間に最も近い駅間を指す(弊サイト独自指標)

※集中率、流動最大区間、乗客半減区間は都市・地域交通年報(平成30年度版)を参考に独自で計算

混雑率の出典は国土交通省発表の資料(2023年2022年2021年2020年2019年2018年2017年)、2016年は都市・地域交通年報(平成30年度版)

京急本線の混雑率は145%程度(2019年以前、2020年以降は90%台)と首都圏ではゆるい部類に入ります。これは、横須賀市や横浜市南部で集めた乗客が横浜で多くが降りるためです。当然、横浜そのものもビジネス街として機能しているので、そのような人を降ろす部分もあります。それ以上に影響が強いのがJR線への流出です。朝ラッシュ時の横浜→品川は特急で30分かかります(快特は31分です)。一方、JR東海道線だと横浜→品川は20分です。ましてや新橋や東京であれば所要時間差はさらに伸びてしまいます。そして、JR東海道線は5分待たずにやってきます。これでは品川・新橋・東京に急ぐ人はJRに乗りかえてしまいます。そのような背景があるので、横浜でいったん空きます。その空いたぶん、都内での混雑はそこまでではないのです。

このような背景があるので最混雑区間は戸部→横浜と、横浜手前の区間です。横浜で降りる乗客を品川まで延ばすのが長年の課題で、日中時間帯はスピードアップをしましたが、朝ラッシュ時は本数が多いのでどうしようもありません。近年はその「比較的空いている」ことを逆手にとって、羽田への輸送機関としての地位を確立させようとしています。世の中何が幸いするのかわかりませんね。

集中率とはラッシュに集中する割合です。極端な話、集中率が100%であれば、ラッシュ以外に全く使われないということです。20%以下が集中率が低め(朝も日中もまんべんなく利用されている)、30%以上が集中率が高め(ラッシュ以外は空いている)と判断できます。集中率は25%程度と標準的です。「日中時間帯の利用が多い羽田空港輸送があるのになぜ?」という疑問もあるでしょう。集中率は最混雑区間で計測しているものです。横浜-戸部は(神奈川-横浜と比べて)羽田空港輸送の割合は少ないでしょう。そのため、羽田空港輸送はあまり反映されずに、集中率がそのぶん下がっていないのです。

乗客半減区間は、金沢八景-追浜です。ちょうど乗客が半減する区間で複々線区間が終了しています。日中時間帯のダイヤを眺めると、金沢八景以北の電車のうち1/3が逗子・葉山方面に抜けていて、2/3しか京急本線に向かいません。そのようなダイヤはある意味合理的と納得させられます。ここで乗客が半減するのは逗子線方面の乗客のこともあるでしょうが、何よりも横浜市南部の住宅街が規模が大きいことを読み取らせるものがあります。

京急本線の混雑状況の現場調査

ここまでは公式の統計データから解析してきました。実際の調査結果は以下のリンクにあります。

休日日中時間帯の京急線の混雑状況(品川-北品川)

休日の日中時間帯の混雑はどうでしょうか。昔は半分の快特については12両編成での運転がなされていましたが、運転の単純化のためか8両編成にしかなっていません。これは実態と合っているのでしょうか。そのような実態を確認しました。

夜間の京急品川の混雑調査【現場調査結果】

多くの混雑調査の結果は夕方ラッシュ時には実施されていますが、夜間は実施されていません。それならばと、私が調査に踏み切りました(実際はドイツに旅立つ前の時間調整という側面が強いです)。

夕方ラッシュ時の京急の混雑状況(品川-北品川、新しい生活様式下、現場調査)

「新しい生活様式」が根付いた2020年7月上旬。その時期に夕方ラッシュ時の混雑を確認しました。最混雑区間の横浜-戸部ではありませんが、都内での混雑状況がわかることでしょう。

京急線の混雑状況(平日朝ラッシュ時、北品川→品川、現場調査結果)

東京と三浦半島を結ぶ京急線。ラッシュ時の混雑は横浜地区のほうが激しいということもあり、品川付近の混雑の実態は意外と知られていません。そのような実態を確認しました。

京急の平日日中時間帯の混雑状況(横浜-戸部、2024年現場調査結果)

2022年秋にダイヤ骨格が変更された京急。横浜地区ではエアポート急行が20分間隔になって久しいです。インバウンド需要が増すなか、利用実態はどうでしょうか。横浜で観察しました。

東京都の各路線の混雑状況のまとめ

京急線以外の路線の混雑状況はどうでしょうか。路線ごとに最混雑区間と混雑率をまとめました。また、各路線についての混雑基本データへのまとめへのリンクも整備しています。

東京都の電車の混雑データまとめ(最新版)

簡易検索システム

都内から都心の勤務地に勤務する場合の経路と最混雑区間を簡単に判定するシステムを作成しました。

混雑データ検索システム

※北総線沿線の人は「葛飾区」とご選択いただくと、スムーズに検索できます。

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