優等列車という呼びかたの問題点と改善策~「速達列車」という提案




多くのサイトや書籍で「優等列車」という呼びかたが使われます。一般的な言葉ですが、この表現には問題があります。この問題点と改善策を考えてみました。

小田急70000形(新宿)

写真1. 優等列車の例(小田急70000形、新宿で撮影)


優等列車とは

優等列車とは、特急列車などのことです。wikipedia先生には以下のように書かれています。

普通列車に対して速達性や車内設備の優れた列車を指す。 wikipedia先生(優等列車)
もっとわかりやすく表現しましょう。各駅にとまる列車を基本として、それよりも速達性に優れた列車や車内設備を工夫した列車を呼ぶ名称です。具体的に見てみましょう。

調布手前の地下線に入る

写真2. 京王の準特急

例えば、京王の準特急が該当します(写真2)。この種別は各駅停車よりも停車駅が少なくて「速達性に優れ」るものです。ただし、京王では「優等列車」という表現は使われていませんので、公式には優等列車ではありません。

※この詳細は京王のダイヤを観察する~準特急の先頭からで収録しています(クリックすると別ウィンドウで開きます)。

東武30000系快速急行(池袋)

写真3. 東武の快速急行

東武には快速急行が存在します。「伊勢崎線から快速急行がなくなってだいぶ経過したのでは?」という指摘もありましょう。その指摘は正しいです。そのような人は東上線の存在を忘れてしまっています。東上線には毎日快速急行が走っています。ただし、下りの快速急行は(通常の週であれば)週に6本しかありません。その快速急行を撮影したものです(写真3)。これも、停車駅が少なく速達性に優れているので、優等列車と呼ぶことができます。

※この詳細は東上線休日の快速急行(下り)の利用状況で収録しています(クリックすると別ウィンドウで開きます)。

787系の先頭(博多)

写真4. JR九州の787系

787系はJR九州の特急用車両です(写真4)。787系の車内は工夫が凝らされています。普通車でもシートピッチ1000mmを誇り、快適性に優れています。一部の特急は停車駅が多いですが、それでも車内設備に工夫が凝らされているので、立派な優等列車です。

※この詳細は特急かもめのグリーン車に乗る(博多→長崎、18年夏長崎・福岡鉄道旅行記)で収録しています(クリックすると別ウィンドウで開きます)。

コブレンツに進入するIC

写真5. ドイツのインタシティー(コブレンツで撮影)

優等列車の概念は日本以外でも適用できるでしょう。この列車はドイツ南部のパッサウとドイツ北部のハンブルクを結ぶ長距離列車です(写真5)。車内はコンパートメント(写真6)や食堂もあるので、内装も工夫されています。

ICのコンパートメント

写真6. ドイツのインターシティの車内(コンパートメント)

※これらの詳細は16年夏ドイツ鉄道旅行記~普通電車とICでボッパルトからケルンへルール地帯のICに乗る(概要、混雑はどう?18年GW)でそれぞれ収録しています(クリックすると別ウィンドウで開きます)。

このような事例を紹介させていただきました。これで何となく優等列車が何か把握できたと思います。

優等列車という表現の問題点

では、優等列車という表現には何か問題があるのでしょうか。例えば、快速と普通が運転されている路線があるとします。この路線において快速列車は優等列車です。では、快速列車が停車しない駅は優等列車が停まらない駅、つまり優等ではない駅=劣等駅なのでしょうか。どの駅もその路線にとって重要な駅です。そのような駅に対して「劣等」というレッテルを貼ることは感心しません。このように、通過駅に対していわれのない劣等感を与える恐れがあるので、優等列車という呼びかたには問題があるのです。

では改善策は?

では、何か改善策はあるのでしょうか。その答えの1つが京王電鉄です。京王では優等列車という表現は使っていません。かわりに京王では急行系列車という表現を使っています。単に早いか遅いかで区別しているのです。こうすれば、急行系列車が停車しない駅=劣等駅という感覚を抱かないようになります。このような表現は大事なことです。小さな駅を利用する人に劣等感を抱かせずに、その地域の人にもその鉄道(この場合は京王)に愛着をもってもらうということです。

しかし、急行系列車という表現はちょっと長くて、急行が走っていない路線には適用が難しいものです。例えば、JR奈良線は快速などしかありません。JR奈良線のこのような列車に「急行系列車」と呼ぶのは違和感があります。何か良い呼びかたはないでしょうか?

現在の優等列車に共通している部分として、「速達性を向上」させている部分があります。速度が命ではないJR九州の観光列車であっても、所要時間そのものは同じ路線の普通列車よりも短いですし、支線に直通しているので地域の拠点駅からの所要時間も短いです。このようなことを考えると、優等列車を速達列車と呼ぶことに問題はありません。速達列車という呼びかたであれば、劣等感を感じさせることもないでしょう。そのため、私は優等列車という呼びかたのかわりに、速達列車という呼びかたを提案いたします。決して、公式でも速達列車と表現している東急への迎合ではありませんよ。

そのようなこともあり、弊ブログでは可能な限り速達列車という表現を使用することにしています。例外としては、ベルリンからプラハまでの国際列車の表現で「国際優等列車」と表現していたくらいですが、これは日本の感覚に合わせて国際特急列車と表現するように変えました。これで実態が何ら変わるわけではないのですが、「優等生」的なキャラクターを目指す(※)私にとっては、このような些細な表現の違いは大きいのです。そう、この記事はただの自己満足なのです。ただし、私としては「速達列車」という表現が普及して欲しいと思います。

※目指す自由は誰にもあり、私が目指していることじたいは何ら問題ありません。ただし、私の実態がどうかということは触れないのが大人のマナーです!

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