旅行を計画することは多くあると思います。では複数の旅行を計画するときは?そんなときに合う1つの考えかたを提示します。

写真1. 近鉄のターミナル駅の上にいるということは近鉄の特急券の受け取りが可能(それを活用できていなかった)
一般的な旅行計画と旅行群の導入
一般的な旅行動機は、以下のマインドだと思います。
- 「テレビでおすすめと言っていたから」
- 「何となく行ってみたいから」
- 「安い旅行ツアーの情報を聞いたから」
- 「313系電車に定期的に触れ合わないと中毒症状を引き起こすから」
このような動機があり、具体的な旅行計画を立てるわけです。上記例に合致する旅行計画はこのようなものでしょう。
- 「テレビでおすすめと言っていたから」→鎌倉に行ってみよう
- 「何となく行ってみたいから」→伊豆か箱根に行ってみよう(関東地区の人なら共感できる旅行先と思います)
- 「安い旅行ツアーの情報を聞いたから」→ではツアーバスに乗って日帰り河口湖旅行に行こう
- 「313系電車に定期的に触れ合わないと中毒症状を引き起こすから」→多様な313系電車に触れ合える名古屋地区に行こう(中央線や関西線から引退し、時代の流れを感じますが)
いずれも動機に対する具体的な計画を立てます。自宅から鎌倉に行くにはどうするのか?鎌倉のどこに行くか(余談ですが鎌倉プレスが便利だと思います)?などの段階です。そして、実際に旅行を実施するわけです。
ここで、多くの人が見落としている概念があります。そう、「○○にはこの前に行ったから今回は○○を避けよう」という概念です。これは旅行群の基本となる考えかたです。単に1つの旅行だけを考えるだけでなく、複数の旅行をまとめて考えるということです。この旅行群という考えをより深く考えてみます。
旅行群という考えを掘り下げる
さて、旅行群という考えを深く考えましょう。世間では定義されていない用語ですので、下記の通り定義いたします。
旅行群:旅行を1回だけで最適化せず、旅行全体の最適化を目指して複数の旅行計画を大きな視野で考えること
旅行群の対象は各自で定めれば良いでしょう。抽象的な概念で難しいと思いますので、あえて私の過去の実例を記載いたします。
例1. 欧州旅行と国内旅行の組み合わせ

写真2. 2023年8月に暑い思いをし、以降お盆の国内旅行は棚上げされた(金沢で撮影)
例えば、私は国内旅行は初夏、欧州旅行は夏をベストシーズンと決めていますので、1年程度の旅行を計画する際にはここに力点を置きます。初夏に長期旅行することはなかなか難しい(年休を連続して取得するのはハードルがある)ため、初夏という文言はGWに変換できます。
すなわち、長期休暇の過ごしかたは以下の通りです(表1)。
表1. 長期休暇の過ごしかたの組み合わせ例
| GW(4月末~5月初) | お盆 | |
| 良い組み合わせ | 国内旅行 | 欧州旅行 |
| 悪い組み合わせ | 欧州旅行 | 国内旅行 |
旅行群という考えで、GWとお盆の旅行の組み合わせを考えました。良い組み合わせは快適な気温で旅行でき(夏の南ヨーロッパは暑いが、暑い夏を日本で過ごすよりは良いという考え)、旅行全体の快適度は上がります。一方、悪い組み合わせだと欧州では寒い思い、国内では暑い思いを強いられます。これでは旅行全体の快適度は下がります。
このように組み合わせを考えるだけで複数の旅行全体の満足度を底上げできます。これが旅行群という考えの神髄です。2023年は「悪い組み合わせ」(GWに欧州旅行、夏に国内旅行)でしんどさを感じ、2024年は「良い組み合わせ」(GWに国内旅行、夏に欧州旅行)に変更しています。この方針は2025年以降も適用しています。
旅行のベストシーズンの考えかたも「常識」から外すと良い体験ができます。
例2. 似た目的地や途中経由地の活用
また、似た目的地や経由地への旅行についても旅行群という考えを適用できます。私は2024年に1つの失敗をしました。初夏が快適という理論に基づき、以下の旅行を計画していました。
表2. 2024年5月に実施した旅行一覧
| 目的地 | 備考 | |
| 2024年GW旅行 | 九州方面 | 大阪地区に立ち寄り |
| 2024年初夏旅行(5月下旬) | 伊勢方面 | しまかぜ乗車計画あり |
2024年初夏旅行の1つの目玉が近鉄特急しまかぜへの乗車でした。しまかぜの予約方法は以下の通りです。
- 特急券のみ予約し、乗車券は別途確保(このときは周遊性を考慮し、デジタルまわりゃんせにしました)
- 特急券の仮予約だけ実施し、7日以内に近鉄駅で支払う(特急券付きまわりゃんせの予約方法)
私はしまかぜの座席に座りたかったので、どうしても1か月前に予約しました(その影響で伊勢からの帰りが大阪や名古屋でなく京都になった、そんな理由で京都に行く人はなかなかいないでしょう!)。そのため、高くつくデジタルまわりゃんせを思考停止で選択しました。自宅から簡単に行ける距離には近鉄駅はありませんから、仮予約は不可能と決めつけていたのです。
これは旅行を単独で考えているから発生する失敗です。私がしまかぜを予約したのは4/26です。5/3までに引き換えれば問題なかったのですが、その間の4/30に大阪に旅行していました。しかも、あべのハルカス(=近鉄の駅の上)に立ち入っていました。もしも、2024年初夏旅行を計画する際に、GW旅行のことも考慮していれば、近鉄の特急券を仮予約し、前の旅行で次の旅行の準備を進めることも可能でした(午後に到着し、夜行フェリーに乗る計画だったので時間的猶予もありました)。これは直近の1か月に似た場所に行くにも関わらず、旅行群として認識していなかった自分のミステイクでもあります。
これによって、1190円損する結果となりました。実際の差額は大きくありませんが、自らの考えの至らなさで損金が発生したという事実は変わりません。
例3. 複数の経路を候補としている場合の解決法

写真3. 大阪から東京方面への帰宅をどうするか?(大阪駅の観光名所で2025年5月に撮影)
ところで、日本には多くの列車があります。その1つ1つに魅力があり、選択に迷います。同様に魅力的な選択肢がある場合、どうすれば良いのでしょうか?その解決策は2回の旅行でかなえる、というのも1つの手段です。
西日本地区から関東地区の自宅に帰る際の経路を2通り考えていました。
- 大阪→(近鉄特急)→名古屋→(しなのの最前列)→長野→東京
- 大阪→(北陸新幹線経由)→東京
この2つの魅力的な選択肢のどちらかを選ぶことは大変難しいです。他方、2025年の5月には以下の計画がありました。
表3. 2025年4月時点での候補1
表4. 2025年4月時点での候補2
| 前半 | 後半 | |
| 2025年GW旅行 | 瀬戸内をめぐる旅行 | 北陸地区経由 |
| 2025年初夏旅行 | 大阪万国博覧会旅行 | 名古屋経由 |
いずれも帰宅経路の大阪までと大阪からは独立しており、候補1でも候補2でも問題ありませんでした(結果として平日ダイヤだとビスタカーと伊勢志摩ライナーが接続していたので、候補1が結果的には良かったのですが)。
このように2つの候補がある場合、似た目的地の旅行がある場合は旅行群全体で希望をかなえるという2段構えのスタイルとしました。これはまさに旅行群という考えを実践した瞬間でした。
実際には名古屋から長野までの前面展望が最も難易度が高いと想定し、手配の難しさを考慮し、前面展望チャンスを2回確保するために、最初に名古屋経由をチャレンジしました。初回のチャレンジで座席を確保できたことから、候補1としました。
例4. 年間を通じた旅行計画
旅行に費やせる費用と時間は限られています。それをより良い配分とすることが旅行全体の全体最適化には重要です。そこでネックとなるのは、旅行に行く時期を分散させるという常識です。多くの人は年に6回の旅行というと、2か月間隔で実施と考えるのでしょう。しかし、私はその常識から外れることによって、旅行全体の最適化を実現しました(表5)。
表5. 旅行計画の常識と2025年実績
| 一般常識 | 2025年実績 | |
| 1回目 | 2月くらい | 2月(乗り鉄要素少なめ) |
| 2回目 | GW | GW |
| 3回目 | 7月くらい(海の日?) | 5月下旬 |
| 4回目 | お盆 | 7月下旬(標高で涼しく) |
| 5回目 | 9月(秋分の日?) | お盆(欧州地区) |
| 6回目 | 年末年始 | 年末年始(台湾地区) |
2025年は、昼間の短い冬と秋については旅行を大幅にカット(2月は温泉中心で弊サイト的におもしろくないと思う)し、昼間の長いGW~お盆に旅行を実施することで、満足度の底上げを狙いました。なお、7月は暑いですので、山間部のローカル線に力点を置き、暑さという問題をなるべく回避しました。
なお、年末年始は日本国内から離れ、東アジアテストとして温暖な台湾地区を選びました。台湾を訪問するにはそれなりに良い時期だったと認識しています。
このように私の場合は、「重たい旅行」は4月~9月に集中させ、10月~3月は比較的「軽い旅行」としています(台湾旅行は例外的な処置でした)。例外的な台湾旅行がなかったら、10月に「軽い旅行」を実施していたことでしょう。
例5. 欧州旅行の行先分離

写真4. 航空券の都合とドイツを禁止国としたことから得られたイタリアテスト
欧州旅行も旅行群という考えを部分的に導入し、向かうレギュラー国を分散させています。2023年以降の旅行先は以下の通りです。
表6. 2023年以降のレギュラー国と禁止国の一覧
※私のなかでドイツ、スイス、オーストリアは安定感のあるレギュラー国として定義
レギュラー国と新規国テストは比較的新しい概念ですので、下記記事で詳しく紹介しています。
海外旅行先の選定(レギュラー国と新規国のバランス)(新規国テストという概念)
2023年は3年8か月ぶりの海外旅行でした。したがって、「禁止国」の運用はせずに、安定感のあるレギュラー国で固めました。これはリハビリテーションという意味もあります。
その後の2024年夏はスイスとオーストリアを禁止国に指定し、1mmたりとも入らないことを徹底しました(もともとベルギーの新規国テストの意味合いが強く、ドイツを通ることが合理的でした)。その1年後の2025年夏は逆にドイツを禁止国に指定し、ドイツを1mmたりとも入らないことを徹底しました。ここで注意するべき点は、オーストリアの長距離列車でザルツブルクとインスブルックを通ると、ドイツ南部を通過することになり、禁止国という制約を満たせないことです。
もちろん禁止国と言っているのは私だけですので、オーストリアの列車でローゼンハイム付近を通過することは実運用上は全く問題ありません。
旅行群という考えを導入して

写真6. 旅行群という考えで年末年始の旅行先に台湾を選定(高雄で撮影)
今回、旅行群という考えを紹介しました。2つ以上の旅行を同時に計画することは非常に新しい概念で、世間には浸透していません。
従来の考えは単独の旅行を計画するという部分最適化でしかありませんでした。これでは、トータルの旅費が高くついたり、適切な気候で旅行することができなかったりと、損失の大きな計画法でした。
そこで、新しい概念では複数の旅行全体で全体の満足度を確保するという構図としました。これにより、旅行のマンネリを防いだり、無理した旅行になりにくいという効果があります。
「旅行は自分探し」という使い古された表現があります。この使い古された表現は多くの解釈が可能でしょう。私は旅行群という考えを適用するなかで、緑の美しい風景、そして明るく快適な気候、このような環境に身を置くことでストレスのない環境を重視することがわかりました。このように、旅行群を考えることで自らのスタイルを知り、自らの理解に役立てる、それが旅行の1つの側面なのです。