ナイトジェットに乗る(18年、ウィーンからコブレンツ)

記事上部注釈
弊サイトでは実際に利用したサービスなどをアフィリエイトリンク付きで紹介することがあります

今回の旅行の一番のハイライトがナイトジェット(中央ヨーロッパの夜行列車のこと)です。ナイトジェットの実際はどうなのでしょうか?また、ニュルンベルクでの連結はどのようなものなのでしょうか?その実態に触れてみます。

こちらもチェック!関連リンク

ナイトジェットの基本的なことを解説しています。どこのサイトよりも詳しいと思いますよ。だって、自分が乗りたかったし。

※別ウィンドウで開きます

海外鉄道旅行全般のノウハウについては、安く海外個人旅行をするための方法(主に鉄道旅行)にまとめました。

図1. 今回のルート(細かな部分に相違点があるかもしれません)

今回のルートを示します(図1)。ウィーンからコブレンツまで乗ったのですね。

ウィーン中央駅でナイトジェットを待つ

今回乗車するナイトジェットはウィーン中央駅始発です。当然ながら、始発駅から乗ります。私はコブレンツ(ドイツ西部の都市)を経由しますので、デュッセルドルフ行きに乗ります。

写真1. デュッセルドルフ行きの表示

私は一番前の車のようです。デュッセルドルフ行きは前、ハンブルク行きは後ろのようです。

写真2. 編成の表示(デュッセルドルフ行きが中心)

写真3. 編成の表示(ハンブルク行きが中心)

編成の表示もあります(写真2-3)。ハンブルク行きは自動車も積み込めるようです。下の編成はグラーツ行きの別の列車ですので、今回は無視してください。いずれも乗客が乗れるのは5両のようです。

ここで、現地の女性に聞かれました。「この列車はフランクフルトに行くの?」という疑問です。デュッセルドルフ行きはフランクフルト南駅を通りますから、「Yes!」と答えました。また、その女性はチケットを持っていました。そのため、私が「Please show me ticket」と呼びかけチケットを確認しました。そのチケットにはNight Jet と書かれていました。そこで私は電光掲示板を指差し、「This is Night Jet train」と言い放ちました。それでもその女性は納得していませんでした。アジア人の私がうさん臭いと思ったのかもしれません。それならば、聞くな!

よく考えれば、私はナイトジェット初心者でした。ここウィーン中央駅で、初心者が初心者に乗りかたを教えるという場面が展開されました。彼女も聞く人を選べば良いのに!きっと、私が堂々と待っている様子が伝わったのでしょう。だって、このためにいろいろと調べたしね!

写真4. ナイトジェットが入線

そうこうしているうちに、ナイトジェットが入線してきました(写真4)。ナイトジェットは青がベースカラーですが、この車両はその色ではありません。そう、旧塗装だったのです。

写真5. 寝台車は旧塗装!

写真6. 簡易寝台車は新塗装!

写真7. この車両は旧塗装!

写真8. この車両は新塗装!

見事に新塗装、旧塗装バラバラです(写真5-8)。もう、やりたいようにやってください、としか言えません。車内に入れば塗装など関係ないのですがね。昔の武蔵野線じゃあるまいし…。

個室寝台を堪能する

駅でどうでもいいエピソードが展開されたり、外観が統一されていなかったりと思うところがありますが、とにかく車内に入ります。

写真9. 個室寝台車の車内

個室寝台の車内です。片側に通路が展開する様子がわかります。そういえば、進行方向右側に個室があります。この先のライン川は進行方向右側、つまり個室からライン川を眺めることができます。

写真10. 座席状態

写真11. 座席状態

座席の状態で我々乗客は車内に入ります。もう20:30だというのに、座席なの?ベッドにしても良さそうなのにね!

写真12. 洗面台(閉じた状態)

写真13. 洗面台(開いた状態)

洗面所もちゃんとあります。通常は閉じています(写真12)が、開けば使えます(写真13)。写真の撮影の際に、私の姿が映らないように配慮しました(さすがー)。

写真14. 差し入れがある(ワイン、つまみ、水、そしてタオル)

差し入れがあります(写真14)。子供に対してはワインが出るのでしょうか?余談ですが、ナイトジェットタオルはわが家でレギュラータオルとして活用されています。

写真15. 朝食の選択

朝食は6つまで追加料金なしということです。でも、バターで1カウントというのもどうかと思いますよ。まあ、追加料金なしでちゃんとした朝食を提供されるのだから文句は禁物ですね。

写真16. 早業の座席から寝台の展開

座席から寝台への展開はどうするのだろうと考えていましたが、車掌がきて(たぶん個室寝台車の専属!)、早業で展開しました。早すぎて写真におさめるのが困難です(写真16)。

写真17. 寝台になった(寝ろということです)

寝台になりました(写真17)。私が巻尺で測定したところ、ベッド幅は72cm、長さは180cmでした。個人の測定なので誤差はありますが、日本のB寝台レベルと考えれば問題ありません。

写真18. テーブルは置き場がある

テーブルも格納されました。日本であればテーブルを折りたたむのでしょうが、ここではテーブルは脚を折りたたみ、所定の位置に格納されました。人がやることが前提の配置なのでしょう。窓側にミニテーブルがあれば、眼鏡や携帯(アラーム機能が主体)を置けるのですが、そんなものはありません。ベッド脇に物入れの網がありましたので、そこで対応するしかありません。

写真19.シャワー室と同居するお手洗い

1日動いて汗ばんでしまいました。そこで汗を流すためにシャワーに入ります。日本の常識であればシャワーカードが配布されて、それを通すのでしょうが、ここはオーストリアです。そんなものはありません。自由に入れます。シャワーとトイレが同居しています(写真19)。これではシャワーを利用しているあいだはトイレも使用できなくてよろしくないように思いますが、利用客が少ないので問題ないのでしょう。

写真20. トイレの洗面台

写真21. 機能的なシャワー室

写真22. ちゃんとボタンを押すんですよ!

シャワーは問題なく利用できました。最初は水もお湯も出なくて焦りましたが、何かのボタンを押していなかったようです。ちゃんと出ました。

シャワーを浴びて寝ることにしました。

ニュルンベルク駅でのパートナーチェンジ

夜中にアラームが鳴って眼が覚めました。日本時間にしているから変な時間にアラームが鳴ったわけではありません(わがarrowsちゃんは優秀で現地時刻で動きます)。わざとそのような時間にセットしたのです。列車はドイツに入り、ニュルンベルク駅に停車しています。ホームの少し先で止まっています。その後、バックしてホームに入りました。ホームでその様子を見届けたいのですが、外国の駅で取り残されるというのも間抜けですので、それはやめにしました。

写真23. パートナーが停車している

途中で起きたので全容は把握していませんが、以下の要領でパートナーをチェンジしているはずです。カップルの再結成よりもスムーズですね。

1) ウィーン発デュッセルドルフ行き(前)とウィーン発ハンブルク行き(後)が1つの列車としてホームに停車

2) インスブルック発ハンブルク行き(前)とインスブルック発デュッセルドルフ行き(後)が1つの列車としてホームに停車

3) 1)と2)の前側の編成がホームよりも前に進み、ホームの外れに停車

4) ウィーン発デュッセルドルフ行きが、インスブルック発デュッセルドルフ行きの前に連結

5) インスブルック発ハンブルク行きが、ウィーン発ハンブルク行きの前に連結

ここで、移動する列車については、下線を引きました。簡単にいうと、前側に停車した列車を構内を移動させて、パートナーチェンジするのです。

このような気づきを得ることができて満足な私は再び眠ったのです。

ナイン川沿いを行く

起きたら、ドイツ西部に差し掛かっていました。

写真24. マイン川を渡る

気づいたら、フランクフルトを通り過ぎたようです。件の女性はちゃんと着けたかな?マイン川を渡ります(写真24)。

写真25. マインツに停車

そんな中、マインツに停車します(写真25)。この区間は並行して高速新線が建設されていますから、この区間にはICEは通らないはずです。それでも、一部列車は旧線沿線の利便性を考慮するのか、旧線を通っているのです。

写真26. おいしい朝食を味わう

そんな中、件の車掌から朝食が配達されました。テーブルの設置はやってくれませんでした…。

写真27. ライン川が見える

マインツを過ぎると、ライン川沿いを通ります。ライン川下りも良いでしょうが、私はドナウ川下りシュプレー川散策を行ったので、良いことにします(負け惜しみではありません!)。

写真28. ライン川沿いの美しい景色

写真29. ライン川沿いの美しい景色

写真30. ライン川沿いの美しい景色

写真31. ライン川沿いの美しい景色(このあたりがボッパルトかな?)

写真32. ライン川沿いの美しい景色

ここでライン川の美しい景色を堪能します(写真28-32)。この区間のハイライトといえば、ローレライでしょうから、後で行くことにしましょう。

コブレンツに到着

そのようにして、コブレンツに到着します。楽しい時間はあっという間でした。

写真33. 機関車はオーストリア連邦鉄道のもの

写真34. やはり編成美は考慮されていない

機関車は付け替えがなされず、オーストリア連邦鉄道のものでした(写真33)。また、編成美は全く考慮されていませんでした。この日は肌寒かったことを強く覚えています。日中時間帯は暑くなったような気もしますが…。

このように、動く宿泊施設からチェックアウトしたのです。時間を有効活用できたのは大変良かったです。また、それなりのサービス水準を確保されていることも確認できました。

前後を読みたい!

さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?

←ウィーンの観光まとめ(18年ウィーン観光)
※直前の観光は、ウィーン中央駅を楽しむ(18年ウィーン観光)です。

ナイトジェットに乗る(18年、ウィーンからコブレンツ):今ココ!

列車でローレライに行く(18年GW)→

※それぞれ別ウィンドウで開きます。

★この旅行の全体像を旅行後の感想といっしょに簡単にまとめています。

ヨーロッパ5か国旅行のまとめ(振り返り)

関連する各国の鉄道旅行ノウハウ記事へのリンク

各国の鉄道旅行のノウハウを私なりにまとめました。初心者向けの情報から裏技まで余すことなく収録しています。

ドイツ鉄道旅行の基本情報

ヨーロッパの鉄道大国、ドイツ。そのドイツには多くの鉄道網が発達しており、とても楽しい旅行が楽しめます。そんなドイツの鉄道旅行の基本知識を丁寧に詳しくまとめました。

オーストリア鉄道旅行の基本情報

中央ヨーロッパに位置するオーストリア。優れたオペレーションと、優雅さを兼ね備えた素晴らしい旅行先です。オーストリアは鉄道旅行には最適の旅行先でもあります。オーストリア鉄道旅行に関する情報をまとめました。
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. 川口 より:

    こんにちは、来月ミラノからミュンヘンに行こうと思っているものです。ブログ拝見させていただきました。現在どのクラスを予約しようかと悩んでいます。これは3人部屋のように見受けられるのですが、どのようにして一人でお使いになったのでしょうか。女子大学生2人で行くのですが私が乗りたいナイトジェット には2等だと6クシェツトか3人部屋、1等で2部屋がありました。シャワーは共用でも構いません。お時間ありましたら、おすすめや何かあれば教えていただきたいです。

  2. tc1151234 より:

    川口さま、コメントありがとうございます。弊ブログが旅行の参考になったということで大変喜ばしく思います。

    ミラノ(20:40発)からミュンヘンまでナイトジェットが運行されていますね。オーストリア連邦鉄道のサイトで予約する際、3人部屋を2人で使用するというオプションをクリックすれば、お2人でも利用可能です。具体的な方法は当ページ上部の関連リンクからご参照いただけますが、その11で相部屋にしないという選択ができます。
    ※オーストリアを通過しますから、オーストリア連邦鉄道のサイトから予約できます。

    なお、そのような選択をしないと、1人で予約した人と相部屋になる可能性があります(たまたま相部屋にならない可能性もあります)。詳細はナイトジェットのネット予約方法(オーストリア連邦鉄道)をご参照ください。個室は早めに埋まりますから、早めに予約してくださいね。

  3. 石田 智子 より:

    tc1151234さん
    こんにちは!今月中旬にドイツ〜オーストリアに旅行をするものです。まだ数少ない直近のNJ情報、とても心強くありがたく拝見させていただいておりました。
    デュッセルドルフ→インスブルックの寝台列車で、フランクフルトからミュンヘンまで行きたい(シートではなくクシェット希望)と考えているのですが、ネット予約ではシートのみしか見当たりません。ケルンからミュンヘンまでだとクシェットもありました。
    部屋やクシェット希望をする場合NJの乗車駅は限られるのでしょうか。ご存知でしたら教えていただけますと幸いです。

  4. tc1151234 より:

    石田さま、コメントありがとうございます。

    さて、表題のフランクフルトからミュンヘンの予約ですが、私がオーストリア連邦鉄道のサイトを開いて確認しました。特に問題なく簡易寝台の予約画面までたどり着けました。当該のナイトジェットはフランクフルト中央駅を通りません。フランクフルト中央駅発着だと別の列車が指定された関係かもしれません。また、フランクフルト(オーダー)だと全く異なる場所です。フランクフルト南駅からの利用であれば特に問題ないと思います。

    予約方法の詳細はここでは記しませんが、詳細はナイトジェットのネット予約方法(オーストリア連邦鉄道)をご参照ください。