名古屋地区東海道線の新快速に乗る(名古屋→豊橋、車内も収録)

名古屋地区の東海道線の魅力といえば、高速運転する快速系でしょう。名古屋を中心に西側は岐阜へ、東側は豊橋まで高速運転していますが、ここでは距離の長い豊橋まで乗車しました。また、乗車記だけではなく基礎的な情報や主力車両の内装にも触れています。

313系特別快速

写真1. 主力車両313系5000番台



復習.名古屋地区東海道線の運行形態

ここで、名古屋地区東海道線の運行形態を復習しましょう。

東海道線名古屋地区停車駅一覧

図1. 名古屋地区東海道線の停車駅一覧(wikipedia先生より)

特別快速、新快速、快速、区間快速、普通と5種類の種別がありますが、快速以上と普通に分けて考えればシンプルです。快速の停車駅を基準にして、共和を通過する快速を新快速と呼び、共和と大府を通過する快速を特別快速と呼んでいるだけのことです。また、岡崎より東側(郊外側)で各駅にとまる快速がありますが、これを区間快速と呼んでいます。一部停車については、その駅をその時間帯に利用する人がわかれば良いだけですので、特に覚える必要はありません。このため、特別快速、新快速、快速については必要がなければここでは快速系と呼ぶことにします。

基本的に、快速系と普通は15分間隔です。ただし、平日の朝ラッシュ時は約10分間隔で快速系が運転され、さらに救済措置として岐阜→名古屋の快速や武豊→名古屋の区間快速が別途走ります。普通はどの時間帯でも15分間隔がベースですが、平日朝ラッシュ時の岐阜→名古屋は10分間隔がベースです。

興味深いのは、朝ラッシュ時に運転される岐阜始発名古屋行き(名古屋着8:02、6両編成)や、大垣始発名古屋行き(名古屋着8:26、4両編成)です。これらは後の列車の混雑を緩和するために、混雑の激しい区間だけにピンポイントで設定されています。このことで、新快速豊橋行き(名古屋着8:04)や特別快速大垣行き(名古屋着8:29)の混雑を緩和していることがわかります。前者は混雑が予想される米原始発の2分前に設定することで、岐阜、尾張一宮の乗客をあらかじめ露払いしています。後者は、大府と共和の乗客を集めることによって、直後の列車を快速ではなく特別快速に設定することができて、大府と共和の乗客をそもそも乗せないようにしていることがわかります。いずれもラッシュ時にしては短い編成です。

車両は、313系5000番台が基本です。313系5000番台は転換クロスシートです。JRには転換クロスシートを採用している車両は多いですが、固定座席がない(全ての席が前を向く)のはそう多くありません。この車両は固定座席がなく全てが前を向くようになっています。

他には、座席の多い311系電車、車両端部がロングシートの313系1100番台(本数はほとんどない)、固定座席のある313系0番台(と300番台)などが使われています。これらは細かな違いがあれど、ほぼ全ての快速系が転換クロスシート主体の車両であることには変わりません。興味深いのは、ボックスシートの313系3000番台が使われることです。この車両は飯田線専用ですが、車両基地は大垣にあります。車両基地へ回送させるくらいであれば乗客を乗せようというJR東海の合理性が見えます(私はこのような合理性は好きです)。ただし、本数はほとんどないので、ボックスシート車に当たる心配は不要です。

313系特別快速

写真2. 主力車両の313系5000番台

313系0番台(名古屋)

写真3. 次に多い313系0番台

311系新快速(金山)

写真4. 座席数の多い311系

313系1000番台(千種)

写真5. 車端部がロングシートの313系1000番台(中央線用の車両を撮影)

実際に乗る

さて、実際に乗ってみましょう。私が乗ったのは、日中時間帯の新快速です。日中時間帯は新快速と快速が交互で運転され、名古屋断面では15分間隔になっています。

写真5. 乗車位置に今度の列車が示される

乗車の多い名古屋駅では、乗車位置を床に示すのではなく、各乗車口にこんどの列車を表示しています(写真5)。乗りたい列車が表示されていれば並ぶという方式です。

写真6. 中央線の快速と同時スタート

私は進行方向右側の窓側に陣取りました。すると、8番線から中央線の快速が発車しました(写真6)。金山まで並走ですね。

写真7. 側線が多い!

金山を過ぎると、複線です。東海道線は名古屋都市圏の重要な交通インフラであると同時に、日本の重要な貨物ルートですが、複線でまかなっています。その中でも貨物用の設備は別途設けられています(写真7)。

写真8. 南大高(みなみおおか)のイオンモール前を通過!

南大高は近年の開業です。そのためか開発スペースがあったのでしょうか、イオンモールがあります(写真8)。このような大型ショッピングセンターと共存することも現代の鉄道輸送には必要なことです。

写真9. 大府に停車!

大府に停車します(写真9)。武豊線と同一ホームに停車すれば便利ですが、3面4線と乗りかえしにくい構造です。費用はかかるでしょうが、乗りかえを便利にしたほうが良いでしょう。それよりも費用がかからずに便利なのは、武豊線の普通を名古屋直通の区間快速に変更することです。

写真10. 武豊線と分かれる

その武豊線とわかれます。私が乗っていたのは新快速ですが、武豊線に接続するのは快速なのですね。

写真11. 刈谷に停車(下り線は普通が快速系の待避中)

刈谷に停車します。ここで普通は快速系に抜かれます(写真11)。逆に言うと、普通は名古屋から刈谷まで先につくのです。

写真12. 安城に停車!

刈谷の次は安城です(写真12)。

写真13. 安城を過ぎても立ちがいる

その安城を過ぎても立ちがいます(写真13)。2006年以前は4両編成が主体でした。6両編成でもここまで混雑しているのですから、4両編成だった当時はとんでもないことでした。

写真14. まもなく岡崎

岡崎市内の川を渡ります(写真14)。

写真15. 意外とさみしい岡崎駅周辺

岡崎駅前はそこまで発展していません(写真15)。これは岡崎という都市が小さいためではなく、岡崎駅周辺が岡崎市の市街地から離れているためです。名鉄の東岡崎周辺が発展しています。

写真16. のどかな景色になってきた

その岡崎を過ぎるとのどかな景色になってきました。これは名鉄でも同じでしたね(名鉄の特別車(展望席)の試乗(名鉄名古屋→豊橋、18年秋)で書いています)。それに比例して車内も空いていきました。岡崎から東側の普通は30分間隔です。それだと本数が少ない幸田と三河三谷には快速が特別に停車しています。しかし、岡崎では快速と普通が連絡しています。そのため、幸田の利用客は乗車チャンスに恵まれていません。幸田停車の快速と普通が連絡したところで乗車チャンスは増えないためです。蒲郡でも連絡するので、三河三谷と幸田のどちらの乗車チャンスを最大化するのかを選択した結果でしょう。蒲郡での待避をなくして岡崎で新快速と連絡するのが、幸田と三河三谷両方の乗車チャンスを最大にする方策です。

写真17. 蒲郡付近では海が見える

その蒲郡付近では海が見えます(写真17)。名古屋-豊橋では唯一の海です。

写真18. 豊川を渡る

豊橋に近づきますと、豊川を渡ります。その後、豊橋に到着です。豊橋は愛知県東部の都市です。

写真19. 幸田に特別停車するので強調表示

主力車両313系5000番台の車内観察

主力車両の313系5000番台の車内を観察する機会に恵まれました。そこで、313系5000番台の車内を軽く観察します。

写真20. サハ313-5316のドア付近

ドア付近から車内を眺めましょう(写真20)。ドア近くの座席も固定式ではなく前を向いていることがわかります。

写真21. 5列の転換クロスシートが並ぶ

車内に入ります。車内中央部は5列の転換クロスシートが並んでいます(写真21)。全部前に向いていて快適そうですね。ヨーロッパでは1等車でも実現できない車内です。

写真22. ドア~ドアは5列のクロスシート、車端部は2列のクロスシート

これも座席です(写真22)。車端部は2列のクロスシートです。

写真23. ドア付近は意外と狭い

全部の座席を前向きにするということは、座席にスペースを取られることを示します。したがって、ドア付近は狭いです(写真23)。このため、このような車両は名古屋地区でも全部の車両には採用されていません。

313系0番台の車内

写真24. (参考)313系0番台の車内

ドア付近の座席が固定されている313系0番台を示します(写真24)。ドア付近のスペースが広いことに気づかされます。

写真25. 優先席はオレンジ色のシートカバー

優先席はオレンジ色のシートカバーです。このように優先席をわかりやすく示すのが、現代のトレンドです。ただし、本来であれば席を譲るとか優先席という概念があること自体が問題です(電車で席を譲る?譲らない?で見落としている視点で詳しく取り上げました)。

写真26. ドア付近のついたての下は空洞

ドア付近には、着席客と立客を区分するためについたてがあります(写真26)。このついたての下は空洞です。圧迫感を緩和させるための措置でしょうが、寒い時期はこの空洞を冷たい風が吹くことが簡単に想像できます。

細かな点で不満がありますが、着席が確保されるのであれば(料金しだいですが)有料列車としても通用する車内です。座席前にも連なる吊革は紛れもない通勤電車の装備ですが、それほどの快適さを誇る車両なことは事実です。このような車両で通勤できる名古屋地区の方が羨ましく思います。でも、現在の状況で東京にこのような車両が使われていたら…非難を受けることも事実でしょう。


シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする