特急しなの号。名古屋と長野を結ぶ特急です。この特急しなの号には前面展望をのぞめるグリーン車が連結されています。前から2列目から前面展望を堪能しました。
写真1. 名古屋駅に停車中の特急しなの号
復習:特急しなの号の概要
まず、特急しなの号の概要を示します。
- 区間:名古屋-長野
- 運転間隔:1時間間隔
- 所要時間:3時間弱(名古屋-長野の場合)
- 車両:383系電車
特急しなの号は名古屋と長野を結ぶ特急です。途中に松本などの都市があり、1時間間隔で運転されています。所要時間は3時間もかかりません。名古屋から東京まで新幹線で1時間40分程度、東京から長野までは1時間30分程度です。そのため、新幹線の東京経由の場合は所要時間3時間以上です。したがって、名古屋と長野の最短の移動手段です。
高速バスだと5時間近くかかり、鉄道の圧倒的な速度を実感できます。
なお、所要時間を短くするために383系電車が使われています。振り子の車両です。
特急しなの号のグリーン車の内装
そのしなの号のグリーン車の内装を見てみましょう。
写真2. 特急しなの号のグリーン車
特急しなの号のグリーン車の全体です(写真2)。横4列シートと、現代のJR特急のグリーンとしてはやや設備が劣るように感じます。
写真3. 前面展望も満喫!
ただし、特急しなの号のグリーン車は席を選ぶと、前面展望を満喫できます(写真3)。
写真4. 前面展望を満喫できる席
前面展望を満喫できる席です(写真4)。特急しなの号は1号車1A~1Dだと前面展望を満喫できます。2Cと2Dでも前面展望をある程度満喫できます。私はここを予約していたのですが、のぞみ1号が遅れたので、後続列車の2列目となってしまいました…。
写真5. 前面展望を満喫できる席
このように前面展望を満喫できます(写真5)。
写真6. グリーン車の全景
グリーン車の全景です(写真6)。前面展望を無視すると、普通の車内のように見えます。オーディナリーな内装・色づかいで飽きがこないように工夫していることがわかります。
写真7. グリーン席の様子
グリーン席の様子です(写真7)。さすがにグリーン席とあって、重厚な座席が並んでいます。
写真8. グリーン席のテーブル
グリーン席にはテーブルがあります(写真8)。
写真9. 足載せがある
足載せがあります(写真9)。普通車には足載せがありませんから、グリーン席ならではの設備といえましょう。
写真10. 足載せを展開!
足載せを展開しました(写真10)。くつろげて良いですね!展望席でくつろぐのは違うという意見もあるとは思いますが…。
写真11. ひじ掛けの様子
ひじかけの様子です(写真11)。
写真12. ひじ掛けにはテーブルが内蔵される
そのひじ掛けにはテーブルが内蔵されます(写真12)。4人向かい合わせの際には良い設備です。ただし、長野行きの際に1列目を回転させるのは重大なマナー違反です。1列目を回転させるのであれば、後ろの席を予約してください!
写真13. デッキの様子
デッキの様子です(写真13)。1号車の下りよりにドアはありませんので、1号車の2号車よりにデッキがあります。
写真14. デッキの様子
別の角度からも撮影しました(写真14)。
写真15. デッキの様子
もう少し撮影してみました(写真15)。
写真16. 洗面所の様子
洗面所の様子です(写真16)。この車両にはあまり「色」がありませんが、1990年代の内装はモノトーンの色づかいが多かったように記憶しています。
写真17. トイレの様子
トイレの様子です(写真17)。床がタイル調になっているのが興味深いです。
写真18. おむつの交換台もある
おむつの交換台もあります。1990年以降にこのような設備が重要視され、現代にいたっているように思います。
実際に特急しなの号に乗る
さて、実際に特急しなの号に乗りましょう。
備考:特急券の変更
私は当初、8:00の特急列車に乗る予定でした。乗り遅れたことにより、10:00の特急に変更です。通常、列車の乗り遅れは自己責任ですから、払い戻しなどの救済措置は一切ありません。しかし、乗り遅れた原因はのぞみ1号の遅れでJRの都合(※)です。このようにJR都合による乗り遅れ(航空機や他鉄道は含まれません)については、無料で列車を変更できます。また、同価格帯の座席が空いていない場合は無手数料で変更できます。例えば、グリーン席から普通車指定席にやむを得ず変更する場合は、そのぶんの差額が支払われることになります。
※のぞみ1号からしなの号に乗りつぐという利用形態そのものがおかしい、そんな事実は無視しましょう。
別の思考実験として、変更後の列車の普通車指定席が満席で、グリーン席に空席があった場合はどうなのでしょう?原則論からいうと差額を支払うことになりますが、「列車が遅れたのもJRの都合、指定席が埋まっているのもJRの都合。それでグリーン料金を払うのか?」という理論が通用するかどうかは、その場の旅客側の態度・事業者側の判断であり、そこまで期待しないのが良いでしょう。
もちろん、私は原券のグリーン車指定席券と新幹線遅れの事情を説明し、後の特急に変更しています。
写真19. 変更されたグリーン車指定券
このように乗変の刻印がなされた指定席券に変更されます(写真19)。列車に飛び乗っても車掌さんに説明すれば良いとは思いますが、事前に席を確定したかったので、駅構内の窓口で発券してもらいました。
ステージ1. 名古屋→塩尻(JR東海区間)
さて、実際に乗ってみましょう!
写真20. 金山方から入ってきた
金山方から入ってきました(写真20)。回送列車として入線してきています。特急しなの号は表向き6両編成ですが、臨時に8両編成や10両編成に増結しています。今回は10両編成に増結していました。ただし、自由席の両数は変わりません。
写真21. 貫通型先頭車が10号車
383系電車は6両編成の長野寄り(1号車)だけが非貫通の流線形で、他の車両は貫通型です。今回は6両編成+4両編成の組成です。4両編成の名古屋よりでは貫通型にする必要がなさそうですが、4両編成+2両編成の6両編成を組成することがありますから、こちらにも貫通路が必要なのです。
写真22. 屋根が低い
383系電車はカーブを高速に走行するために、低重心となっています。そのために屋根が低くなっています。
写真23. 名古屋を発車!
名古屋を発車しました(写真23)。名古屋から金山までは東海道線や名鉄線と並走します。
写真24. 315系とすれ違う
315系とすれ違います(写真24)。この車両は前面展望に優れていないとも聞きます。そのような意味で211系などの置き換えはサービス低下でしょう。
写真25. カーブを曲がる
カーブを曲がります(写真25)。振り子車両ですので、カーブを曲がる際に傾斜します。座っているとあまり揺れを感じませんが、トイレなどで席を立つ際には車両の揺れに注意する必要があります。座席側はそれに対する対応をしており、座席の手すりは大型です。
写真26. 名古屋市内を直線に進む
金山を通過すると、向きを北東に変えて直線状に進みます(写真26)。名古屋から千種までは栄を中心とする半円の形状で進み、快速も各駅に停車します。このようにして名古屋市内交通を担っています。特急は特別な存在ですから、金山や鶴舞を通過します。
写真27. 千種に停車
そう思っていると、すぐに千種に停車します(写真27)。千種は聞いたことがあまりない地名かもしれませんが、地下鉄東山線で栄方面へのショートカットルートになるという意味合いか、名古屋発着の中央線特急の全列車が千種に停車します。
写真28. 大曽根を通過!
大曽根を通過します(写真28)。313系電車が見えていますが、後ろに211系5000番台が2編成連結されているはずです。2022年ダイヤ改正から中央線名古屋地区は8両編成に統一されています。ダイヤ改正後は315系8両編成、211系4両+4両、そして313系2両+211系3両+3両の3種類の組成になっています。いずれ315系8両編成に統一されます。
写真29. 上りのしなの号とすれ違う
上りのしなの号とすれ違います(写真29)。
私はグリーン車で旅行を満喫していますが、自由席は混雑しており、普通車指定席の2~6号車と8号車にも立ちを許容しているようでした。満席の自由席と席にゆとりのあるグリーン車。いささか不合理を感じるのも事実です。両者の差額はグリーン料金だけですから、現金で空きのあるグリーン席を販売するほうが良いように思います。それか、多客時の自由席を3両に増車するかです。
写真30. 矢田川を渡る
矢田川を渡ります(写真30)。撮影地の開拓のために歩いてやってきたときは川幅が広く感じましたが、列車だとあっという間ですね。
写真31. カーブを曲がる
カーブを曲がります(写真31)。
写真32. 新守山を通過!
新守山を通過します(写真32)。ここで先行の普通高蔵寺行きを追い抜きます。名古屋時点では8分先行していたのですが、名古屋市内から抜ける前に追い抜くのです。
写真33. 住宅街を走る
住宅街を走ります(写真33)。
写真34. 315系とすれ違う
315系とすれ違います(写真34)。
写真35. 高蔵寺を通過!
中央線名古屋地区の拠点駅となる高蔵寺も通過します(写真35)。ここで愛知環状線に入る線路が分岐します。下りの直通電車だけが通る線路です。
写真36. 山中を走る
山中を走ります(写真36)。高蔵寺から多治見までは山中を走ります。通勤電車が走る路線と山中の光景、なかなか珍しい取り合わせです。
写真37. 山中の駅を通過!
山中の駅を通過します(写真37)。定光寺も古虎渓も同様な風景です。
写真38. カーブを曲がる
カーブを曲がります(写真38)。名古屋-多治見の最高速度は130km/hですから、少しでも減速しないで済むための振り子式という解釈も可能です。
写真39. 多治見の街が見えてきた
いつの間にか愛知県から岐阜県に入りました。多治見の住宅街に入ります(写真39)。
写真40. 多治見に停車!
多治見に停車します(写真40)。22分しか走っていませんが、もう36.2kmも離れた場所にいます。この区間の表定速度は98.7km/hを記録します。このあたりが名古屋都市圏でしょうか。
写真41. 多治見を発車!
多治見を発車しました(写真41)。
写真42. 緑が広がる
たまには横を見てみましょう(写真42)。夏らしく緑が豊かです。この日は静岡県は雨に見舞われましたが、幸運にもしなの号に乗っているときには雨はありませんでした。
写真43. 東農地区を走る
東農地区と呼ばれる場所を走っています。この看板があるということは、瑞浪付近でしょうか(写真43)。
写真44. 運転台を眺める
運転台を眺めます(写真44)。
写真45. 緑が多い
多治見-中津川は輸送上は名古屋都市圏ですが、沿線風景はのどかなものです(写真45)。
写真46. 釜戸付近を走行中
釜戸付近を走行中です(写真46)。
写真47. 緑の中を走る
高蔵寺や多治見までと異なり、緑の中を走ります。高原のような風景と表現するのが良いのでしょうか?ただし、すれ違うのは8両編成の電車です。
写真48. のどかな風景を走る
このようなのどかな風景を走ります(写真48)。
写真49. 高低差もある
高低差があるのでしょうか。立体的な風景を眺めることができました(写真49)。
写真50. 住宅街が見えてきた
住宅街が見えてきました(写真50)
写真51. まもなく中津川に停車!
まもなく中津川に停車します(写真51)。ここから名古屋よりは8両編成が基本、塩尻よりは2両編成が基本(JR東日本車による3両編成などもある)と、運転系統が分割される場所でもあります。
写真52. 中津川に停車!
中津川に停車しました(写真52)。名古屋からここまで79.9kmありますが、48分しかかかっていません。表定速度は99.8km/hに達します。中津川から長野までは170.9kmです。1時間45分程度で到着できそうですが、実際は2時間5分かかります。中津川から長野まではカーブが多く、速度を出せない区間もあるのです。
写真53. 中津川以北の313系が停車中
中津川以北で活躍する313系1300番台が停車中です(写真53)。
写真54. 中津川を発車!
中津川を発車しました(写真54)。中津川から風景は急に変わり、本当の山の中を走ります。いわゆる木曽路に入ったということでしょうか。飲食店のそれではありませんよ!
写真55. 木曽川が見える
車窓左手に木曽川が見えます(写真55)。私の印象では、長野行きの場合は進行方向左側に木曽川が広がることが多かったように記憶しています。
写真56. カーブを走る
いくら風景が良いところであろうと、383系電車は速度に対する妥協を許しません。車体を傾けながらカーブを高速で通過します(写真56)。
写真57. 渓谷を走る
写真58. 渓谷を走る
渓谷を走ります(写真57、写真58)。前面展望席を確保するとどうしても前面ばかりに意識が集中してしまいますが、側面の展望もなかなかのものです。
写真59. まもなく南木曽に停車!
まもなく南木曽に停車します(写真59)。南木曽は「なぎそ」と読みます。「みなみきそ」と読んでしまいそうですね!
写真60. 南木曽に停車!
南木曽に停車しました(写真60)。多くのしなの号はここを通過しますが、一部の便は停車します。林業の町らしく、木が置いてありました。
写真61. 渓谷を走る
木曽川沿いの渓谷をなぞるように走ります(写真61)。
写真62. 崖沿いを走る
崖沿いを走ります(写真62)。
写真63. 制限速度も厳しい
制限速度も厳しいです(写真63)。通常70km/hのカーブを100km/hまで出せるのは383系電車の俊足ぶりを反映しているようにも感じますが、そこまでやって100km/hという評価もありましょう。
写真64. 少し開ける
少し開けた場所を走ります(写真64)。
写真65. ポイントを渡る
ポイントを渡ります(写真65)。中央線のこのあたりは単線と複線が細切れに切り替わり、そのたびにポイントがあります。そのために減速させられます。理想は通過速度を80km/h~100km/hにすることです。
写真66. 木曽川方面を眺める
木曽川方面を眺めます(写真66)。IHI系列の施設があります。木曽川というきれいな水を活用した工業なのでしょうか。
写真67. 駅を通過!
山中の駅を通過します(写真67)。中津川から塩尻までは沿線人口も少なく、普通列車も2~3時間間隔しかありません。しかし、沿線には観光地もあり、もう少し本数が多くても良さそうです。
写真68. カーブを走る
すぐにカーブが現れます(写真68)。
写真69. 複線区間に入る
単線だとおもったら、いつの間にか複線区間に入っていました(写真69)。本数の少ない路線の場合、飛び飛びに複線化するほうがコストパフォーマンスが高いとされます。限定された複線区間で列車がすれ違うダイヤとすれば、行き違い待ちを廃止することができます。
写真70. 上松付近を走行中
上松付近を走行中です(写真70)。このあたりではそれなりな駅ですが、停車する特急は1往復しかありません。
写真71. 上松を通過!
上松を通過しました(写真71)。
写真72. 複線区間を走る
複線区間が続きます(写真72)。
写真73. 立派な建物が見える
木曽川の対岸に立派な建物が見えます(写真73)。御嶽教 御嶽山木曽本宮という施設のようです。
写真74. まもなく木曽福島に停車!
まもなく木曽福島に停車します(写真74)。ここ木曽福島は特急しなの号の全列車が停車します。
写真75. 上りのしなの号が発車!
上りのしなの号が発車しました(写真75)。
写真76. 木曽福島の街並
木曽福島の街並です(写真76)。南木曽よりも民家が多く、確かに中津川-塩尻では最大の駅で全特急が停車するのも理解できます。
写真77. 山あいを走る
山あいを走ります(写真77)。
写真78. 緑が増えてきた
再び緑が増えてきました(写真78)。
写真79. 単線区間を走る
また単線区間になっていました(写真79)。
写真80. 普通中津川行きとすれ違う
普通中津川行きとすれ違います(写真80)。立ちもそれなりにいるように見えますので、1時間間隔運転でも罰は当たらないように見えます。
写真81. 複線区間を走る
またいつの間にか複線区間に入っていました(写真81)。
写真82. 奈良井を通過!
奈良井を通過しました(写真82)。奈良井宿がある場所です。
図2. 奈良井の地図(googleマップより引用)
このあたりの地図を示します(図2)。ここはもう木曽川沿いではありません。大きくいうと信濃川水系の奈良井川沿いを走り、分水嶺を越えています。
写真83. 山中を走る
そのような先入観からかもしれませんが、先ほどの上り勾配から下り勾配に変わったようにも見えます(写真83)。
写真84. 次第に開けてきた
そうしているうちに次第に開けてきました(写真84)。私の乗った特急しなの7号は中津川で急病人対応で5分程度遅れていたのですが、塩尻から上諏訪方面の普通列車に接続する旨の案内がありました。
写真85. まもなく塩尻
塩尻は重要な拠点駅で、名古屋方面、東京方面と長野方面のジャンクション駅です。その塩尻手前で名古屋方面と東京方面を短絡する連絡線が分岐します(写真85)。
塩尻駅周辺を散策しています。
写真86. 連絡線が見える
その連絡線が見えます(写真86)。
写真87. まもなく塩尻に停車!
まもなく塩尻に停車します(写真87)。塩尻駅はホームの東京・名古屋よりに階段がありますので、グリーン車利用者には不便ですね!増結される際は7号車を利用すれば良いという見解もありましょう。
写真88. 塩尻の駅名標
塩尻はJR東海とJR東日本の境界駅ですが、駅はJR東日本の管轄です。そのため、駅名標もJR東日本仕様です(写真88)。
写真89. 運転士の交替
運転士が交替します(写真89)。2人の制服が全く異なりますが、JR東海とJR東日本という異なる会社であれば、制服が異なるのも納得できます。
ステージ2. 塩尻→長野(JR東日本区間)
塩尻からはJR東日本の特急列車として運転されます。383系電車は全車東海車ですが、こうするとJR東海は損です(塩尻-長野の収益はJR東日本であるが、車両はJR東海のものでJR東海の経費でJR東日本の収入になるため)。おそらく熱海-沼津のJR東日本車での運用などで全体の辻褄を合わせているのでしょう。
もしもそれが問題になるのであれば現金で精算、書類上JR東日本車にするなどの解決策があります。
ここで運転士さんの動作に気づきました。塩尻までのJR東海区間では運転士さんは左手で大きく指差呼称していましたが、JR東日本区間では右手で小さく指差呼称していました。また、運転士さんが持っている時刻表も紙のそれからタブレットに変わりました。
写真90. 篠ノ井線を走る
篠ノ井線を走ります(写真90)。ここは長野県でも有数の本数の多さを誇ります。1時間に1~2本の特急あずさ、1時間に1本の特急しなの、1時間に1~2本程度の上諏訪方面の普通、そして2~3時間に1本の中津川方面の普通です。それもそのはず、沿線人口はそれなりに多いです。
写真91. 駅を通過!
また駅を通過します(写真91)。このあたりは人口も多いので、毎時4本の普通を運転して鉄道の利便性をPRするのも手です。上諏訪方面毎時2本、辰野-松本と中津川-松本をそれぞれ毎時1本。そして、特急あずさ号と特急しなのを続行運転し、松本で3分連絡などで新宿方面-長野方面の利便性を確保(例えば甲府-長野の需要を見込む)するのです。
写真92. 南松本を通過!
そんな妄想をしていたら、南松本を通過するところでした(写真92)。
写真93. まもなく松本に停車!
まもなく松本に停車します(写真93)。
写真94. 松本に停車!
松本は長野県第2の都市です。それだけあって、松本停車は外せません(写真94)。特急しなの号は名古屋-長野の需要だけでなく、名古屋-松本や松本-名古屋の需要を細かく拾い、多様なニーズを満たしているのでしょう。これは多くの駅に停車する鉄道だからこその特性です。例えば、多治見-篠ノ井の需要は毎時1本の列車を設定するほどのものではないでしょうが、鉄道だからこそ毎時1本が確保されています。
写真95. 一見すると右側通行!
松本を出ると一見右側通行に見える区間を走ります(写真95)。わが篠ノ井線の左側に大糸線が併設され、一見すると複線区間に見えます。しかし、列車の運転はそれぞれの単独ですから、右側の篠ノ井線の線路を通るのです。
写真96. 山あいを走る
松本までの篠ノ井線は比較的平坦な場所でしたが、松本から篠ノ井までは山中を走ります(写真96)。
写真97. 普通列車が待っていた
普通松本行きが待っていました(写真97)。篠ノ井線は単線が混じりますので、このような行き違い待ちが生じることもあります。
写真98. 複線区間を走る
複線区間を走ります(写真98)。理論上は複線区間で上下列車がすれ違うダイヤで組んでいても、今回のようにどちらかの列車が遅れると、先ほどのように行き違い待ちが発生することもあります。部分複線化の弱点ですね。
写真99. 複線準備区間を走る
このような複線化の準備区間を走ります。長大トンネルを複線規格で整備し、前後もそうなっていることが多いように感じます。その準備がいつ実を結ぶかを言わないのが大人のマナーです。
写真100. 西条を通過!
西条を通過します。山陽本線にも同じ漢字を使う駅がありますが、あちらは「さいじょう」でこちらは「にしじょう」です。
写真101. 高原のような不思議な風景を走る
高原のような不思議な風景を走ります(写真101)。個人的な所感ですが、長野県の風景はどことなくスイスの光景に似たものを感じます。もう少し人気になっても良いですよね?
写真102. 上りのしなの号が待っている
上りのしなの号が待っていました(写真102)。こちらが遅れているための措置でしょうか。
写真103. 田園風景を走る
田園風景を走ります(写真103)。スイスでは稲作はされていないので、やはり日本の光景ですね。
写真104. 山あいを走る
山あいを走ります(写真104)。
写真105. 姨捨付近の光景
姨捨付近の光景です(写真105)。ここは日本三大車窓とされています。確かに美しい光景です。ただし、車内放送ではその旨の案内はありません。このような細かな知識を車内放送で流すことで「スゲー、鉄道で得した」と思わせることが可能でしょうから、車窓放送にも力を入れてもらいたいです。
写真106. 姨捨付近の光景をもう1枚
もう1枚撮影しました(写真106)。デジタルカメラですから、1「枚」という表現は古いかな?
写真107. 遠くに立派な道路が見える
奥に立派な道路が見えます(写真107)。鉄道が生き残るには、このような高規格道路に見合うだけの競争力が必要に感じます。最も大きな競争力は新幹線。そうでない路線であっても、複線化や曲線緩和など、不断の改良が必要に思わされる光景です。
写真108. 稲荷山を通過!
篠ノ井線最後の駅、稲荷山を通過します(写真108)。
写真109. 住宅街を走る
住宅街を走ります(写真109)。このような場所でも篠ノ井線の普通は2時間に1本程度しかありません。需要を取るためには毎時1本は最低ラインでしょう。
写真110. 篠ノ井に停車!
篠ノ井に停車します(写真110)。ここから長野まではしなの鉄道線でも篠ノ井線でもなく、信越本線です。
写真111. しなの鉄道線の快速がやってきた
しなの鉄道線の快速がやってきました(写真111)。しなの鉄道線は比較的利便性が高かったように記憶しています。
写真112. 都市近郊のような駅を通過する
都市近郊のような駅を通過します(写真112)。毎時2本以上が確保されていますが、篠ノ井線としなの鉄道線がばらばらに運転されていますので、数分おきのこともあれば、40分以上待つこともあります。理想論をいうと篠ノ井線系統としなの鉄道線系統それぞれ30分間隔の合計15分間隔です。
写真113. まもなく長野!
まもなく長野です(写真113)。しなの鉄道線の115系電車がとまっています。
写真114. しなの鉄道の115系が見える
別の色の115系電車も見えました(写真114)。新幹線並行在来線の第3セクター鉄道の車両形式はJRのそれに近いですね。しなの鉄道の新型車両は129という数字ではなく、SR1という独自性を出していますが…。
写真115. 長野駅に到着!
長野駅に到着しました(写真115)。
写真116. 10号車の自由席
10号車の自由席です(写真116)。この日の特急しなの号が10両編成だったことを示す、1つの証拠ですね。
写真117. 自由席側のデッキ
そのデッキです(写真117)。デッキのドアがあるものの、前面展望をある程度満喫できることがわかります。
特急しなの号に乗ってみて
今回、特急しなの号に乗ってみました。平時は6両編成で1時間間隔を確保して、最低限の利便性を提供。そして、多客期は8両編成や10両編成に増結して多くの乗客に座席を提供。さらに、高速走行できる車両と飽きがこない内装。このような特急列車は「これで良いんだよ!」という特急列車の姿を具現化しているように見えました。
また、パノラマグリーン席の存在もファンの心をくすぐります。それも「特定の列車に連結」ではなく、(たまに走る貫通型先頭車という外れを除き)「全列車に連結」というものです。こうすることで、プラチナチケットにせずに多くの人に魅力を提供しているように感じます。
ただし、課題がないわけではありません。今回10両編成で走っていましたが、どうせなら4両編成の臨時列車を運転するほうが乗車チャンスは増加します。また、自由席が2両だけに固定されていることも気がかりでした。自由席の需要が高いのであれば、自由席を3両にするか、臨時列車にも自由席を2両連結することです。また、列車内で空席のグリーン席や指定席を販売すればJR側は臨時収入を得られますし、乗客も座れてwin-winです。このような細かな工夫をされるともっと良いように感じられます。
そのうち新車で置き換えられることでしょう。その際は、383系のダイナミックな前面展望や飽きの来ない内装を引き継ぎ、さらにレベルアップしてもらいたいものです。そして、自動車交通に対抗できるようにするために部分的な複線新線(中津川-南木曽など)を建設し、日々レベルアップする道路交通に対抗してもらいたいものです。もちろん、このような大胆な施策は一民間企業だけでは不可能でしょうから、国費による支援も不可欠となりましょう。