25年夏中欧・イタリア旅行のまとめ

記事上部注釈
弊サイトでは実際に利用したサービスなどをアフィリエイトリンク付きで紹介することがあります

2025年夏に実施した、オーストリア、チェコ、イタリア、スイスとめぐる旅行。多くの人のあこがれの場所をめぐり、特徴的な列車に乗ることを意識しました。どのような旅行になったでしょうか。

写真1. 今回のハイライト一覧

25年夏中欧・イタリア旅行の総括

今回の総括をまとめると以下の通りです。

  • 主要な観光地をめぐり、山や古都を堪能する王道の旅行だった
  • 睡眠不足や暑さというストレス要因があり、それを軽減するのが旅程の肝だった
  • 多くの文化圏に触れ、変化に富んだ旅行だった

詳細を以下に記します。

旅程一覧

今回の旅程一覧を示します。なお、日付のカウントは現地時刻(日本では日本標準時、欧州では中央ヨーロッパ時間:今回の旅行先内では時差は生じない、航空機内は出発地の日付)としました。

図1. 今回の欧州内の移動経路のイメージ(OpenStreetMapより引用後加工)

1日目:成田空港→ウィーン

この日は成田空港からウィーンへの移動で1日が終了しました。

主な交通手段の時刻をまとめます。

OS52東京成田(NRT)11:10→ウィーン18:20

2日目:ウィーン→ハルシュタット

この日は朝にウィーンを出発し、午後はハルシュタットでゆっくり過ごしました。ウィーンからハルシュタットへの経路は通常よりやや時間がかかりますが、「あこがれ」の列車(スロベニア車の食堂車、スイス車の展望車)を選択することを優先しました(そういっても、所要時間差は1時間以内です)。

主な交通手段の時刻は以下の通りです。

EC151ウィーン7:58→ブルック・アン・デン・ムーア9:56
ブルック・アン・デン・ムーア10:06→レオーベン10:21
EC164レオーベン10:30→シュタイナッハ-イルドニング11:36
シュタイナッハ-イルドニング11:40→ハルシュタット12:32

3日目:ハルシュタット→チェスケー・ブジェヨビツェ

この日は朝にハルシュタットを出発し、午後にはチェコに到着しました。午後はチェコの地方都市でのんびり街歩きをする予定でしたが…。

主な交通手段の時刻は以下の通りです。

Rハルシュタット9:07→アットナング=プッフハイム10:52
RJ641アットナング=プッフハイム11:07→リンツ11:34
EC332リンツ11:54→チェスケーブジェヨビツェ13:52

4日目:チェスケー・ブジェヨビツェ→ウィーン→ベネチア

写真2. ウィーンで夕食がてら街歩きを楽しんだ(日本にもこの店があります、この街歩きは個別記事には収録していません)

この日は朝にチェスケー・ブジェヨビツェから日帰り観光でチェスキークルムロフを訪問し、ウィーンに戻りそこからナイトジェットでゆっくり寝る予定でした。しかし、今回の旅行のハイライトが私を襲ったのです。

主な交通手段の時刻は以下の通りです。

チェスケー・ブジェヨビツェ7:42→チェスキークルムロフ8:33
RegioJetチェスキークルムロフ12:00→チェスケー・ブジェヨビツェ12:33
チェスケー・ブジェヨビツェ14:05→リンツ16:24
RJ741リンツ16:32→ウィーン18:05
NJ40466ウィーン21:39→ベネチア(翌)8:34(出発104分遅れ)

5日目:ベネチア滞在

この日は朝にベネチアに到着し、1日をベネチアで過ごすことにしました。

6日目:ベネチア→ミラノ→ロカルノ

この日はイタリアからスイスへの移動でした。とはいえ、イタリア語圏からは抜けませんでした。

FR9716ベネチア7:18→ミラノガバルディ11:42
EC16ミラノ中央13:10→ルガノ14:28
REルガノ15:04→ロカルノ15:38

7日目:ロカルノ→シオン(ツェルマット立ち寄り)

この日はスイス南部のロカルノからスイス南西部のシオンへの移動でした。スイスのイタリア語圏からフランス語圏への移動でしたが、途中にイタリアを通りました。晴れのパターン(ツェルマット立ち寄り)、曇りのパターン(クラン・モンタナ立ち寄り)、雨天のパターン(シオン滞在)の3パターンを考えていました。当日は晴れていたので、ツェルマット立ち寄りとしました。

主な交通手段の時刻は以下の通りです。

REロカルノ7:50→ドモドッソラ9:40
REドモドッソラ9:58→ブリーク10:33
REブリーク10:38→フィスプ10:50
REフィスプ11:11→ツェルマット12:17
REツェルマット16:06→フィスプ17:19
IRフィスプ17:36→シオン18:01

8日目:シオン→チューリッヒ

写真3. チューリッヒに到着してから街を歩いた(2023年の街歩きと別経路、個別記事には記載していません)

この日は氷河急行をメインに据えて旅程を設計しました。

主な交通手段の時刻は以下の通りです。

IRシオン7:57→ブリーク8:32
PEブリーク9:14→クール13:25
ICクール13:38→チューリッヒ14:53

9日目~10日目:チューリッヒ→成田空港

最終日はチューリッヒからの帰国でした。空港到着が航空機の出発の2時間以上前というのは、観光の時間が取れず、なかなか残念なシステムと感じました。実際は駅から航空機前まで38分あれば着けましたが、それを前提に動くのはリスクの高い行為ですので…。

主な交通手段の時刻は以下の通りです。

LX160チューリッヒ(ZRH)13:05→東京成田(NRT)(翌)8:50

旅程の設計

2025年の夏は漠然と中欧地区を目的地として考えていました。どこに向かうかは強く意識せずに航空機の価格次第と考えていました。

旅程の全体骨格の決定

図2. 航空機検討資料(抜粋)

発券時期や往復の発着空港について多くの検討をしていました(図2)。そのなかで、11/30までの燃油サーチャージ代金より12/1以降の燃油サーチャージ料金が安いことがわかり、12/1以降に発券することにしました。また、3つの発着地/経由地を組み合わせて発券曜日別に航空機の価格を確認したところ、曜日による差異はあまりなく、12/1にすぐに発券しました。

発券の際に気づいたのですが、復路の出発空港をフランクフルト国際空港にするより、チューリッヒ国際空港にしたほうが4000円近く安く、かつ現地滞在時間を45分延長できることに気づきました。このような経緯があり、12/1に「ウィーン到着/チューリッヒ出発」の航空券を発券しました。したがって、1日目の夕方にウィーン到着、9日目の午後にチューリッヒ出発という前提で旅程を組み立てることとしたのです。

ここで、以下の順に旅程骨格を決めることにしました。

  1. ウィーンからチューリッヒまで鉄路で向かう経路は、大まかに①直線的に向かう(直進ルート)、②ドイツ南部を経由するルート(北回りルート)、③イタリア北部を経由するルート(南回りルート)の3つを想定
  2. 直進ルートは、2019年に夜行列車で乗車済のため、「禁止ルート」とした(部分的な通過は可能とした)
  3. 2023年2024年と連続してドイツを訪問し、3年連続でドイツを訪問することは芸がないため、ドイツを「訪問禁止国」とした(→事実上の北回りルートの禁止)
  4. 1~3より、オーストリア東部→イタリア北部→スイス南部のルートと決定(→南回りルートへの決定)
  5. オーストリア東部付近に力点を置くのであれば、ハルシュタットとチェスキークルムロフ(チェコ)が有名観光地なので、この2か所をターゲットとした
  6. せっかくスイス発の航空券を使うのであれば、スイスを通過するのではなく、スイスにもある程度力点を置くこととした
  7. スイスに力点を置く以上、主要3言語(ドイツ語、フランス語、イタリア語)を使用している都市を1か所ずつ選定し、スイスの3言語圏すべてで宿泊体験を実施することとした

図3. 3つのルート案(OpenStreetMapより引用後加工)

条件4を前提とし、オーストリア東部(条件5で規定)とスイス(条件7で規定)の組み合わせとし、ロスタイムが少なさそうな経路を組み立てることとしたのです。

従来は目的地から航空券を探す性質がありましたが、今回は航空券から大まかな目的地を選定し、さらに企画力を発揮し、最終的な目的地を選定することとしたのです。

そして、「移動は旅行の花形」という大原則を踏まえ、花形たる手段を選び、移動方法を組み立てました。また、旅程設計時には「一点豪華主義は全体の悪魔」であるという原則も踏まえ、特定の場所に肩入れしないようにもしました。

さらに、旅のマトリックス図という概念を継続導入しています。

復習:旅のマトリックス図という原理にたどり着くまで

旅行先として行きたい場所は無限にあり、その場所でも見どころは多いです。例えば、日本の旅行先として、東京、北海道、沖縄など目的地が無限にあり、特定の場所、東京であっても、浅草寺、新宿副都心、原宿など見どころは多彩にあります。1回の旅行で行きたい目的地と見どころを全て回れるわけではありません。そして、同様の見どころばかりに行くことは飽きの問題もありましょう。すなわち、旅行とは究極的には目的地と見どころの取捨選択なわけです。

気に入った1つの場所をジックリ楽しむことは、別の街に行かない犠牲の上で楽しむ事になると言う事も、理解し始めました。(中略)どんなに印象的な場所でも(略)感じるためには、ある程度の滞在時間が必要です。一方、ある場所で長く滞在すれば、それだけ別へ行けなくなると言うジレンマが生じます。

外部サイトより引用

その真理は上記の引用に現れています。有限な時間のなかで目的地の数と1つの目的地の向かい合いはトレードオフです。一方で、鉄道好きなので移動がない旅程は旅行の意味がなく、旅行の価値は大いに下がります。

他方で、ヨーロッパの「見どころ」といわれる場所は多くが類似しています。教会、王宮、公園、展望台…。多くの都市で共通のものを見る必要はないのではないか?

そこで、旅行全体で、多くの見どころの種類を回るという考えに行きつきました。これが旅のマトリックス図です。2023年に実施した海外旅行2024年に実施した海外旅行でも同様の考えは導入されており、世間では新しい概念でありながら私にとっては常識となった考えです。

旅のマトリックス図の実行度と評価

このような考えで旅のマトリックス図をゆるく企画し、実際に行程に反映させました。では、実際のところはどうだったのでしょうか。

以下、簡単に種類ごとに総括します。

  • 宮殿、王宮:今回はベネチアで宮殿に行きました。これらは欧州ならではであり、必見です。公開場所が限定されているとはいえ、行けたことは幸運でした。
  • 城跡チェスキークルムロフ城に行きました。
  • 教会:欧州であればどこでも教会を満喫できます。そのような側面である意味軽視していましたが、ベネチアで教会に入れたことは幸運でした。
  • :ベネチアの海に触れました。このほか湖の湖畔に多数行きました。海水に触ることはかないませんでしたが、安全性や砂の汚れを勘案した結果です。夏といえば海です。
  • 高台、塔:チェスケー・ブジェヨビツェで行きました。このほか、ロカルノでも高台に登りました。
  • :ツェルマットで行きました。スイスといえば山です。
  • 美術館:古典美術よりも現代美術のほうが性に合っていましたが、今回は観光名所に力点を置き、断念しました。古典美術は宮殿で見られたということで…。
  • 旧市街:欧州といえば旧市街でしょう。こればかりにとらわれると「真の欧州」から外れるという側面がありますが、旧市街を訪問することは必須であり、街歩き好きの私らしいテーマでした。

(そのような意図があったのですが)全般としてバランスが取れた観光名所めぐりでした。ただし、チューリッヒで余った時間を街歩きに充当したことが真にベストな判断だったかどうかは解釈が分かれます。

別の側面として、高速列車(フレッチャロッサ)、中速列車、国際列車、夜行列車、特急相当列車、急行相当列車、地域列車と多くの種類の列車に乗れたことは幸運でした。また、食堂車や食事のシートサービスという、「食と列車」という楽しみを満たした点も大きいです。

旅費の確認

写真4. 当日に高額の金銭を支出した(ツェルマットで撮影)

今回の旅行に使った費用を確認します。

旅費の定義と集計結果

本記事では、日本の空港でセキュリティチェックを受けてから、日本の空港で検疫を受けるまでを旅費と定義します。

図4. 成田空港(出発時)における旅費の対象外/対象の定義(成田国際空港の公式サイト掲載のマップより引用後加工)

図5. 成田空港(到着時)における旅費の対象外/対象の定義(成田国際空港の公式サイト掲載のマップより引用後加工)

今回は成田空港を利用しました。なお、自宅は東京都区内にあり(最寄もJR駅)、往復双方JR線と京成電鉄(成田スカイアクセス線経由)の乗車券、京成電鉄のスカイライナー券を別途負担しています。しかし、海外旅行旅費の厳密さを重視し、これらの費用については除外しています。

まず、私の負担した項目別の金額一覧を示します(表1)。

表1. 私の負担した金額一覧

項目金額 [円]割合[%]割合累計[%]前年差額 [円]
移動(航空機)253,65044.544.5+76,820
移動(欧州内)114,85820.264.7+26,643
ホテル90,11515.880.5+12,841
食事58,28710.290.7+19,082
観光27,5394.895.5+10,104
物品10,0661.997.5+2,896
休憩5,9251.098.5
食料4,7600.899.4+1,094
都市税3,6140.6100.0-569
総合計569,813100.0100.0+148,365

※考察のため、前年の旅費との差額も計算した。いずれも前年を基準額とした。

各項目の定義は以下の通りです。


  • 移動:旅行中に移動に費やした費用のこと。夜行便で移動した場合は宿泊費も兼ねているが、簡単のため全額を「移動」に算入した。
  • ホテル:宿泊費用のこと。食事つきの場合、厳密には食費と宿泊に分割する必要があるが、簡単のため全額を「ホテル」に算入した。ここでは宿泊施設の種類は問わず、不動産のベッドや布団類で過ごすための費用を合計した。
  • 食事:宿泊施設類の食事付きプラン以外のレストランで消費した費用。今回の旅行では航空機で食事をしたが、航空機の標準的なサービスなので、移動に算入した。
  • 休憩:街歩きなどの合間に喫茶店等で休憩した際に生じた費用。
  • 観光:いわゆる入場料。この項目には不動産等への入場料を算入し、動産への入場料を算入していない。すなわち、観光列車の類は「移動」としており、本項目には算入していない。
  • 食料:小売店で購入した食料。飲み物と特に区別していない。
  • 物品:上記項目に外れる消耗品類の費用の合計。本旅行では海外旅行保険、レンタルWi-Fi、会社へのみやげが当てはまった。
  • 都市税:宿泊先で支払った税金。


図6. 旅費の内訳(金額表示)

図7. 旅費の内訳(割合表示)

8泊10日(機中泊1泊)で欧州の周遊旅行で、総合計金額569,813円でした(表1)。これには現地の食費も含まれており、旅行によって追加で発生した費用ではありません(※)。日常生活でも食費がかかるので、旅行によって追加で発生した費用はこれより少なくなります。これを考慮すると、旅行で追加で発生した費用は54万円程度と考えるのが妥当でしょう。

※旅行によって生じた費用を算出するには、平均的な休日の生活費を算出し、その差異を求める必要があります。厳密に検証していませんが、10日間の生活費で29,813円(光熱費も含めるが基本料金は含めない)はそれなりに妥当と考えました。

考察1. 世間平均との比較

では、この57万円という金額は世間一般と比べるとどうでしょうか。前回の旅行までは政府統計との比較で計算しました。しかし、政府統計に算入される旅行の形態は多彩に富んでおり、単純に比較するのは考察にそぐわないと考えました(さかのぼっての考察はしませんが)。そこで、同様の旅行プランの添乗員同行ツアーと比較します。

表2. 今回の日程と近い目的地の添乗員ツアーの価格

会社目的地期間価格
HISイタリア周遊4/28~5/7709,800
HISドイツ、スイス、フランス4/29~5/7679,800
JTBイタリア周遊5/15~5/24669,800
JTB中欧周遊4/14~4/21389,800
25年夏中欧/イタリア8/10~8/19569,813

※2025年11/16に旅行会社のサイトを検索した結果。いずれも燃油サーチャージ等は含まない(JTBの公式サイトを確認すると50000円程度と記載あり)

※2026年8月ぶんは検索できなかったため、同価格と想定されるGW前後を検索

旅行会社やプラン、出発日によって違いがありますが、最低でも44万円(GWに設定なし)、最高だと75万円です。これを確認するに、多くの人の休暇+2日程度の年次有給休暇取得を前提とした期間だと、周遊型の添乗員付きツアーだと70万円が最低価格と見積もることが可能です。

よって、今回の旅費は添乗員付き周遊旅行よりも15万円以上安く旅行できた計算です。なお、航空券+ホテルのセットの場合は基本的に周遊旅行が不可能なため(行けて日帰り旅行)、本記事では比較対象から省きました(GWにベネチアに行く場合は中東地区で乗りつぎ、かつ12時間乗りかえというプランでも55万円程度だったことは参考情報として提示いたします)。

考察2. 支出項目別にみて

添乗員付き周遊旅行より15万円以上安い旅費だった点を考慮しながら、項目別の費用について簡単に考えます。分析のセオリーである上位項目(金額ベースで95.5%)のみの考察とします。

移動(航空機)(253,650円)

全体の44.5%かかっており、最も支出金額が大きい項目でした。前回は乗りつぎによる長時間の航行時間が体にこたえたことから、直行便を選択しました。したがって、前回比+76,820円の支出となりました。ただし、揺れる機内の時間を1分間でも短縮することを優先したこと、欧州到着/日本到着ともにじゅうぶんな睡眠を取ることを優先し、価格差を許容したかたちです。このおかげで欧州到着翌日から活発に動けました。

また、航空券は半年以上前に手配し、燃油サーチャージがある程度下がったタイミングであり、それなりの価格で入手したと自負しています。

移動(欧州内)(114,858円)

次に支出の多い項目でした。機動性を重視し、多くの場面でレイルパスを活用しました(運賃が安く列車本数の少ないハルシュタット→チェスケー・ブジェヨビツェは個別予約)。後述のナイトジェット利用により前回比+26,643円となっています。

ナイトジェットに高い金額を費やしたものの、その割には睡眠はじゅうぶんに取れませんでした。2023年旅行時の補償金の100ユーロぶんである程度旅費が低減したものの(同補償金をナイトジェットの寝台に充当)、それを差し引いても移動代が高くつきました。

ナイトジェットでの移動を昼行列車に置き換えた場合、(宿泊費がプラスとなっても)15,000円程度の費用低減となったでしょう。また、ミラノからルガノまでREで移動してもロカルノへの到着時刻は変わりませんでした。これによって、(イタリア国鉄の座席予約を利用しないので)3000円程度の軽減も可能だったでしょう。

ホテル代(90,115円)

8泊としてはだいぶリーズナブルでした。また、宿泊施設の立地も慎重に吟味した結果、周囲の騒音に悩まされることもありませんでした。この点は満足です。さらに、チェコのホテルはキッチン/部屋内ランドリー付きであり、朝食代を節約しつつ、満足度の高い宿泊体験となりました。この点は旅費節約と食事満足度向上の両立に貢献しました。

次回からも適宜キッチン付きのホテルを選択しようと思いました。

2023年の旅行からgoogleマップでホテルを探し、最も安い予約サイトで予約しています。予約サイトの不備にともなうトラブルがないことは光栄でした。

食事(58,287円)

58,287円と前回比+19,082円という結果でした。この理由は明らかです。欧州到着後すぐに宿泊したこと、2泊目の目的地で昼寝の時間を取った結果、ベストコンディションで旅行を続行できた結果です。元気がなければ部屋食にしようとしますが、元気だったので外食の機会を多くとりました。

旅行のメインとなるのは食事ですから、ここはある程度の出費は仕方ありませんし、逆に出費するべき項目とも表現できます。

全般として

各項目の節約可能費用を算出しましたが、合計で18,000円程度の節約が可能と判明しました。とはいえ、節約に目が行き過ぎても窮屈になりますから、考え得る最も安い旅費よりも18,000円程度高いだけで済んだのは上出来と思います。また、食事は適宜スーパーで購入し、この点は健康と費用低減の両立に貢献できた形でした(これには上記のキッチン付きホテルも貢献しています)。

(私の考える)贅の限りを尽くした旅行で50万円台でおさまったのは上出来でしょう。

考察3. 支出国別にみて

添乗員付き周遊旅行より15万円以上安い旅費だった点を考慮しながら、国別の支出について考察します。以下の手順で計算しました(表3)。

  1. 支出の発生日でそれぞれの費用を項目ごとに計算(8/10にホテルで○○円発生など)。
  2. 複数日にわたる支出の場合は、複数日で費用を按分(レイルパス5日ぶんであれば、1日当たりの費用は全体の2割ずつを各日に加算)。
  3. 按分後の費用を各日の費用として算出。各日の滞在場所に応じ、各国の滞在費用を計算
  4. 3だと移動も含まれているため、3から移動費を除いたものを真の滞在費用として算出

表3. 各日の真の滞在費用と主要な滞在国のまとめ

日付真の滞在費用主要な滞在国
8/10日本からの到着のため除外
8/1128,654円オーストリア
8/1212,594円チェコ
8/138,876円チェコ(※)
8/1444,139円イタリア
8/1527,477円スイス
8/1637,818円スイス
8/1721,094円スイス
8/18日本への帰国のため対象外

※8/13は午後からオーストリアに移動。宿泊はオーストリアからイタリアに移動のナイトジェットのため、チェコの宿泊費に算入せず。

これを国別にまとめると以下の通りです(表4)。

表4. 国別の真の滞在費用のまとめ

滞在国真の滞在費用対象日
オーストリア28,564円/日8/11
チェコ10,735円/日8/12~8/13
イタリア44,139円/日8/14
スイス28,796円/日8/15~8/17

チェコの安さが際立っていますが、宿泊費を1泊ぶんカウントしていないので、実際には実勢価格はもう少し高くなるでしょう。

それでも、滞在費用はチェコ < オーストリア ≂ スイス < イタリアでした。スイスの物価が高いにも関わらず、滞在費用がイタリアと同等であることには驚きました。これは、イタリアではベネチアを目的地として、移動や施設入場料がかかった点を指摘できます。逆にスイスでは比較的安いホテルも選んだことやツェルマット以外では観光にお金をかけなかったためです。

ともかく、計算結果をそのまま受け取るとイタリアは旅行のコストパフォーマンスが悪い地域と評価することができます。また、(移動費用は今回の計算外ですが)イタリアではユーレイルパスグローバルパスだけでは特急系列車に乗車できない(座席指定に別途料金が必要)点も指摘できます。逆にベネチアで街歩きだけであればもう少し安価に旅行できるかもしれません。

各国の印象

写真5. ミラノ中央駅は印象に残る

今回は2023年の旅行ぶりの訪問のスイス、オーストリア(宿泊は2018年以降)、2018年の旅行ぶりの訪問のチェコ、そして新規訪問のイタリアというラインナップでした。スイス、オーストリア、チェコいずれも小都市や田舎に力点を置き、同じ国でも以前に訪問した場所と変化を持たせています。

オーストリア

今回はウィーンとハルシュタットに宿泊しました(自分でも驚きましたが、ウィーン以外のオーストリアで宿泊するのは初体験でした)。いずれもオーストリアを代表する観光地です。そのためか優雅な雰囲気を感じました。道中は鉄道を利用しましたが、山あいの風景も美しく、かつ利便性も高く、いつもの安定感を出していました。

鉄道の定時性も高く、利便性・魅力・信頼性を兼ね備えた素晴らしい旅行先と再認識できました。こんどはウィーンやハルシュタットよりもマイナーな場所にも泊まってみたいとも感じました。

チェコ

2018年にプラハを訪問して以来の訪問でした。今回は全体の旅程を優先し、あえて南の地方都市に宿泊しました。

2018年にチェコ→オーストリアの順に訪問したときは、オーストリアに入ったとたんに安心感と優雅さを感じたことを今でも覚えています。今回はその逆の訪問とあり、チェコは人々の大胆さが印象に残りました。特に、自動車が歩行者に道を譲らないことや、街中でたばこを吸う人が多いことに驚きました。

ただし、地方都市とあってかそこまでの柄の悪さは感じず、のんびりとした雰囲気も感じ取りました。そして、列車の食堂サービスの高さもあり、再訪したいと感じました。

イタリア

今回の1つのハイライトは、「イタリアテスト」でした。テストの結果が思わしくない可能性を考慮し、ベネチア1か所の訪問としました(後述のスイスでイタリア語地区を訪問し、「イタリアテイスト」を補う計画としました)。

料理はおいしく、観光地は待たされ、独特の風景に魅了される、とても評価が難しい場所でした。ただし、鉄道の利便性は(フランスほどではありませんが)やや悪く、その点で減点をせざるを得ない場面もありました。

2024年に挑戦したベルギーのように「安定感のあるレギュラー国」とまではなりませんでした。私の場合、近代的な香りが漂うミラノが性に合うのかもしれません。

スイス

今回はイタリア語圏、フランス語圏、そしてドイツ語圏いずれにも宿泊するという、ある意味「企画」を企てた旅程で挑みました。

そのなかで(登山らしいことはやっていませんが)山との触れ合いという新しい領域にチャレンジしました。従来のスイス旅行では湖畔の魅力には気づいていましたが、山というスイスの本領には本格的に踏み切っていませんでした。今回は天候に恵まれたこともあり、スイスの本領に踏み入れた格好です。このチャレンジは大成功でした。

鉄道の利便性や風景も良好であり、誰にとっても良い思い出になる旅行先と思います。

ただし、イタリア国境近くというのに、料理の質が落ちたことには驚きました…。まあ、これもスイスらしさなのでしょう。

旅程の反省点

写真6. 暑い中での街歩きは意外としんどい(チェスケー・ブジェヨビツェで撮影)

今回の旅程の反省点は以下の通りです。

  1. 夜行列車の遅れで充分に睡眠を取れず、翌日の観光にベストコンディションで臨めなかった
  2. 例年より暑い年だったが、それを考慮せずに暑い時間帯に暑い場所を巡り、ベストコンディションでなかった

これらが次回への反省点です。それぞれを簡単に記します。

夜行列車選択の難しさ

今回は時間を有効活用すべく、ウィーンからベネチアまで夜行列車に乗りました。ウィーンを21:30ごろに出発し、ベネチアに8:30ごろに到着するので、理論上は時間を有効活用できます。しかし、実際にはウィーン中央駅で100分余計に待たされました(今思えば1等用ラウンジで休息すれば良かったのか?)。これは睡眠時間が限られます。また、走行中ということもあり、睡眠の質は宿泊施設より劣ります。

したがって、翌日の観光はベストコンディションで挑めませんでした(そして観光施設の入場待ちで待っている最中に街中で座るとわけのわからない当局側の人にとがめられて印象も悪化しました)。これは限られた時間と金銭を割いて旅行するうえでは大きな損失です。したがって、夜行列車利用については一定の制限が必要かもしれません。

では、今回の目的地を崩さない場合、どのように回るのが得策だったのでしょうか。下記のように目的地を入れ替えるのが自然でしょう。

  • (現実)ウィーン(泊)→ハルシュタット(泊)→チェスケーブジェヨビツェ(泊)→ウィーン→(夜行)→ベネチア(泊)
  • (変更案)ウィーン(泊)→チェスケーブジェヨビツェ(泊)→ハルシュタット(泊)→ベネチア(2泊)

この場合、ハルシュタットからベネチアまで1日で移動できるかが焦点です。手元にある時刻表で想定してみます。

表5. ハルシュタットからベネチアまでの移動方法1

列車
Rハルシュタット
11:25
シュタイナッハ-イルドニング
12:15
IC515シュタイナッハ-イルドニング
12:22
レオーベン
13:28
RJ536レオーベン
13:33
ブルック・アン・デン・ムーア
13:43
RJ133ブルック・アン・デン・ムーア
14:15
ベネチア
20:04

表6. ハルシュタットからベネチアまでの移動方法2

列車
Rハルシュタット
11:56
シュタイナッハ-イルドニング
12:51
EC216シュタイナッハ-イルドニング
13:38
ビショフスホーフェン
14:48
RJ536ビショフスホーフェン
14:54
フィラハ
16:44
RJ133フィラハ
16:49
ベネチア
20:04

移動方法2であれば、EC216便の2時間前の便を使うことにより(フィラハまで2時間前倒しで遅延による影響を出ないようにする)、スイス国鉄のパノラマ車に乗ることも可能でした。

こうすれば、ナイトジェット料金を節約し(かつ宿泊費が1泊ぶん増える)、じゅうぶんの睡眠時間を確保できました。こうするとスロベニア国鉄車の食堂車に乗れなくなりましたが、かわりにレイルジェットの食堂車を堪能できます。ベネチアでは到着後すぐに睡眠となり観光時間は確保できませんが、観光にまる1日使えた計算です。

そのような意味で夜行列車利用にとらわれた側面がありました。

気候予知の難しさ

気候予知は難しいです。欧州旅行に最適な季節は夏と見込んでいました。

しかし、今回は日中の気温が上がり、じゅうぶんに楽しめなかった側面があります(おかげで標高の高いツェルマット付近は快適でしたが)。これは予約が制限される夜行列車などの予約にとらわれ、気温を踏まえた旅程設計ができなかったためです。3か月程度前にはある程度のトレンドがわかるでしょう。その予報を踏まえ、もう少し冷涼な地域に力点を置くことも可能でした(ウィーンから欧州入り、チューリッヒから帰国であれば中欧地区、ベネルクス、フランス、イタリア北半分は視野に入ります)。

この点は前年の経験から「何とかなる」と安易に計算してしまったのが反省点です。また、目的地をずれせずともレイルパスの柔軟性を活用し、午後の時間帯に移動を固めるという手法も可能でした(そういう意味で全席指定制のイタリアや氷河急行との相性は悪いです)。このような柔軟な発想ができなかった点は反省です。

とはいえ、朝晩は日本より涼しく、夏に欧州に向かうという基本軸には問題なかったと判断しています。

旅行全体を通しての価値観判断

写真7. 有名観光地であっても少し視点を外すと快適な体験となる(ツェルマット地区で撮影)

旅程全体を通じ、下記の感想を抱きました。

  • 多くの人に人気の観光地はそれだけ風景などが素晴らしく、(適度な人ごみであれば)活気も感じられて良い
  • ただし、人が多すぎて待ち時間が多いとストレスになる
  • 旅程にある程度自由度がないと窮屈になる

月並みな感想ですが、人気の観光地はそれだけ魅力があることを再認識しました。しかし、人気観光地の場合は混雑し、場合によっては入場制限や待ち時間発生というデメリットが認められました。そのストレスは無視できず、待ち時間のストレスとその場所の魅力度に応じ、その場所の総合評価が決定されるという自らのシステムを理解しました。

そして、スイスでは(レイルパスと自由席主体ということから)列車は自由に乗れ、その場の状況に応じて目的地も自由に選択できる環境が整備されていました。これはスイスの魅力を引き上げると感じました。前年のベルギーの評価が高かった理由も(広くは)そこに起因します。

他方、日中を中心に暑い日が続き、そのような意味では身体的ストレスが大きく、100%堪能できたとは言えません。これは、氷河急行やナイトジェットという制約の大きい列車を軸に旅程を組んでいたこともあり、気象状況に応じて2か月程度前に旅程を修正することがかないませんでした。例えば、8/14の最高気温はベネチア(イタリア)が34℃(30℃以上は10時~22時)、ハンブルクが34℃(30℃以上は12時~19時)と、ハンブルクのほうがやや涼しかったです。同じヨーロッパといえどそのような工夫は可能でした。ここまでの「読み」は難しいですが、このような工夫が足りなかったということです。

別の側面ですが、欧州1日目は空港到着後にホテルに直行、2日目も午後は休息に充てるという睡眠不足解消は旅行の後半に向けて大いに威力を発揮しました。

このように、多くの側面において旅行のストレスを軽減することが旅程全体の満足度を大きく高めることが重要と認識しました。

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