シャトレ・レアール駅を楽しむ(パリ7大ターミナル紹介、19年夏パリ旅行記)

記事上部注釈
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パリには長距離ターミナルではないものの、市の中心部に大きなターミナル駅があります。その名はシャトレ・レアール(※)といいます。いわばパリ中央駅というべき存在です。その隠れたパリ中央駅を訪問してみました。

※多くの表現ではシャトレ・レ・アールと表記されていますが、弊サイトではシャトレ駅とレアール駅の総合駅という点を強調するためにシャトレ・レアールと表記します。

写真1. シャトレ・レアール駅はショッピングセンターに併設されている

シャトレ・レアール駅の概要

いきなりシャトレ・レアール駅の詳細について記してもさっぱりな部分があるでしょう。そこで、まずはシャトレ・レアール駅の概要について示すことにします。まずは超大まかな概要を示します。

シャトレ・レアール駅の概要

・位置:パリ市の中心部
・方面:パリ近郊(シャルルドゴール空港やディズニーランドパリ)

では、それらについて詳しく述べましょう。

シャトレ・レアール駅の位置

シャトレ・レアール駅はパリ市の中心部にあります。その位置を示します(図1)。

図1. シャトレ・レアール駅の位置(googleマップより引用)

※この付近の観光名所や街の雰囲気については、真のパリの訪問(シャトレ地区とレアール地区の魅力を紹介!)で触れています。

この付近はパリの商業の中心地ともいえる場所で、シテ島(パリ発祥の地でノートルダム大聖堂がある)に近く、ルーブル美術館やポンピドゥーセンター(近代博物館)にも近い場所です。この記事を読む人はそこまでパリの観光名所に興味はないかもしれませんが、大事なことは市内に昔からある観光名所に近く、街の中心にあるという事実です。また、地下鉄の多く(1号線、4号線、7号線、11号線、14号線)が集結する地下鉄のシャトレ駅に接しています。

これではわかりにくい?路線図を示します(図2)。

図2. シャトレ付近の路線図

地下鉄5路線とRER(近郊電車)3路線が集結する駅です。地下鉄はシャトレ駅、RERはシャトレ・レアール駅と名前は別ですが、実質的に同じ駅と考えて問題ありません。そのかわり、長距離列車でのアクセスは不可能です。

中心部にあるので、主要な観光名所までは乗りかえなしで行けます。

・ルーブル美術館、シャンゼリゼ通り、エトワール凱旋門:地下鉄1号線で直通
・シテ島:地下鉄4号線で直通
・オペラ座:地下鉄7号線で直通

ただし、エッフェル塔には直通で向かえません。地下鉄1号線(またはRERのA線)と地下鉄6号線を乗りつぐ必要があります。

また、多くの長距離ターミナル駅までも乗りかえなしで向かえます。

・リヨン駅:地下鉄14号線、RERのA線で1駅
・オステルリッツ駅:地下鉄1号線と10号線を乗りかえ
・モンパルナス駅:地下鉄4号線で1本
・サンラザール駅:地下鉄14号線で1本
・パリ北駅:RERのB線またはD線で1駅(この区間はB線もD線も同じ線路を通ります)
・パリ東駅:地下鉄4号線で1本(7号線でも1本ですが、7号線は迂回します)

シャトレ・レアール駅から向かえる場所

シャトレ・レアールから向かえるのはパリ市内とパリ近郊です。パリ近郊でメジャーな場所は以下の場所です。

・ディズニーランドパリ(RERのA線利用)
・シャルルドゴール空港(RERのB線利用)
・ラ・デファンス(パリの副都心、RERのA線利用)
・オルリー空港(RERのB線利用)

パリ近郊の観光名所の1つにベルサイユ宮殿がありますが、ここには直通では行けません。ベルサイユ宮殿に向かうにはRERのC線に乗る必要があり、このC線へはB線で1駅のサンミシェル・ノートルダムで乗りかえる必要があります。

シャトレ・レアール駅を楽しむ

では、そのシャトレ・レアール駅に行ってみましょう。

写真2. ショッピングセンターに併設されている

シャトレ・レアール駅は中央市場(レ・アール)の跡に建設されています。地上部分は巨大なショピングセンターに変わっています。このショッピングセンターにはスーパーマーケットなどの庶民的な店も入っています。駅は1977年に開業しています。シャトレ・レアール駅は「中央駅」構想をもとに計画されました。それまでパリはパリ市が運営する地下鉄と、フランスが運営する国鉄路線があり、両者の連携は取れていませんでした。その両者が連携し、市内中心部に「中央駅」が完成したのです。いいかたを変えると、従来の交通政策の転換の様子が見られるのがシャトレ・レアール駅ともいえましょう。

写真3. 1番出口は意匠が凝っている

ショッピングセンターから入っても良いのですが、1番出口から入ってみましょう(写真3)。この出口もショッピングセンターに合った柔らかい外観の建物です。

写真4. 1番出口から入る

このように入ります(写真4)。

写真5. エスカレータを下る

エスカレータを下ります(写真5)。駅名も書いています。ここで注目したいのは、シャトレ駅でもなく、レアール駅でもなく、シャトレ・レアール駅と書いていることです。

写真6. エスカレータを下る

まだエスカレータは続きます(写真6)。この付近はそこまで治安面に不安はありません(個人的にはパリ市で好きなエリアです)。

写真7. コンコースが見えてきた

コンコースが見えてきました(写真7)。

写真8. シャトレ・レアールのコンコース

改札を通り、RERの駅構内に入りましょう(写真8)。広いコンコースがあり、その周囲(改札の外)は多くの店舗が展開しています。駅に店舗?もう1回上の記述を読んでみましょう。この駅はショッピングセンターが併設された駅です。

写真9. D線乗りばへの階段

シャトレ・レアール駅はA線とB線が同じホームに発着していて、その間にD線が割り込む形になっています(図1)。シャトレ・レアール駅からパリ北駅はB線とD線が共用していますが、同じホームから発車しません。そのため、パリ北駅に向かう人はどちらが先に発車するか見極める必要があり、やや不便です。そのD線のホームへの階段です。階段は狭いですが、数か所に階段があるので問題ありません。

図1. シャトレ・レアール駅の配線

写真10. 駅構内の図

ここまでどこを書いているのかわからなくなったことでしょう。そこで、構内図を示します(写真10)。1番出口はこの図の中央付近にあります。この出口からA線、B線、D線に向かって上に向かって歩いたことになります。

写真11. コンコースから改札を見る(駅構内から外を向いている様子)

コンコースから改札を見てみましょう(写真11)。パリ市内は乗車券は共通化されていますので、地下鉄の乗車券でもRERのコンコースにも入れます(私はナヴィコを使ったので、適当に入りました)。

写真12. B線の南行の案内

今度はB線です。B線の南行の案内です(写真12)。オルリー空港に向かう列車が発車します。

写真13. B線のホームの様子

B線のホームです(写真13)。B線はA線と同じホームに発車しています。これは乗りかえの利便性をはかった結果です。従来のフランスの配線ではこのような乗りかえの利便性は考えられていませんでした。その既成概念を打ち破った配線がここシャトレ・レアールでは見られます。この配線を計画するに当たって、フランスの技術者が日本の中目黒に視察しています。朝ラッシュ時に東横線から日比谷線に整然と並ぶ通勤客を見て、フランスでも可能と判断しています。日本の駅設計がパリにも影響しているのです。

写真14. 1号線への連絡通路

シャトレ・レアール駅から1号線(シャトレ駅)への連絡通路は長いです(写真14)。この連絡通路を早足で歩いているパリ市民(が多いと思う)が多いことに驚きました。私はパリに着いてこの駅から宿泊先に向かったのですが、この通路を多くの人が歩いていること、多くの人種がいることに、この旅行の際に訪問したハンガリーやスイスとの違いを感じました。パリは忙しい人が多い国際都市なのです。

写真15. 1号線への連絡通路

連絡通路は続きます(写真15)。地下鉄1号線に乗りたい人は最初から14番出口などを使うと良いでしょう。

シャトレ・レアール駅を訪問して

シャトレ・レアール駅は隠れたターミナル駅です。多くの人がご存知の長距離ターミナル駅が6つとこの駅を合わせた7つを7大ターミナル駅とカウントしました。そのため、この記事を含む題名にパリ7大ターミナル紹介と書かせてもらいました。パリに中央駅はないといいますが、実質的にここがパリ中央駅です。ただし、長距離列車の発着がないので、そのように書かないのでしょう。

この駅の開業でパリ近郊の人はパリ中心部にダイレクトアクセスが可能となりました。しかし、その利便性を近郊列車だけに限定することはもったいないです。フランスの隣の国、ドイツの首都ベルリンでは、新たに長距離列車が運転できる南北方面の地下線を建設して多くの長距離列車をベルリン中央駅発着にしました(その中央駅の駅前が寂しいことはまた別の問題です)。それに見習って、パリ北駅、東駅とリヨン駅、モンパルナス駅を直結する地下線を建設し、その途中にシャトレ・レアール駅を設置するとかなり便利になります。そのあかつきにはシャトレ・レアール駅からパリ中央駅に改名すると名実ともにパリ中央駅が実現します。可能であれば、オステルリッツ駅とサンラザール駅を直結してこの中央駅に乗り入れでも良いでしょう。

このことはフランスの観光客にとってもプラスです。フランス当局は長距離ターミナル駅で乗りかえする際にスリ注意などのようなことを言います。それはそれで重要なことですが、そもそも多くの客の目的地でもない長距離ターミナル駅で長距離列車と都市交通を乗りかえさせる政策が間違いなのではないでしょうか。それもパリ北駅やパリ東駅は治安が悪い場所です。治安の悪い場所で乗りかえさせるのもおかしな話です。シャトレ・レアール駅は従来のパリ市とフランス国鉄の長年の確執がなくなった象徴的な場所です。この場所に中央駅を建設し、多くのパリ訪問客に便利になるように、もう1度英断を下してほしいと思います。

前後を読みたい!

さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?

←(前)パリ東駅を楽しむ(パリ7大ターミナル紹介、19年夏パリ観光)

シャトレ・レアール駅を楽しむ(パリ7大ターミナル紹介、19年夏パリ観光)←今ココ!

パリの地下鉄(メトロ)とトラムを楽しむ(始発・終電情報あり、19年夏パリ観光)(次)→

★パリのターミナル駅全体についてまとめました。
パリのターミナル駅のまとめ

★パリの観光についてまとめたページはこちら。パリ観光の計画に大いに役立ちます
パリのおすすめスポット10選まとめとモデルコース(19年夏パリ観光)

★この旅行記の案内・目次・まとめページはこちら
ハンガリー、スイス、フランス旅行のまとめと振り返り

※それぞれ別ウィンドウで開きます。

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