スーパートレインスタンプラリーに参加して

記事上部注釈
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JR東日本が実施しているスーパートレインスタンプラリー。このスタンプラリーに参加した感想をまとめます。

写真1. コーヒーコースター、アクキー、コンプリート証(自宅で撮影)

復習:スーパートレインスタンプラリーとは?

写真2. スタンプラリーの台紙

スーパートレインスタンプラリーとは何でしょうか?

平成初期、「タキシードボディのすごいヤツ」と呼ばれ多くの鉄道ファンを魅了した651系。JR東日本初の新形式交直流特急用電車。
1989年、常磐線「スーパーひたち」で輝かしくデビューし、2023年3月までの34年間、姿を変えながら様々な列車として活躍。
地域性のあるカラーリング等、個性的な列車が次々に登場した時代。
そんな当時活躍したスーパートレインが、首都圏50駅と盛岡・山形・秋田・新潟・長野駅にスタンプとなって登場。
あの頃の“すごいヤツ”に会いにいく旅に出発してみませんか。

JR東日本 スーパートレインスタンプラリー ~平成を駆け抜けたすごいヤツ~

非常に簡単にいうと、全50駅に設置されたスタンプを期間内で集めましょう、というものです。私の解釈では2段階に分かれます。

  1. 任意の10駅のスタンプを集め、その後にニューデイズで600円以上買い物すると、記念品と50駅挑戦状をもらえる
  2. 1で入手したスタンプ帳に50駅を制覇するとさらに記念品がもらえる
  3. 1のスタンプ帳に竹芝の珈琲館でコースターを交換可能
  4. 新幹線駅に設置されたスタンプ帳にスタンプを押すと、特別な絵がもらえる

写真3. スーパートレインスタンプラリー設置駅

この50駅の選定が非常によく考えられていると思いました(写真3)。例えば、南武線の設置駅は(両端の川崎と立川を除けば)府中本町だけ、武蔵野線の設置駅は府中本町、武蔵浦和、吉川美南と新松戸です。いずれも民鉄線がない場所です。

これは、明らかにスタンプラリー設置駅に行くのに民鉄を使って欲しくないという意図が入っています。例えば、南武線に武蔵小杉、横浜線に菊名、東海道線に横浜という配置であれば、東急線で移動し、JRに1円も使われずにJRのキャンペーンで民鉄を使われる結果になります。

個人的に千葉や横浜が設置駅にカウントされていないのが意外でした。いずれも県下で代表的な駅であり、スタンプ設置は当然と思ったものです。

このほか、期間を1/12~3/4としたことも舌を巻きました。年末年始の移動シーズンと年度末の移動シーズンのはざまの閑散期をねらい輸送力の余力を活用し、収入源を確保した格好です。スタンプの設置費用は元を取れるでしょう。

スタンプラリーをめぐって

写真4. 龍ケ崎市を降りる機会はあまりないと思う

スタンプラリーをめぐるのに、都区内エリア、西南エリア、北エリア、東エリアに分け、それぞれのエリアを重点的にめぐるオペレーションを採用しました。このことにより、移動効率を最大限に上げ、効率的に動くとともに、投下費用を最小限にしました(都区内パス1回休日おでかけパス3回)。

私はJR線沿線に住んでいますが、通勤では東武鉄道も利用、休日のお出かけは民鉄志向ということで、JR線の郊外地区を乗る機会はあまりありませんでした。今回は郊外にもスタンプが設置されており、そこまで行くことにもなりました。その過程でJR線の郊外にも乗りました。23区を除くと以下の路線に乗ったことになります。

  • 中央線(高尾以東)
  • 東海道線
  • 宇都宮線(小山以南)
  • 総武線(津田沼-佐倉)
  • 常磐線(土浦以南)
  • 成田線(我孫子-佐倉)
  • 外房線(千葉-蘇我)
  • 京葉線
  • 武蔵野線(府中本町-武蔵浦和、南浦和-新松戸)
  • 横浜線(橋本-八王子)
  • 相模線
  • 南武線(府中本町-立川)
  • 高崎線(熊谷以南)

かなり多岐に渡って乗ったことがわかります。以下にいくつかの写真を示します(写真4)。

写真5-1. 土浦で遭遇したレアな復刻塗装(京葉線と紛らわしい…)

写真5-2. 武蔵浦和で遭遇した貨物列車

写真5-3. 高尾で遭遇した普通長野行き

写真5-4. 橋本で遭遇した相模線

写真5-5. 古河に停車中の普通

写真5-6. 吉川美南に入線する209系

これらには貴重なものも、ありふれたものもあるでしょう。それでも、この2024年上四半期の姿に触れることは重要であり、その機会をいただけました。また、家にこもりがちな冬場の外出機会にもなり、二重の意味で良かったと思います。外出といっても電車に乗っているだけ?そのような声は聞こえません!

スーパートレインはなぜ人気か?

写真6. 成田で並ぶ人々

たいていの駅で並び、特に成田駅はすさまじいものがありました(写真6)。これは、スーパートレインシリーズが人気だったことを示します。では、スーパートレインはなぜ人気だったのでしょうか?

写真7-1. 伊豆高原で並ぶスーパービュー踊り子(2019年に伊豆高原で撮影)

写真7-2. スーパービュー踊り子の普通車車内(2019年に撮影)

写真7-3. スーパービュー踊り子の売店

スーパービュー踊り子の車外と車内を示しました(写真7)。ハイデッカーの車内など魅力は多いですが、コンセントなしなど、現代の車両よりやや見劣りします。その人気の秘密は以下の通りだと思います。

  • 従来車よりも大幅にグレードアップしたこと
  • 設計思想がとがっていたこと

従来車より大幅にグレードアップしたこと

写真8. 651系の内装(特急草津で撮影)

例えば、常磐線特急は485系が中心でした。特に国鉄時代末期には初期車両が多く配置され、古めかしい印象は否めませんでした。若干の設計思想こそ変わっているものの、基本設計は20系電車(151系電車というほうが伝わるかな?)と同等です。これに対し、651系がデビューしました。それは485系との格差は大きいものでした(写真8)。E653系も485系置き換えでデビューしましたが、(シートピッチこそ同じなものの)485系よりグレードアップしているのは事実です。デビュー時の(良い意味での)衝撃がこれらの車両の印象を決定づけた部分があるのです。

これら2車種の置き換えでE657系がデビューしましたが、最高速度は維持、シートピッチは651系とE653系と同等と、従来車より大幅なグレードアップではありませんでした。設計思想はともかく、651系もE653系もそれなりにグレードの高い車両ですから、それ以上を目指すのは汎用特急としては難しいでしょう。

設計思想がとがっていたこと

写真9. お座敷車両はとがった設計思想

リゾート特化型の251系、空港輸送特化型の253系、団体向けに特化したいわゆるジョイフルトレイン(写真9)。内装の賛否はあったでしょうが、インパクトのあるとがったコンセプトの車両でした。現在、空港輸送のE259系が房総特急でも運用されようとする事実を踏まえると、時代が変わったことを感じさせます。

現在の車両を思い出しましょう。E353系、E657系、E259系。いずれも完成度はそれなりの水準を満たし、(編成両数や機器面を除くと)いずれも差異が小さいように思えます。(機器面の問題はともかく)E259系が常磐線、E353系が成田エクスプレス、E657系が中央線特急に充当されても違和感は大きくなく、どこか汎用車に近づいた印象もあります。

そう、スーパートレインの時代を経て、多くの車両が平均的にレヴェルアップしたため、特定の車両が目立たなくなりました。

スーパートレインシリーズを思い出してみて

写真10. オール2階建て新幹線もインパクトのある車両だった

一時期を駆け抜けたスーパートレインシリーズ。JR他社も含め、サービス向上にやっきになった時期でした。それが落ち着き、2010年代にはある程度のサービス水準でかたまった印象があります。もちろん、平均的にサービス水準が向上するのは望ましい傾向です。

ただし、一方で平均的なサービス水準にとどまり、インパクトのある車両は高い金額と引き換えに乗る時代にもなってしまいました。サフィール踊り子などはその例でしょう。金銭でこのような格差を設けることも企業活動として必要でしょうが、少しの追加金額でインパクトのある体験(ハイデッカー、前面展望、個室、お座敷など)ができる車両や列車も考慮してもらいたいものです(模範例、写真11)。

写真11. 少しの金額でインパクトのある移動を提供する列車の例(近鉄特急ひのとり)

このほか、民鉄と同様の企画を実現させたり、JR6社でコラボレーションすることもお願いしたいです。いっそのこと、ドイツ鉄道と技術連携しているのだから、ドイツ鉄道ともコラボレーションしても良いのでは?ベルリンSバーンのアクキーとか…。

写真12-1. 名古屋地区のスーパースター、パノラマスーパー

写真12-2. ドイツの高速列車ICE-T(でも撮影したのはドイツ国外のウィーン中央駅なのは秘密)

写真12-3. 展望車が印象的な地方民鉄の特急車も忘れてはならない(長野で撮影)

写真12-4. ベルリンSバーンの様子(ベルリン中央駅で撮影)

写真12-5. 関西のスーパートレイン、223系新快速(新大阪で撮影)

写真12-6. 改造車でありながらあをによしも名車と思う

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