ドイツ・チェコ・オーストリア個人鉄道旅行を計画する

記事上部注釈
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フランクフルトからベルリンへ向かうICE
写真1. フランクフルトに停車中のICE

私ごとですが、2018年の大型連休に中央ヨーロッパ周遊旅行を実施いたしました。その際の計画についてまとめました。
※各区間での移動や各都市の観光については、個別に記します。ここではあくまでも全体の計画についてまとめることを目的としています。

私の個人的な情報

お前の個人情報など興味ない?そうかもしれません。ただし、私が何に興味を持ち、どの程度のスキルを持っている人なのかということは参考になると思います。

箇条書きにまとめると、以下の感じでしょう。

・興味対象:主に鉄道。こんなブログを書いているので、当然でしょうね。ただし、ずっと乗りっぱなしだと飽きますので、街歩きなどの気分転換も重視します。逆に「田舎で現地人との暮らしを満喫する」という内容は全く興味ありません。

・海外スキル:そこまでない(1回行っただけ)。ただし、国内の鉄道旅行経験は豊富なので、そこらへんの「海外旅行初心者」と比較すればベースはあるでしょう。また、地図を見ることは好きです(そのため、個別旅行に抵抗はありません)

・言語:中学レベルの英語と、わずかにドイツ語(大学の教養レベルです、アルファベットを読める程度)+堪能な日本語(そこ?)

簡単にいうと、国内を個人で旅行した経験は豊富だが、海外は経験が乏しい鉄道ファンというものです。

前回の個人ドイツ旅行の反省

人間は経験を重ねることで成長します。そこで、前回の経験を振り返ってみましょう。

前回のドイツ旅行の概要

ツアーか個人旅行か

海外旅行をするにあたって、ツアーか個人旅行かという議論は絶えることはないでしょう。現実に双方の形態で行けるということは、双方ともにメリット・デメリットがあることでしょう。片方だけがメリットが大きく、片方のメリットが小さいのであれば、1つに集約されるのが資本主義経済の基本なためです。

※ここでは、フリープランの形態(例. パリ往復航空券付き7泊9日)だったり、旅行代理店でチケットを押さえてもらう形態は個人旅行という分類とします(現地で添乗員がいるかどうかで分類しています)。分類というものは興味深いでしょうが、ここでの主眼は分類そのものではありませんので、こんなところにしておきましょう。

私は「鉄道に特化してさまざまな場所をめぐりたい」、「団体行動はいやだ」ということを重視して、個人旅行という選択をしました。

ただし、単独での手配にはリスクがあると判断し、格安大手旅行会社に手配を依頼することにしました(俗にいうHISです)。この会社はツアーの添乗員の質が担保されていないという噂がありましたが、どうせ現地で動くのは自分なので関係ないと割り切っていました。航空機、列車、ホテルがきちんと確保されていれば問題ないという考えです。ドイツは先進国なので大丈夫だろう、そんな見込みもありました。

旅行先の選択

前回はドイツの主要都市であるフランクフルト、ケルン、ベルリン、ミュンヘンを選択しました。いずれも国内旅行のノリで観光時間は数時間(ただしベルリンは合計1日)としました。

前回の評価

おおむね良い旅行ができました。「おおむね良い」旅行ではなければ、次回も同じような旅行をしようとは考えないでしょう。つまり、鉄道による周遊旅行自体は成功したと思うのです(私の中では)。また、田舎ではなく都会を中心にしたことも、私の性分にマッチしていました。以下の点が改善点と思いました。

航空券が高くついた

私の記憶が正しければ、往復の航空券だけで22万円しました。もう少し早くに予約していれば20万円を切っていたので、詰めが甘かったと思います。まあ、往復直行便で22万円だから上出来だったのかな?私の感覚では、1回前の繁忙期前に予約すると安いように見えました。夏に旅行するならば、GW前に予約する感覚ですね。

旅行代理店を通すことによる弊害

旅行代理店を通すことにより、2点の問題がありました。

・宿泊先や列車が限定される
旅行代理店が持っているルートでしか販売されません。そのため、時刻表を見て「この列車に乗りたい」と思っても発券されないのです。宿泊先にはこだわりはありませんが、列車にはこだわりがあるので、その点は不満でしたね。これは、レイルヨーロッパでも同様だと思いました。現地で予約した人のほうが良い席に座っていて、その思いを強くしました。

・手数料がかかる
旅行代理店を経由すると手数料がかかります。
HISの規約を見てみますと、航空券が8640円、宿泊が2160円とあります。つまり、別々の場所に5泊したら、航空券と宿泊の手数料だけで20000円程度徴収されるのです。これは、さまざまな相談をしているので仕方ないですが、自分で手配すればかからない費用です。

列車が限定された

長距離移動する際に乗った列車はICEだけでした。一部区間でICには乗れましたが、国際列車ECや夜行列車(当時はシティナイトトレイン、現在はナイトジェット)には乗れずじまいでした。

首都の滞在時間不足

おおむねどの都市も滞在時間は適正レベルでしたが、唯一首都ベルリンだけは時間不足と感じました。歴史ある首都については1日フリーで動ける日を設定して、ゆっくり回る(飽きたら都市近郊電車に乗れば良い!)のが良いと思いました。

今回の改善点

前回の反省点を踏まえて、新たに計画しました。普通はこのように「前回の失敗を振り返って旅程を組む」人はいないでしょう。少なくとも、ここまで文章にまとめる人はいないと思います。

新しい種類の列車に乗る

高速列車には乗車できました。今度は別の列車に乗りたいと思いました。具体的には、国際列車や夜行列車です。

夜行列車の利用

日本からはほぼ消滅した夜行列車。ところが、中央ヨーロッパや東ヨーロッパではかなりの夜行列車が健在です。あとは、パリからヴェネチアの系統もありますね。ナイトジェットだと実質本位かつそれなりに快適な夜行列車と判断したので、ナイトジェットに照準を絞りました。一番興味深かったのは、デュッセルドルフ行きとハンブルク行きです。この両列車は深夜で連結相手を変えて走るのです。世の中に連結する列車は多くあるでしょうが、特定の駅でパートナーを変更するパターンはあまりないでしょう。

国際列車の利用

昼間に走行する国際列車を利用することもしてみたい体験です。西ヨーロッパは高速列車が、中央ヨーロッパは特急列車が国際列車の役割を担っていることが多いです。

旅程の決定

旅程の概要

ベルリンは再訪したい(前回の消化不足)、ウィーンは訪問必要(ナイトジェットに乗るため)という条件が決まりました。ベルリンからウィーンまではだいたいプラハ乗り換えです。ならば、プラハに降りて観光しようと考えました(考える順番が逆ですね)。ナイトジェットをデュッセルドルフで降りてそのまま航空機で帰宅するのも手ですが、車中泊→機中泊が連続するのも考えものです。そのため、間に1泊はさむことにしました。ナイトジェットに乗ると朝にはドイツ北西部に到着します。それならば、景勝路線のコブレンツからトリーアまで乗車して、そのついでにルクセンブルクに入ろうと思いました(ルクセンブルクに行くからこの路線に乗るという発想ではないのです)。

つまり、旅程は以下の通りとなります。

1日目 羽田→フランクフルト
1日目 フランクフルト→ベルリン
4日目 ベルリン→プラハ
6日目 プラハ→ウィーン
8日目~9日目 ウィーン→ルクセンブルク
10日目 ルクセンブルク→デュッセルドルフ
10日目~11日目 ルクセンブルク→成田

今回の計画のポイント

今回は、ウィーンからコブレンツまで夜行を利用すること、ベルリンを再訪すること(飽きたら近郊に日帰り旅行だ!)を目的としました。そのため、ベルリンは2日半、プラハは2日、ウィーンは2日少しという配分にしました。首都は行くところが多いので、2日の観光時間を確保したのが今回のポイントです。

計画時点では10日目はあまり考えていません。ルクセンブルクからコブレンツまで2時間半、コブレンツからデュッセルドルフまで1時間半、航空機は20時出発という条件なのです。朝にルクセンブルクを出発して、適当にルール地帯の鉄道に乗車してたどり着けば良いという考えです。

代理店を利用しない

今回は旅行代理店を利用しないことにしました。これによって、旅行費用の節約と希望する列車への手配の双方をかねることができるのです。

航空券の購入

航空券は早めに手配することにしました。具体的には、半年前を目安に手配しました。もっというと半年と半月前です。

具体的には、海外航空券の比較サイトを見て、GWに近い日付で検索して、ピンポイントで安いルートにしました。

・ウィーンからナイトジェットで向かうので、デュッセルドルフかフランクフルトから帰宅
・ベルリン再訪を考えると、往路はドイツに向かう(その経路で高速列車に乗るのです)

これを満たすのが、フランクフルトかデュッセルドルフ発着です。両都市のどちらでも構わなかったのですが、往路フランクフルト、復路デュッセルドルフが最も安かったので、このような組み合わせとしました。今回は旅程と費用のバランスを考えながら、最も安い航空券を選択したのです。ほぼシーズンで直行便利用で184,400円というのはお得だったと思います。もう2週間前だったら、16万円台だったのですがそれは欲張りということにしましょう。

結果としては、ANAのサイトから直接購入しました。もう少し安いサイトもあったのですが、キャンセル不可だったのです。何かあったときのことを考えて、キャンセルできるANAのサイトにしたのです。価格差が1,000円だったのでそのような判断に至ったのです。

ただし、今回はキャンセルすることもありませんでした。このようなサイトで直接予約するのも手でしょう。


ホテルの手配

ホテルもインターネットで手配することにしました。海外ホテル予約サイトは数ありますが、海外サイトだといざという場合の対応が不安でしたので、国内のサイトで安いとされるDeNAトラベルを選択しました。


列車と鉄道パスの手配

基本的には、列車は現地の鉄道会社から手配しました。鉄道パスについての考えは、「列車が決まらない日や乗り継ぎの多い日」だけ適用しました。個別に予約すると安く乗車できる可能性があるのです。私は以下の結論に至りました。

フランクフルト→ベルリン:航空機が遅れると後の列車に乗ることになるので、鉄道パスが適切
ベルリン→プラハ:列車の乗り継ぎをしないので、キャンセル不可の個別予約でも構わない
プラハ→ウィーン:列車の乗り継ぎをしないので、キャンセル不可の個別予約でも構わない
どこか:ウィーンだけでは飽きるので(え?)、どこかに行きたい。気ままな計画なので鉄道パスが適切
ウィーン→ルクセンブルク:夜行列車は事実上個別予約しか不可。コブレンツからルクセンブルクへは鉄道パスか?
ルクセンブルク→デュッセルドルフ:気ままに動きたいので、鉄道パスが適切

ここでジャーマンレイルパスが3日用から、オーストリア・ジャーマンレイルパスが4日用から、という制約があります。そのため、コブレンツからルクセンブルクへは鉄道パスを利用することにしました。プラハがからむ日もレイルパスにしても良いのですが、そのようにするとかえって高くつくために、ここは個別予約としました。個別予約の方法は別途書きましょう。

・ナイトジェットの予約方法
 ドイツ鉄道から、オーストリア連邦鉄道から
・ドイツ国内の指定席の予約方法
 【ドイツ列車ネット予約】フランクフルトからベルリンのチケット手配
・ベルリンからプラハの予約方法
 ベルリンからプラハまでの列車をネットで予約する
・プラハからウィーンの予約方法
 プラハからウィーンまでの列車をネットで予約する

鉄道パスだけは日本で手配しました。ドイツ鉄道から手配するよりも安く済むサイト(旅ステーション)があったのです。個人が趣味でやっている感じでしたので、あまり利潤を考えずに販売していると理解しました。

インターネットの手配

前回、インターネットが使えずに大変苦労しました。今回はWifiを活用したインターネットサービスを活用することにしました。私は現地でネットを存分に活用することはしませんので、安さを重要視しました。私は価格.comから予約しています。

両替について

両替について調べますと、FXを活用したやりかたも紹介されていました。しかし、私は代金の大部分を宿泊代と移動代に充てています。食事もそこまでこだわらないし、かわいい雑貨も購入しません(わが家にそのようなスペースはない!)。FXを活用すると高額の両替は良いものの、私のような少額の両替だとかえって高くついてしまいます。そのため、通常の両替としました。ただし、日本だとレートが良いので、日本で両替しました。

海外旅行保険への加入

チェコだと海外旅行保険に加入することが義務となっています。そのため、最も安いタイプの海外旅行保険に加入することにしました。

ここまで、たいそうなことを書きましたが、旅行(に限らず仕事も)は計画通りにいかないものです。さあ、いったいどのような旅行になったでしょうか?

前後を読みたい!

さて前後は?

←16年夏ドイツ鉄道旅行記~ドイツ個人旅行を振り返る

ドイツ・チェコ・オーストリア個人鉄道旅行を計画する:今ココ!

羽田からフランクフルトまで航空機に乗る→

※それぞれ別ウィンドウで開きます。

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